糖尿病透析予防指導管理料の算定要件|対象患者の判定表・施設基準チェックリスト・看護師の研修要件と記録、令和8年度の扱い

糖尿病透析予防指導管理料は、医師・看護師(または保健師)・管理栄養士の「透析予防診療チーム」が、腎症のある外来の糖尿病患者に透析予防の指導をしたときに月1回算定する点数です。届出が必要で、チームの3職種それぞれに経験年数の要件があります。

この記事では、糖尿病の患者を多く診る内科診療所の院長・医事担当の方に向けて、自院がこの管理料を届け出られるか、どの患者に算定できるかを判定表とチェックリストで整理します。内容は令和8年6月1日施行の告示と通知で確かめたものです。

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目次
  1. 糖尿病透析予防指導管理料の点数と令和8年度改定での扱い
  2. 糖尿病透析予防指導管理料の対象患者:判定表
  3. 糖尿病透析予防指導管理料の施設基準チェックリスト
    1. 看護師・保健師の経験と研修の要件
    2. 特定地域の点数(175点)の施設基準
  4. 糖尿病透析予防指導管理料の算定要件:指導の内容と併算定
    1. 生活習慣病管理料・在宅療養指導管理料との併算定
  5. 糖尿病透析予防指導管理料をオンラインで行う場合(305点)の要件
  6. 高度腎機能障害患者指導加算の算定要件と実績の基準
  7. 糖尿病透析予防指導管理料で記録に残すこと
  8. 糖尿病透析予防指導管理料を算定できないケース
  9. よくある質問
    1. 糖尿病透析予防指導管理料の看護師の研修は何時間必要ですか
    2. 管理栄養士は常勤でなければなりませんか
    3. 生活習慣病管理料を算定している患者にも算定できますか
  10. まとめ
  11. 参考

糖尿病透析予防指導管理料の点数と令和8年度改定での扱い

点数は次のとおりです。いずれも月1回に限り算定します。

区分 点数
糖尿病透析予防指導管理料 350点
特定地域(医療資源の少ない地域)の点数 175点
情報通信機器を用いて行った場合 305点
特定地域で情報通信機器を用いて行った場合 152点
高度腎機能障害患者指導加算 +100点

令和8年度改定では、この管理料の点数、対象患者、透析予防診療チームの要件は変わっていません。改定前と同じ体制のまま算定を続けられます。

変わったのは周辺の2点です。1つは特定地域の点数(175点)を算定できない病院の範囲で、入院料の再編にあわせて「急性期病院A一般入院料」などの新しい名称に書き換わりました。もう1つは特定地域そのもので、令和5年の医療施設調査などをもとに対象の市町村が見直されています。診療所が特定地域の点数を使う場合は、自院の所在地が新しい一覧に入っているかを確かめてください。

糖尿病透析予防指導管理料の対象患者:判定表

対象は、次の5つの条件をすべて満たす患者です。

確認すること 条件
通院の形 入院中でなく、通院している患者。在宅で療養している患者は対象外
糖尿病の状態 HbA1cがNGSP値で6.5%以上(JDS値で6.1%以上)、または糖尿病の内服薬かインスリン製剤を使っている
腎症の病期 糖尿病性腎症第2期以上
透析 現に透析療法を行っていない
医師の判断 医師が透析予防に関する指導の必要性を認めている

HbA1cが6.5%未満でも、内服薬やインスリンを使っていれば2行目は満たします。逆に、腎症が第1期の患者は、血糖の状態にかかわらず対象になりません。

糖尿病のない慢性腎臓病の患者には、別の点数として慢性腎臓病透析予防指導管理料があります。こちらは糖尿病患者を対象から除いているので、同じ患者に2つを使い分けることはありません。

糖尿病透析予防指導管理料の施設基準チェックリスト

届出の前に、院内に「透析予防診療チーム」が組めるかを確かめます。通知が求める要件を順に並べると、次のとおりです。

要件 自院の確認
1 糖尿病指導の経験を有する専任の医師がいる □
2 その医師は、糖尿病と糖尿病性腎症の予防指導に5年以上従事している □
3 糖尿病指導の経験を有する専任の看護師または保健師がいる(要件は次の節) □
4 糖尿病指導の経験を有する専任の管理栄養士がいて、糖尿病と糖尿病性腎症の栄養指導に5年以上従事している □
5 1〜3の医師・看護師・保健師のうち、少なくとも1人は常勤 □
6 糖尿病教室を定期的に開くなどして、患者と家族に糖尿病について説明している □
7 薬剤師、理学療法士も配置する(望ましい要件で、必須ではない) -

