訪問看護のインセンティブ制度の仕組み・相場は? 夜勤なしで年収アップを狙う秘訣

「看護師の仕事はやりがいがあるけど、夜勤に対応するのは年齢的にももうしんどい。でも、日勤のみの働き方を選んで給料が下がると生活が苦しくなる」

こうした悩みを抱えている看護師にとっての救世主となり得るのが、訪問看護のインセンティブ制度です。この制度は、訪問件数や業務成果に応じて給与が加算されるというもの。つまり、日勤のみでも高収入を達成できる可能性があるということになります。

具体的にどのような制度で、どうすれば年収アップを実現しやすいのかを解説していきます。

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目次
  1. 訪問看護のインセンティブ制度とは?3つの主要タイプ
    1. 件数型インセンティブ
    2. 売上型インセンティブ
    3. 利益型インセンティブ
  2. いくら稼げる?リアルなインセンティブ込み給与シミュレーション
  3. 訪問看護のインセンティブ制度のメリット
    1. 努力が収入に反映されやすい
    2. 夜勤なしでも高収入を実現できる可能性がある
    3. 個人の裁量が大きく、自由度が高い
    4. (売上型の場合)経営意識が身に付きやすい
  4. 訪問看護のインセンティブ制度のデメリット
    1. 訪問件数が減ると収入が減る可能性がある
    2. 利用者都合で訪問件数が減る可能性もある
    3. インセンティブを得ることを第一に考えるクセがつきがちである
    4. 訪問記録をつけるためのサービス残業が発生しがちである
  5. 後悔しない! 優良求人を見分ける「5つのチェックリスト」
    1. インセンティブの「発生基準件数」
    2. 訪問先から訪問先への平均移動時間
    3. みなし残業(固定残業代)の有無
    4. 訪問以外の業務に対するインセンティブがあるかどうか
    5. 入職後、いつからインセンティブ対象になるか
  6. 訪問看護のインセンティブ制度に関するFAQ
    1. Q. 未経験からのスタートでも、インセンティブをもらうことはできますか?
    2. Q. 体力的に1日何件程度の訪問が限界ですか?
    3. Q. 30分未満の短時間訪問が多いのはどんなケースですか?
    4. Q. インセンティブ制度以外で、年収に大きく関わってくる要素は何ですか?
      1. 基本給の水準
      2. 診療報酬点数の加算
      3. オンコール手当の金額
      4. 管理職ポストの有無
      5. 都市部か地方か
  7. まとめ:あなたにとっての「理想の稼ぎ方」を見つけよう

訪問看護のインセンティブ制度とは?3つの主要タイプ

訪問看護のインセンティブ制度には、主に「件数型」「売上型」「利益型」の3つのタイプがあります。

ただし、実務上は、次のいずれかが採用されているケースが多いです。

  • 「件数型+固定給」
  • 「件数型+売上型のハイブリッド」

「件数型」「売上型」「利益型」の概要や、メリット、デメリットは次の通りです。

件数型インセンティブ

一定の訪問件数を超えた分に対して、「1件あたりXX円」などとして、決められた金額が支給される仕組みです。

たとえば、「月80件を超えたぶんについては、1件あたり4,000円のインセンティブ」「月100件を超えると、5万円を固定支給」などのように決められています。

件数型インセンティブは、「ここまでいけばインセンティブがつく」という基準がわかりやすいため、スタッフのモチベーションが上がりやすいというメリットがあります。

しかし一方で、目標件数達成のために、“質より量”になりやすいリスクも存在します。また、無理なスケジュールを組んだ結果、1人ひとりときちんと向き合えなくなる恐れもあります。

売上型インセンティブ

個人の売上(=診療報酬額)に対して、一定割合が還元される仕組みです。

たとえば、「基本は売上の5%を支給/月の売上が80万円を超えると、超過分に関しては10%を支給」などとしてインセンティブが支給されます。

「個人の売上(=診療報酬額)を上げる方法」のひとつが加算取得であるため、必要な処置が多く、より肉体的にハードな看護が必要になる利用者のケアも積極的に担当しようという意識が高まる可能性があります。

一方、給与の計算が複雑になりやすいことや、給与額が月によって大きく異なる可能性があることなどはデメリットだと考えられます。

利益型インセンティブ

個人の売上ではなく、事務所全体の利益をもとに、インセンティブを決める仕組みです。

予め掲げておいた利益目標を達成した場合、スタッフ全員あるいは管理職などに利益が還元されます。たとえば、「月間利益50万円を超えると全員に2万円を還元」などと決めておきます。

