クリニックスタッフのトラブルは多い?どんなトラブルがある?

職場のスタッフにまつわるトラブル、いわゆる人事トラブルはできるだけ回避したいと思って当然ですが、どれだけ対策を練っていても、起きるときは起きるのがトラブルです。では、クリニックスタッフのトラブルとしてはどのようなものが多いのでしょうか? 具体的に見ていきます。

目次
  1. ありがちな人事トラブルとは?
    1. 採用~試用期
    2. 本採用後
    3. 【退職時~退職後】
  2. トラブルを未然に防ぐために役立つ労務管理術
    1. よくない点があれば逐一伝える
    2. スタッフ自身の、仕事や仲間と向き合う姿勢を育てる
    3. 結果を出したら褒める。失敗したら励ます
    4. 相談しやすい環境を作る
    5. 日ごろから積極的にコミュニケーションを取る
  3. それでもトラブルが起きてしまったら……

ありがちな人事トラブルとは?

まずは、クリニックでありがちな人事トラブルを、フェーズごとに見ていきます。

採用~試用期

  1. 面接時にできると言っていたことができなかった
  2. 試用期間も終わりに差し掛かっているのにまったく仕事を覚えていない

即戦力として採用したはずのスタッフが、ふたを開けてみたらまったく仕事ができなかったり、試用期間中にまったく仕事を覚えようとせず、いつまでたっても手がかかったり。このケースは、教える側も時間を取られてしまうので、クリニックにとっては大きなマイナスになると言えるでしょう。

本採用後

  1. 本採用後も周囲のスタッフとなじめない。コミュニケーションに消極的
  2. ミスしても報告することなく隠す
  3. 仕事に対する積極性がなく、言われたことしかしない
  4. 同僚や後輩に職場に対する不満を漏らす

コミュニケーションの得意不得意などは性格なのである程度仕方ないとしても、クリニックのスタッフとして仕事している以上、「職場の雰囲気をよくしよう」という気持ちは持っておくべきです。そのためには、ミスをした際にきちんと報告することをはじめとした「ホウレンソウ」ももちろん大切。スタッフ間で共通の認識を持ってもらえるよう、面接時や定期的なMTGなどでもしっかり伝えていくといいでしょう。

【退職時~退職後】

自主退職だったはずが、「不当解雇だった」と訴えてきた

トラブルを理由とする退職のうち困りものなのが、辞めたスタッフがクリニック側を訴えてくるケースです。訴訟に発展すると、本来なら医療に割く時間を削減することにもなりかねませんし、クリニックの評判にも影響を及ぼすなど、何もいいことはありません。そこで続いては、トラブルを未然に防ぐための労務管理術についてお伝えします。

トラブルを未然に防ぐために役立つ労務管理術

誰にも何も言われなくても常に自己鍛錬できるスタッフであれば、クリニック側が細かく気を配る必要はないかもしれませんが、そんな人はほとんどいないといっても過言ではないでしょう。では、クリニック側はどんな配慮をして、どんな工夫を凝らしていけばいいのでしょうか。

よくない点があれば逐一伝える

試用期間が終わったところでいきなり「うちには合わないからあしたから来なくていい」と言われたら、言われた本人はどう思うでしょうか? ほとんどの人は、「どこが悪かったのか教えてほしい」「早く言ってくれたら直せたのに」と思うのではないでしょうか? よくない点があった場合に本人に伝えるにあたっては、気を付けるべきことがあります。それは、「いきなりだめだし」を避けること。少なくとも一度は、「ここはよくないから気を付けてください」と伝えるようにしましょう。また、言い方に関しても、「きつい口調で言わない」などの配慮が必要です。

スタッフ自身の、仕事や仲間と向き合う姿勢を育てる

一方的に指導するだけではなく、「こういう場合はどうすればよかったと思う?」と尋ね、スタッフ自身から答えを引き出すことも大切です。ミスしてしまったスタッフ相手の場合は、反省文の提出を求めるのもひとつの手。本人がそのことに対してどんなふうに考えているのかを知ることで、その後の指導方法を調整していくこともできます。

結果を出したら褒める。失敗したら励ます

トラブルを起こすスタッフのなかには、「認めてもらえなかった」という思いを抱いている人も多いもの。「こんなにがんばっているのに、なんで認めてくれないの?」という不満がある日、爆発して、トラブルを起こしてしまうことがあるのです。それを防ぐためには、「いつもありがとう」「今日もがんばってるね」「だいぶ上達したね」などの声かけが有効。もちろん、努力を認めたことを昇給や賞与で示せば、さらにやる気を引き出せることでしょう。反対に、スタッフがミスするなど失敗した場合も、やはり相手に寄り添って声をかけることが大切です。「次はがんばろうね」「この経験を活かそうね」の声かけによって、スタッフは前を向いてがんばろうと思えます。

相談しやすい環境を作る

不満や不安な気持ちを抱いているスタッフは、その想いを口にできず、人知れず悩んでいるかもしれません。そのため、クリニック側が、悩みを聞く態勢を整えておくことはとても大切。院長がその役割を果たしづらい場合は、院長夫人などを相談役として配置しておくのもいいでしょう。

日ごろから積極的にコミュニケーションを取る

お互い言いたいことを言い合える関係になるためには、日ごろからしっかりとコミュニケーションを取っておくことが大切です。休憩時間などに、仕事と関係ない会話も楽しめるような関係であれば、不満に感じていることや改善してほしいと思っていることも、お互い言いやすいはず。

それでもトラブルが起きてしまったら……

トラブルを未然に防げるようあらゆることに気を付けていても、トラブルは起きるときには起きるものです。トラブルが起きてしまい、さらにそこから改善へと向かうことができなそうな場合、該当のスタッフに辞めてもらうことが必要になることもあるでしょう。

スタッフの退職には「解雇」と「退職勧奨による自主退職」がありますが、前者の場合、解雇されたことをスタッフが納得できなければ、訴訟に発展するケースがあるので注意が必要です。そのため、問題あるスタッフに退職してもらいたい場合は後者を促すのが得策ですが、思い通りに事が運ばないことは多々あるでしょう。そうした場合は、クリニックの労務を専門としている事業者に相談するのも一手。困ったときには、悩む前に一度、クリニック開業ナビに相談してみてくださいね。

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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