「学研教育総合研究所」が2019年に実施した「小学生の日常生活・学習に関する調査」によると、小学生男子が将来就きたい職業ランキング第6位は医師。女子にいたっては、なんと第4位にランクインしています。ちなみに、男子のトップ3は「YouTuber」「プロサッカー選手」「プロ野球選手」の花形職業で、女子のトップは「パティシエ」「保育士・幼稚園教諭」「看護師」といった昔から女の子に人気の職業。これらのラインナップ同様に医師にも票が集まっているのは、子どもたちから見ても「かっこいい」と思わせる要素があるからなのでしょう。では実際のところ、現役の医師たちはどんなやりがいを持って日々の仕事に挑んでいるのでしょうか? 早速みていきましょう。
参考:学研教育総合研究所 白書シリーズweb版「小学生の日常生活・学習に関する調査」将来つきたい職業(男子)
参考:学研教育総合研究所 白書シリーズweb版「小学生の日常生活・学習に関する調査」 将来つきたい職業(女子)
医師の仕事のやりがいとは?
医師を目指して勉強中の学生、現役で活躍している医師たちは、医者という仕事のどんな点にやりがいを見出しているのでしょうか? まずは考えられうる要素をピックアップしていきましょう。
1.人の役に立つことができる、人を笑顔にできる
痛みや身体の不調で困っている人を助けて、笑顔を取り戻すお手伝いができるのはなによりのやりがいといえるでしょう。また、プロクラブチームの帯同ドクターとして働くスポーツドクターになれば、チームの活躍を支えることができますし、プロの声楽家の喉をケアしているドクターなどもいるでしょう。
2.人の命を救うことができる、命の誕生に立ち会える
病気や事故によって命の危機にさらされている患者を手術や治療によって助けることはもちろん、精神科の患者や、慢性疾患によるストレスで心を病んでいる患者の心を癒すことによって、結果的に命をつなぎとめる場合もあるでしょう。また、産婦人科の医師なら、命の誕生に立ち会えことは何よりの醍醐味。生命の神秘に涙することもあるかもしれません。
3.患者やその家族に感謝される
病気や怪我の治療によって感謝されるのはもちろん、病気の早期発見やセカンドオピニオンを通して、患者やその家族に感謝されることもあります。早期に発見できたらそのぶん緩解の確率が高まりますし、セカンドオピニオンによって患者が最善の治療法を選択できることもあるかもしれません。
4.地域貢献できる、地域に暮らす人の健康をサポートできる
地域密着型の開業医の場合は特に、地域に暮らす人に頼りにされる存在でしょう。超高齢化社会に突入した現代は、訪問診療をおこなう医師も増えています。そうなるとますます地域貢献度が高くなります。中には、「特別体調が心配なわけではないけど、訪問診療で先生が来てくれるのが楽しみ」という患者もいるはず。また、地域の小学校などの健康診断を請け負っていると、子どもたちの健康もサポートすることになります。
5.身に着けた知識や技術を活用できる
医師として働く傍ら、病院やクリニック以外で、知識や技術を活用して活躍することもできます。たとえば、専門書を執筆したり、コメンテーターヤコラムニストとして専門的立場から意見を述べたり。また、医療をテーマにしたドラマでの医療監修などの仕事が舞い込んで来たら、大きなやりがいを持って挑めるという人も多いでしょう。
6.名声が得られる
医師としての評価が高くなるにつれ、周囲から尊敬のまなざしを浴びやすくなります。噂が広まれば、遠方の患者から予約が入ることも多くなるかもしれませんし、TVや雑誌から取材のオファーもあるかもしれません。そのことによってますます、理想の医療を追求したい想いが強くなることもあるでしょう。
7.高い収入を得られる
診療科によって多少の差はあれど、一般企業の会社員と比べても医師は平均年収が高いのが事実。忙しくて大変だと感じることがあっても、そのぶん給料が高いとなると、それがモチベーションとなってがんばれるに違いありません。
8.日々、成長を感じられる
どんな職業でも、研鑽を積み続ければ知識や技術に磨きがかかりますが、医師の仕事の場合、日々、医療も進歩するので、常に最先端の知識を得ようとすると大きく成長し続けることになります。新しい治療法も日々研究されていますし、ITの進化に伴い、遠隔手術も現実のものとなりつつあります。いくつになっても新しいことにチャレンジし続け、そのたびに成長を実感できることは、大きなやりがいであるはず。
やりがいがあると分、責任の大きさを痛感することも
地域に暮らす人、病気で苦しんでいる人の役に立ちながら、安定した収入によって自身の家族の暮らしも支えることができる医師。小学生ならずとも、憧れを抱く人は多いことでしょう。しかし一方で、責任の重さも大きく、大変なこと、辛いことも枚挙にいとまがないもの。そうしたプレッシャーやストレスにも負けず、たくさんの人を救い続けている姿に励まされている人も多いかもしれませんね。
医師自身は医者の仕事を子どもたちに勧めたい?勧めたくない?
では、当の医師本人は、医者の仕事を若い子たちに勧めたいと考えているのでしょうか? 医療従事者専用サイトm3.com〈エムスリー〉が現役の医師にアンケートを取ったところ、「勧める人」「勧めない人」両方存在することがわかりました。では、それぞれどのような理由から、「勧める」「勧めない」と考えているのでしょうか。まずは開業医が挙げた理由からみていきましょう。
実際の開業医の医師を勧める・勧めないの意見
勧める
- やりがいはある。金儲けは、今後はだめかも。【開業医】
- 自分が人生をやり直すとしても、やはり医師を選ぶ。【開業医】
勧めない
- 失敗出来ないストレス。【開業医】
- 日本の医療保険制度では自己犠牲が求められる仕事。自由診療は別ですが。【開業医】
- モンスターペイシェントが増えている。【開業医】
勧める人も勧めない人も、金銭面には不安があることがわかります。また、勧めない人の理由としては、仕事へのプレッシャーや患者とのコミュニケーションにおけるストレスもみられます。
続いては、勤務医の意見をみていきましょう。
実際の勤務医の勧める・勧めないの意見
勧める
- あと30年は食えるのではないかと思う。医師になれば、10年20年程度で資産形成は可能。10歳未満は微妙か。【勤務医】
- どんな時代になっても生き残る仕事です。【勤務医】
- 人間がいる以上医師は必要とされる。【勤務医】
- 人のためになっていることを、ここまで実感しやすい職業は少ない。【勤務医】
勧めない
- 一人前になるのにとんでもない時間がかかる。【勤務医】
- 買い叩かれている。医師の善意や使命感に頼りすぎている。【勤務医】
- 大病院の入院診療メインでは収支が取れておらず、ビジネスモデルとして破綻している。その皺寄せは労働者である医師の給料も対象になる。保険診療は身を挺したボランティアになりつつある。【勤務医】
人から頼りにされていることや、資産形成しやすいことを理由に「勧める」と回答する勤務医がいる一方、「買いたたかれている」「保険診療がボランティアになりつつある」と不満を募らせている勤務医も。こうしたばらつきの背景には、勤務先ごとの条件の違いなどもあるのかもしれません。これから意思を目指す人は、「納得のいく給料が得られて、しっかりとやりがいも感じられる」ことを条件に勤務先を選べるとよいですね!
引用元:医師の仕事、10代に「勧める」と「勧めない」拮抗 ※一部抜粋
特徴
対応業務
その他の業務
診療科目
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この記事は、2021年7月時点の情報を元に作成しています。