病院・クリニックの業務効率改善につながるシステムやツールはいくつかありますが、そのなかでも患者に関する情報共有に役立つのがCRMです。導入することによってどのようなメリットが得られるのか、導入するCRMを選ぶときにはどのようなポイントをチェックすればいいのかなど、CRMについて詳しく解説していきます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
- CRMとは
- 「電子カルテ」と「CRM」の違いは? 電子カルテは主に「診療記録・処方・会計」など院内での医療行為を記録・管理するものです。 一方、CRMは「来院前の集患」「来院後のフォロー」「患者とのコミュニケーション」など、患者との関係性を管理するものです。
- 病院・クリニックがCRMを導入するメリットは?
- 病院・クリニックがCRMを導入するデメリットは?
- 病院・クリニックがCRMを選ぶ際のチェックポイントは?
- 病院・クリニックにおすすめのCRM
- CRM導入後の流れは?
- CRM導入の効果を最大化するコツとは?
- CRMを上手に活用すれば、業務効率改善も患者満足度向上も実現できる
CRMとは
CRMとは、顧客情報を管理および分析することによって、顧客との良好な関係を構築・維持することを目指すマーケティング手法です。ただし、現在では、このマーケティング手法を実践するために役立つシステムやツールそのもののことも「CRM」と呼びます。なお、CRMは“Customer Relationship Management”の頭文字を並べた言葉で、日本語にすると「顧客関係管理」です。
「電子カルテ」と「CRM」の違いは? 電子カルテは主に「診療記録・処方・会計」など院内での医療行為を記録・管理するものです。 一方、CRMは「来院前の集患」「来院後のフォロー」「患者とのコミュニケーション」など、患者との関係性を管理するものです。
両者を連携させることで、「この病気の患者さんに、検診のお知らせを送る」といった効果的なアプローチが可能になります。
病院・クリニックがCRMを導入するメリットは?
CRMは、業界問わず活用されている手法であり、ツール・システムです。一般的な企業においては、顧客とのやりとりや商談履歴、営業活動などを一元管理するために活用されますが、病院やクリニックに関しては、主に次の4つを目的にCRMを導入します。
それぞれ詳しく解説していきます。
作業の手間削減
医療機関向けCRMは、患者の情報管理に特化しており、情報を漏れなく伝えることができます。紙での情報共有と比較すると、ファイリングの手間、特定の患者の情報を探す時間が少なくて済むため、作業効率がUPします。また、情報共有のために紙を用意する必要がなくなるため、ペーパーレス化も実現できます。
伝達ミスの回避
口頭での伝達だと伝達ミスが起こり得ますが、CRMだと必要な情報を正確に伝えることができます。
患者分析(患者満足度向上、経営改善)
各患者の診療科目ごとの診療回数や売上などを分析できるため、自院の診療体制の見直しや集患施策の強化などに役立てられます。また、「家族や知人からの紹介」「インスタグラムを見て」などの選択肢を用意して来院のきっかけを集計すれば、効率的な宣伝を実現することもできます。
また、患者の来院履歴や体調の分析結果をもとに、来院予約のリマインドにもつなげることができるため、患者満足度向上効果も期待できます。
病院間におけるスムーズな連携(地域医療への貢献)
医療機関向けCRMがあれば、病院間での情報伝達もスムーズになります。緊急で処置が必要な場合などは、禁忌情報などをスピーディに伝達することが、患者の命を救うことにつながる場合もあります。こうした体制が整っていることで、地域住民の安心感が高まります。
病院・クリニックがCRMを導入するデメリットは?
病院・クリニックがCRMを導入することによるデメリットは特にありませんが、次の3点は、ある意味、デメリットになり得ます。
詳しく解説していきます。
初期費用がかかる
CRMによっては初期費用が高額になる場合があります。導入によって経営に悪い影響が出ないよう、予算に合ったシステムを選ぶことが大切です。
運用に慣れるまでに時間がかかる場合がある
CRMに限らず、どんなシステムにもいえることですが、スタッフが操作や運用に慣れるまでに一定の時間を要することがあります。その間、新しいことを覚えなければならないストレスを感じることもあるでしょう。
適切な設定をしないと効果が現れにくい
適切な運用フローを考えなければ、せっかくCRMを導入しても効果を実感しにくいといえます。顧客データを正しく入力することも、“適切な設置”に含まれます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
病院・クリニックがCRMを選ぶ際のチェックポイントは?
