小児特定疾患カウンセリング料は、医科点数表のB001「特定疾患治療管理料」の「4」です。小児科または心療内科を標榜する医療機関で、特定の疾患を持つ18歳未満の外来患者にカウンセリングを行ったときに算定します。
この項目で事務が押さえるのは、「初回」の日付です。点数も月の算定回数も、初回のカウンセリングから何年目かで決まります。初回の日を取り違えると、以後のすべての月で点数がずれます。
令和8年度の個別改定項目に、この項目の見直しは含まれていません。点数の体系は令和6年度改定で今の形になっています。
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小児特定疾患カウンセリング料の点数は初回からの期間で4段階
| 区分 | 期間 | 点数 | 情報通信機器を用いた場合 |
|---|---|---|---|
| イ 医師による場合(1) | 初回 | 800点 | 696点 |
| イ(2) | 初回の日後1年以内 | 月の1回目 600点/2回目 500点 | 522点/435点 |
| イ(3) | 初回の日から2年以内((2)を除く) | 月の1回目 500点/2回目 400点 | 435点/348点 |
| イ(4) | 初回の日から4年以内((2)(3)を除く) | 400点 | 348点 |
| ロ 公認心理師による場合 | ― | 200点 | ― |
算定回数は、初回から2年以内は月2回まで、2年を超えると4年を限度に月1回までです。4年を過ぎると算定できません。
「初回」はイの(1)を算定した日
令和8年5月29日の疑義解釈資料(その7)で、4年の起算点となる「初回」は、初診の日にかかわらず、イの(1)初回を算定した日と考えてよいとされています。
カウンセリングを始める前から通院している患者でも、起算点は初診日ではなくイの(1)を算定した日です。留意事項通知では、イの(1)は原則として同一患者に初めてカウンセリングを行った場合に限り算定するとされています。
対象になる患者は7つの区分
告示(特掲診療料の施設基準等 別表第二の二)で、対象は18歳未満の患者に限られています。留意事項通知で示されている区分は次のとおりです。
| 区分 | 通知の記載 |
|---|---|
| ア | 気分障害の患者 |
| イ | 神経症性障害の患者 |
| ウ | ストレス関連障害の患者 |
| エ | 身体表現性障害の患者。小児心身症も含み、喘息や周期性嘔吐症などが心身症と判断されるときも対象になる |
| オ | 摂食障害など、生理的な障害や身体的な要因に関連した行動症候群がある患者 |
| カ | 心理的発達の障害(自閉症を含む)の患者 |
| キ | 多動性障害など、小児期・青年期に発症することが多い行動と情緒の障害がある患者 |
このほか、登校拒否の者と、家族または同居者から虐待を受けている、またはその疑いがある者も対象に含まれます。
レセプトでは、対象区分に当たる傷病名が登録されているかが最初に見られます。
算定できる条件とできない場合
標榜科と担当する医師
- 小児科または心療内科を標榜する保険医療機関であること
- カウンセリングを行うのは小児科(小児外科を含む)か心療内科の医師で、あらかじめ立てた治療計画に沿って行うこと
- 入院中の患者には算定しない
家族へのカウンセリングは患者同伴が条件
家族などへのカウンセリングは、患者本人も一緒に来院した日だけ算定できます。家族だけが来院した日は算定できません。
電話は対象外
電話によるカウンセリングは対象になりません。 情報通信機器を用いた場合(オンライン)は、オンライン指針に沿って診療した場合に、上の表の点数で算定します。オンラインの点数については、情報通信機器を用いた診療の届出をしていればよく、この項目として別に届け出る必要はありません。
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公認心理師が行う場合(ロ 200点)の条件
ロを算定するには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 診療を受け持つ小児科・心療内科の医師が指示を出し、その指示に沿って行う
- 医師の治療計画に基づき、20分以上カウンセリングを行う
- 一連のカウンセリングの初回は医師が行う
- 継続する場合も、3月に1回程度は医師がカウンセリングを行う
- 公認心理師は、原因と考えられる要素・治療計画・指導内容の要点をまとめて医師に報告し、医師はその写しをカルテに添付する
報告書の写しが診療録に無いと、ロの要件を満たしていることを示せません。
併算定できない項目と、包括される外来診療料
告示の注1で、次の項目を算定している患者には算定しないとされています。
| 項目 | 区分番号 | 扱い |
|---|---|---|
| 特定疾患療養管理料 | B000 | 算定している患者には算定しない |
| 通院・在宅精神療法 | I002 | 算定している患者には算定しない |