このタイプは、チーム式が高まりやすいというメリットがある一方、個人の努力が反映されにくいデメリットがあります。特定のスタッフばかりが成果を上げている場合などは、不満の元となりやすいでしょう。

いくら稼げる?リアルなインセンティブ込み給与シミュレーション

前述の通り、訪問看護のインセンティブ制度として採用されることが多いパターンは、「件数型+固定給」あるいは「件数型+売上型のハイブリッド」です。

このうち、「件数型+固定給」についての給与シミュレーションをみていきます。

「固定給が月25万円、件数型インセンティブが月80件を超えたぶんについて1件あたり4,000円」である場合、月90件、月100件、月110件を超えた場合の給与はそれぞれ次の通りです。

月間訪問件数超過件数(80件超)インセンティブ額月給合計
90件10件40,000円290,000円(29万円)
100件20件80,000円330,000円(33万円)
110件30件120,000円370,000円(37万円)

同じペースで1年間を通して働き続けたとすると、固定給のみしかもらわなかった場合の(賞与を含まない)年収は300万円、月110件をこなし続けた場合の(賞与を含まない)年収は444万円となり、大きな差が生まれます。

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訪問看護のインセンティブ制度のメリット

続いて、訪問看護のインセンティブ制度のメリットを確認していきましょう。

努力が収入に反映されやすい

一番のメリットは、個人のがんばりが収入に反映されやすい点にあります。しかも、何を達成すればどれだけのインセンティブがつくのかが明示されているため、モチベーションも高くなる傾向にあります。

夜勤なしでも高収入を実現できる可能性がある

がんばった結果、夜勤なしでも高収入を実現できる可能性があります。固定給が高い場合や、件数を多くこなした場合、夜勤ありの病院勤務より高い収入を得られる可能性だってあります。

個人の裁量が大きく、自由度が高い

インセンティブは、ノルマのように、一定の時間や金額を達成“しなければならない”という性質のものではありません。達成目標は自分で決められますし、達成に向けてどれだけ本気を出すかも自分次第です。

つまり、自由度が高いということになるため、自分の働き方を自分で決めたい人にとってはメリットが大きいといえるでしょう。

ただし、自分を律することが苦手なタイプにとっては、この点はデメリットにもなり得ます。

(売上型の場合)経営意識が身に付きやすい

診療報酬点数や加算点数が給与と大きく関わってくるとなると、自然と数字を読み解くクセがつきます。

そのため、将来的に独立して訪問看護ステーションを立ち上げたいという野望を抱いている人などにとっては、「経営意識が身に付きやすい」というメリットが得られることになります。

訪問看護のインセンティブ制度のデメリット

訪問看護のインセンティブ制度のデメリットは次の通りです。

訪問件数が減ると収入が減る可能性がある

訪問件数が減ると、ダイレクトに収入に響くことが一番のデメリットであるといえるでしょう。

利用者都合で訪問件数が減る可能性もある

訪問看護の仕事は基本的には個人に裁量が大きい仕事ですが、利用者都合で、予定していた訪問がキャンセルとなる可能性もゼロではありません。

特に、重症度が高い利用者の契約が多い訪問看護ステーションなどは、急な入院などによってキャンセルされることも考えられます。訪問件数が減った場合、利用者都合なのか自分の裁量ゆえなのかに関わらず、収入に影響が及びます。

インセンティブを得ることを第一に考えるクセがつきがちである

インセンティブ制度が導入されていると、「できるだけインセンティブを得たい」という思考になるのは当たり前ですが、その結果として看護の質が落ちてしまうと、利用者から選ばれなくなるリスクがあります。

訪問記録をつけるためのサービス残業が発生しがちである

訪問予定を詰めすぎると、訪問看護ステーションに戻ってからの事務作業がサービス残業になりがちです。

移動中に記録をつけることなどによって、作業時間を短縮することは可能ですが、あまりにも訪問件数が多いと、それでも追いつかない場合があるかもしれません。

後悔しない! 優良求人を見分ける「5つのチェックリスト」

インセンティブ制度を導入している訪問看護ステーションに転職することで、高収入を狙いたい場合、優良求人を見分けるポイントを抑えておくことが大切です。

必ずチェックすべきは次の5つのポイントです。

  • インセンティブの「発生基準件数」
  • 訪問先から訪問先への平均移動時間
  • みなし残業(固定残業代)の有無
  • 訪問以外の業務に対するインセンティブがあるかどうか
  • 入職後、いつからインセンティブ対象になるか