常勤の要件は、医師・看護師・保健師の3職種のうち1人が満たせば足ります。管理栄養士には常勤の要件がありません。

届出の様式(様式5の6)には職種ごとに経験年数・専任・常勤のチェック欄があり、それぞれ記入して提出します。

看護師・保健師の経験と研修の要件

看護師は、次のどちらかに当てはまる必要があります。

経験 研修
A 糖尿病と糖尿病性腎症の予防指導に2年以上従事し、その間に通算1,000時間以上、糖尿病患者の療養指導を行った 適切な研修の修了が必要
B 糖尿病と糖尿病性腎症の予防指導に5年以上従事した 不要

Aで求められる研修は、次の4つをすべて満たすものに限られます。

  • 国または医療関係団体などが主催している
  • 糖尿病患者への生活習慣改善の意義と基礎知識、評価方法、セルフケア支援、事例分析・評価などを含む
  • 糖尿病患者の療養指導に十分な知識と経験のある医師・看護師などが行う演習を含む
  • 通算10時間以上である

研修を受けた看護師で届け出る場合は、研修の名称・実施主体・修了日・修了者の氏名が分かる修了証などの写しを様式5の6に添付します。

保健師の要件は看護師より軽く、予防指導に2年以上従事していれば足ります。研修の修了は求められていません。

特定地域の点数(175点)の施設基準

医療資源の少ない地域にある医療機関は、350点の施設基準を届け出ていなくても、特定地域の基準で届け出れば175点を算定できます。医師・看護師または保健師・管理栄養士のチームが必要なことと、医師・保健師・管理栄養士の経験年数の要件は350点と同じです。

350点と違う主な点は2つです。1つは、3職種とも「専任」でなくてよいこと。もう1つは看護師の要件で、経験2年以上・療養指導1,000時間以上・研修修了のAのルートしか認められません。経験5年だけで研修を受けていない看護師では、特定地域の基準を満たしません。

なお、特定機能病院、許可病床400床以上の病院、DPC対象病院などは、特定地域にあっても175点を算定できません。

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糖尿病透析予防指導管理料の算定要件:指導の内容と併算定

対象患者とチームがそろったら、指導の要件を確かめます。

要件 内容
行う人 専任の医師、その指示を受けた専任の看護師(または保健師)、管理栄養士が共同して行う
指導の内容 日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド」などに基づき、病期分類、食塩制限・たんぱく制限などの食事指導、運動指導、その他生活習慣の指導を必要に応じて個別に行う
事前の評価と計画 糖尿病性腎症のリスク要因を評価し、その結果に基づいて指導計画を作る
回数 月1回まで
含まれる点数 外来栄養食事指導料と集団栄養食事指導料は、この管理料に含まれ別に算定できない
保険者への協力 保険者から保健指導のための情報提供などを求められたら、患者の同意を得て協力する

管理栄養士が食事指導をしても、同じ患者に外来栄養食事指導料を別に請求することはできません。この2つを両方請求していないかは、レセプトの点検で真っ先に見るところです。

生活習慣病管理料・在宅療養指導管理料との併算定

外来栄養食事指導料と集団栄養食事指導料を除けば、同じ月・同じ日でも他の医学管理等と在宅療養指導管理料を併算定できます。

糖尿病の患者に生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定している診療所は多いはずです。生活習慣病管理料は多くの医学管理を包括しますが、糖尿病透析予防指導管理料は包括の対象から外されているので、両方算定できます。在宅自己注射指導管理料を算定しているインスリン使用の患者でも、糖尿病透析予防指導管理料は併算定できます。ただし、生活習慣病管理料のほうは、在宅自己注射指導管理料を算定している糖尿病の患者には算定できない場合があります。

糖尿病透析予防指導管理料をオンラインで行う場合(305点)の要件

ビデオ通話で指導した月は、350点に代えて305点を算定します。新たな届出は要らず、情報通信機器を用いた診療の届出をしていれば足ります。

追加で満たすことは次の4つです。

  • 厚生労働省のオンライン診療の指針(通知でいう「オンライン指針」)に沿って行う
  • 事前に、対面とオンラインの指導を組み合わせた指導計画をチームで作り、それに沿って行う
  • 医師・看護師・管理栄養士の指導は、その月の別の日に分けて行ってもよい
  • 指導内容と指導実施時間を、診療録・療養指導記録・栄養指導記録のいずれかに書く

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高度腎機能障害患者指導加算の算定要件と実績の基準

この加算は、算定の対象と届出の基準で、使うeGFRの数字が違います。混同しやすいところです。

内容
算定できる患者 eGFRが45未満(mL/分/1.73㎡)の患者
行うこと 専任の医師が、腎機能を維持するために必要な運動の種類・頻度・強度・時間・注意点を指導する。すでに運動している患者は状況を確認し、必要に応じて追加の指導をする
参考にする手引き 日本腎臓リハビリテーション学会「保存期CKD患者に対する腎臓リハビリテーションの手引き」
届出の様式 様式5の8

