オーダリングシステムとは、医師の指示を電子化することによって、看護師や薬剤師などの他職種にスムーズに伝達するシステムのことをいいます。従来、医師からの指示は紙に書いて各部署に届けられていたので、オーダリングシステムを導入すると業務効率が圧倒的に上がります。具体的な活用方法や運用に関する注意点などについて、詳しく解説していきます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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オーダリングシステムとは? 医療現場を支える基本機能
従来、患者を診察した医師は、必要なケアや処方について紙に書き落として、看護師や薬剤師など、異なる部門の医療従事者に伝達していました。しかし、オーダリングシステムを導入すれば、診断や処方などに関して医師がパソコンから入力した内容が、各部門の医療従事者に対して同時かつスピーディに届くようになるため、業務効率が劇的に向上します。
オーダリングシステムは医師のパソコンとどのようにつながっている?
オーダリングシステムは、「医療情報システム(HIS:Hospital Information System)」のひとつです。医療情報システムとは、病院で扱う医療データを管理するためのコンピュータシステムで、オーダリングシステムのほかに、電子カルテ、レセプトコンピュータシステムなどさまざまなシステムで構成されています。
この構図を踏まえて、オーダリングシステムの仕組みを解説すると、「医師のパソコンは院内ネットワーク(LAN)を通じてサーバーに接続されており、そのサーバー上にあるオーダリングシステムを操作している」ということになります。
医師のパソコン
院内ネットワーク(LAN)
サーバー(中枢)
各部門システムとの連携
オーダーを入力すると自動で次のような各部門に送られます。
≪全体の構造≫
つまり、一連の流れとしては次の通りです。
医師のパソコン→院内LAN→サーバー(オーダリングシステム)→検査部門・放射線部門・薬剤部などへ自動送信
医療情報システムを構成するシステムの主な種類
オーダリングシステムが「医療情報システム」のひとつであり、医療情報システムを構成するそれぞれのシステムは明確に役割分担されていることを理解できるよう、先に示した図に含まれている6つのシステムについて簡単に解説していきます。
オーダリングシステム
オーダリングシステムについては先に解説した通りで、医師が看護師や薬剤師などの医療従事者に対して、処方や検査の実施などを指示するために使用するシステムです。
電子カルテ
電子カルテは、医師が入力した診療記録を電子化して、保存・管理するシステムです。診察内容のほか、検査結果や治療内容などの情報も電子化して一元管理します。
つまり、オーダリングシステムは医師の指示を各部署に“伝える”役割を担っている一方、電子カルテは診察情報を“一元管理する”役割を担っているということになります。
なお、最近では、オーダリングシステムと電子カルテが一体化したタイプも登場していますが、従来は、「オーダリングシステム導入後に電子カルテを導入する」という流れが一般的でした。なぜかというと、診療記録のみ電子化しても、オーダリングが紙ベースのままであると、電子カルテの機能を十分に発揮させることができないためです。
上記のような理由から、これから病院情報システムを導入しようと検討しているなら、すべてのシステムを一度に導入するか、あるいは適切な順番で導入していくことが大切です。
※なお、オーダリングシステムと電子カルテの「分別型」「一体型」の違いについては後述します。
レセプトコンピュータシステム
レセプトコンピュータシステムは、レセプト(診療報酬明細書)を効率的に作成するためのシステムです。一般的に、電子カルテと連携させるか、あるいはレセコン一体型電子カルテを導入します。連携させることによって、患者情報や診療内容を一元管理できるようになることから、二重入力が不要となり、人的ミスも削減できるなどのメリットが得られるためです。
検査システム
検査システムは、主に血液検査・尿検査・心電図・聴力検査などの臨床検査データを保存するためのシステムです。レセプトコンピュータシステム同様、電子カルテと連携させるのが一般的です。これにより、検査の指示から結果の取得までの流れを自動化できるため、取り違えや転記ミスなどの人的ミスを防ぐことにもつながります。
調剤システム
調剤システムは、オーダリングシステムで入力した処方箋をもとに、処方薬を調剤するシステムです。患者への薬剤の指導をサポートする機能や、処方ミスを防ぐための「飲み合わせチェック」機能を備えているものもあります。
PACS(医療用画像管理システム)
PACS(医療用画像管理システム)とは、MRI・CT・CR(コンピュータX線撮影)などの画像撮影装置で撮影した画像を保管・管理・送信できるシステムです。PACSを導入することで、画像の管理が効率化されて、共有のスピードが上がります。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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オーダリングシステムと電子カルテの「分別型」「一体型」の違いは?
