常勤とは?正社員・非常勤との違いと、クリニックが医師・スタッフを雇うときの判断基準

「常勤医師を1名採用したい」「常勤換算で何人必要か」——クリニックの運営では、常勤という言葉が採用・施設基準・保険の3つの場面で出てきます。

やっかいなのは、この3つで「常勤」の意味が微妙に違うことです。採用の場面で使う常勤と、診療報酬の施設基準でいう常勤は、必ずしも同じではありません。

この記事では、常勤の定義を場面ごとに整理したうえで、クリニックが常勤で雇うか非常勤で雇うかを判断する基準を扱います。

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目次
  1. 常勤とは——基本の定義
  2. 非常勤との違い
  3. 🔴 場面によって「常勤」の意味が変わる
    1. ① 労働法上の常勤
    2. ② 社会保険の適用における基準
    3. ③ 診療報酬の施設基準における「常勤」
  4. クリニックは常勤と非常勤をどう使い分けるか
    1. 常勤で採用したほうがよいケース
    2. 非常勤で採用したほうがよいケース
    3. どちらも急がなくてよいケース
  5. 常勤採用で確認しておくこと
  6. よくある質問
  7. まとめ

常勤とは——基本の定義

常勤とは、その施設で定められた所定労働時間をフルに勤務する働き方を指します。一般的な目安は週32時間以上、多くの施設では週40時間です。

ここで重要なのは、常勤は雇用形態の名前ではないという点です。

区分 何を表すか
常勤 / 非常勤 働く時間の量 週40時間勤務/週2日勤務
正社員 / 契約社員 / パート 雇用契約の種類 期間の定めなし/1年契約

つまり「常勤の契約社員」も「非常勤の正社員」も、理論上は成立します。実務では常勤=正社員として運用されることが多いため混同されますが、求人票や労働条件通知書では区別して書く必要があります。

非常勤との違い

非常勤は、所定労働時間より短く働く形です。クリニックでは次のような使われ方をします。

  • 週2日だけ外来を担当する医師
  • 特定の曜日のみ勤務する専門医
  • 午前中のみ勤務する医療事務

非常勤の医師を採用する場合、届出が必要になるケースがあります。短期間のアルバイトであっても、保険医療機関としての届出義務が生じる場合があるため、雇用前に確認が必要です。

🔴 場面によって「常勤」の意味が変わる

ここが最も間違えやすいところです。

① 労働法上の常勤

労働基準法に「常勤」という用語の定義はありません。各施設が就業規則で定めた所定労働時間を満たすかどうかで判断されます。

② 社会保険の適用における基準

社会保険(健康保険・厚生年金)の加入要件は、週の所定労働時間および月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上であることが基本です。

これを満たさない場合でも、次の要件をすべて満たすと適用対象になります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額88,000円以上
  • 2か月を超える雇用の見込みがある
  • 学生でない
  • 特定適用事業所等に勤務している

なお、この適用範囲は段階的に拡大されています。自院が対象となるかは、加入者数の要件を含めて最新の基準を確認してください。

③ 診療報酬の施設基準における「常勤」

ここが医療機関特有の論点です。

施設基準における常勤の要件は、原則として週32時間以上の勤務とされています。ただし、次のような取り扱いが認められる場合があります。

  • 常勤換算:複数の非常勤職員の勤務時間を合計して、常勤1名分としてカウントする
  • 育児・介護等による短時間勤務:一定の条件下で常勤として取り扱う特例

「常勤換算で2名以上」という要件を、非常勤4名の勤務時間の合計で満たす、といった運用が可能なケースがあります。ただし施設基準ごとに条件が異なるため、届出前に地方厚生局への確認が確実です。

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クリニックは常勤と非常勤をどう使い分けるか

「どちらが良いか」ではなく、どういう条件ならどちらが向くかで考えます。

常勤で採用したほうがよいケース

  • 診療の継続性が患者満足に直結する(かかりつけ機能、慢性疾患の管理が中心)
  • 施設基準で常勤の配置が求められている
  • 教育・指導が必要(新人の育成、院内の標準化を進めたい)
  • 管理業務を任せたい(在庫管理、シフト作成、外部対応)

常勤は人件費が固定費になりますが、院内の知識が蓄積するという効果があります。特に医療事務では、レセプト業務の習熟度が返戻率に直結します。

非常勤で採用したほうがよいケース

  • 特定の曜日・時間帯だけ需要が集中する(土曜午前、平日夕方など)
  • 専門外来を月数回だけ設けたい
  • 開業直後で患者数が読めない
  • 産休・育休の代替が必要

非常勤は時間単価が高くなる傾向がありますが、需要に合わせて調整できることが利点です。

どちらも急がなくてよいケース

  • 1日の患者数が現状のスタッフで回っている
  • 繁忙が特定の月だけに偏っている(年間で見ると余裕がある)
  • 業務の棚卸しをしていない

人を増やす前に、予約の分散や受付業務の見直しで解決する例は少なくありません。「人手が足りない」の中身が、人数不足なのか業務設計の問題なのかを切り分けることが先です。採用にはコストがかかり、採用した人が定着しなければ再度の採用が必要になります。

常勤採用で確認しておくこと

項目 確認する内容
所定労働時間 就業規則で定めた時間と、実際の診療時間が合っているか
休憩時間 6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上
社会保険の適用 加入要件を満たすか。手続きの担当を決めておく
時間外労働 36協定の締結と届出。医師には上限規制の特例がある
兼業の可否 医師の場合、他院での勤務を認めるかを明示する
施設基準への影響 その採用で満たせる基準・外れる基準があるか

医師の時間外労働については、2024年4月から上限規制が適用されています。副業・兼業先での労働時間も通算される点に注意が必要です。

よくある質問

Q. 常勤と正社員は同じ意味ですか。

違います。常勤は勤務時間の量、正社員は雇用契約の種類を指します。実務では重なることが多いものの、求人票では分けて記載するのが正確です。

Q. 非常勤を常勤換算する方法は。

原則として「非常勤職員の週の勤務時間の合計 ÷ 常勤職員の所定労働時間」で算出します。ただし施設基準ごとに算定方法や上限が定められている場合があるため、届出内容に応じた確認が必要です。

Q. 週30時間勤務は常勤ですか。

施設基準上の常勤要件(週32時間以上)は満たしません。ただし自院の就業規則で所定労働時間を週30時間と定めているなら、労働法上はその施設の常勤にあたります。どちらの文脈での質問かで答えが変わります。

Q. 常勤医師を採用したら、すぐに届出が必要ですか。

保険医療機関では、医師の異動について地方厚生局への届出が必要です。採用日を確認したうえで、期限内に手続きしてください。

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まとめ

  • 常勤は勤務時間の量を指し、正社員という雇用形態とは別の概念
  • 「常勤」の意味は労働法・社会保険・診療報酬の3つの文脈で異なる。特に施設基準では週32時間が原則
  • 常勤換算により、非常勤の組み合わせで基準を満たせる場合がある
  • 常勤が向くのは、診療の継続性・施設基準・教育・管理業務が必要な場面
  • 非常勤が向くのは、需要が特定の時間帯に偏る・患者数が読めない場面
  • 人を増やす前に、業務設計で解決できないかを確認する

採用の判断は、施設基準の要件と実際の診療体制の両面から見る必要があります。届出に関わる部分は、雇用契約を結ぶ前に地方厚生局へ確認するのが確実です。


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提供形態

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診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、