| 心身医学療法 | I004 | 算定している患者には算定しない |
| 小児科外来診療料 | B001-2 | 注3の「別に算定できる項目」に含まれず、小児科外来診療料に包括される |
| 小児かかりつけ診療料 | B001-2-11 | 同じく注3の「別に算定できる項目」に含まれず、包括される |
小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料を算定している患者では、カウンセリングを行っても別に請求できません。どちらで算定するかを患者ごとに決めておくと、請求の誤りが減ります。
算定のタイミングと摘要欄の書き方
留意事項通知では、同一暦月のうち、初回から2年以内は1回目と2回目のカウンセリングを行った日に、2年を超える期間は1回目のカウンセリングを行った日に算定するとされています。月の3回目以降は算定しません。
記載要領の別表Ⅰでは、摘要欄に同一患者に対し初めてのカウンセリングを行った年月日を記載します。審査側はこの日付で、点数の区分と算定回数が合っているかを確認します。
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小児特定疾患カウンセリング料で返戻・査定になりやすいパターン
| パターン | 根拠 |
|---|---|
| 摘要欄に初回のカウンセリング年月日がない | 記載要領の別表Ⅰ |
| 初回から2年を超えた月に月2回算定している | 2年超は月1回 |
| 初回から4年を超えて算定している | 4年が限度 |
| 2回目以降の受診でイの(1)800点を算定している | イの(1)は原則初めての場合のみ |
| 特定疾患療養管理料や通院・在宅精神療法と同じ患者に算定している | 注1で算定しないとされている |
| 小児科外来診療料を算定している6歳未満の患者に別途算定している | 小児科外来診療料に包括 |
| 家族だけが来院した日に算定している | 患者を伴った場合に限る |
| 公認心理師のカウンセリングが20分未満、または報告書の写しが診療録にない | 留意事項通知 |
よくある質問
初診から半年後にカウンセリングを始めた場合、4年はいつから数えますか
イの(1)初回を算定した日から数えます。令和8年5月29日の疑義解釈資料(その7)で、初診の日にかかわらないことが示されています。
月に3回カウンセリングをした場合はどうなりますか
初回から2年以内でも算定は月2回までです。同一暦月の1回目と2回目を行った日に算定し、3回目は算定しません。
オンラインで行う場合に届出は必要ですか
情報通信機器を用いた診療の届出をしていれば、この項目として別に届け出る必要はありません。点数は対面より低く設定されており、電話は対象外です。
公認心理師だけで継続してよいですか
初回は医師が行い、継続する場合も3月に1回程度は医師がカウンセリングを行うことが求められています。
まとめ
小児特定疾患カウンセリング料は、初回(イの(1)を算定した日)からの期間で、800点から400点まで4段階に点数が変わります。2年以内は月2回、2年を超えると4年まで月1回が上限です。
事務側でまず整えるのは、初回のカウンセリング年月日を患者ごとに記録し、摘要欄に必ず載せることです。あわせて、特定疾患療養管理料・通院・在宅精神療法・心身医学療法との重複と、小児科外来診療料への包括を確認します。
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参考
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第6号)医科点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001757385.pdf
- 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001757367.pdf
- 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その7)」(令和8年5月29日事務連絡) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001707505.pdf
- 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号)別表Ⅰ https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732129.xlsx
- 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001252076.pdf
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2026年10月時点の情報を元に作成しています。
