病院やクリニックの待ち時間が長いことに不満を覚える患者はとても多いです。予約制をとっておらず、当日、受付するしかない医療機関に関しては、「受付開始時間にくることができなかったから仕方がない」と諦めがつく場合もあるかもしれませんが、「予約したのに待たされた」ケースに関しては、患者側の不満は募るばかりです。そこで今回は、実際に、診察を待たされたことがある患者からどのような声が上がっているのかを確認していくとともに、患者の不満をできるだけ小さくする方法を考えていきます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
予約制なのに待たされた記述14件
まずは、株式会社DONUTSが独自に実施したアンケート結果から、実際に予約したのに待たされた経験がある患者の生の声を紹介していきます。
なお、アンケートは2026年9月に実施されたもので、アンケート対象者は100人ですが、そのうち「予約制なのに待たされた」旨の記述をした患者は18人いました。
待ち時間が2時間以上
-
「歯の痛みがあったので受診。結構人気のところだから患者が多いのは知っていたので時間がかかるのは覚悟していましたが、予約したのに結局2時間も待たされてへとへとになりました。その上、診察はささっと終わらせる感じだったしあまり治った感じはしませんでした。休日にわざわざ時間をとって来ているのにこれではあんまりだと思い、もうここじゃなくて良いかなと感じました」
-
「田舎の小さなクリニックでWEBの時間予約もしたのに、3時間ほど待たされた。診察で、大きな病院に行ったほうが良いか、その場合は紹介状を書いたり、その日診察前に撮ったレントゲンのデータをもらえたりできるかと尋ねたら、“僕(医師のこと)は忙しいから、紹介状なんて書いてる時間ないから”と一方的に言われ、診察が終了した」
→患者からすると、予約している時間を過ぎただけでもイライラしてくるのに、2時間、3時間も待たされたとなると、「予約した意味あるの?」とキレてもおかしくありません。医療機関は、これが常態化しているなら、すぐにでも自院の体制を見直すことが必要です。
毎回待たされる
-
「評判がいいクリニックだったので、いつも人が多くて毎回のように受付から診察まで、予約していても1時間以上待つことが多く、2時間待つこともありました。そのため仕事を休んだり予定を立てるのも困るようになったので、治療を続けたい気持ちはありましたが、待ち時間の負担が大きくなり、次第に足が遠のいて通わなくなりました」
-
「虫歯の治療や歯石の除去のために歯医者への予約をしっかりとしているにも関わらず、毎回行くたびに30分近く待たされてしまってイライラしました。こちらにも色々とスケジュールがあるので、待ち時間が長いせいでそのスケジュールが狂ってしまってストレスが溜まるので、スタッフの方に苦情を入れましたが改善されなかったので、通院をやめました」
-
「評判が良いので通い始めましたが、あまりにも待ち時間が長いことが多くて通うのをやめてしまいました。予約できるシステムがあるにも関わらず、予約した時間から30分以上待たされることが多くあり、ひどいときには1時間以上待たされる病院でした。診療内容によって時間が掛かることは理解できますが、時間通りにいかないことや超過時間が長すぎることが多すぎたと思います」
→たとえ15分~30分程度であったとしても、毎日、待ち時間が発生しているとあっては、患者は来院のたびに「またか」と失望してしまいます。しまいには、「どうせ時間通りに来院してもすぐに順番がこないから」と予約時間を過ぎて来院する患者が増える可能性もありますが、そうなるとますます多くの患者を待たせる結果となりかねません。
待たせたことに対する謝罪がなかった
-
「予約しているのにもかかわらず2時間くらいも待合室で待たされました。 その割りにお待たせしましたの謝罪の言葉もなく、関係のない雑談が多いと感じました。そして質問内容も関係の無い話ばかりです。 処方される薬はしっかり効いたのですか流石に待ち時間が長過ぎるので通うのは辞めました。 先生は良い人ではあるのでが本当に話が長いのです」
