
看護師が働く場所は医療施設だけではありません。一般企業や保育園などいくつか選択肢がありますが、そのなかのひとつが介護施設です。
この記事では、介護施設で働きたいと考えている看護師の方に向けて、
- 医療施設で働く場合と比べて仕事内容に違いはあるのか?
- 給与面の違いがあるのか?
などについて詳しく解説していきます。
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介護施設にはどんな種類がある?
介護施設と一口に言っても、運営主体や入居条件、入居の目的などによっていくつかの種類に分類できます。まず、国や地方公共団体、社会福祉法人などによって運営されている公的施設なのか、訪問介護事業や通所介護事業を行っている民間企業が運営している民間型施設なのかという大きな違いがあります。
また、介護施設の入居者には、要介護状態の人と自立状態の人がいるため、大まかにわけると以下の4タイプにわけられるということになります。
- 要介護状態の人を対象とした公共型施設
- 要介護状態の人を対象とした民間型施設
- 自立状態の人を対象とした公共型施設
- 自立状態の人を対象とした民間型施設
それぞれ具体的には、次のような施設が該当します。
【要介護状態の人を対象とした公共型施設】
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護医療院
【要介護状態の人を対象とした民間型施設】
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- 認知症グループホーム
【自立状態の人を対象とした公共型施設】
- 軽費老人ホーム
- ケアハウス
【自立状態の人を対象とした民間型施設】
- サービス付き高齢者住宅(サ高住)
- 健康型有料老人ホーム
- 高齢者専用賃貸住宅(高専賃)
- 高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)
- シニア向け分譲マンション
このうち、看護師の常駐が義務付けられているか、もしくは看護師が配置されるケースが多いのは前半の「要介護状態の人を対象とした公共型施設」と「要介護状態の人を対象とした民間型施設」です。
それぞれ具体的にどのような施設であるのかみていきましょう。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームは、要介護度3以上の高齢者を対象とする介護施設です。
身体介護・日常的な生活サポート・リハビリなどの介護サービスを受けられるものの安価であるため、入居待ちの人が非常に多いですが、緊急度の高い人が優先されるため、入居までに数か月~数年かかるケースもあります。
入居者3人に対して、介護職員または看護師を1人以上配置することが義務付けられています。
参照: 厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、入居者の在宅復帰と在宅療養支援を行うための施設です。介護保険法第8条第28項では以下のように定められています。
要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対して、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設
参照: 厚生労働省「介護老人保健施設」
看護師または介護職員の配置基準は、入居者3人に対して1人以上で、そのうち看護師は2/7程度必要とされています。
介護医療院
「要介護状態の人を対象とした公共型施設」は、もともとは
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設
の3種類でしたが、2024年3月末をもって「介護療養型医療施設」が全面廃止となり、代わりに「介護医療院」が新設されました。
廃止された「介護療養型医療施設」は、医学的管理が必要な要介護1以上の方を対象とした介護医療施設で、100床あたりの看護職員の配置基準は17名以上とされていました。
「介護医療院」に関しては、要介護1以上を利用対象とする点は「介護療養型医療施設」と同じものの、看護職員は入居者6人につき1人とされています。
また介護医療院は、重篤な身体疾患を有する者および身体合併症を有する認知症高齢者などを主な利用者とする「I型」と、I型利用者と比べて比較的容態が安定している人が利用する「II型」に分類されています。
いずれの場合も利用者の入居目的は医療+介護で、診療や医療的ケアのほか、看取りやターミナルケアを行うこともあります。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、介護などのサービスが付いた高齢者向けの居住施設のことです。
介護などが必要となっても、ホームが提供する介護サービスである「特定施設入居者生活介護」を利用しながら、ホームでの生活を継続できます。
介護付き有料老人ホームは、介護専用型と混合型の2つにわけられます。前者は要介護1~5の要介護者のみ入居可能で、後者は自立・要支援と要介護の人を対象としています。
護師または介護職員の配置基準は、要支援者の場合、10人に対して1人、要介護者の場合、3人に対して1人とされています。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、生活支援などのサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合、入居者自身の選択によって、地域の訪問介護などの介護サービスを利用しながら、ホームでの生活を継続できます。つまり、ホーム自体で介護サービスを提供することがないということになります。
そのため、看護師の配置は義務付けられてはいませんが、主に入居者の健康管理などを目的に、看護師や准看護師を配置している施設もあります。
認知症グループホーム
認知症グループホームとは、急性を除く認知症の高齢者に対して能力に応じて、自立した日常生活を営めるようにすることを目的とした施設です。
共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流のもと、入浴・排泄・食事をはじめとする介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行います。
施設が所在する自治体に住民票を有しており、要支援2以上で原則65歳以上の認知症高齢者を対象としています。
1事業所あたり1ユニットまたは2ユニットの運営となり、1ユニットの定員は5人以上9人以下とされています。認知症グループホームでも、看護師の配置は義務付けられてはいませんが、事業所によっては看護師を配置しています。
参照: 厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」
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介護施設に看護師が必要な理由は?
