コロナで三密を避けることが推奨されており、最近では患者さんも予約を取ってから病院に行くなど、できるだけ院内にいる時間を短くする傾向にあります。このような流れの中、待ち時間を短くできるWeb問診システムも注目を集めているのです。
「メルプWEB問診」は現役の吉永和貴医師が制作に携わるWeb問診サービスで、優れたユーザーインターフェースを持ち、問診票の作成が容易なことから厚い支持を集めています。「株式会社flixy(フリクシー)」のCEOでもある吉永医師にWeb問診システムの制作に踏み出したきっかけなどを伺いました。
現場の医師としての思いが「メルプWEB問診」を作るきっかけになった
――「メルプWEB問診」制作のきっかけについて教えてください。
医師になって3年目ぐらいのときでした。かねてから、院内で問診を行い、それをカルテに転記する時間がもったいないと思っていました。これをWebで行うことができればその分の時間を短縮でき、その時間を他のより重要な仕事に振り向けることができます。私は大学時代にプログラミングを行っていたこともあり、では自分で作ってみようと思いました。
――プログラミングの素養があったわけですね。
会社のホームページを制作したり、医師国家試験のアプリを作ったりといったことを行っていました。
――現在でもご自身でプログラミングを行っているのですか?
今でも一部携わることがあります。
Web問診のメリットは2つ!
――Web問診のメリットはなんでしょうか?
2つあります。一つは、患者さんのメリットです。Web上の問診は、いつでもどこでもできますので、来院されてから問診にかかる時間をなくすことができます。
もう一つは、医師側の業務効率化に役立つことです。事前に問診票が届きますので準備ができますし、紙の問診票よりも詳しい情報を見ることができます。というのは、Web問診の場合には紙と比べて質問をより作り込むことができるからです。ですので、患者さん、医師の双方に役立つできるものだといえます。
――Web問診をシステム化するのに難しかった点はありますか?
選択と集中といいますか、開発をWeb問診に絞り込んで行うという決定を行うのが難しかったですね。今でも「予約もできればいいのに」というお問い合わせやリクエストをいただくことがあるのですが、実は予約システムはそれだけでけっこう複雑で難しいものなのです。
一気通貫に予約と問診が同時に行えるといいのかもしれませんが、それでは使用するクリニックは何に対してお金を支払っているのか分かりにくくなったりします。そこで、Web問診に注力分野を絞り込み、これをできるだけ良いものにしようと考えました。
実は予約システムも開発は行っていたのですが、あえてやめようという決断をしました。
――なるほど。「メルプWEB問診」が非常によくできているのはそのような決断があったからこそなのですね。
医療のICT化に伴う課題について
――医療のICT化の問題点についてどのように考えていらっしゃいますか?
医師といってもITについてのリテラシーのレベルはさまざまです。確かにICT化が叫ばれていますが、実際の導入については保守的かもしれませんね。医師は学校で医学教育は受けますが、IT関連については、学ぶ機会がないため知識はまちまちです。好きな人は自主的に学びますが、興味のない人は全く知らない、そのような状況ではないでしょうか。
――厚生労働省が旗振り役になっているにもかかわらず、例えば電子カルテの普及もあまり進んでいません。原因はなんでしょうか?
これもやはりITリテラシーが関係していると思います。若い医師、特にこれから開業しようという先生は、医療のICT化にも積極的で、電子カルテ、オンライン診療、Web問診など、新しい技術を導入するのに特に抵抗はありません。むしろ必須と考えている先生が増えています。
都心部に開業するクリニックでは特にそうで、そうした技術を使っていくことで、他院と差別化できる部分もあります。年月とともに、徐々に電子カルテなども普及が進むのではないでしょうか。
今後の展望について
――「メルプWEB問診」の今後の展望についてお聞かせください。
まず導入件数を増やすことですね。できるだけ多くの医師に使っていただきたいと思っています。コロナ禍の中、紙と筆記用具で行う問診では感染のリスクがあるということで、Web問診の引き合いは増えています。現在は月に5、60件のペースで導入が増えているところです。これをさらに拡大したいですね。
もう一つは「メルプWEB問診」の強みに関わることですが、「メルプWEB問診」では医療機関側に問診管理画面を用意していて、自分で自由に問診票を作ることができます。そうして自分の作成した問診票を他の医師にも共有できる「問診マーケット」という場を設けています。現在200種類ぐらい問診票が公開されています。
――それは面白いですね。
新規に開業する医師が、あそこのクリニックの問診票が良いので導入しよう、といった動きができつつあります。「集合知」ではありませんが、いい問診票を作るために知恵を共有するという場です。これをさらに発展させていきたいですね。
機能面では、時系列の問診データを提供できるようにしたいと考えています。例えば、ぜんそくなどの慢性疾患の患者さんで、この薬を出してどのように経過したかといった時系列の問診を、患者さんごとの見やすい形で提供できるようにしたいです。そうすると論文を書くときに役立ちます。論文を書いて学会で発表したいという先生も多いですから、そのニーズに応えられる機能になると思います。
――それは医師にとってうれしい機能でしょうね。
そうですね。医師によっては診察をしながらそのようなデータを別に書き込んで、それをエクセルに入力して管理して……といった作業を行うことがあります。その面倒を軽減できますから、医師にとって満足してもらえる機能になるのではないかと考えています。
「メルプWEB問診」の満足度は高い
――最後に「メルプWEB問診」のアピールポイントをお聞かせください。
「メルプWEB問診」では医師の質問にチャット形式の画面で答えるようになっています。これは実際の診療現場でのやりとりを模したもので、チャット形式のやりとりですが患者さんの満足度は総じて高くなっています。
医師はいかに患者さんの満足度を上げるかを第一に考えると思うので、「メルプWEB問診」を導入すると待ち時間も減って患者さんの満足度も高いという結果が得られます。一石二鳥だと思います。
――ありがとうございました。
「メルプWEB問診」は吉永医師の思いが結実したWeb問診システムです。ご自身で説明されているように、医師に使いやすいように、患者さんの待ち時間を減らすようにと工夫が凝らされ、また現在もより良いサービスを目指してバージョンアップが行われています。Web問診サービスとしてお薦めです。
特徴
システム提携
機能
対応端末
提供形態
診療科目
特徴
システム提携
機能
対応端末
提供形態
診療科目
特徴
対応端末
システム提携
機能
提供形態
診療科目
この記事は、2021年2月時点の情報を元に作成しています。
取材協力 株式会社flixy 代表取締役 医師 | 吉永 和貴 先生
1988年生まれ。慶應義塾大学医学部卒。「メルプWEB問診」を内科医である代表の吉永和貴先生が自ら開発。現在は非常勤医師として勤務する傍ら、株式会社flixyでメルプWEB問診の開発・改良と医療機関への普及活動を行っている。
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