大学病院の医師は、勤務先の種類別で見ると年収がもっとも低い層に入る。統計上、単体の年収が800万円未満というケースも珍しくない。
この記事では、なぜそうなるのか、そして何と引き換えになっているのかを整理する。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
医師全体の平均と比べると差が大きい
医師全体の平均年収はおよそ1,512万円である。一方で、国公立・公的病院が1,200〜1,300万円台に対し、大学病院は800万円未満のケースが出てくる。
満足度の調査でも、大学病院に勤める医師の7割近くが「年収が見合っていない」と回答している。
この差は、能力や労働時間の差ではない。給与の設計思想が違うためである。
本給が低いのは「外勤が前提」だから
大学病院の給与は、外勤(アルバイト)に出ることを織り込んで組まれている。
- 週1日程度の外勤日が制度として確保されている
- 外勤先の日当が本給を補う
- 結果として、本給だけを他院と比較しても実態を表さない
外勤日当は診療科と内容で幅があるが、麻酔・当直系では1日10万円を超える案件も存在する。週1回の外勤で年間数百万円が積み上がる構造になっている。
つまり大学病院の年収は「本給+外勤」で見ないと意味がない。転職サイトの求人票に出るのは本給部分だけなので、そこだけを見ると極端に低く映る。
何と引き換えになっているか
低い本給と引き換えに得ているものが3つある。
① 症例と設備
高難度症例・希少疾患・先進医療機器に触れられる。市中病院では経験できない症例数が集まるのは大学病院の構造的な強みである。
② 学位と専門医、そして肩書
学位取得、専門医・指導医の要件を満たしやすい。関連病院への人事という形で、キャリアの選択肢が広がる面もある。
③ 研究と教育の実績
論文・学会発表の実績は、大学に残る場合はもちろん、開業時の集患や、専門性の対外的な説明にも効いてくる。
問題は、この3つの価値が受け取れる期間には限りがあることである。症例も学位も、ある時期を過ぎると追加で得られるものが減っていく。にもかかわらず本給は上がらない。この非対称が「見合っていない」という感覚の正体である。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
年齢が上がるほど不満が強くなる理由
若手のうちは、低い本給を「教育の対価」として説明できる。しかし年次が上がると事情が変わる。
- 生活コストが上がる(住宅・教育費)
- 症例からの学びが逓減する
- 外勤に出られる曜日が、役職で減ることがある
- 一方で本給の上がり幅は小さい
「外勤で補う」という仕組みは、外勤に出られる立場でいる限りしか機能しない。役職が付いて院内業務が増えると、収入が上がるどころか下がる場合がある。
出るか残るかの判断軸
大学病院を離れるかどうかは、年収の額そのものではなく、これから得られるものの残量で判断したほうが誤らない。
判断材料になるのは次の4点である。
- これから増える症例経験は、あと何年ぶんあるか
- 学位・専門医・指導医の取得は完了しているか
- 外勤に出られる曜日は、今後増えるか減るか
- 関連病院への人事で、行きたいポストに届く見込みがあるか
このうち3つ以上が「頭打ち」なら、残るコストのほうが得るものを上回っていると考えてよい。
開業を選択肢に入れる場合も同じである。大学で得た専門性と紹介ネットワークは開業後の資産になるが、それは在籍を延ばすほど増えるものではない。
まとめ
- 大学病院の年収は単体で800万円未満のケースがあり、勤務先別で最も低い層
- 低いのは本給が外勤前提で組まれているため。年収は「本給+外勤」で見る
- 引き換えに得るのは症例・学位・人事の選択肢の3つ
- この3つは逓減するのに本給は上がらない——これが不満の構造
- 出るか残るかは、得られるものの残量で判断する
年収の数字を他院と並べるより、あと何年でその環境から得るものが尽きるかを見積もるほうが、判断の精度は上がる。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