介護施設の入居者は、病院や診療所に入院している患者とは異なり、ケガや病気の治療を目的として施設に入居しているわけではありません。介護施設は、基本的には日常生活を送る場所なので、看護師の役割は「入居者の健康を管理すること」となります。
もちろん、体調が急変したり、急な病気を発症したりと、医療処置が必要な状況になることもあります。
施設内に医師が常駐していなければ、看護師が医療処置を行うこともありますし、入居者の状態に応じて医師や救急隊員に引き継ぐ必要もあります。
そのため、「入居者の健康を管理できる」「万が一の場合に適切に対応できる」の両方の条件を兼ね備えている看護師が果たす役割が大きいのです。
しかも、介護施設で働く看護師は、医療機関に従事している看護師と比べて、判断力と行動力に長けていることが望ましいといえます。
介護施設で働く看護師の仕事内容
介護施設で働く看護師には、前述の通り、非医療行為である入居者の健康管理と、体調急変時の処置などを含めた医療行為の両方が求められます。
それぞれについてさらに詳しく解説していきます。
入居者の健康管理を主とする「非医療行為」
介護施設の入居者の多くは、日常生活のサポートが必要です。たとえば、自分一人で爪切りや歯磨きをするのが難しい場合、看護師がサポートすることになります。
また、健康状態に問題がないかどうか体温を測定したり、慢性疾患がある入居者に対して、ガーゼの交換や軟膏の塗布などを行ったりすることもあります。
体調急変時の処置などを含めた「医療行為」
先に解説した通り、体調急変時などに医療処置が必要になることがあるのはもちろん、日常的に医学的管理を必要としている入居者も多いです。たとえば、毎日決まった時間に薬を服用する必要がある入居者や、点滴を必要としている入居者もいます。
また、医師からの指導があれば、痰の吸引や採血などの医療行為を行うこともあるので、入居者に安心してサービスを受けてもらえるよう、医療行為の腕を磨くことも大切です。
介護施設で働く看護師の1日のスケジュール例
介護施設で働く看護師は、「日勤のみ」で働いているケースが多いものの、介護老人保健施設(老健)や一部の有料老人ホームでは、夜勤を求められることもあります。
また、特別養護老人ホームや有料老人ホームは、オンコールに対応しなければならないこともあるので、もしも「日勤のみで働きたい」「オンコール対応は難しい」と考えているなら、勤務条件を細かくチェックして就職先・転職先を選ぶことが大切です。
なお、有料老人ホームでの日勤帯での勤務は、ざっくりと次のような流れで1日の仕事をこなすことになります。
●9時:出勤
夜勤スタッフからの連絡事項などを確認して、入居者の状態を把握します。
●9時30分:巡回
入居者の居室を巡回して、バイタルチェックを行います。また、必要に応じて、ガーゼの貼り換えや軟膏の塗布、入浴してもOKかなどの判断も行っていきます。
●11時:配薬のセット
●12時:食事介助
食事のサポートが必要な入居者の介助を行います。嚥下機能を確認したり、マウスケアを手伝ったりすることが必要な場合もあります。
●13時:休憩
●14時:レクリエーション・定期処置・通院介助
午後の時間帯は、入居者ごとに過ごし方が異なります。レクリエーションに参加する入居者を手伝ったり、通院介助を行ったりします。
●16時:看護記録の入力・申し送り
看護記録の入力や申し送りを行います。日によっては、ミーティングが設けられることもあります。
●17時:食事介助
夕食時にも、食事のサポートが必要な入居者の介助を行います。
●18時:終業
介護施設で働く看護師の給与・平均額
続いては、介護施設で働く看護師の給与をみていきます。厚生労働省が公表している「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、令和6年9月時点での、介護に従事する看護職員の平均給与額は38万4,620円です。
なお、1年前の令和5年9月時点での、介護に従事する看護職員の平均給与額は37万5,260円であるため、前年と比べて9,360円アップしているということになります。
なお、この金額は、超過労働給与額や扶養手当、通勤手当などの手当および、同年4~9月支給金額の1/6に該当する「一時金」を含んだ金額です。
これらを含んでいない「平均基本給」に関しては、令和6年9月時点の金額が29万590円、令和5年9月時点の金額が28万3,450円となっています。
参照: 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
看護師が介護施設で働くメリット・デメリット
