わたしが働いている病院は、地域の拠点となる総合病院です。その病院で科の主任部長まで勤めた医師が、25年ほどの病院勤務を経て、病院の近くに自分のクリニックを開業することになりました。医師は自分の科があった部署の看護師を数名引き抜いて自院で働いてもらおうとしていたそうですが、誰もついていきませんでした。その理由とは何でしょう?
その理由とは?
気分の波が大きすぎる
大きな声で怒鳴る
その医師は基本的には明るく優しい性格で、患者さんからはよく好かれ、信頼されていました。しかし、実は気分の波がとても大きく、医療従事者だけの場で気に障ることがあると、大きな声を出して怒るのです。しかも、患者さんへのサポートが不十分だったなどの理由で怒るならまだしも、看護に関係ないちょっとした言葉遣いなどに対して、これでもかというくらい大きな声を出して怒るそうです。
数分後には元通り
しかし、怒って数分すると何事もなかったように雑談などをしてきます。気持を切り替えるために、というよりは本当に「なかったこと」にしようとしているようです。怒られた側はたまらないですよね。
怒りポイントがバラバラ
人と人が働いていたら、怒りたくなることはあります。医療現場で看護師が医師に注意されることや怒られることは、しばしばあると思います。看護師は医師から一度注意を受けたり怒られたりすると、同じことが起きないように心が起きないよいうに心がけます。ます。
しかし、この医師は怒りポイントがバラバラで、昨日は気にしていなかったことを翌日に急に怒ったり、以前怒っていたことを改善したら「そのままで良かったのにどうしたの?」と自分が大声を出して怒ったことを忘れているかのように言うことがあるそうです。怒りポイントが一定であれば対策ができますが、バラバラであれば予防線を張ることがきず、急な罵倒を受けるしかなくストレスは大きいです。
一緒に働いていない人に対しては優しい
他の部署のスタッフには大人気
このように怒りっぽい医師ですが、患者さんからの信頼は厚いですし、根本的には人と関わることが大好きなようです。そのため、院内全体の規模の飲み会を開いたり、休日に病院スタッフらとイベントに参加する際は、参加する100人弱のスタッフをまとめて仕切っていることもあります。イベントに参加した他部署のスタッフからは、先生は優しくて一緒に働いたら楽しいでしょうなどと言われています。
態度の差が激しい
こうした他の部署のスタッフからのよい評判を聞きながら、自分の部署ではスタッフを怒って回っている姿を見るのはかなりストレスがたまります。日頃の態度と他部署のスタッフへの態度の差がとても大きいと、内情を知っているほうは疲れ、ついていけなくなくなりますよね。
クリニックで働きたいと言ったスタッフは誰?
トラブルを起こしたお局さん登場
このような理由で、その医師が開業するとなっても、わたしが勤務していた病院からは看護師はついていきませんでした。しかし、医師が開業すると聞いて働きたいと言った看護師がいました。それは、1年ほど前に上司とのトラブルで退職した、いわゆるお局系の看護師でした。
どれだけスタッフに声をかけても誰もついてこず焦っていた医師ですが、この看護師が働きたいと言ったときにには、看護師は必要な人数は集まっているからまた機会があればよろしく、と断ったそうです。来てほしい人は誰もついてこず、来てほしくない人は来ようとする結果になりました。
現在のクリニックは?
問題なく開業
今から1年ほど前に、もともと働いていた病院の近くに予定通り開業されました。勤務医のころから担当している患者さんや、新たな患者さんでクリニックは大忙しだそうです。看護師はというと求人で問題なく集まったそうです。働いている看護師さんがどのように思っているかはわかりません。
特徴
対応業務
診療科目
この記事は、2021年6月時点の情報を元に作成しています。