レセプトチェックは、医療機関を経営している限り毎月実施する必要がありますが、手間と時間がかかるうえ、ミスがあれば返戻にも対応する必要が出てくるため、業務効率改善およびミス防止のために利用できるシステムやサービスを求めている医療機関は多いでしょう。そこで今回は、レセプトチェックの精度を上げて、経営改善を実現するためのソフトやサービスについて解説していきます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
レセプトチェックの精度を上げることはなぜ大切なのか?
レセプトチェックは、すべての医療機関において毎月必ず実施しなくてはならないものです。そのため、すべての医療機関はレセプトチェックに時間または費用、もしくはその両方をかけていますが、レセプトチェックの精度は、医療機関によって差があります。
なぜかというと、アナログな手法、つまり紙ベースでレセプトチェックを実施するとなると膨大な時間を有しますし、ミスや請求漏れが生じやすくなるためです。
経営改善におけるレセプトチェックの役割
医療機関の経営改善において、レセプト業務の適正化は「守り」と「攻め」の二つの側面を持ちます。
守りのレセプト: 不備による返戻や減点を防ぎ、再請求の手間や個別指導のリスクを排除することで、スタッフの業務負担と間接的なコスト(時間的ロス、人件費)を削減します。
攻めのレセプト: 算定漏れや取りこぼしがちな加算項目を専門的なチェックで発見・適正化することで、本来得られるはずだった診療報酬を確保し、医療機関の収益を直接的に向上させます。
時間的ロスの可能性
レセプト業務でミスをみつけることができなかった結果、レセプトが差し戻されると、再請求処理が必要になるため、時間的ロスが生じます。
経済的ロスの可能性
請求漏れによって、本来、取れる点数を取りこぼしてしまうと、そのぶん収益が低くなります。特に、診療報酬改定で見直された加算や、複雑な算定ルールの見落としは、毎月数万~数十万円単位の収益ダウンにつながる可能性があります。
信頼度低下の可能性
さらに、レセプト返戻が頻発している医療機関は、厚生局による個別指導の対象となる可能性があるため、指導を受ける時間を捻出する必要性が生じるうえ、医療機関としての信頼度が落ちてしまいます。
つまり、医療機関を経営するうえでの損失が大きくなるということです。
これらの損失を防ぐためにも、レセプトチェックの精度を上げることは非常に大切です。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
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レセプトチェックソフト・代行サービスを選ぶ際の重要チェックポイント
経営改善に直結させるためには、自院の課題と照らし合わせてサービスを選ぶ必要があります。以下の点を比較検討しましょう。
レセプトチェックの精度を上げる方法①:レセプトチェックソフト
レセプトチェックソフトの精度を上げるための方法としては、まず、レセプトチェックソフトの利用があげられます。レセプトチェックソフトとは、医療機関が発行するレセプトの内容に間違いがないかどうかを自動で点検してくれるツールのことです。
レセプトチェックソフトには、主に次のような機能が搭載されています。
| 機能 | 内容 |
| 病名チェック | レセプトに病名の記載がない場合にエラー表示で知らせる機能。記載漏れを防止できるだけでなく、診療行為に対応する病名であるか、過去の病名との重複はないかなども把握可能 |
| 薬剤の投与量・禁忌チェック | 薬剤の正しい投与量や禁忌薬剤・病名を確認する機能。薬剤や診療内容を入力すると、投与期間や処方量、算定回数などのエラーチェックが可能 |
| 算定漏れチェック | 算定漏れの可能性がある場合に、自動で算定候補を表示。最新の診療報酬改定に対応したルールに基づき、見落としがちな加算や手技の取りこぼしを発見。スタッフの知識不足による人為的ミスを防ぎ、収益の取りこぼしを防止する。 |