それぞれ詳しくみていきましょう。

インセンティブの「発生基準件数」

インセンティブの「発生基準件数」は訪問看護ステーションごとに設定されています。65件~70件前後から発生する場合、比較的楽に基準を超えやすく、稼ぎやすいといえます。

発生基準件数が80件以上だと、ハードルが高めであるため、人によっては基準を超えることが難しく感じられるでしょう。

訪問先から訪問先への平均移動時間

訪問先から訪問先への平均移動時間が片道30分以上などの場合、物理的に件数を稼げません。

ただし、平均移動時間が長いことを考慮したうえで、発生基準件数を少なめに設定している場合もあるため、発生基準件数と平均移動時間は合わせて確認することが大切です。

みなし残業(固定残業代)の有無

みなし残業(固定残業代)がある場合、実質的に、インセンティブが残業代の補填になっている可能性があります。そのため、みなし残業の有無についても必ず確認することが重要です。

訪問以外の業務に対するインセンティブがあるかどうか

訪問看護ステーションにおける主な仕事は利用者宅の訪問ですが、それ以外に、担当者会議への出席が求められることもあれば、営業のノルマが課される場合もあります。

これらに対しては、訪問に対するインセンティブとは別にインセンティブが用意されているのかどうかは、重要なチェックポイントです。

別途、インセンティブが用意されていない場合、「訪問でのインセンティブを稼がなければ、到底、納得のいく給与額にはならない」という可能性が高いでしょう。

入職後、いつからインセンティブ対象になるか

インセンティブ制度は、研修期間3か月間は対象外とされている場合が多いため、注意が必要です。

これに気づかず、研修期間中も張り切って件数をこなした場合、「がんばって損をした」と一気にモチベーションが下がってしまう可能性も考えられます。

訪問看護のインセンティブ制度に関するFAQ

続いては、訪問看護のインセンティブ制度に関してよくある質問とその答えをみていきましょう。

Q. 未経験からのスタートでも、インセンティブをもらうことはできますか?

結論からいうと、未経験でも十分にインセンティブをもえらえる可能性はあります。

ただし、最初は同行訪問によって仕事を覚えていくことになり、自分の裁量で働くことはできないため、独り立ちするまではインセンティブを得ることは難しいでしょう。

とはいえ、同行訪問の期間は決して長くはなく、一般的には、入職後、2週間~1か月程度で独り立ちすることになります。訪問看護未経験の看護師であっても、3~4週間程度で同行訪問終了となるのが一般的なので、本人の努力次第では、早い段階からインセンティブを得られるでしょう。

ただし、新卒採用で未経験の場合や、小児・難病など専門性が高い利用者が多い場合、精神科訪問看護に特化している場合などは、もう少し長い期間、同行訪問を続けることもあります。

一方、小規模で教育体制が整っていない事業所や、人手不足の事業所などの場合、同行期間が平均より短いケースが多いでしょう。

Q. 体力的に1日何件程度の訪問が限界ですか?

結論からいうと、1日5件程度が安全かつ継続可能な上限の目安といわれることが多いです。ただし、訪問先1件あたりの滞在時間や移動時間が短い場合や、逆に長い場合ももちろんあります。

なお、1件あたりの訪問時間、移動時間、看護記録の記録時間の目安は次の通りです。

・訪問時間:30~60分

・移動時間:10~20分

・記録時間:10~20分

概ねこの通りの所要時間だった場合の、件数別負担感は次の通りです。

1日の訪問件数業務の忙しさ記録業務体力・
継続性の目安
4~5件比較的
ゆとりがある
勤務時間内に
終わりやすい
無理なく
続けやすいペース
6件やや忙しい移動時間が長いと
残業になりやすい
やや負担増、
体力配分が重要
7件以上かなりハード記録が後回しに
なりやすい
体力的・精神的な
負担が大きい

なお、件数型インセンティブが導入されている事業所の場合、1日に7件以上を回る看護師もいますが、長期的にみると離職率が高い傾向にあります。

つまり、「件数を多くこなす」を長年続けることは、体力的・精神的にも負担が大きく、よほどパワフルでないと、数年のうちに限界を迎える可能性も高いということになります。

