医療現場の「コードブルー」とは? ドラマから学ぶリアルな緊急事態対応のすべて

これまでにオンエアされた医療ドラマのなかで圧倒的に人気が高く、医療ドラマランキングではいまだに1位にランクインすることも多い 『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』。ファーストシーズンのオンエアは2008年なので、現役医療従事者のなかには、ドラマに影響を受けて医療職を目指すことに決めたという人もいるかもしれません。そこで今回は改めて、このドラマが医療現場や未来の医療従事者に与えた影響や、医療従事者が「コードブルー」について知っておくべきことなどを解説していきます。

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目次
  1. コードブルーとは?
    1. ブルー以外のカラーの意味は?
      1. コードホワイト
      2. コードオレンジ
      3. コードイエロー
      4. コードレッド
      5. コードピンク
      6. コードパープル
  2. コードブルー発令の流れは?
    1. 一次救命処置とは
    2. 二次救命処置とは
  3. コードブルー発令時への備えとは?
    1. 緊急時における各自の役割を決めておく
    2. 緊急時にスピーディに応援を呼べるよう体制を整えておく
    3. チーム医療の大切さを平時から意識する
  4. 『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が医療現場に与えた影響は?
    1. ドクターヘリの認知度が上がり導入が促進された
    2. 救急医療や災害医療への関心が高まった
    3. チーム医療の認知度が高まった
  5. 救急医療に必要な知識やスキルは医療従事者の誰もが身に着けておきたい

コードブルーとは?

コードブルーとは、「患者の容態が急変して心肺停止状態に陥っている」など、病院内で想定外の救命活動が必要となったときに、医師や看護師をはじめとする院内の職員を呼び出すための緊急コールのことです 。ただし、病院によっては、「スタットコール」など別の名称で呼ばれることもあります。

なお、詳しくは後述しますが、冒頭で触れた医療ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』では、登場人物たちはドクターヘリで現場に急行しますが、実際の「コードブルー」発令時には院内で救命処置に当たることになります。

また、医療用語の「コードブルー」は、コードとブルーの間に「・」を使いませんが、ドラマタイトルには「・」が使われています 。

話を戻して、なぜそうした緊急時に、「コードブルー」という言葉が使われるかというと、病院内の患者がパニックに陥らないよう、隠語を用いているのです。また、「コード」とはアメリカ・カンザス州の医療センターで生まれた、さまざまな緊急事態に対応するためのルールのようなもので、内容によって割り当てられている色が異なり、ブルーの色は、容態が急変した患者の顔色からとったとされていま す。

ブルー以外のカラーの意味は?

前述の通り、コードには、内容によって異なる色が割り当てられており、医療機関によって各色の意味が異なる場合もありますが、コートブルー以外に次のようなコードが採用されているケースがあります。

コードホワイト

病院内で暴力・暴言などの脅威が発生していることを表すコードです。患者やその家族が暴力を振るうなどしているケースのほかに、不審者が侵入して暴れているケースなどが考えられます。コードホワイトが発生すると、警備員などが駆け付けるか、もしくは体格のいい職員などが対応に当たることになります。

コードオレンジ

災害発生やテロを知らせるコードです。災害の規模などによっては傷病者の受け入れが必要になるため、職員は、指示に従って院内で受け入れ体制を確保します。搬送されてきた傷病者に対して、救命活動やトリアージをおこなうことになる場合もあります。

コードイエロー

水道や電気系統、コンピューターシステムなどの不具合によって、治療や救急対応ができなくなっている状況にあることを知らせるコードです。また、医療サービス提供に支障をきたす緊急事態が発生したことによって、診察待ちの外来患者があふれてしまっている状況などに発令されます。

コードレッド

火災や煙の発生を知らせるコードです。防火扉の閉じ込めなど、火災に関連する緊急事態で、緊急避難が必要な場合に発令されます。

コードピンク

院内で、新生児や乳児、子どもの誘拐事件が起きたことを知らせるコードです。子どもが行方不明になった場合や、児童虐待が発生している場合に発令されることもあります。

コードパープル

不審な郵送物が届いた際や、脅迫電話がかかってきた際などに発令されるコードです。なお、「爆弾を仕掛けた」などの脅迫電話がかかってきた場合には、逆探知までの時間を稼ぐために、情報を聞き出そうとする姿勢を示して会話を引き延ばすのが鉄則とされています。

コードブルー発令の流れは?