-
「予約制で割と朝早くに受診したがそもそも診療開始時間に医師が来ておらず遅れて開始。待たせてすいませんみたいな感じもなし。 その割に患者の話は聞かないで医師の見解を押し付けてくる感じがある。 Googleの口コミでも待ち時間が長い、医師の態度が横暴と書かれているものに対して反論していたりするものを何度か見てもう行くのはやめようと思った」
-
「私は1年ほど前まで歯医者に通っていました。定期的にメンテナンスをするために通っていて毎回の診察が終わり帰る時に次回の診察を予約するタイプの歯医者でした。私が通院を辞めた理由は18時に予約をしていて実際に呼ばれたのが18時半で、院長から謝罪の一言もなかったので通うのを辞めました。5分ほどの前後は許容範囲だと思っているのですが、わざわざ予約をして少し早めに到着することを心がけているのに30分待たされるともう行く気にはなりませんでした」
→患者を待たせてしまうこと自体よくないことですが、待たせたことを医師が詫びたかどうかによって、患者の気持ちは大きく変わってきます。「お待たせしてしまいすみません」「次回からこのようなことがないよう気を付けます」の一言があるだけでも、患者はイライラを持ち帰らずに済むものです。
待ち時間は長いのに診察時間は極端に短かった
-
「予約制の皮膚科だったのに予約時間になっても呼ばれず、予約時間から2時間経って呼ばれました。 その時点で帰ろうかとも考えましたが予約したし他に行くのも面倒だと思い待ちましたがとても待たされました。 いざ診察となると5分もかからず終わりで、ちゃんとした説明も無く傷跡残らないと言われたのに今も傷跡残っているしとヤブ医者じゃないか!?と思いました。 今度はお会計で時間が30分ほど待たされ会計の方も何でパパっと出来ないんだろうかと疑問に思うほどでした。 なのになぜか混んでるので不思議でたまりませんでした。 もう二度と行きません」
-
「予約時間に行ったのにも関わらず、2時間待たされて施術は5分。 痛かったら手をあげてと言われたので手を挙げたら、我慢できるから大丈夫だよー、と言われて患者のこと全く考えていないな、と思った。 また、次回の予約の際、受付の方が“遅刻したら、受付の一番最後になります”と言っていたのには驚いた。 やってることが矛盾しているのは、やはり信じられない」
-
「予約済みなのに一時間半待たされことがあり、予約時間に合わせて移動し、仕事や家事も調整してきたのにそれなのに診察室に入ったのは予約時刻を大きく過ぎた後で診察は数分で終了であったことや診察より会計待ちが長いことで診察が終われば帰れると思っているため、最後の待ち時間が強い疲労感につながりました」
→長く待たされた時点ですっかり気持ちが萎えているところ、肝心の診察をさっさと終わらせられては、「こんなに適当な診察しかしないのに待たすとはどういうことなのか!?」と患者の怒りが増すばかりです。一人ひとりを丁寧に診察するがあまり長引いているのならまだ理解できるという人も、いざ自分の番が回ってきて、あっという間に診察が終了したらやるせない気持ちになってしまうはずです。
待たされたこと以外にも不満があった
-
「患者に対する対応は特に悪いとは感じませんでしたが、新人や研修医に対する対応が冷たく感じられる場面がありました。患者のいる場所でも、そのようなやり取りが見聞きできることがあり、雰囲気の悪さを感じてしまいました。予約制なのに、待ち時間も長いこともあり、通院することに不安や抵抗を感じるようになり、病院へ行かなくなりました」
-
「子供の体調が悪いときに受診したのですが、待合室のキッズスペースがおもちゃが散らかったままで少し気になってしまいました。さらに、予約をして行ったにもかかわらず二時間近く待たされ、ぐずる子供をなだめるのに本当に苦労しました。受付の方も終始お疲れの様子で、こちらが質問しても面倒そうに対応されてしまい、これ以上ここに通うのは少し厳しいなと感じて、別の綺麗な小児科に変えることにしました」