続いては、働き方や給与などを踏まえたうえで、看護師が介護施設で働くメリット・デメリットをみていきましょう。
看護師が介護施設で働くメリット
まず、メリットとしては次のようなことが挙げられます。
- 売り手市場のためよりよい条件の職場を見つけやすい
- 利用者とじっくり向き合える
- ワークライフバランスを取りやすい
- アセスメント能力を磨ける
それぞれ詳しくみていきましょう。
売り手市場のためよりよい条件の職場を見つけやすい
少子高齢化に伴い、介護施設で働く看護師のニーズは高まる一方です。介護施設の数も増えているため、より自分に合った職場を見つけやすいといえます。
ただし、「臨床経験3年以上」を応募条件としている施設がほとんどであるため、看護師としての経験が3年以下である場合は、応募できる施設が少なくなります。
そのため、まずは病棟で経験を積んで、看護師として必要なスキルや知識をしっかりと身に着けることが大事です。
利用者とじっくり向き合える
外来の患者に対応するクリニックや、患者が短期間で退院する病院では、一人ひとりの患者に長く関わることはありません。
一方、介護施設では、毎日同じ利用者と向き合うことになる場合が多いため、利用者の生活をしっかりサポートしようという気持ちが強くなるでしょう。
ワークライフバランスを取りやすい
夜勤やオンコールがない職場を選べば、ワークライフバランスをとりやすいといえます。また、医療施設のように急患に対応するケースなどもほとんどないため、プライベートを大切にした働き方を実現できます。
アセスメント能力を磨ける
介護施設で働くうえでは、要支援・要介護の利用者に適切なケアを提供することが不可欠であるため、自ずとアセスメント能力が鍛えられます。
看護師が介護施設で働くデメリット
デメリットとしては次のようなことが考えられます。
- 臨床の現場に戻りにくくなる可能性がある
- 給与の額が下がる場合がある
- 医師が常駐していない場合、不安が大きくなる
- 他職種連携にストレスを感じる場合がある
それぞれ詳しくみていきましょう。
臨床の現場に戻りにくくなる可能性がある
医療的ケアがほとんど必要ない、日常生活のサポートが中心の介護施設で働き続けた場合、病院勤務に戻るのは難しくなる可能性があります。
看護師本人が、医療的ケアを行うことに不安を覚えるのはもちろん、働き手を募集している企業側からしても、長く臨床の場を離れている看護師を採用することには積極的になれない可能性があります。
給与の額が下がる場合がある
夜勤やオンコールを必要としない職場を選んだ場合、病院勤務と比べると給与額が低くなる傾向にあります。ただし、大手企業が運営する有料老人ホームなどは、基本給が高めに設定されている場合があります。
医学的ケアのスキルを発揮できるシーンが少ない
介護施設での看護師の仕事は、前述の通り、非医療行為と医療行為にわけられますが、勤務先によっては医療行為の割合が低くなるため、医学的ケアのスキルを発揮しにくいといえます。
医師が常駐していない場合、不安が大きくなる
医師が常駐していない施設などでは、入居者の体調が急変した場合など、自分の判断で応急処置しなければならないことに不安を覚えるかもしれません。
他職種連携にストレスを感じる場合がある
介護施設では、介護職スタッフやリハビリスタッフと連携しながら仕事を進めることが大切ですが、患者のケアの方法などに関して考え方が異なる場合もあるため、うまくやっていけずにストレスを抱えてしまうこともあるかもしれません。
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介護施設に向いている看護師の特徴とは
介護施設で働くのに向いている看護師の特徴としては、次のようなことが挙げられます。
- 介護・看護を通して一人ひとりとじっくり向き合いたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 夜勤やオンコール対応をせずに働きたい
- 看取りやターミナルケアへの関心が高い
- 高齢者とのコミュニケーションが好きまたは得意
- 子育てがひと段落して、看護師として復職したいと考えている
上記の特徴のうち前半に関しては、メリット・デメリットなどでも解説した通りですが、そのほかに、看取りやターミナルケアへの関心が高い人や、高齢者とのコミュニケーションが好きな人にとっても、介護施設はうってつけの職場であると考えられます。
また、子育てがひと段落して、看護師としてのキャリアを再開したい気持ちがあるものの、育休前と同じように不規則な勤務に対応するのはしんどいという人にも、日勤のみで働ける介護施設は向いているといえるでしょう。
