現場の声を開発へ
クリニックの「インフラ」を共創する
ユーザーから、現場と開発を繋ぐ架け橋へ
〜MR・救命医・MBA 異色のキャリアを持つ鎌形先生に聞く、CLIUSの魅力とこれからの医療DX〜
まずは、鎌形先生の医師としてのこれまでのご経歴と、現在のお取り組みについてお聞かせください
私は少し変わった経歴を持っていまして、最初は薬学部を卒業してMRとして製薬会社で働いていました。その後、改めて医学部へ進学し、救命救急の現場を経験、さらにMBAを取得してヘルスケア領域のスタートアップに参画しました。クリニックを開業したのはその頃になります。
その後、コロナ禍に突入してからは、ひたすら一人の救急・災害医療を担う医師としてコロナ診療に注力してきました。現在はコロナも一段落し、改めて医療業界で新たなチャレンジをしたいということで法人を立ち上げ、クリニックの拡大を進めています。現在は計7拠点のクリニックを運営しており、そのうち5拠点で電子カルテCLIUSを利用しています。
数あるクラウド型電子カルテの中からCLIUSを選定・導入いただいた経緯と、その決め手について教えてください
CLIUS導入のきっかけは、2件目のクリニックを承継開業したタイミングでした。
1件目はオンプレミス型カルテを、2件目は紙カルテで運用していたのですが、複数拠点を漏れなく管理するためにはやはりクラウド型の電子カルテが良いだろうと考えました。
CLIUSを選んだ一番の決め手は「インターフェースがシンプルで使いやすかったこと」です。当院は一般的な内科を標榜しているので、特定の診療科に特化した機能や、診療方針による複雑なカスタマイズよりも、直感的な操作性を重視しました。また、オンライン診療等の機能が追加費用なしで利用でき、開業期の資金的なハードルを下げてくれるコストパフォーマンスの高さも魅力でした。
加えて、運営元のDONUTS社がバックオフィス支援システムの「ジョブカン」などで実績のある開発力の高い会社であり、今後どんどん良いシステムにしてくれるだろうという期待感も大きかったですね。担当してくれた営業の方の対応も非常にスピーディーで、IT補助金の取得まで手厚くサポートしてくれた点も後押しになりました。
実際にユーザーとしてCLIUSをご利用いただき、どのような点に魅力を感じていらっしゃいますか
最大の魅力は、クラウド型ならではの「柔軟な連携」と「インフラの安定性向上」です。
コロナ禍では、流行の波によって1日の患者数が50人から一気に300人へと激しく変動する過酷な日もありました。そうした状況下でも、クラウド型にしておいたことでクリニック間でのサポート体制をスムーズに構築でき、大変助かりました。
また、6年前の導入時に比べてシステムの安定性も大きく上がっています。
万が一、システムの動作が多少遅くなるようなことがあっても短時間で復旧されるため、患者数が激しく変動する負荷のかかる日でも支障なく診療を回すことができました。
加えて、経営分析ツールにも大いに助けられています。税理士さんからの報告を待つとどうしても数字の把握が2か月遅れになってしまいますが、日々のデータが自動で集約されるCLIUSの経営分析機能なら、各拠点の数値をリアルタイムに可視化でき、スピーディーな経営判断に直結します。
さらに、CLIUSはレセコンORCAと連携する構造なので、基盤となるそのORCAのAPIが公開されているのも良い点ですね。ご自身でツールを組むようなITに明るいギークな院長先生にとっては、非常に汎用性が高いカルテだと思います。
特定のアプリにデータを囲い込むような設計になっておらず、根底にオープンマインドな思想がある点は評価しています。その価値を理解されている先生方には深く共感していただける、CLIUSならではの魅力だと思っています。
CLIUSの監修医師をお引き受けいただいた理由をお聞かせください
私自身も一人の経営者としてビジネスに取り組んでいる中で、CLIUSのようなクリニックの「インフラ」を作る事業開発に直接関われることに大きなやりがいを感じたからです。
