電話再診の算定要件|算定できる・できないの判定表、オンライン診療との違い、時間外加算と外来管理加算の扱い【令和8年度改定対応】

患者や家族からの電話に医師が答えたとき、再診料を算定できるかは2つの条件で決まります。患者側から治療上の意見を求められたことと、医師が治療上必要な指示をしたことです。医療機関から定期的にかける電話や、検査結果を伝えるだけの電話は、この条件を満たしません。

電話で算定するときは、外来管理加算と医学管理料は付けられません。一方で、時間外加算・休日加算・深夜加算・夜間・早朝等加算と乳幼児加算は、条件を満たせば付けられます。

この記事は、電話相談のたびに「これは算定していいのか」と迷う医療事務の方と院長に向けて、判定表と加算の可否、カルテとレセプトの書き方をまとめたものです。内容は令和8年6月1日施行の告示・留意事項通知と、令和8年9月25日までに出た疑義解釈で確かめています。電話でどこまで医学的な判断をしてよいかという診療内容の話は扱いません。

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目次
  1. 電話再診の算定要件は「患者側からの求め」と「治療上の指示」の2つ
  2. 電話再診を算定できる・できないケースの判定表
  3. 電話再診とオンライン診療(情報通信機器を用いた再診)の違い
  4. 電話再診で算定できる加算・できない加算(時間外加算・外来管理加算)
  5. 電話再診のカルテ記載とレセプト記載
    1. カルテに残すこと
    2. レセプトに書くこと
  6. 令和8年度改定で電話再診の算定要件は変わったか
  7. よくある質問
    1. 家族からの電話でも電話再診として算定できますか
    2. 同じ日に2回電話がかかってきたら、2回とも算定できますか
    3. 電話再診で処方の指示を出したとき、特定疾患療養管理料も算定できますか
  8. まとめ
  9. 参考

電話再診の算定要件は「患者側からの求め」と「治療上の指示」の2つ

電話による再診は、医科点数表の再診料(A001)の注9に定められています。告示の文言は「患者又はその看護に当たっている者から電話等によって治療上の意見を求められて指示をした場合においても、再診料を算定することができる」です。点数は通常の再診料と同じ76点です。

留意事項通知(A001の(8))は、算定できる場面をさらに絞っています。

確認すること 要件
対象患者 その医療機関で初診を受けた患者で、再診以後の相談であること
誰からの電話か 患者本人、または看護に当たっている者(家族など)。直接でも間接でもよい
何を求められたか 病状の変化に応じて、療養について医師の指示を受ける必要がある場面での医学的な意見
医師がしたこと 治療上必要な適切な指示をしたこと
使える手段 電話、ビデオ通話。聴覚障害のある患者に限りファクシミリ・電子メール等も可
算定できない形 定期的な医学管理を前提とした電話、同じ日の初診・再診に付随する一連の行為、時間おきに病状の報告を受けるもの
その他 予約に基づく診察の特別の料金(選定療養)は徴収できない

ポイントは「誰が電話をかけたか」と「医師が何をしたか」です。患者側が困って電話をかけてきて、医師が治療上の指示を返した。この形が揃って初めて再診料になります。

定期的な医学管理を前提とした電話については経過措置があります。平成30年3月31日以前から3か月以上続けて電話等再診を算定していた患者は、その一連の診療が終わるまで算定を続けられます。ただしこの場合、時間外加算などの時間帯の加算は付けられません。