ただし、入居者の日常生活をサポートするうえでは、身体を支える必要があるシーンも多いため、体力や筋力は鍛えておくことがおすすめです。
介護施設で働きたい看護師におすすめの資格は?
続いては、介護施設で働きたい看護師におすすめの資格をみていきましょう。看護師が介護施設で働くうえで必要な資格は、基本的には看護師免許のみ。
ですが、保有していると採用に有利に働く資格もあれば、持っていると手当てがつく資格もあります。具体的にどんな資格が役立つかを解説していきます。
社会福祉士
社会福祉士は、身体や精神・環境上の理由で、日常生活にサポートが必要な人からの福祉に関する相談に応じて、アドバイスや援助を行います。
社会福祉士の資格は国家資格であることから、取得することで、患者の家族からの信頼度もアップすることが期待できます。
参照: 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」
介護福祉士
介護福祉士は、身体や精神に障害があることから、日常生活のサポートを必要とする人に、適切な介護や日常生活での自立を見据えたサポートを提供する専門職です。
社会福祉士同様、国家資格であるため、資格取得のハードルは低くはありません。
参照: 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
精神保健福祉士
精神保健福祉士とは、精神的な障害を持つ人からの社会復帰に関する相談に応じて、公的支援やその他の手続きを案内したり、日常生活に適応するためのサポートを行ったりする専門職です。
精神保健福祉士の資格があれば、認知症の高齢者のケアや業務相談に携われるため、特別養護老人ホームなどで活かせます。
認知ケア専門士
同じく、認知症の入居者のサポートに役立てられるのが、認知症ケアに対する専門知識と技能、倫理観を養える「認知ケア専門士」の資格です。
民間資格ですが、「認知症ケア上級専門士」と「認知症ケア専門士」のうち上級専門士の資格を取得すれば、施設のリーダー職や地域のアドバイザーとしても活躍できます。
認知症介助士
認知症について正しく理解して、認知症の人に適切に寄り添って介助する「認知症介助士」の資格は、比較的短期間で取得できることから人気が高まっています。
参照: 認知症介助士
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターとは、医療・福祉・建築の幅広い知識を活かして、高齢者や障害者が住みやすい環境を提案するアドバイザーです。
福祉住環境コーディネーターの資格は1級から3級までにわかれていますが、実務に活かすなら2級以上を取得することが望ましいとされています。
2級に合格するためには、介護・医療・福祉・建築、福祉用具に関する専門知識を、実務に適用できるレベルで理解して身につけていることが必要です。
参照: 東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験」
シニアピアカウンセラー
シニアピアカウンセラーは、高齢者へのカウンセリング能力とコミュニケーション能力を備えていることを証明する資格です。資格取得のために勉強する段階から、介護施設で働くうえで大切な能力に磨きがかかっていきます。
参照: 一般財団法人日本能力開発推進協会「JADP認定シニアピアカウンセラー」
特定看護師
21区分38行為の特定行為の研修を受けた「特定看護師」は、医師がそばにいないときに、21区分38行為を自分の判断で行えるため、入居者の状態悪化を防げる場合が多いと考えられます。
なお、38行為は次の通りです。
参照: 厚生労働省「特定行為とは」
- 経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整
- 侵襲的陽圧換気の設定の変更
- 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
- 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
- 人工呼吸器からの離脱
- 気管カニューレの交換
- 一時的ペースメーカの操作および管理
- 一時的ペースメーカリードの抜去
- 経皮的心肺補助装置の操作および管理
- 大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
- 心のうドレーンの抜去
- 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定およびその変更
- 胸腔ドレーンの抜去
- 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む)