前述の通り、CRMはさまざまな業界で活用されているものです。そのため、病院・クリニックがCRMを導入するにあたっては、「医療機関向けであるか」をチェックすることが大切です。具体的には、次の点を満たしているCRMであれば、病院・クリニックでの活用に適している可能性が高いといえます。
それぞれ詳しく解説していきます。
自院の診療スタイルに合っているか(保険診療 vs 自由診療)
病院・クリニックの形態によって、CRMに求める機能は大きく異なります。
一般病院・保険診療クリニック: 「地域連携(紹介・逆紹介)」や「再診率向上(予約管理)」に強いシステムが適しています。近隣のクリニックや病院との連携機能が重要視されます。
美容クリニック・自由診療: 「新規集患(マーケティング)」や「リピート促進(LINE配信・メルマガ)」に強いシステムが適しています。成約率の分析や、SNS広告との連携機能などが重要になります。
自院の電子カルテや予約システムと連携できるかどうか
電子カルテや予約システムと連携することができなければ、患者の基本情報や診療履歴をそれぞれ別々に入力しなければならないため、かえって業務負担が増えます。医療機関向けのCRMであれば基本的に連携可能ですが、連携方法などにも違いがあるため注意が必要です。もっとも便利なのはAPIによる双方向の自動連携ですが、CSVでの一括取り込みなどの場合もあります。
医療業界での導入実績が豊富である
CRMのなかには、医療業界に特化したものもあります。CRM医療機関で使うことを想定して作られているCRMを選べば、患者情報を扱いやすく、使い勝手のよさを実感できます。
なお、一般企業で使われているCRMであっても、医療現場で使うことは可能ではありますが、カルテ連携に対応していないことなどから、業務効率改善につながりにくいことが欠点です。
サポート体制が整っている
サポート体制が充実していなければ、導入後に万が一のことがあったときにクリニック運営に支障が出ます。自院の近くに拠点があるか、もしくはリモートで対応してくれる企業であれば安心度が高いといえます。
加えて、「医療機関の業務フローを理解したうえでサポートしてくれるか」も大切なチェックポイントです。
セキュリティ水準が高い
病院やクリニックは患者の個人情報を扱うため、セキュリティ対策が万全である必要があります。絶対条件となるのは、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(通称:3省2ガイドライン)」に準拠していることです。
これにクリアしているかどうかは、「ガイドラインに準拠した責任分界を書面で提示できるか」などで判断できます。
また、ISMS認証(ISO/IEC 27001)などを取得しているかどうかもチェックするといいでしょう。
カスタマイズが可能
自院の状況に合わせてカスタマイズできるCRMなら、使い勝手のよさがさらに向上します。なお、「不要な機能を取り除く」というカスタマイズも可能です。このカスタマイズによって、誤操作の心配を減らすことができます。
初期費用・ランニングコストが予算内である
予算を大幅に上回る場合などは、CRM導入によって集患効率が上がったとしても、予算をかけたぶんを取り戻すまでに時間がかかるため、導入するメリットが半減します。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
病院・クリニックにおすすめのCRM
ここからは、病院・クリニックにおすすめのCRMを紹介していきます。
| ツール名 | カテゴリ / 得意分野 | 推奨ターゲット | 医療特化 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| medigle | 地域医療連携 | 病院(地域連携室) | ◯ | 紹介患者の予約・管理を効率化し、連携先データベースを構築 |
| foroCRM | 地域医療連携 | 病院(地域連携室) | ◯ | 連携先との関係性を数値化・分析し、訪問活動をサポート |
| メディマップ | 地域医療連携 | 病院(地域連携室) | ◯ | 全国の医療機関DBを完備。逆紹介の促進やマップ検索に強み |
| Salesforce Health Cloud | データ分析・統合 | 大規模病・多店舗クリニック | ◯ | 世界シェアNo.1の実績。高度な分析と外部システム連携が可能 |
| ペイシーメール | 患者分析・集患 | 一般クリニック(医科) | ◯ | 診療圏分析やリマインダー機能を搭載し、再診率UPを支援 |