先に解説した通り、病院情報システムを導入する場合、先にオーダリングシステムを導入してから、電子カルテを導入するのが一般的ですが、最近は、オーダリングシステムと電子カルテが一体化したタイプも登場しています。この2つの違いについて解説していきます。
オーダリングシステムと電子カルテの「分別型」
オーダリングシステム、電子カルテを導入する順番の基本は、①オーダリングシステム → ②電子カルテ です。具体的には、既にオーダリングシステムが搭載されているコンピュータに、電子カルテのアプリケーションを取り入れて使用するという流れになります。
それぞれは独立したシステムですが、連携して使うことによって業務効率の向上を図れるため、「分別型」で導入する場合、オーダリングシステムに連携できる電子カルテを選ぶことが必要です。現段階でどちらも導入しておらず、まずはオーダリングシステムから導入するという状況なら、電子カルテの導入を見越して、連携できるものを選ぶことが大切です。
オーダリングシステムと電子カルテの「一体型」
先に解説した通り、近年は、オーダリングシステムと電子カルテが一体化されたタイプが登場しています。「一体型」を選べば、連携させるための操作が不要になるため、導入がスムーズですが、エラー時に両方のシステムが止まってしまう可能性があることは大きなデメリットであるといえます。また、導入時のコストが高くなる可能性も考えられるため、「分別型」「一体型」のどちらを選ぶかについては、メリット・デメリット・価格などさまざまな角度から比較して、よく考えることが大切です。
ただし、近年新規でシステムを導入するクリニックや中規模病院においては、初めからオーダリング機能を内包した「一体型電子カルテ」を採用するケースが主流となっています。将来的な機能の拡張性や、システムに不具合が起きた際の保守窓口を一本化できるという観点からも、まずは一体型をベースに検討を進めるのが現代における合理的な選択といえます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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オーダリングシステムの種類
オーダリングシステムは、大きく次の2種類にわけられます。
それぞれどんな特徴があるのか詳しく解説していきます。
パッケージで提供(オンプレミス型)
「パッケージで提供=オンプレミス型」とは、オーダリングシステムに求められる、標準的な機能が完成された状態で市販されているソフトウェアを購入して利用するスタイルです。ただし、単なるソフトウェアの販売ではなく、「ソフトウェア+インフラ+導入支援」のパッケージとして提供されるのが基本です。
- ≪提供内容≫
- ソフトウェア本体(オーダリングシステム)
- サーバー機器やネットワーク設計(場合によってはセット)
- 導入・設定(SI:システムインテグレーション)
- 保守・アップデート契約
- 【特徴】
- 病院内サーバーにインストール
- 院内ネットワークで運用
- 買い切り or ライセンス型
- 【メリット】
- セキュリティやデータ管理を自院で完結
- ネット回線に依存しない(院内で完結)
- 【デメリット】
- 初期費用が高い
- 保守・更新の負担が大きい
SaaSで提供(クラウド型)
「SaaS(Software as a Service)=クラウド型」とは、ソフトウェアをクラウド上で管理して、インターネット経由で機能を利用するサービスです。院内にサーバーを設置する必要がなく、ソフトウェアのようにインストールする必要もありません。ただし、外部と通信することになるため、セキュリティ対策についてはしっかり考える必要があります。
- 【特徴】
- インターネット経由で利用
- サーバーはベンダー側で管理
- 月額課金が一般的
- アップデートは自動
- 【メリット】
- 初期費用が低い
- 保守・運用の手間が少ない
- 複数拠点でも使いやすい
- 【デメリット】
- ネットワーク依存(障害時のリスク)
- カスタマイズの自由度が低いこともある
≪オーダリングシステムのカスタマイズは一般的≫
パッケージ、SaaSのうちどちらが主流かというと、従来はパッケージでしたが、最近は徐々にSaaSに移行しつつあります。また、現実的には、パッケージとSaaSノハイブリッドでの運用も増えていますが、いずれにしても、ベンダーから提供されたそのままの形で使うのではなく、なんらかのカスタマイズを施す医療機関がほとんどです。
なぜカスタマイズが必要なのか
医療機関がオーダリングシステムをカスタマイズして使う主な理由は次の通りです。
上記のような理由から、テンプレそのままではほぼ使うことができないため、なんらかの調整が必要だということになります。
ただし、病院の規模によって“どこまでやるか”には差が出ます。
なぜ、病院の規模が大きいほどカスタマイズが必要かというと、まず、部門が多いためです。検査・放射線・薬剤・リハビリなど多岐にわたるぶん、オーダの種類も多く、標準仕様では回らないというわけです。また、業務フローが複雑で診療科ごとにルールが違うことや、連携が必要な既存システムの種類が多いことなども、理由として挙げられます。