続いては、コードブルー発令の流れを確認していきましょう。コードブルー発令の必要性がある現場に出くわした場合、次の流れで対応します。

①コードブルーを発令します
②救急器具の手配を依頼します
③患者の気道を確保して、呼吸の有無・頸動脈の拍動を確認します
④呼吸・頸動脈の拍動がないか、または正常でない場合、胸骨圧迫や人工呼吸などの一次救命処置をおこないます
⑤救命器具が到着したら、コードブルーをきいて駆け付けた医師や看護師とともに二次救命処置をおこないます
⑥蘇生処置が終了したら、患者やその家族への対応や、インシデントレポートの記録・報告をおこないます

上記の通り、コードブルーが発令となる現場においては、救命器具が到着するまでの間に一次救命処置をおこない、器具が到着したら二次救命処置を実施することになります。そのため、患者の救命にあたる医師や救急救命士、看護師などは、一次救命処置・二次救命処置の両方のスキルを身に着けておく必要があります。

一次救命処置とは

一次救命処置(BLS:Basic Life Support)とは、心肺停止または呼吸停止の状態に陥っている人に対して、専門的な器具や薬品などを使わずにおこなう蘇生処置です。

参照:NPO法人日本ACLS協会「BLSプロバイダーコース」

二次救命処置とは

二次救命処置(ACLS:Advanced Cardiovascular Life Support)とは、点滴セット・挿管セット・除細動器・薬剤などの専門的な救命器具を用いておこなう蘇生処置です。なお、二次救命処置は、「救命の最後の砦」ともいわれており、蘇生に関わる医療従事者にとっては不可欠なスキルとされています。

参照:NPO法人日本ACLS協会「ACLSプロバイダーコース」

コードブルー発令時への備えとは?

コードブルー発令時に適切に対応するためには、どのように対応すればいいのかを事前に把握しておくことが不可欠です。具体的には次のような対策が必要です。

  • 緊急時における各自の役割を決めておく
  • 緊急時にスピーディに応援を呼べるよう体制を整えておく
  • チーム医療の大切さを平時から意識する
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    緊急時における各自の役割を決めておく

    まず、緊急時には誰が駆け付けるのか、誰が指示を出すのか、平時から決めておくことが不可欠です。また、実際に決めた通りに動くことができるかどうか、ロールプレイングを通して確認しておくことも大切です。

    なお、急変対応に必要な人員は、一般的に5名とされています。内訳としては、気道・呼吸の管理に1名、心肺蘇生に1名、静脈路確保・薬剤投与に1名、記録に1名、全体を管理するリーダーが1名となり、これより人数が多いと、かえって現場が混雑して二次被害が出ることも考えられます。

    ただし、テロや災害が発生した場合などは、負傷者が複数人になる可能性が高いことから、当然ながらこれ以上の人数が救急対応に当たる必要があります。そのため、想定されるさまざまなケースに合わせて、どのように動くかを決めておくことが大切だといえるでしょう。

    また、診療科が複数ある大学病院や総合病院などの場合には、医師に関してはできるだけ多く集まり、患者の症状を確認したうえで、専門の医師のみが残って救命処置をおこないます。ただし、研修医や新人医師はその場に残り、処置を見学することで見識を深めることもあります 。

    緊急時にスピーディに応援を呼べるよう体制を整えておく

    コードブルーの発令が必要な事態には、院内で働く誰もが出くわす可能性があります。つまり、救命処置の経験がない若手看護師が患者の急変に最初に気づくこともあるということです。そのため、異変を察知したときには、速やかに応援を呼べるよう、指導しておくことが大切です。

    チーム医療の大切さを平時から意識する

    医療は基本的にチームでおこなうものですが、医療機関の規模などによっては、チーム医療の大切さを頭では理解していても、他職種同士で密に連携を取りながら仕事する機会は少ないかもしれません。そうなると、緊急事態にお互いに協力し合って動くことができない可能性も無きにしも非ずです。日ごろから、チーム医療の大切さを頭で理解しておくだけではなく、お互いに協力し合ってよりよい医療を患者に提供することを目指したいものです。

    『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が医療現場に与えた影響は?