長く働き続けることを第一に考える場合は、無理のない範囲での件数調整が大切です。

Q. 30分未満の短時間訪問が多いのはどんなケースですか?

件数型インセンティブが導入されている場合、短時間訪問が多いとそのぶん件数をこなしやすいことから、どういったケースだと訪問時間が短くなりやすいのかが気になるという人も多いでしょう。

結論としては、処置や支援内容が“確認・管理中心”のケースの場合、30分未満の短時間訪問となる場合が多くなります。

たとえば、精神科訪問看護の場合、利用者の状態が安定していれば、症状確認・服薬確認・傾聴・生活リズム確認のすべてをこなしても、20~30分で終了する場合が多いです。

また、内服セット確認、浮腫や体調変化のチェックなどしか必要なく、医療処置がない場合も短時間で完結します。あるいは、小規模な褥瘡処置、軽度の総部処置などの簡易的な医療処置飲み提供する場合も時間はかかりません。

さらに、入浴介助なし・排泄介助なし・家族支援が整っているなどのADLが自立している利用者に関しても、観察+相談のみで終了することがほとんど。

反対に、短時間になりにくいのは次のようなケースです。

  • ターミナル期
  • 全身清拭・入浴介助あり
  • 褥瘡が重度
  • 認知症で対応に時間がかかる

転職志望先の1件あたりの平均訪問時間を知りたい場合、これらを踏まえたうえで、どんな利用者が多いのかを確認すると、おおよその目安を把握できるでしょう。

Q. インセンティブ制度以外で、年収に大きく関わってくる要素は何ですか?

インセンティブ制度以外には、次の要素が年収に大きく関わってきます。

基本給の水準

インセンティブは変動しますが、基本給は固定です。賞与・退職金の算定基礎も基本給であるため、基本給の水準はもっとも大切な要素です。なお、「賞与は基本給ベースなのか歩合込みなのか」「昇給実績はあるか」なども併せてチェックしたいところです。

診療報酬点数の加算

訪問看護の収益は、加算によって大きく異なります。特別管理加算、緊急時訪問看護加算、ターミナル加算、24時間対応体制加算などの加算取得率が高い事業所は売上が安定している傾向にあるため、給与が上がる可能性が高いと考えられます。

なお、転職志望先の加算状況を確認したい場合、面接で「特別管理加算の算定割合はどれくらいですか?」などと質問することによって、経営体質を見抜くことをおすすめします。

オンコール手当の金額

オンコール手当の金額が高く設定されていると、年収に大きな差が出やすいです。

相場としては、待機1回につき1,500~3,000円、出勤1回につき3,000円~6,000円となりますが、3,000円と6,000円でも差が大きく、たとえば月に8回オンコール対応で出勤したとすると、月収に24,000円もの差が出ます。

管理職ポストの有無

管理者、副管理者、エリアマネージャーなどの管理職につくと年収がアップする場合があります。特に、法人展開している訪問看護ステーションの場合、ポスト昇格によって年収が100万円アップすることもあります。

都市部か地方か

都市部は単価が高いぶん競争が激しい一方、地方については、件数は少なめである一方、人手不足であるがゆえに好待遇が期待できる場合が多いです。

なお、高収入を目指すなら、

  1. 基本給
  2. 加算取得体制
  3. オンコール手当
  4. インセンティブ制度
  5. 昇進ルート

の順番に重視することをおすすめします。

転職先候補が1.2.3すべて合格点である場合、候補のなかでも、インセンティブ制度がより充実している事業所を選ぶのが賢い選択肢です。

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まとめ:あなたにとっての「理想の稼ぎ方」を見つけよう

訪問看護の業界は、「稼ぎたい」という欲求を満たしやすい業界です。しかし一方で、ワークライフバランスを重視した働き方を叶えやすい業界でもあります。

つまり、一人ひとりが、自分の理想の働き方を追求しやすいということです。

もちろん、ライフステージの変化に合わせて、「ガッツリ稼ぐ」から「ワークライフバランス重視」にシフトすることも可能なので、まずは、自分にとっての理想の働き方・理想の稼ぎ方について考えることからはじめてみてくださいね。

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特徴

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対象規模

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提供形態

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診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

執筆 CLIUS(クリアス )

クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。


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