| march | 業務効率・LINE連携 | 美容・自由診療クリニック | ◯ | LINE予約・問診・AI記録など、スマホ世代の患者対応に特化 |
| Synergy! | マーケティング | 自由診療・美容・一般企業 | × | 高セキュリティなメール配信・フォーム作成。集客施策に強い |
| HubSpot | マーケティング | 自由診療・美容・一般企業 | × | コンテンツ作成やHP管理など、Web集患(インバウンド)に強み |
| Zoho CRM | 営業・売上管理 | 自由診療・美容(MS法人等) | × | コストパフォーマンスが高く、カスタマイズ性が高い |
| eセールスマネージャー | 営業プロセス管理 | 自由診療・美容(カウンセリング重視) | × | 顧客接点の可視化に強く、成約までのプロセス管理に適する |
地域医療連携特化型
まずは、地域医療連携に役立つCRMから。
地域医療連携を強化したい医療機関向け
地域医療連携の総合支援システム「medigle」
地域医療連携に特化したトータル支援システムです。簡単かつシンプルな患者紹介を実現する予約システムをはじめ、地域医療連携の促進を総合的に支援するシステムを各種搭載しています。そのため、民間・効率などの経営母体や病院規模を問わず、全国で多くの医療機関が導入。紹介状を持たない患者、治療を終えた患者などの利用に最適な「連携医療機関検索サイト」も簡単に構築できます。
病院経営を支える地域連携強化に特化した「foroCRM」
地域医療連携における効率的な戦略・施策立案や振り返りを可能にしてくれる、連携活動サポートツールです。「連携先管理機能」「連携先マップ機能」などの基本となる機能のほか、連携先との関係性を定量的に評価して、次のアクションの型化を実現する「フェーズ管理機能」、訪問時に得られた連携先のニーズや不満などの情報を構造化して保管管理できる「コミュニケーションラベル機能」などの便利な機能も備えています。
地域医療連携業務を効率化して、逆紹介を向上させる「メディマップ」
病院と地域医療機関との信頼関係構築のためには、逆紹介を推奨する取り組みを積極的におこなうことが大切という考えのもと、逆紹介を推進できるよう、全国16万件の医療機関情報を完備して、病院独自のデータベースとして活用できるシステムを確立させています。「登録医タッチパネル検索」「登録医紹介サイネージ」「医療機関MAP検索」などの機能も充実。
データ分析強化型
続いては、データ分析に強いCRMです。
世界シェアNO.1のAI搭載CRMを基盤にした「Salesforce Health Cloud」
世界シェアNO.1のCRMを基盤に開発された、医療特化版CRMです。日々の運用で蓄積される各種データの活用・分析に役立つ機能が豊富に備わっています。また、病院はもちろん、製薬会社や医療機器メーカー、保険会社にも導入されているCRMなので、業界での連携を強化したい場合にもうってつけです。CRM機能とサポートを無制限に利用できるプランの用意もあります。
医科診療科向け集患増患専用ツール「ペイシーメール」
全国700施設超で患者数平均2.47倍、患者満足度平均31.9ポイントUPの現場支援ノウハウを搭載した、医科診療科向け集患増患専用ツールです。「集患マーケティングMAP」「フォローメールリマインダー」「ライン患者経営分析」などの機能を通して、患者を「診る」ことに加えて「見る」ことも強化していくことができます。
営業パフォーマンスを上げるためにも役立つ「Zoho CRM」
業界・規模を問わず選ばれているCRMで、特にデータ分析機能にすぐれているため、確実に収益を伸ばしていきたい医療機関に向いています。たとえば、ドクターズコスメを販売するためにMS法人を設立している医療機関などにも適していると考えられます。
マーケティング特化型
続いてはマーケティング特化型のCRMです。
クラウドベースの国産CRMシステム「Synergy!(シナジー)」
集客、顧客情報の統合・一元化、クロスチャネル・メッセージング、分析まで、CRMのあらゆる活動を支えてくれます。なかでも、メールマーケティングに強く、入力しやすい問い合わせフォームの作成・設置、顧客ニーズを把握するためのアンケート設置などが簡単におこなえるのが魅力です。また、必要な機能だけ選んで契約することで、無駄なコストを削減できるのも大きな特徴。さらに、ファイアウォールによる不正侵入検知や暗号化など、外部からの防護はもちろん、データの「持ち出し」を防ぐため、細やかな権限設定・操作ログ・強制ログオフ・二重ログイン検知などのセキュリティ機能を有しているため、個人情報保護の観点からもおすすめです。プライバシーマークおよびクラウドセキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27017」の認定を取得。