-
「虫歯の治療のために近所の歯科医院に通院していた頃、予約した時間通りに行ったら他の外来患者を優先診療していて少し不愉快になった。受付スタッフや担当医からは何の説明もなかった上に、ヒートプラガーを口の中に突っ込まれていた際に熱を帯びている部位がまともに唇に当たって医療事故になりかけたこともあり、この医院は信用できないと思った」
→「待たされたけどしっかり治療してもらえた」「待たされたけど医師が待たせたことをきちんと謝ってくれた」などの場合、印象としてはプラスマイナスゼロになる可能性もあります。しかし、「待たされた」というマイナスの要素があるうえに、さらにイヤなことがあると、ネガティブな印象しか持ちようがありません。
信用を失う3つのパターン
さらに、アンケート回答のなかでも、信頼を失う可能性が特に高いと考えられる3つのパターンをみていきます。
パターン1: 待ち時間の表示が実態と合っていない
「待ち時間の表示が実態と合っていない」ことに不満を示す回答者の声は次の通りです。
- 「予約システムがあるんですが、当日しか予約できず、待ち時間がものすごく長いんです。そのうえで、予約システムで待ち時間を知ることができるんですが、待ち時間がおかしく、早めに待ち時間が表示され、待ち時間通りの指定時間に病院を訪れたら、まだ、自分の番ではなく、前の利用者の方が診察中だったことで、診察中の患者さんと今現在の進行度合いが予約システムとミスマッチしていて予約システム自体が信用できないものでした」
この理由としては、「①予約システム自体の不具合」「②医療機関が自主的に早めの時間を表示させている」の2つが考えられます。
- ①予約システム自体に不具合がある場合
予約システムが、実際の診療進行状況を正確に反映できていないケースの場合、考えられる原因は次の通りです。
-
診察の進行状況がリアルタイムで更新されていない
-
診察終了・呼び出し情報の反映に遅延がある
-
予約システムと電子カルテ・受付システムの連携に問題がある
-
待ち時間の計算ロジックに不具合がある
-
キャンセルや診察順序の変更が適切に反映されていない
など
この場合、医療機関が意図した設定どおりに動作していない可能性があります。そのため、もしも医療機関のほうではきちんと設定しているのに待ち時間がきちんと表示されていないことがわかった場合、設定を見直すか、メーカーに対応してもらうかする必要があります。
- ②医療機関が自主的に早めの時間を表示させている場合
医療機関が、患者の来院を促す目的などで、実際の診察開始見込みよりも早い時間を表示する設定をしているケースです。
たとえば次のような設定が考えられます。
-
実際の診察開始見込みより早い時間を表示
-
待ち時間を短めに見積もる設定
-
診察の進行状況ではなく、予約枠を基準に表示
-
患者が早めに来院するよう、余裕を持たせた案内を設定
この場合、医療機関は、実際の待ち時間との差異を把握しているはずですが、その差異によって患者のイライラが増幅していることにまでは目を向けていない場合もあるかもしれません。その可能性が少しでもあることがわかった時点で、表示の見直しを検討すべきです。
パターン2: 見通しを聞いても「順番です」しか返ってこない
診察時間の見込みがわからないことに対して、患者が憤りを感じるのがこのパターンです。
-
「軽い風邪の症状で平日の午前中に受診した際のことです。予約を導入している医院だったにもかかわらず、指定された時間を大幅に過ぎて一時間以上待たされました。待合室は混雑しており、受付の方に状況を尋ねても順番ですのでお待ちくださいと事務的に返されるだけで、どれくらいかかるのかの見通しすら教えてもらえませんでした。体調が悪い中での長時間の待ち情報は負担が大きく、通院を続けるのをやめました」
-