| 併算定・重複チェック | 同時算定ができない項目があった場合、エラー表示で知らせる機能。事前に把握することによって、再審査等請求などの手間が軽減される |
| 集計・分析機能 | 「増減点連絡所」や「返戻内訳書」を取り込んで集計・分析を実施 |
| 縦覧点検 | 当月分および過去数カ月のレセプトを照合して、診療回数や内容が適切であるかを確認する機能。たとえば、月に一度、患者1人につき一度、といった制限がある診療行為や検査などについて過剰請求の有無などをチェック可能 |
| その他 | 離席中や退勤後にチェック処理を進められる機能や、病院オリジナルの点検項目を追加できる機能を搭載したソフトも存在 |
点検結果をAIが学習していく「チェックアイDX」
ここからは、おすすめのレセプトチェックソフトを紹介していきます。
1つめは、「チェックアイDX」です。
直近のレセプトデータを取り込むと、ボタン1つでAIによる初期設定が完了。エラー項目をチェックするだけで運用を開始できます。さらに、AIが毎月のレセプトチェック結果をリアルタイムで学習してくれるため、目視点検に係る時間を大幅に削減可能。クラウド型なので、システム更新作業不要で、ブラウザにログインするだけで操作できます。
初期費用48,000円、月額使用料8,000円(有床診療所の場合)。
参照:ニチイ「クラウド型レセプトチェックソフト~チェックアイDX~」
レセプト点検業務を最大1/20にまで短縮「レセプトチェッカーLSクラウド」
併用禁忌や算定日、併算定といった約4,000もの点検ルールに加ええ、支払基金の公開ルールや電子点検表まで標準搭載。レセプト点検業務を最大1/20にまで短縮可能です。利用開始時に点検済のレセプトを読み込ませればAIが自動学習するため、初期設定がスムーズ。導入時およびトラブル発生時には、リモートでサポートを受けることができます。
初期費用72,000円、月額使用料14万4,000円(有床診療所の場合)
退勤後に自動でチェック・出力を完了「べてらん君collaboration Plus」
帰り際に「スマートチェック」を起動すれば、指定条件のチェックから出力までを自動で完了してくれるため、翌日以降の起動時に、効率的に業務を開始することができます。複数端末から同時にチェック処理をかけることもできるので、診療科や部門ごとに業務の分担が可能で、全体の時間短縮につながります。
利用料は要問合せ。
参照:ウィーメックス「べてらん君collaboration Plus」
導入施設の94%が月5,000点UP以上の効果あり「レセスタ」
導入施設の95%が月5,000点以上UPの実績がある(※ベンダーHPより)レセプトチェックソフトです。約20年の運用によって蓄積されたノウハウをもとに、専門スタッフが現場の疑問に応えてくれるため、安心して運用できます。導入前には、30日間の無料トライアルを利用できるため、まずは一度試してみるのがおすすめです。
簡単操作で高精度なレセプトチェックを実現「レセプト博士NEO」
レセプトデータを選択するだけの簡単操作で、誰でも高精度なレセプトチェックをおこなえるよう、UI/UXが設計されています。DPC対象急性期病院向け、一般病院・有床診療所向け、外来診療のレセプトチェック向け、歯科医院向けの4タイプを提供しているため、自院の特徴や規模に合ったタイプを選ぶことができます。
PC操作に不慣れでも使いやすい「AI レセチェッカー」
UKEファイルの取り込み、各種チェックの調整、エラー箇所の確認、印刷にいたるまでのすべての作業が、PCに不慣れな人でもスムーズにおこなえるよう設計されています。オプションの査定分析ツールを使えば、支払審査機関から届く査定データが自動分析されるため、請求漏れ防止や返戻査定抑制にも有効です。
利用料は要問合せ
レセプトチェックの精度を上げる方法②:レセプト代行サービス
レセプト代行サービスとは、レセプト業務の一部またはすべてを請け負うサービスのことです。
レセプト代行サービスには、次のような業務を依頼できます。
| 業務 | 内容 |
| レセプト作成 | レセプト業務のプロがレセコンの入力からおこないます。誤算定や減算、返戻リスクが軽減される |