- 胃ろうカテーテルもしくは腸ろうカテーテルまたは胃ろうボタンの交換
- 膀胱ろうカテーテルの交換
- 中心静脈カテーテルの抜去
- 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
- 褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
- 創傷に対する陰圧閉鎖療法
- 創部ドレーンの抜去
- 直接動脈穿刺法による採血
- 橈骨動脈ラインの確保
- 急性血液浄化療法における血液透析器または血液透析濾過器の操作および管理
- 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
- 脱水症状に対する輸液による補正
- 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
- インスリンの投与量の調整
- 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与および投与量の調整
- 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
- 持続点滴中のナトリウム、カリウムまたはクロールの投与量の調整
- 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
- 持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整
- 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
- 抗けいれん剤の臨時の投与
- 抗精神病薬の臨時の投与
- 抗不安薬の臨時の投与
- 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射および投与量の調整
リンパ浮腫療法士
リンパ浮腫療法士の資格を取得すると、特にガン末期の方に多くみられる症状であるリンパ浮腫の症状緩和をサポートできるようになるため、介護施設において、ターミナルケアに携わることがある場合などは特に役立つ資格といえるでしょう。
回復期リハビリテーション看護師
回復期リハビリテーション看護師とは、回復期リハビリテーション領域において、患者やその家族に対して、質の高い看護を提供できる看護師に与えられる資格です。
そのため、入居者の在宅復帰と在宅療養支援を行う介護保険老人施設で働く場合などには特に役に立つでしょう。
参照: 一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会「協会認定コース」
慢性腎臓病療養指導看護師(CKDLN)
慢性腎臓病療養指導看護師(CKDLN:Chronic Kidney Disease Leading Nurse)とは、慢性腎臓病を患っている患者とその家族に対して、専門的知識と技術を用いて、療養生活を支援できる看護師に付与される資格です。
有料老人ホームなどの入居者のなかには、慢性腎臓病を患っていて、透析を必要としている人もいるため、この資格を有していると、入居者やその家族からの信頼度が上がりやすいといえます。
参照: 一般社団法人日本腎不全看護学会「慢性腎臓病療養指導看護師(CKDLN)」
介護施設での看護師の働き方をよく理解したうえで転職活動を進めよう
介護施設で働くことに興味を持っていたとしても、仕事内容や、介護施設で働くメリット・デメリットをきちんと理解していないまま転職活動を進めてしまうことはリスクが大きいといえます。
医療機関で働く看護師と介護施設で働く看護師は、役割に大きな違いがあるので、入職してから「思っていた仕事と違った」と後悔してしまう可能性もゼロであるとはいえません。
その可能性を潰すためにも、介護施設での働き方についてきちんと調べるだけでなく、可能であれば、入職を希望している介護施設を見学させてもらうことが望ましいといえます。
介護施設でも、基本的には看護師不足で働いてくれる人を募集していることが多いため、施設に興味を持っていることを伝えると、快く応じてくれる可能性が高いと考えられますよ。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2025年6月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
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