「肌のかゆみや湿疹が気になり、皮膚科を受診しました。事前に予約してから行ったのですが、受付後かなり待たされ、予約時間を過ぎてもなかなか診察が始まりませんでした。待合室も混雑していて、受付に確認しても“もう少しお待ちください”と言われるだけで、あとどのくらい待つのか分からない状態でした。診察自体は短時間で終わったため、診察のために長時間待つことに負担を感じました」
たとえば、同じ10分待たされるにしても、「あと10分で診察見込み」とわかっている場合と、あと何分待てばいいのかまったくわからない状態で待たされ続けるのとでは、待たされている側の精神状態には大きな違いがあります。
これを踏まえたうえで、医療機関側では、「あとどのくらいかかりそうですか?」と患者から質問されたときに、患者に納得してもらえるように返答するための体制を整えておく必要があります。
具体的には、主に次の点について患者に伝えることが大切です。
-
現在の診察状況:受付番号何番の患者を診察中であるか
-
待っている人数:当該患者の前に何人いるか
-
1人あたりの診察時間の目安:1人あたり平均でどのくらいの診察時間がかかっているか
-
診察の進行状況:予定通り進んでいるか遅延しているか
-
予約システムの表示:システム上の待ち時間と実際の状況に差がないか
-
急患・診察順序の変更:割り込みや診察内容に変動があるか
など
患者への適切な返答方法
上記を確認したうえで、次のように返答すると、患者に納得してもらいやすいです。
- ① 待ち時間を比較的正確に予測できる場合
「現在、前に3名の患者様がお待ちです。直近の診察状況から、あと30分程度を見込んでおります。ただし、診察内容によって前後する可能性がございます」
待ち時間の目安と変動する可能性を併せて伝えるのがポイントです。
- ② 診察が遅れている場合
「申し訳ございません。現在、診察が予定より遅れております。システム上の表示時間と実際の進行状況に差が出ているため、現時点では正確な時間をお伝えすることが難しい状況です。現在の見込みでは、あと○分程度を想定しておりますが、前後する可能性がございます」
システムの表示と実際の進行状況に差がある場合は、患者にその事実を説明して、過度に正確な時間を約束しないことが重要です。
- ③ 正確な予測が難しい場合
「お待たせして申し訳ございません。診察内容によって時間が変わるため、正確な待ち時間をお伝えすることが難しい状況です。現在の進行状況を確認し、改めて目安をご案内いたします」
無理に具体的な時間を伝えるのではなく、わからないことを正直に伝え、確認できる情報を案内することが患者との信頼関係につながります。
受付が避けたい返答
次のような対応は、患者の不満につながる可能性があります。
| 避けたい返答 | 問題点 |
|---|---|
| 「システムに表示されているとおりです」 | 実際の進行状況を確認していない |
| 「あと10分です」と根拠なく断言 | 時間が大幅に延びると不信感につながる |
| 「いつになるかわかりません」だけで終わる | 患者が見通しを持てない |
| 「もうすぐです」と繰り返す | 実際の時間とのズレが不満を招く可能性 |
受付は、患者が知りたい「あとどのくらいかかるのか」という疑問に対して、確認できる情報をもとに、誠実かつ具体的に説明することが大切です。
クリニックで整備したい待ち時間案内のルール
院内で以下のようなルールを決めておくと、受付スタッフによる案内のばらつきを減らせます。
【待ち時間の確認基準を統一する】
-
実際の診察中の患者数
-
直近の診察時間
-
診察の進行状況
【待ち時間の更新頻度を決める】
-
(例)一定時間ごとに進行状況を確認
-
診察遅延が発生した場合は随時更新
【表示時間と実際の状況が異なる場合の対応を決める】
-
システム表示の修正
-
受付による個別説明
-
必要に応じた院内共有
【患者への案内表現を統一する】
-
予測時間
-
時間が前後する可能性
-
再確認の方法
※更新頻度や具体的な運用ルールは、クリニックの診療体制に合わせて設定します。
パターン3: 遅延の告知がない
診察状況に遅延が生じていることを、わかりやすく告知していない場合も、患者は大きな憤りを感じやすくなります。たとえば次のような声が上がっています。