“すべての顧客接点の効率化”を目指せる「eセールスマネージャー」
顧客接点の強化を前面に打ち出したCRMです。そのため、集患増患のチャンスを確実にものにしていきたい美容皮膚科・美容外科などであれば重宝するでしょう。
世界135か国以上、22万社以上に活用されている「HubSpot」
世界135か国以上、22万社以上に活用されているCRMです。患者・潜在患者ごとにパーソナライズしたメールマーケティングがおこなえることや、ホームページ上に問い合わせフォームや診察予約フォームを設置できることなどから、集患増患に力を入れたい医療機関に向いているといえます。さらに、生成AI機能やコンテンツ作成機能を活用することで、マーケティング施策の効果向上も狙えます。
業務効率改善に最適
続いては、業務効率改善に役立つCRMです。
LINE活用で自由診療を加速させる「march」
LINE予約やオンライン診療、自動リマインドなどの機能を有しているため、患者にとっての利便性が向上します。AIが会話を聞き取って診療記録の下書きを自動生成する「診療記録AI」、外国人患者との診療をサポートするリアルタイム翻訳機能「AI自動翻訳」、AIが処方箋候補をリストアップしてくれる機能など、最先端の機能も備わっています。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
CRM導入後の流れは?
導入するCRMを決めて、実装した後は、次の流れで運用を進めていきます。
初期設定を最適化する
自院の業務に合わせて、初期設定を最適化します。不要な機能を除くことでカスタマイズしている場合は、スムーズに運用を開始できます。
テスト運用する
一部の患者を対象にして試験運用すると、問題点を洗い出すことができるので、その後の本格運用がうまくいきやすくなります。たとえば、紹介患者の登録することからスタートするなどして、運用ルールを整備していくといいでしょう。
スタッフからフィードバックしてもらう
実際に運用することになるスタッフの声を反映させることで、使い勝手のよさがさらに高まります。
効果測定と改善を繰り返す
本格運用を始めてからも、定期的にデータを分析して、改善を繰り返します。予約数はどのくらい増減したか、リピート率はどのくらい向上したかなどを確認して変化の原因を分析することで、CRM導入の効果を最大化させていきましょう。
CRM導入の効果を最大化するコツとは?
CRM導入の効果を最大化させるためには、次のポイントを意識することが大切です。
CRM導入でどのように業務を改善したいのかを事前に明確にしておく
前提として、CRMを導入する目的をはっきりさせなければ、CRM導入の効果を最大化させることはできません。そのため、まずは現状の課題を洗い出すことが大切です。
スタッフにCRMの重要性を伝える
CRMを使うことになるスタッフに対して、操作方法を教育することはもちろん大切ですが、それと同時に、「なぜCRMを活用することが患者やスタッフにとってプラスになるのか」を伝えることもとても大切です。
PDCAサイクルを回し続ける
これは前述の通りです。効果測定をおこなって、施策をブラッシュアップすることによって、よりよい運営を目指すことができます。
システマティックに情報管理する一方で、患者一人ひとりへの対応はパーソナライズ化する
患者ごとに異なる治療やケアが必要であるのと同様、必要なフォローアップも患者によって異なります。そのため、CRMを活用することで患者情報は一元管理できたとしても、個々の患者への対応はパーソナライズ化することが大切です。言い換えるなら、CRMの活用で業務効率を実現できたことで生まれた時間の余裕を、患者満足度向上のためのきめ細やかなサービスに充てるといいでしょう。
CRMを上手に活用すれば、業務効率改善も患者満足度向上も実現できる
自院の課題解決にぴったりのCRMを選んで、適切に活用することができたら、業務効率改善だけでなく患者満足度向上も実現できます。しかも、患者の満足度が向上してクリニックの評判がよくなれば、収益が上がる可能性も高まります。せっかくCRMを導入するなら、こうした相乗効果も視野に入れながら運用していってくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