届出には、腎機能の推移の実績が必要です。届け出る月の4か月前までの3か月間にこの管理料を算定した患者のうち、eGFRが30未満だった患者(死亡、透析導入、腎移植を除く)を数えます。その患者が6人以上いることが前提です。

そのうえで、算定した時点から3か月以上たった時点で、次のどれかに当てはまる患者が5割を超えていなければなりません。

  • 血清クレアチニンまたはシスタチンCが、算定時点から変わらないか下がっている
  • 尿たんぱく排泄量が、算定時点から20%以上下がっている
  • eGFRを算出した時点の前後3か月を比べ、1か月あたりの低下幅が30%以上小さくなっている

この割合は3か月ごとに見直されます。継続して加算を算定するには、その都度、直近の実績で要件を満たしていることが必要です。eGFR30未満の患者が少ない診療所では、まずこの「6人」に届くかを数えてから検討してください。

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糖尿病透析予防指導管理料で記録に残すこと

通知は、チームが次の3つを診療録、療養指導記録または栄養指導記録に添付するか記載するよう求めています。

記録すること 記載例
糖尿病性腎症のリスク要因の評価結果 HbA1c 7.8%、eGFR 52、尿アルブミン/クレアチニン比 120mg/gCr、腎症第2期。血圧140/88、喫煙あり
指導計画 6か月で塩分6g/日未満、HbA1c 7.0%未満を目標。毎月の受診時に医師・看護師・管理栄養士が指導
実施した指導内容 医師:病期と検査値の説明。看護師:家庭血圧の測定方法と記録の確認。管理栄養士:食事記録をもとに減塩の具体策を説明

記録には、誰が・何を・どの職種として行ったかが分かるように書きます。3職種の共同指導が要件なので、管理栄養士の指導内容だけが残っていて医師や看護師の関与が読み取れない記録では、算定の根拠を示せません。オンラインで行った月は、指導実施時間も書き加えます。

糖尿病透析予防指導管理料を算定できないケース

算定できないのは、次のような場合です。

ケース 理由
腎症第1期の患者に算定した 対象は腎症第2期以上
HbA1c 6.5%未満で、薬を使わず食事療法だけの患者に算定した 血糖の条件を満たさない
透析を始めた患者に算定を続けた 現に透析中の患者は対象外
訪問診療で在宅療養中の患者に算定した 対象は通院している患者
同じ月に外来栄養食事指導料も請求した 外来栄養食事指導料はこの管理料に含まれる
月2回算定した 月1回まで
リスク要因の評価や指導計画が記録に残っていない 評価と計画に基づく指導であることを示せない
届出時の看護師が退職し、要件を満たす看護師がいない 施設基準を満たさなくなる。変更の届出が必要

最後のケースは、届出の後に起こります。チームの誰かが異動・退職したら、後任が経験年数や研修の要件を満たすかを確かめ、満たさなければ届出の変更や取下げを検討します。

よくある質問

糖尿病透析予防指導管理料の看護師の研修は何時間必要ですか

通算10時間以上の研修が必要です。国または医療関係団体などが主催し、演習を含むものに限られます。350点で届け出る場合、研修が必要なのは経験2年以上・療養指導1,000時間以上で届け出る看護師だけで、予防指導の経験が5年以上ある看護師なら研修の修了は求められません。特定地域の175点で届け出る場合は、看護師は研修の修了が必須です。

管理栄養士は常勤でなければなりませんか

常勤である必要はありません。常勤の要件は、医師・看護師・保健師のうち少なくとも1人が常勤であることだけです。ただし、管理栄養士にも専任であることと、糖尿病と糖尿病性腎症の栄養指導に5年以上従事した経験が求められます。

生活習慣病管理料を算定している患者にも算定できますか

算定できます。生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)は多くの医学管理を包括しますが、糖尿病透析予防指導管理料は包括の対象から外されています。対象患者の要件を満たしていれば、同じ月に両方算定できます。

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まとめ

糖尿病透析予防指導管理料は、令和8年度改定でも点数と要件が変わっていません。届出の可否は、チームの3職種の経験年数(医師5年、管理栄養士5年、看護師は2年+1,000時間+研修か5年)と、常勤1人で決まります。まずは院内の看護師と管理栄養士の経験年数を確かめ、腎症第2期以上の通院患者が何人いるかを数えてください。

参考

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特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、