- 「子供と一緒に、花粉症の症状で受診しました。完全予約制ではありませんが、基本的には予約必須のクリニックです。時間帯予約をして受診したものの、予約時間を過ぎても(30分以上)呼ばれず……。ふと、そのクリニックのホームページ上に、現在診察をしている予約時間帯が掲載される事を思い出し確認してみると、1時間程遅れて診察が進んでいるようでした。そして、結局自分たちも1時間以上待ち、ようやく診察に呼ばれました。診察自体は比較的スムーズで、会計が終わるまでもそれほど待ちませんでしたが、さすがに子供は飽き果てていました。後日、別の耳鼻科クリニックへ予約をした上でかかると、ほぼ予約時間通りに診察に呼ばれ、前述のクリニックでの待ち時間はなんだったの!?と思わず声に出してしまった程でした。そのクリニックは医師の対応も非常に良かったので、それ以降前述の耳鼻科クリニックへはかかっていません。受診した時期が花粉症のピーク中であったことや、病院はある程度待つものだということを考慮しても、予約をした意味がなさ過ぎました。少なくとも子供と一緒に受診する事はもうないと思います」
予約システムを導入しているクリニックで診察の遅延が生じた場合は、患者が現在の状況と待ち時間の見通しを把握できるよう、早めかつ具体的に告知することが大切です。
遅延が判明した時点で告知する
まず大切なのが、遅延が判明した時点で告知することです。一定時間以上の遅延が見込まれる場合は、受付での口頭説明だけでなく、次の方法を組み合わせることも大切です。
-
院内モニターや掲示板での案内
-
予約システム・Webサイトへのお知らせ
-
SMS・メール・アプリ通知
-
受付スタッフによる個別説明
-
必要に応じた電話連絡
特に、患者が来院する前に遅延が予測できる場合は、来院前に通知することで、院内での待機時間を減らせます。
告知する内容
単に「診察が遅れています」と伝えるのではなく、次の情報を示します。
-
遅延が発生している事実
-
遅延の目安(例:通常より30分程度)
-
現在の診察状況
-
予約時刻や受付順と実際の診察順が異なる可能性
-
今後の対応
-
患者へのお詫びと理解のお願い
ただし、診察時間は患者ごとに異なるため、根拠のない正確な時刻を提示することは避けます。
告知文の例
【院内掲示・Webサイト】
「診察の遅延についてのお知らせ
現在、診察に時間を要しており、予約時刻より遅れが生じております。現時点では、通常より約30分程度の遅れを見込んでおりますが、診療内容や緊急対応などにより、さらにお待ちいただく場合がございます。ご来院の皆さまにはご迷惑をおかけしまして誠に申し訳ございません。診療の進行状況が変わりましたら、随時ご案内いたします」
【受付での説明】
「現在、診察が予定より遅れており、予約時刻から30分ほどお待ちいただく可能性がございます。診察の進み具合によって前後する場合がありますのでご了承ください。状況が変わりましたら、改めてご案内いたします。」
予約システムの表示も更新する
予約システムに表示される予定時刻と、実際の診察の進行状況に差がある場合、患者の不信感につながる可能性があります。
そのため、以下について予め決めておくことが重要です。
-
何分以上の遅延で告知するか
-
(総合病院などの場合)どの部署が情報を更新するか
-
何分ごとに状況を確認するか
-
表示時刻と実際の進行がずれた場合の対応
-
スタッフが統一した説明をおこなうための案内文
遅延を完全になくすことだけでなく、遅延が発生した際に、患者へ正確で誠実な情報を継続的に伝えることが重要です。
待ち時間
患者満足度の維持または向上のためにも、できるだけ待ち時間を生じさせないことは大切です。しかし、診療状況などによってはどうしても待ち時間が生じてしまう可能性があります。また、妊婦検診をおこなっている産婦人科や、急患を受け付けている医療機関などでは、待ち時間の発生を抑えることが難しい場合があります。