    前段として説明した通り、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』における「コードブルー」は、医療用語の「コードブルー」とは少々内容が異なります。緊急事態が発生していることには変わりありませんが、病院外で災害などに巻き込まれた患者の救助に当たるというストーリーであることは、十分理解しておくことが必要です。

    また、「ドクターヘリ」についても簡単に説明すると、ドクターヘリとは、医療機器を搭載して、患者を搬送しながら治療できる特殊な航空機です。病院と自治体、消防機関の緊密な連携によって運用されており、従来の救急車では対応が難しかったような処置でも現場でおこなえることから、患者の生存率が大きく向上することが期待できます。地上での移動だと到着までに数時間を要する地域にも数十分以内に到着できるため、早期に治療に取り掛かれることも、生存率向上につながっています 。

    話を戻して、このドラマが医療現場に与えた影響を確認していきますが、主に次のような影響があったと考えられます。

  • ドクターヘリの認知度が上がり導入が促進された
  • 救急医療や災害医療への関心が高まった
  • チーム医療の認知度が高まった
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    ドクターヘリの認知度が上がり導入が促進された

    ドクターヘリの有用性は、このドラマをきっかけに多くの人に知られることとなりました。

    ドクターヘリの運行が日本で始まったのは2001(平成13)年で、ドラマが放映開始となった2008(平成20)年 当時は全国に16機しか配備されていませんでしたが、ドラマ放映によって徐々に機体数が増え始め、2022(令和4)年時点では56機が導入されています。

    参照:厚生労働省「ドクターヘリの導入促進(統合補助金分)」

    救急医療や災害医療への関心が高まった

    病院外での医療活動にスポットが当たっているストーリーであったことから、災害医療やトリアージなどの概念も一般に浸透しました。また、そうした現場で働く医療従事者の実情を多くの人が知るきっかけとなりました。

    チーム医療の認知度が高まった

    医師、看護師、救命士、操縦士などの他職種が連携するドラマによって、医療がチームで成り立っていることが視聴者にも伝わっただけでなく、医療従事者たちにとっても、チーム医療の大切さを再確認するきっかけになったと考えられます。

    前述の通り、ドラマのなかでは本来の「コードブルー」が描かれているということはありませんが、コードブルーが発令される現場も、災害医療の場も、救命処置が必要であることには変わりありません。そのため、医療人としての心構えについては十分に学ぶことができますし、現役で活躍医療従事者にとっては、医療に従事するうえでのモチベーションアップのきっかけともなり得るかもしれません。

    救急医療に必要な知識やスキルは医療従事者の誰もが身に着けておきたい

    病院勤務でコードブルーに対応する可能性がある、もしくはドクターヘリ―の一員として仕事しているなどであれば、救急医療に必要な知識やスキルを身に着けているのは当然です。しかし、そうでない医療従事者、たとえばクリニック勤務の看護師などであっても、仕事中もしくはプライベートで救急医療が必要な場面に遭遇する可能性はあります。そうした場合に、医療従事者として適切に対応できるよう、勤務先に関わらず最低限の知識とスキルを身に着けておきたいところです。本記事で紹介したBLSプロバイダーやACLSプロバイダーの資格は、1日ないし2日で取得することが可能なので、まずはその2つのコース受講を検討してみるのもいいかもしれませんね。

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    対象規模

    無床クリニック向け 在宅向け

    オプション機能

    オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

    提供形態

    サービス クラウド SaaS 分離型

    診療科目

    内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、