反対に、病床200床未満の小規模病院は、部署が少なく、オーダリング自体の必要性が低めであることから、カスタマイズの必要性も低いといえます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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オーダリングシステムの基本機能
オーダリングシステムには、主に次の3つの機能が備わっています。
それぞれ詳しく解説していきます。
オーダー指示入力機能
【概要】
医師が診療内容をそのままシステムに入力する機能です。
- 【具体例】
- 薬の処方(例:抗生剤を3日分)
- 検査指示(血液検査、CTなど)
- 処置・注射の指示
- 【何が起きているか】
- 薬剤部へ → 調剤指示が届く
- 検査部へ → 検査予約・準備が始まる
- 看護師へ → 処置内容が共有される
入力すると同時に:
なお、オーダリングシステム導入前に、紙で利用していた指示伝票がある場合、それをオーダリングシステムに反映させて、テンプレートとして使い回すことなども可能です。
オーダリングシステムは、カスタマイズすることによってより効率的に活用することができます。
カレンダー入力機能
【概要】
オーダー内容を「いつ実施するか」まで含めて管理する機能です。
- 【具体例】
- 「CTを明日10時に予約」
- 「採血は本日中」
- 「内視鏡は来週」
- 【ポイント】
- 部門ごとの空き状況と連動
- 二重予約・過密を防ぐ
- 患者の動線も最適化
スマホなどのカレンダーアプリ同様、直感的な操作で使えるよう設計されているため、パソコンに苦手意識がある医師でも、簡単かつ正確に入力することができます。
算定漏れ防止の伝達機能
【概要】
実施した医療行為がきちんと診療報酬として請求されるよう、見落としがちなことを自動で反映・連携・あるいは通知する機能です。
- 【具体例】
- 注射を実施 → 自動で会計データに反映
- 検査実施 → レセプト用データに連携
- 算定条件のチェック(回数・間隔など)
【なぜ重要か】
医療現場では
が起きやすく、「診察したのに請求できていない=収益ロス」が発生しがちであるためです。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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≪3つの機能の関係≫
3つの機能はバラバラではなく、下記のようにつながっています。
↓
↓
つまり、「診療行為を漏れなく実行し、漏れなく収益化する仕組み」であるといえます。
言い換えると、
この3つがそろうことで、医療の質と経営の両方を支えているのがオーダリングシステムということになります。
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オーダリングシステム導入のメリット
オーダリングシステムを導入するメリットは次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
業務効率が改善される
従来のように、紙に手書きして指示を出すやりかただと、「手書きする時間」「(文字にクセがある場合など)解読する時間」「各部署に届ける時間」が発生します。オーダリングシステムを活用すると、これらすべての時間が不要となるため、業務効率が改善されます。
また、指示出しした内容を後々確認したい場合にも、検索が可能であることから、最低限の時間しかかけずに済みます。
ペーパーレス・指示出しした紙の保管スペースの削減
指示出しを書き落とす紙が不要になることから、そのぶんのコストが削減されます。併せて、指示出しした紙を保管しておく必要もなくなるため、保管スペースの確保が不要になります。
情報共有がスムーズになる
医師の指示を、必要な部署・担当者にまで直接届ける必要がなくなるため、情報共有のスピードが上がります。また、同じ指示を同じタイミングで複数部署において確認できるようになることも大きなポイントです。
手書き文字の「読めない」「読み間違い」を解消できる
手書き文字での指示だと、医師の文字にクセがある場合、読みにくかったり、実際に読み間違いが起こったりします。また、医師自身が書き間違えることもあり得ますが、オーダリングシステムの「チェック機能」などの便利な機能を活用すれば、書き間違いも読み間違いも防ぐことができます。
人的ミス・医療事故の防止
書き間違い・読み間違いが医療事故につながる可能性があるだけでなく、たとえば伝達ミスによって間違った処方がおこなわれたことで、医療事故につながる可能性もあり得ます。また、請求漏れや重複検査などのリスクもなくすことができます。
患者の待ち時間を短縮できる
院内での連携がスムーズになると、必然的に患者の待ち時間が減ります。これにより、患者満足度が向上して、よい口コミが増えることも期待できます。
蓄積したデータを経営分析や研究に役立てられる
オーダリングシステムを通して出した指示は、システム内にどんどん蓄積されていくため、貯まったデータを後後々、経営分析や研究に役立てることもできます。システム内のデータは、特定のキーワードで検索することなどもできるため、同じ症例の人のデータをまとめて投薬後の経過の傾向を確認するなど、活用方法はさまざまに考えられます。