そのため、「待ち時間が生じても患者に不満を感じさせないための対策」についても考えておくことが得策です。主に、次のような方法が考えられます。
残り人数の可視化
予約システムや院内モニター、スマートフォン画面などで、自分の前に何人の患者が待っているかを表示します。
【具体的な運用】
-
現在診察中の番号を表示
-
自分の順番までの残り人数を表示
-
順番が近づいたら通知
-
診察状況に応じて表示を随時更新
待ち時間が不明な状態は、患者に不安や不満を感じさせやすくなります。残り人数を示すことで、患者は診察までの見通しを立てやすくなります。
ただし、診察時間は患者ごとに異なるため、残り人数だけで待ち時間を断定しないことが大切です。
遅延時の一斉通知
こちらは先に解説した通りです。診察が予定より遅れる場合、対象となる患者へメール、SMS、アプリなどで一斉に知らせます。通知する内容は、「診察に遅れが生じていること」「遅延の目安」「遅延の理由(説明可能な範囲で)」「予約時刻が前後する可能性」「今後の対応や問い合わせ先」などです。
患者が自分の順番まで外出して戻れる運用
患者が院内で待ち続けることなく、いったん外出して、順番が近づいたら戻れる仕組みを用意します。
【具体的な運用】
-
外出を希望する患者が受付に申し出る
-
携帯電話番号や通知方法を確認する
-
戻る目安や呼び出し方法を説明する
-
順番が近づいたらSMS・電話・アプリなどで通知する
-
患者が戻った際の受付手順を明確にする
【注意点】
-
何人前、または何分前に戻るべきか伝える
-
呼び出しに応じられなかった場合のルールを決める
-
外出中の緊急連絡方法を確認する
-
診察順が変わる可能性を事前に説明する
外出できるようにすることで、患者は買い物や仕事などに時間を使えます。ただし、呼び出し方法や戻る時間の説明が不十分だと、かえって混乱につながります。
待合環境を整える
これは基本中の基本ですが、待ち時間を完全になくせない場合、待機中の負担を軽減することを大事にしましょう。
-
座席や室温の改善
-
wi-Fiの提供
-
サイネージの導入など、患者を飽きさせない工夫
-
高齢者や体調不良者への配慮
など
待合室のスペースに余裕がないことから、患者がストレスを感じやすい場合などは、座席の配置を見直すなどの対策を検討することもおすすめです。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
よくある質問
続いては、患者の待ち時間に関しての、よくある質問とその答えをみていきましょう。
Q. 患者満足度向上を目指すなら、予約システムは導入したほうがいいですか?
A. 予約システムは、予約受付や来院状況の管理、待ち時間の可視化などに役立ちます。ただし、導入するだけで患者満足度が向上するわけではありません。予約枠の設定が実際の診療時間と合っていなかったり、遅延情報が更新されなかったりすると、不満につながる可能性があります。
導入時には、予約の取りやすさだけでなく、待ち時間の案内やキャンセル対応、外出・呼び出し機能なども含めて検討することが大切です。現在の診療フローや患者層に適したシステムを選びましょう。
Q. 患者一人ひとりと真摯に向き合うあまり、どうしても診察時間が伸びて、結果的に患者を待たせてしまいがちです。どうすればいいですか?
A. 患者の話を丁寧に聞き、十分な説明をおこなうことは、医療の質や信頼関係の面で重要です。一方で、診察時間が長引くと、ほかの患者の待ち時間が増える場合があります。
まずは、診察に時間がかかる原因を把握しましょう。問診の事前入力、検査結果の整理、説明資料の活用、スタッフによる情報収集などによって、医師が患者との対話に集中できる時間を確保できます。
また、診察中にすべての問題を解決しようとせず、緊急性や優先順位を確認して、必要に応じて次回の診察や専門職への相談につなげることも有効です。診察時間を一律に短縮するのではなく、患者との対話の質と診療全体の流れを両立させる視点が求められます。
