患者さんに「通院についての不満」のアンケートを取ってみると、「待ち時間が長い」が必ず上位に入ってきます。また、新型コロナウイルスの流行もあって、患者さんはクリニックの待合にいる時間をできるだけ減らしたい、と考えています。
待ち時間を軽減するための対策として、最近では「診療予約システム」を導入するクリニックが多くなっています。
では、実際に導入してどのような効果が得られたのでしょうか。クリニックの声をまとめてみました。
※クリニック名・医師名は伏せさせていただきます
本当に待ち時間を短縮できた!
まず、待ち時間対策として導入して本当に効果があったのかですが、クリニックからは以下のような声が上がっています。
- 「実際に待ち時間を大幅に短縮できた」
- 「残業時間が減ったので効果あり」
- 「半信半疑で入れてみたら本当に患者さんの待ち時間が減ってびっくりした」
特に興味深かったのは以下の声です。このクリニックはとにかく患者さんの来院数が多く、待合に人があふれていることで有名なところでしたが……。
- 「予約システムを入れてから待合がガランとするようになった(笑)」
とのこと。このクリニックが導入したのは、待合の順番を予約するとスマホで「前に何人待っているか」が確認でき、どこにいても自分の番がもうすぐだと知らせてくれるシステムです。
つまり、待合にいなくてもいいわけです。ですので、このクリニックの患者さんはみんな自分の順番を予約したらクリニックの外に出て、カフェなど好みの場所に行くとのこと。そのため待合がガランとしたというわけです。
感染予防にもなりますし、待合でいらいらしながらいるよりも外に出たほうが患者さんのストレスも減ります。一石二鳥の効果が得られたといえます。
患者さんの再来院の増加、新規患者さんの獲得
「診療予約システム」を導入することは、再来院の増加、新規患者さんの獲得にもつながります。なぜそうなるかというと、この「診療予約システム」がコミュニケーションツールの一種として使えるからです(システムによります)。
例えば、患者さんの予約画面にクリニックからのメッセージ(メモ的なもの)を掲示できるシステムでは「インフルエンザシーズンなのでワクチン接種を……」といった情報を発信することができます。これに反応した人はその場で予約を入れることができます。
また、一度予約を入れて来院し「便利だ」と思った人は、通院への心理的なハードルがぐっと下がります。「そんなに待たされないみたいだし、それなら……」というわけです。
新規患者が増える理由は主に「ネット検索」にあります。患者さんが自宅に近いクリニックを検索し、クリニックのサイトがヒットした場合、そこにアクセスして「予約」が可能であれば「検索⇒発見⇒予約」まで数分以内に終わるでしょう。
このように「診療予約システム」は再来院の増加、新規患者さんの獲得にも威力を発揮し、実際以下のような声が上がっています。
- 「患者さんの数が増えました」
- 「新規患者の5割はネット予約です」
- 「予約の増加傾向が続いている」
患者さんが自分で混み具合を確認できる
- 「なぜか患者さんの混み具合が平均化してきた」
といった声もあります。これは患者さんが自分で混み具合を最適化するためだと考えられます。つまり、予約を入れようとしてスケジュールを見て、「○月△日はこんなに混んでるからやめて、別の日にしよう」といった具合に、医師・クリニック側でコントロールしなくても患者さんが自分で混み具合を分散するのです。
また、この日はすごく混んで忙しいから、診療時間最後の1時間はダミーの予約で埋めておこう、といった設定をすれば、そこには患者さんが予約を入れることはできません。医師・クリニック側でも忙しさの管理ができます。上掲のように「残業時間が減った」という声が上がっているのは、このような相互作用があるためです。
「診療予約システム」導入の効果について、クリニックの声をまとめましたが、いかがだったでしょうか。待ち時間を短くして患者さんのストレスを軽減するのが第一義ですが、クリニック、そこで働く医師・スタッフにもメリットがあるというわけです。
特徴
システムとの提携
対応言語
提供システム
予約・受付機能
その他機能
診療科目
特徴
提供システム
予約・受付機能
診療科目
この記事は、2020年11月時点の情報を元に作成しています。