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オーダリングシステム導入のデメリット・導入前に知っておくべき課題
オーダリングを導入するデメリットおよび導入前に知っておくべき課題は次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
操作に慣れるまでに時間がかかる可能性がある
オーダリングシステム以外にも、電子カルテなど、すべての医療情報システムについていえることですが、システムを使う人が操作に慣れるまでに時間がかかる場合があります。導入後、長いこと操作に慣れることができなければ、「思ったより業務効率が改善しない」ということにもなりかねません。そのため、スタッフが業務に慣れるまでの時間をできるだけ短くできるよう、導入前に研修を実施したり、ベンダーの導入サポートサービスを利用したりすることが大切です。
初期費用・ランニングコストがかかる
オーダリングシステムの導入および維持にはそれなりのコストがかかります。病院の規模によっては億単位のコストを投入することが必要です。
なお、オーダリングシステム単体での導入費・維持費に関するデータはありませんが、厚生労働省が2006(平成18)年に公表している「医療のIT化に係るコスト調査報告書」によると、オーダリングシステム+電子カルテのセットで導入した場合、病床規模:100~199床で6年リースだと4億円前後、病床規模:200~299床で5年リースでも4億円前後、病床規模:400~499床で購入の場合は7億円前後という事例があります。
さらに、年間の保守管理に数百万円前後かかるうえ、操作方法をレクチャーする時間の確保、医療クラークを確保する必要性などもあるため、人的コストも見積もることが不可欠だということになります。
なお、こうした高額な導入費用を軽減するために、国や自治体の補助金(IT導入補助金や、医療提供体制設備整備交付金など)を活用できる場合があります。導入を検討する際は、対象となる補助金制度がないか、ベンダーの担当者や専門のコンサルタントに事前に相談することをおすすめします。
停電時・サーバーダウン時は使用不可になる
オーダリングシステムは、停電時・サーバーダウン時には使うことができません。そのため、万が一の場合を想定して、データのバックアップや、緊急時の紙での運用方法について考えておくことが大切です。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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オーダリングシステム導入のステップ
続いては、オーダリングシステム導入のステップを説明していきます。先に解説した通り、オーダリングシステムはクラウド型とオンプレミス型の大きく2つのタイプにわけられますが、ここでは、オンプレミス型の場合の導入ステップを解説していきます。
なお、オーダリングシステムの導入は「ソフトを入れる」だけでなく、業務そのものを設計し直すプロジェクトとなるため、現場調整がかなり重要になります。
では、具体的なステップをみていきましょう。
現状分析・要件定義
オーダリングシステムの導入を決めたら、最初におこなうべきは現状分析と要件定義です。この2つが曖昧なままだと、導入しても結果的に「使えないシステム」になります。
- 【やるべきこと】
- 現在の診療フロー(紙・既存システム)の把握
- 医師・看護師・事務それぞれの業務整理
- 必要な機能の洗い出し(検査オーダー、処方、予約など)
- 電子カルテや検査機器との連携要件確認
ベンダー選定・比較
複数ベンダーを比較して決定します。オーダリングシステムに限ったことではありませんが、医療のシステムを提供するベンダー選びにおいては、「実績」と「サポート」の比重を大きく考えておくことが大切です。
- 【比較項目】
- 機能(標準 vs カスタマイズ性)
- 実績(同規模・同診療科の導入事例)
- サポート体制
- 費用(初期+保守)
特に、既存の検査機器や部門システム(PACSなど)とスムーズにデータ連携できるかは、運用において非常に重要です。HL7(エイチエルセブン)やSS-MIX(エスエスミックス)といった医療情報の標準規格に対応しているかどうかも、ベンダー選定時の重要な確認ポイントとなります。
基本設計・詳細設計
ベンダーおよび導入するシステムが決まったら、現場の運用ルールを「システムに落とし込む」ことで、システムの具体像を固めていきます。
- 【やるべきこと】
- 画面構成・操作フローを考える
- オーダー入力ルール(誰が・いつ入力するか)を固める
- 部門連携(検査・薬剤・会計)を考える
- マスタ設計(検査項目・薬剤など)
環境構築(オンプレミス型の場合)
オンプレミス型の場合、この段階で、院内にシステム基盤を用意します。
- 【やるべきこと】
- サーバー設置
- ネットワーク構築
- 端末(医師PCなど)の設定
カスタマイズ・設定
続いて、病院ごとの仕様に合わせていきます。
- 【やるべきこと】