Q. 患者を待たせないように枠ごとの人数を減らすと、医療機関としての収入が減るため不安ですがどうすればいいですか?
予約枠を減らす前に、現在の診療データを分析することが重要です。時間帯ごとの患者数、診察時間、キャンセル率、診療報酬、医師やスタッフの稼働状況などを確認して、どこに遅延や業務の偏りが生じているかを把握します。
そのうえで、すべての枠を一律に減らすのではなく、初診・再診、検査の有無、診察内容などに応じて予約枠を調整する方法があります。また、事前問診や業務分担の見直しによって、診療の受け入れ能力を高められる可能性もあります。
患者数を減らすことだけでなく、診療の質・待ち時間・スタッフの負担・収支を総合的に検討することが大切です。必要に応じて、一定期間の試行後に効果を検証しましょう。
Q. 患者から、待ち時間が長すぎると受付にクレームが入ったときの適切な対応は?
まずは患者の話を遮らずに聞き、待ち時間によって生じた不便や不安に配慮します。すぐに原因を断定したり、「仕方がありません」と説明したりするのではなく、現在の診察状況を確認したうえで、具体的な見通しを伝えます。
(対応例)
「長時間お待たせしてしまい、申し訳ございません。現在の診察状況を確認したところ、予定より遅れが生じております。現時点では、あと20~30分程度を見込んでおりますが、診察の進行によって前後する可能性がございます」
患者に時間の制約や体調面の問題がある場合は、外出や予約変更など、院内のルールに沿って対応できる選択肢を案内します。
対応後は、クレームの内容や発生時間、遅延の原因を記録して、予約枠や案内方法の改善に活用しましょう。
Q. 待ち時間が長すぎるという口コミを入れられた場合の対処法は?
まずは口コミの内容を確認して、事実関係と院内の対応状況を整理します。感情的に反論したり、患者の個人情報や診療内容を公開したりすることは避けましょう。
公開返信をおこなう場合は、投稿者個人を特定できない範囲で、次の点を意識します。
-
来院・利用へのお礼
-
待ち時間に対するお詫び
-
改善に取り組む姿勢
-
個別の事情は、問い合わせ窓口で確認する案内
(返信例)
「このたびは、長時間お待たせしてしまい、誠に申し訳ございません。ご不快な思いをおかけしたことを重く受け止め、診療の進行状況や待ち時間のご案内方法について、改善に努めてまいります。個別の状況について確認をご希望の場合は、当院までお問い合わせください」
ただし、すべての口コミに同じ文章で返信するのではなく、内容に応じて対応を変えることが重要です。事実と異なる投稿、個人情報を含む投稿、誹謗中傷などについては、各口コミサービスのルールを確認して、必要に応じて削除申請などを検討します。
口コミへの返信だけで終わらせず、実際の待ち時間や患者への説明方法を改善することが、長期的な信頼の回復につながります。
「待たされている患者の気持ち」を考えることが何より大切
予約をしているにもかかわらず、診察まで2時間以上待たされる状況は、患者に大きな負担を与えます。待ち時間が長いことに加えて、「予約した意味がない」「いつ診察してもらえるのか分からない」と感じさせてしまうと、クリニックへの信頼低下につながりかねません。もちろん、診療内容や緊急対応によって、予定通りに進まない場合もあります。重要なのは、遅延を完全になくそうとすることだけではなく、遅れが生じた際に、状況や見通しを誠実に伝えることです。予約システムによる待ち時間の可視化や一斉通知、外出対応などを整備して、患者の負担を軽減しましょう。患者の時間を尊重する姿勢と継続的な業務改善が、長期的な信頼関係の構築につながります。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