単なる一(いち)ユーザーとして直接意見を伝えられる環境は純粋にありがたいですし、私自身が医療現場で感じるリアルな課題をDONUTS社にフィードバックし、実際のシステム改善に繋げられる点も大きいです。何より、電子カルテというのは我々医療者にとってすごく大切なシステムですからね。
ある意味で「世の中を作っていく仕事」ですね。だからこそ、一経営者としてDONUTS社の医療事業の開発に協力し、一緒にクリニックにとって意味のあるシステムを作っていくプロセスに貢献できるのは、非常に嬉しいことだと捉えています。
今後のCLIUSや医療DX全体に対して期待することをお聞かせください
大きく分けて3つあります。
1つ目は「ユニバーサルデザインとデータのオープン化」です。
これまで日本の医療ITは、長年、特定のシステムに情報が閉ざされてしまっていました。しかし本来は、各社が連携してデータを利活用できる体制が理想です。その点、CLIUSは、患者さんやデータを自社のシステムに囲い込まず、オープンに扱える設計になっています。そうしたオープンマインドなコンセプトを持っている点を高く評価しています。
2つ目は「親会社の強みを活かした遊び心」です。
DONUTS社は、ゲームや動画配信事業、出版やイベントなどエンタメ関連の事業も行っている、医療系ベンダーとしては異色の企業ですよね。ですから、例えばログイン画面にちょっとした楽しいデザインがあったり(笑)。あくまでジャストアイデアですが、従来のカルテにはない独自路線の趣向があっても面白いかもしれませんね。
そして最後になりますが、私個人として一番重要視しているのは「現場のラストワンマイル支援」です。
現在、国から医療DX推進に関連する要望が次々と来ていますが、私自身、医療者の中では比較的ITに明るい方だと自負しているものの、それでも次々と求められるシステムの要件に追いついていくのは本当に大変だと実感しています。ましてや、ITに不慣れな先生や多忙を極める院長先生が、自力ですべてのインフラ手配まで対応することは、もはや限界にきていると思います。
新しいシステムを入れたくてもネットワーク回線の業者手配が1年待ちになるなど、クリニックでスムーズに稼働するまでのインフラ整備、いわゆる「ラストワンマイル」が大きなボトルネックになっているのが実態です。
だからこそCLIUSには、ただ電子カルテを提供・サポートして終わりではなく、ネットワーク回線や電気配線、ハードウェアといったインフラ整備から、クリニック運営に関わる周辺領域のサポートまで踏み込んで支援してくれる、「現場の真のパートナー」としての役割を強く期待しています。
医療法人社団季邦会 理事長/ 街のクリニック立川・村山 院長/ 株式会社EN 代表取締役
明治薬科大学卒業後、中外製薬にてトップセールスとして実績を残す。その後、北里大学医学部に編入・医師免許を取得し、卒後は多摩総合医療センター・東京医科大学病院などで救命救急・災害医療の最前線で臨床経験を積む。並行して慶應義塾大学大学院にてMBAを取得(在学中に米国ダートマス大学Tuck School of Businessへ交換留学)。現在は東京医科大学の非常勤医師も務める。
医療とビジネス双方の知見を活かし、脳画像解析AIベンチャーの創業メンバーとして事業立ち上げや資金調達を担当。現在も複数のディープテック系スタートアップの支援に携わる。
医療法人の理事長としては、承継したクリニックの再建・拡大を手がけ、現在は7拠点のグループ経営にあたる。2023年には株式会社EN (https://www.med-pro.jp/en/)を創業し、医師と医療機関をつなぐ人材マッチングサービス「Med-Pro Doctors」の運営を軸に、クリニックの開業支援・M&A仲介、事務長代行としての経営コンサルティングおよび運営実務のサポートまで手がける。
さらにYouTubeでの情報発信を通じて医師のキャリア形成を支援するなど、「医師のキャリアを拡げること」「地域医療を守ること」を一貫したテーマに事業を広げている。
現在も救急・在宅・外来の現場に立つ臨床医であり、複数拠点を束ねる医療機関の経営者であり、起業家でもある。この3つの視点から、医療現場の実務に根ざしたシステムのあり方を追求している。