電話再診を算定できる・できないケースの判定表

受付や外来でよく出会う場面を、要件に当てはめて整理しました。迷ったときは「患者側からの求めか」「医師が治療上の指示をしたか」の2点を順に確かめてください。

場面 判定 理由
処方した薬を飲んだら発疹が出たと患者から電話があり、医師が服薬の中止を指示した 算定できる 病状の変化に対する患者側からの相談に、医師が治療上の指示をした
子どもの熱が下がらないと母親から電話があり、医師が受診のタイミングや解熱薬の使い方を指示した 算定できる(乳幼児加算も可) 看護に当たっている者からの求め。6歳未満なら乳幼児加算を付ける
夜間に家族から電話があり、医師が救急病院の受診を指示し、同日に紹介先へ診療情報を文書で送った 算定できる(診療情報提供料(Ⅰ)も可) 救急医療を担う医療機関への受診指示と同日の文書提供は、医学管理料の例外として認められている
まだ一度も受診していない人から、症状について電話で相談を受けた 算定できない 初診を受けた患者の再診以後であることが要件
医療機関から患者に電話して、検査結果を伝えた 算定できない 患者側から意見を求められたものではない
高血圧で通院中の患者に、毎月決まった日に電話で血圧を聞いている 算定できない 定期的な医学管理を前提とした電話は対象外
午前に外来受診した患者から、午後に「薬の飲み方を確認したい」と電話があった 算定できない場合がある 同じ日の再診に付随する一連の行為とみなされると算定できない
術後の患者から、数時間おきに体温の報告を受けている 算定できない 時間おきに病状の報告を受ける内容のものは対象外
予約の変更や診療時間の問い合わせに受付が答えた 算定できない 治療上の意見の求めでも、医師の指示でもない
家族だけが来院し、医師が患者の症状を聞いて薬を出した 再診料は算定できる(外来管理加算は不可) 電話ではなく来院での再診。やむを得ない事情で看護者から症状を聞いて投薬した場合の扱い

「算定できない」とした場面でも、医療機関として電話対応そのものをやめる必要はありません。再診料として請求しない、という意味です。

地方厚生局の個別指導でも、令和6年度に「電話等による再診について、(中略)治療上の意見を求められて、必要な指示を行った場合に該当しないものについて算定している」という指摘が挙がっています(中国四国厚生局、東海北陸厚生局)。算定するなら、要件に当たることを後から説明できるようにカルテを残すことが前提です。

電話再診とオンライン診療(情報通信機器を用いた再診)の違い

同じ「来院しない再診」でも、電話等再診と情報通信機器を用いた再診(いわゆるオンライン診療)は別の扱いです。電話等再診にはビデオ通話も含まれるため、手段ではなく「計画して行う診療か、患者からの相談に応じたものか」で分かれます。

項目 電話等再診(A001 注9) 情報通信機器を用いた再診(A001 注1)
きっかけ 患者・家族からの求め 医療機関が計画して行う診療
手段 電話、ビデオ通話(聴覚障害者はFAX・メール等も可) リアルタイムの映像を伴う情報通信機器
施設基準の届出 不要 必要
守る指針 特になし(留意事項の要件を満たすこと) 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」
点数 再診料76点 再診料76点
定期的な医学管理 前提にすると算定できない 計画的な診療として行える
医学管理料 原則算定できない 情報通信機器を用いた場合の点数が設けられているものは算定できる
外来管理加算 算定できない 算定できない
レセプト摘要 電話等再診の回数を再掲 指針に沿った適切な診療である旨を記載

定期的に来院できない患者を診ていきたいなら、電話等再診ではなく、届出をしてオンライン診療として組み立てる必要があります。電話診療・オンライン診療を導入する条件や流れは「電話診療、オンライン診療を導入する条件は? 電話のみでも診療できる?」で整理しています。

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電話再診で算定できる加算・できない加算(時間外加算・外来管理加算)

再診料の注9は、電話等再診のときに付けられない加算を名指ししています。名指しされていない時間帯の加算などは、それぞれの要件を満たせば付けられます。

加算・点数 電話等再診での扱い 根拠・補足
乳幼児加算(38点) 算定できる 6歳未満の乳幼児の看護者からの相談で指示した場合
時間外加算・休日加算・深夜加算(65点・190点・420点、乳幼児は135点・260点・590点) 算定できる その時間帯に意見を求められて指示した場合。FAX・メールによる再診は不可
夜間・早朝等加算(50点) 算定できる 診療所が表示する診療時間内の夜間・早朝・休日に指示した場合。FAX・メールによる再診は不可
時間外対応体制加算1〜4(7点・5点・4点・2点) 算定できる 留意事項通知に、電話等再診でも算定可能と明記されている
明細書発行体制等加算(1点) 注9で除外されていない 届出・要件を満たしていれば対象
外来管理加算(52点) 算定できない 注9で除外。丁寧な問診と詳細な身体診察が前提の加算
地域包括診療加算、外来データ提出加算 算定できない 注9で除外
外来感染対策向上加算と、発熱患者等対応加算・連携強化加算・サーベイランス強化加算・抗菌薬適正使用体制加算 算定できない 注9で除外
電子的診療情報連携体制整備加算 算定できない 注9で除外
看護師等遠隔診療補助加算 算定できない 注9で除外
医学管理料(特定疾患療養管理料など) 算定できない 留意事項通知で除外。救急医療機関への受診指示と同日の文書提供による診療情報提供料(Ⅰ)だけは例外

