コロナ禍の中、「医療機関に行く際にも予約をする」のが一般化しつつあります。院内感染を避けるためですし、患者さんからすれば予約することで待ち時間が減るというメリットがあります。クリニック側からしてもスタッフ・医師の感染予防、待ち時間に対する患者さんの不満を最小限にできるというメリットがあります。
このような背景の下、診療予約システムを導入するクリニックが増えているのです。
「medics3(メディックス・スリー)」(以下、メディックス3と表記)は、患者さんからの電話予約を標準で受け付けることが可能で、システム構成が「オンプレミス型※」と「クラウド型」のハイブリッド(後述)という非常にユニークな特徴を持つ診療予約システムです。
「メディックス3」の特徴・機能
↑「メディックス3」の管理画面。クリニック側ではこのように予約を一覧管理できます
診療予約システムには、予約の入れ方で「順番制」「時間制」「時間帯制」の3つに分かれます。「メディックス3」は「時間制」で用いるシステムで、患者さんは「○月△日の□時○分」といった予約を入れることができます。また、「メディックス3」では、診療科目は何か、担当医師は誰か、診察室は何番かといった要素が多岐にわたる予約にも対応可能です。
システム構成ですが、「メディックス3」では「院内に設置するサーバー」と「クラウドサーバー」を併用します。この点が同システムの大きな特徴です。いってみれば「オンプレミス型※」「クラウド型」のハイブリッドのシステムなのです。
このような構成になっているのは、いざというときのためです。例えば、インターネット環境に障害が出た際には、クリニックに設置されたサーバーがデータを保守できますし、逆の場合にはクラウドサーバー側でデータを守れます。医療に関わるシステムなので、できるだけ安全性を高めるような設計になっているわけです。
「メディックス3」の基本機能は以下になります。
「メディックス3」の基本機能
- 予約(患者さんはWeb上、電話での予約が可能)
- 予約管理
- 患者さんへの予約確認の自動案内(電話、メール、FAX、SMS)
- 統計管理
etc.
「メディックス3」の注目ポイントは、患者さんが電話で予約を入れることができるように標準で対応していることです。患者さんが全てスマホなどを自在に使えるわけではありません。ITデバイスを使い慣れない患者さんにとって、電話で予約できることは重要なポイントです。「メディックス3」では自動音声による予約受付機能を実装しています。
↑患者さんが見る予約画面
また、患者さんへの予約確認のフィードバックでも、患者さんが「電話」「メール」「LINE」「FAX」「SMS」の中から自分の好きな方法を選べ、希望する時間帯に自動連絡を行う機能を備えています。
予約データはxlsファイルとしてダウンロードできますので、これを「エクセル」に読み込んで分析を行うことも可能です。例えば「来院のきっかけ」のデータを取れば、どの導線からの来院が多いのか、宣伝の効果はあったのかなどを確認できるでしょう。
「メディックス3」のより詳細な機能については本記事末の「株式会社ヴァンガードネットワークス」の運営するサイトをご覧ください。
※「オンプレミス」はしばしば「オンプレ」と略されますが、何らかのハードウェアなどの装置・設備をクリニック内に置いて管理することを指します。
「メディックス3」の導入準備・導入に必要な時間
「メディックス3」導入の準備は以下になります。
クリニック側で準備すること
- インターネット環境
- 電話回線
患者さん側で準備すること
- インターネット環境
- インターネット接続可能なスマホ・タブレット・PC(電話予約を行う場合は電話)
「メディックス3」では、前記のとおりクリニックに設置するサーバーとクラウドサーバーの両方を利用します。また、電話による予約機能が標準で備わっています。そのため、導入にはインターネット環境と電話回線が必要になります(ただしビジネスホンは非対応)。
患者さんが予約を入れる際には、Webページ上で行いますのでインターネットに接続できるスマホ・タブレット・PCがあればOKです(これらの機器に搭載されているブラウザーでアクセス可能なので)。
開発・サービス提供元の「株式会社ヴァンガードネットワークス」に伺ったところ、導入決定から稼働までには1カ月ほどかかるとのこと。
そのクリニックの予約ワークフローをヒアリングして予約管理システムに反映するのに1~2週間、スタッフ、医師・クリニック院長へのレクチャーやテストで約1週間かかります。
特に重要なのは、クリニックの運用に適するようにチューニングすることです。そのため、導入に際しては、どんな項目について予約を行うのかなど十分に打ち合わせを行うことをお勧めします。
「電子カルテ」「レセコン」との連携
「メディックス3」は「電子カルテ」「レセコン」につなぎ込むことが可能とのことです。ただし、これはオプションになりますので、サービス提供元の「株式会社ヴァンガードネットワークス」、「電子カルテ」「レセコン」メーカーとの打ち合わせが必要になります。
「メディックス3」のサポート体制
「メディックス3」は、電話、メールによるユーザーサポートを行っています。
電話サポート
月~金(9:00~18:00)/土日祝は休み
メールサポート
24時間365日受付
(基本翌営業日中までに返信)
また、クリニックに設置したサーバーをリモート監視しており、リモートメンテも行います。
「メディックス3」の導入費用
項目 | 費用 |
導入費用 | 150万円[税別]~ |
運用・保守費用 | 1万3,000円[税別]/月~ |
導入費用にはクリニックに設置する「サーバー」「モニター」「クラウドサーバー」「設定費」などが含まれます。また、「レセコンとのつなぎ込み」など導入するオプションによって費用は変動します。
まとめ
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2020年12月時点の情報を元に作成しています。