| レセプト点検 | レセプトの内容に誤りがないかどうかを、専門家の視点から点検。誤入力が見つかった場合、その場で修正することでエラーやミスを防止 |
| レセプト提出 | 完成したレセプトを医療報酬支払審査機関に提出。プリントアウトした書類を郵送する方法と、電子レセプトのままデータ送信する方法のいずれか、または両方に対応。ただし、昨今は電子データ送信が多数派 |
| 返戻対応 | 返戻されたレセプトの訂正、再提出に対応 |
| 人材派遣/教育 | 現場の人間がレセプト業務を覚えられるよう、人材派遣や研修を請け負っている事業所も |
なお、レセプト代行サービスは、昨今は、訪問医療や在宅医療に特化しているものが中心です。一般外来とは異なり、スタッフが院内に常駐しているわけではないため、レセプト点検を含めた幅広い業務に対応可能なサービスのニーズが高いことから、在宅医療の業務を幅広くサポートするプランがさまざまに用意されています。
電子カルテ「CLIUS」「CLINICS」での実績あり「iisy」
ここからは、おすすめのレセプト代行サービスを紹介していきます。
まずは、ソラストの「iisy」から。
単体のレセプト点検プランのほか、レセプト点検からオンライン請求までワンストップで支援してもらうプラン、訪問診療までカバーするプランなどから、各医療機関の要望に沿った導入方法を選ぶことができます。在宅診療に精通したスタッフも在籍しているため、在宅診療に力を入れている医療機関にもおすすめです。電子カルテ「CLIUS」「CLINICS」などでの実績があります。
医療事務スタッフのレベルアップに役立つ「メディカルタクト レセプト請求代行」
実務経験豊富なスタッフがレセプト請求業務をサポートしてくれます。レセプト請求から医療事務スタッフ育成まで幅広く対応。ほとんどのプランにスタッフ研修が含まれているため、スタッフの質向上にも役立ちます。あお、医療事務スタッフのレベルアップのために、毎月のレセプトチェックの内容をスタッフ全員に共有してもらうなど、根底から、スタッフ育成について考えられています。
在宅医療・訪問診療のレセプト業務を遠隔代行「遠隔医療事務サービス~NichiiConnect~」
在宅医療・訪問診療のレセプト業務を遠隔代行することで、人材の採用・育成の負担解消に寄与してくれるサービスです。在宅医療の診療報酬業務に特化しているものの、一般外来診療をおこなっている医療機関もカバーしています。全国約7,000の医療機関との契約によって得た知見とノウハウを活かして立ち上げられた、在宅医療・訪問診療専門の医事集約センターから、レセプト業務を遠隔で代行しています。
参照:ニチイ「遠隔医療事務サービス~NichiiConnect~」
地域ごとの異なる基準にも対応「在宅医療事務アウトソーシング」
「在宅医療事務アウトソーシング」は、訪問診療をおこなう医療機関向けのサービスです。訪問診療にまつわる事務作業を代行することで、医師をはじめとする医療スタッフの業務負担を軽減してくれます。医療算定・介護算定のほか、書類作成、電話対応など幅広い業務を手掛けてもらえるのが大きな特徴。地域によって異なる基準にも対応しているため、全国の医療機関で利用可能です。
複雑な在宅レセプト業務をまるごとプロに任せられる「在宅医療専門レセサポ」
在宅療養支援診療所をトータルにサポートすることによって蓄積されたノウハウが活きた、専門性の高い高品質なレセプト代行サービスです。複雑で難しい在宅医療レセプトをまるごと任せられるため、スタッフが医療に集中できる環境が実現。離職者を減らして、定着率を上げることにも役立ちます。また、各工程別担当制による多重チェックシステムによって、細かなミスやエラーも徹底的にあぶりだします。
クリニックの経営方針に沿ったレセプト作成がうれしい「在宅医療・訪問診療専門レセプト代行サービス」
各医療機関の経営方針に沿ったレセプト作成をおこなってくれることに加え、算定に必要な医療行為のアドバイス、カルテ記載に関するアドバイスもおこなってくれます。また、返戻・原点などを共有すれば、以降の対策を検討してくれたり、個別指導をおこなってくれたりと、クリニックと二人三脚で成長していこうとしてくれるところも魅力です。