時間帯の加算は「電話を受けた時刻」ではなく、「意見を求められて指示をした時間帯」で判断します。たとえば診療時間外に家族から電話があり、医師が指示した場合は時間外加算の対象です。標榜時間外の電話相談が多い診療所ほど、時間外対応体制加算と時間帯の加算を付け忘れやすいところです。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の再診時等(4点)と、令和8年度に新設された外来・在宅物価対応料の再診時等(2点)は、通知上「再診料を算定した場合」が対象です。電話等再診も再診料として算定するため対象に含まれると読めますが、電話等再診について明示した疑義解釈は見当たりません。迷う場合は、審査支払機関や地方厚生局に確認してから算定してください。

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電話再診のカルテ記載とレセプト記載

カルテに残すこと

留意事項通知が電話等再診について記載を求めているのは、FAX・メールによる再診の場合の送受信時刻と、そのFAX等の写しの添付です。電話やビデオ通話の場合も、算定の根拠を後から示せるように次の4点を残しておくと、個別指導で問われたときに説明できます。

項目 記載例
日時 令和8年10月14日 19:40(診療時間外)
誰から 母親より電話
求められた内容 昨日から38度台の発熱が続き、解熱薬を使ってよいか相談
医師の指示 処方済みの解熱薬の使用間隔を指示。水分が取れない・ぐったりしている場合は救急受診するよう指示

「電話あり、様子見」だけでは、治療上の意見を求められて指示をしたことが読み取れません。患者側の訴えと、医師が出した指示の中身を書いておくことが要件を満たしていた証拠になります。

レセプトに書くこと

「診療報酬請求書等の記載要領」では、電話等再診の扱いが次のように決まっています。

項目 書き方
実日数 電話等再診も1日として数える
摘要欄 電話等再診の回数を再掲する
同じ日に初診・再診(電話等再診を含む)が2回以上 実日数は1日。回数を摘要欄に再掲する。同一日に2回以上の再診がある旨を記載する
平成30年3月以前からの継続患者 その旨と、該当分とそれ以外の電話等再診の回数をそれぞれ摘要欄に記載する

電子カルテやレセコンで電話等再診を入力するときは、通常の再診と区別できる項目で入れておくと、摘要欄への回数の再掲を忘れずに済みます。

令和8年度改定で電話再診の算定要件は変わったか

電話等再診の算定要件そのもの(留意事項通知A001の(8))は、令和8年度の個別改定項目に見直しが入っていません。変わったのは点数と、電話等再診でも算定できる加算の側です。

項目 令和6年度 令和8年度(2026年6月〜)
再診料(電話等再診も同じ) 75点 76点
時間外対応の評価 時間外対応加算1〜4(5点・4点・3点・1点) 時間外対応体制加算1〜4(7点・5点・4点・2点)に名称変更・引き上げ
外来・在宅物価対応料 なし 新設。再診時等2点

時間外対応体制加算は電話等再診でも算定できるため、届出をしている診療所では、夜間・休日の電話相談1件あたりの評価が上がりました。レセコンのマスタが新しい名称と点数に切り替わっているか、6月以降の請求で確かめておくと安心です。

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よくある質問

家族からの電話でも電話再診として算定できますか

算定できます。告示は「患者又はその看護に当たっている者」からの求めとしており、家族など看護に当たっている人からの相談に医師が治療上の指示をした場合も対象です。

同じ日に2回電話がかかってきたら、2回とも算定できますか

再診料は再診の都度算定できるため、別々の相談に医師がそれぞれ指示をした場合は算定できます。ただし、同じ日の再診に付随する一連の行為とみなされる電話は算定できません。2回以上算定するときは、レセプトの摘要欄に回数を再掲します。

電話再診で処方の指示を出したとき、特定疾患療養管理料も算定できますか

算定できません。電話等再診では、医学管理等(第2章第1部)の点数は算定できないと留意事項通知に定められています。計画的な医学管理を来院せずに続けるなら、届出をしたうえで情報通信機器を用いた診療として行う必要があります。

まとめ

電話再診は、患者や家族から治療上の意見を求められ、医師が必要な指示をした場合に限って再診料76点を算定できます。外来管理加算と医学管理料は付けられませんが、時間外加算などの時間帯の加算、乳幼児加算、時間外対応体制加算は付けられます。まずは、診療時間外の電話相談のカルテに「誰から・何を求められ・医師が何を指示したか」が残っているかを確かめ、時間帯の加算を付け忘れていないかを見直してください。

参考

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

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内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、