- 画面カスタマイズ
- 帳票・オーダーセット作成
- 電子カルテとの連携設定
運用テスト
実運用を想定した検証をおこないます。運用テストを甘く見て、適当に終わらせてしまうと、後々現場が混乱してしまいます。
- 【やるべきこと】
- シナリオテスト(診察〜会計まで一連確認)
- 部門間連携テスト
- トラブルケースの確認
操作研修・トレーニング
せっかくさまざまな機能を備えたオーダリングシステムを導入したとしても、現場スタッフが使いこなすことができなければ意味がありません。そのため、現場スタッフへの教育にはしっかり時間をかけます。
- 【やるべきこと】
- 医師・看護師・事務ごとの研修
- ロール別マニュアル整備
- 模擬運用(リハーサル)
本番稼働(リリース)
いよいよ運用開始です。この際、稼働直後はトラブルが起きる前提で動くことが大切です。
- 【やるべきこと】
- 段階導入 or 一斉切替
- 稼働直後のサポート体制強化
運用・改善
オーダリングシステムは、導入して終わりではありません。むしろ導入してからが本番であることをきちんと意識することが大切です。
- 【やるべきこと】
- 運用改善(入力ルール見直し)
- 機能追加・アップデート
- トラブル対応
≪オーダリングシステム導入成功のカギ≫
オーダリングシステムをはじめとする医療システムの導入は、「IT導入」ではなく、「業務改革プロジェクト」ととらえることが大切です。
成功のカギは、「要件定義と現場巻き込み」です。失敗の多くは、「現場に合っていない設計」が原因で起きていることを念頭に置いておきましょう。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
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オーダリングシステムに関するよくある質問(FAQ)
続いては、オーダリングシステムに関するよくある質問とその答えをみていきましょう。
Q. オーダリングシステムは、かつては大病院向けのシステムというイメージでしたが、今の時代においては、小規模クリニックでも導入すべきですか?
結論からいうと、導入は必須ではありませんが、条件次第では十分に導入する価値があります。
まず、かつては大病院向けのシステムであった理由は次の通りです。
かつては大病院向けだった理由
つまり、「規模が大きいほど効果が出る」構造だったのです。
では、今の時代はどう変わっているかというと次の通りです。
今の変化
つまり、小規模クリニックでも使うべき理由、使う価値があるということになります。
小規模クリニックで導入するかどうかの判断基準
小規模クリニックがオーダリングシステムを導入するかの判断基準は次の通りです。
- 【導入したほうがいいケース】
- 外来数が多い(回転重視)
- スタッフ間の伝達ミスを減らしたい
- 検査・処方が比較的多い
- 将来的に規模拡大を考えている
これらに該当する場合、効率化・ミス防止のメリットが出やすいといえます。
- 【無理に入れなくてもいいケース】
- 患者数が少なく、紙運用でも回る
- シンプルな診療(処方中心など)
- ITに不慣れなスタッフが多い
これらに該当する場合、コストや負担のほうが上回る可能性があります。
なお、現実的な落としどころとしては、小規模クリニックの場合、先に解説した「電子カルテ一体型(簡易オーダー機能付き)」を導入することがおすすめです。
Q. セキュリティはどのように担保するものですか?
セキュリティは、技術と運用の両方を強化することが大切です。
技術的対策(システム側)
技術面における主な対策は次の通りです。
なお、ベンダーは次の2つを満たす前提で設計されています。
インフラ面の対策
インフラ面に関しては、オンプレミス型とクラウド型でそれぞれ次のような対策をとります。
- 【オンプレミス型の場合】
- 院内サーバーの物理管理
- ファイアウォール設置
- 院内ネットワーク分離
- 【クラウド(SaaS)の場合】
- データセンターの厳格管理
- 冗長化・バックアップ
- ベンダー側のセキュリティ運用
運用面
運用面は、実はもっとも注意すべきポイントです。なぜかというと、医療事故や情報漏洩の多くは「人」が原因だからです。
- ≪注意点≫
- パスワード使い回し禁止
- 端末の持ち出し管理
- USBなどの外部媒体制限
- スタッフ教育の徹底
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
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オーダリングシステムは自院に合った形で導入することが鉄則
先に解説した通り、昨今は小規模クリニックでもオーダリングシステムを導入するところが出てきていますが、単に時代の流れに沿って導入するのではなく、まずは自院の課題を洗い出すことが先決。そのうえで、「どういう機能のあるオーダリングシステムを導入して、どのように運用していけば高い効果が期待できるのか」を考えることから始めることを大切にしてくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