参照:在宅医療事務スマイル「在宅医療・訪問診療専門レセプト代行サービス」
在宅療養支援診療所の経営をワンストップでサポート「在宅医療支援サービス ココメディカ」
医事会計・電子カルテ・患者管理DBの入力代行をはじめとする「業務アウトソーシング」のほか、患者統合管理システムの提供、医事会計システムの提供をはじめとする「ICT支援」、ホームページ開設や営業活動代行をはじめとする「マーケティング支援」などの提供を通して、在宅医をワンストップでサポートしてくれるサービスです。
レセプトチェックの精度を上げる方法③:電子カルテ
電子カルテのなかには、レセプトチェック機能を搭載しているものがあります。レセプトチェック機能を搭載している電子カルテとしては、たとえば、CLINICSカルテが挙げられます。CLINICSカルテのレセプトチェック機能は、「医薬品・処置行為・特定器材」に対する点検ルールや、診療行為や加算などの点検設定を変更することも可能です。
参照:CLINICSカルテ「レセプトチェック機能」の機能紹介
レセプト算定・チェック支援に関するQ&A
続いては、レセプト算定・チェック支援に関するよくある質問とその回答をみていきましょう。
Q. レセプト代行サービスは、セキュリティ面に問題はありませんか?
レセプト代行サービスは、医療機関の患者情報を扱うことから、非常に高いレベルのセキュリティ対策が求められています。ただし、事業所によってセキュリティレベルに差があるため、導入検討時には、セキュリティ対策についてもしっかりと確認することが大切です。
たとえば、次のような仕組みを導入しているかをチェックするといいでしょう。
【1】通信・データ管理について
【2】アクセス管理
【3】物理的なセキュリティ
【4】法令・認証対応
サービスを提供する事業所のホームページなどを見ても、上記仕組みの導入の有無がわからない場合は、事業所に直接問い合わせましょう。
Q. レセプトチェックは完全に外注にしてしまっても問題ありませんか?
レセプト業務を完全に外注すること自体は可能ですが、責任の所在やリスクを正しく理解したうえでの外注である必要があります。
外注したとしても、最終的な責任は医療機関側にあることや、情報漏洩のリスクがゼロではないことはしっかりと理解しておきましょう。
また、現場スタッフがレセプト内容を理解しないままだと、医療行為と請求の整合性チェックが困難になる場合があるため、外注する場合でも、完成したレセプトには毎回目を通すことが大切です。
なお、レセプト業務を依頼する場合には、委託契約書に以下を明記することが望ましいです。
Q. ソフトと代行サービスはどのように使い分けるべきですか?
ソフトは、コストを抑えたい、スタッフのレセプトスキルを自院内で高めたい、あるいは一般的なエラーチェックで十分な場合に適しています。
代行サービスは、レセプト業務を完全に切り離し、医師・看護師が診療に集中したい、在宅医療や専門診療科などで非常に複雑な算定が多く、専門家の最新の知識による最大化を図りたい場合に適しています。
自院のスタッフのスキルレベル、人件費、そしてレセプトの複雑性を考慮し、判断することが大切です。
レセプトの適正化は「未来への先行投資」
ここまで解説してきた通り、レセプト業務の改善方法はいくつかあるので、自院のニーズを考えたうえで最適な方法を選ぶことがおすすめです。ソフト導入にしろサービスの利用にしろ、初期費用や月額使用料はかかりますが、レセプト業務にかかる時間を削減して、そのぶん診療に注力できるので、メリットは大きいといえます。また、よりよい運用を考えて体制を整えていくことは、医療機関としての成長にもつながりますよ。
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特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2025年11月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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