クリニック経営において、集患に困ったことはないでしょうか?
今回は、クリニックにおける集客対策について解説します。 ぜひ参考にしてみてください。
クリニックにおける集患対策はなにがある?
今回は主な集患対策として以下4つを解説します。
- 徹底した医療接遇による集患対策
- 機器投資・設備投資による集患対策
- オンラインツールを活用した集患対策
- オフラインツールを活用した集患対策
いずれも集患効果のある対策となります。ぜひ取り入れて実践してみてください。
医療接遇による集患対策
もっとも効果的かつ重要な集患対策の1つです。
医療接遇とは、患者が抱える不安を取り除くために行う接遇のことです。
患者は自分の病気に関して多くの不安や苦痛を抱えています。これらに対し、親身になって寄り添い、不安や苦痛を和らげてあげること。
医療現場ではこういった対処が求められるのです。患者を重んじた医療接遇ができるクリニックは、患者から信頼され、選ばれ続けます。
受付でできる医療接遇
受付スタッフはクリニックの「顔」です。いかに優れた診療を行うクリニックであっても、受付の対応が悪ければ悪評が立ち、集患につながらないケースがあります。
受付スタッフが意識すべき主な接遇は以下3点です。
- 患者に対し笑顔で対応する
- 患者を待たせないよう迅速にレセプト業務を行う
- 看護師・医師と連携が図れる
特にレセプト業務はクリニックの基幹業務です。受付スタッフがスムーズに業務できるよう環境整備に努めましょう。
例えば、朝のミーティング時に連絡事項を伝え、受付スタッフが就業開始からすぐに仕事に取りかかれるようにしておきましょう。
また、最新の医事会計システムを導入し、受付スタッフの業務効率向上をサポートするのも効果的です。
医師ができる医療接遇
患者から「次回もあの先生に診てもらおう」と思ってもらえるためにも、医師自身が気をつけなければならないポイントがあります。
医師が意識すべき主な接遇は以下3点です。
- 治療や診断について、患者に対し丁寧かつ分かりやすい説明を行う
- 患者の話を遮らず、相手の顔を見てしっかり話を聞く
- 診断結果が深刻な状況であっても、患者に希望を持たせ、治療に臨むようサポートする
患者と医師の信頼関係を深めることができれば、良い治療結果が生まれます。意識して取り組みましょう。
看護師ができる医療接遇
選ばれるクリニックには、患者と適切なコミュニケーションが取れる看護師が必ず存在します。
看護師が意識すべき主な接遇は以下3点です。
- 患者の体を気遣い、必要に応じて声をかけたり介助を申し出たりする
- 患者の誘導を適切に行い、親切かつ丁寧に対応する
- 患者が満足して帰宅できるよう、医師に対して質問や疑問点がないか確認する
看護師においても、患者の心身の状態に配慮しながら適切なコミュニケーションを取ることが重要です。
経営者として、スタッフが適切な接遇を行えているか、定期的にチェックしておくと良いでしょう。
機器投資・設備投資による集患対策
患者心理として、医療設備が整っているクリニックで治療を受けたいと考える方が多くいます。
そのため、機器投資・設備投資を行うことは集患対策として重要なポイントとなるのです。
最新のシステム・医療機器を導入する
最新の電子カルテや医療機器は、患者にとって安心材料の1つになり得ます。より高い治療効果が期待できると捉え、治療に前向きに取り組める患者がいるのです。
例えば「当院は最新の医療機器・システムを導入し、最先端の技術で診療いたします」といったポスターなどがあるだけで安心できるものです。
このように小さな工夫で患者の心をケアできることもあります。設備投資は積極的に行いましょう。
予約システムを導入する
予約システムは、集患対策のために必須です。
予約システムを導入することで患者の待ち時間が短縮されます。また、より多くの患者を診察できるようになるため、増患効果も見込めるのです。
ひいては、患者満足度向上にもつながるため、予約システム導入は検討するべきでしょう。
【あわせて読みたい】診療予約システムを比較!待ち時間短縮に役立つ機能と導入を決める際のポイント
駐車場や待合室、診察室等を整える
駐車場や待合室、トイレや診察室が広々とし、清潔感があるかどうかも患者がクリニックを選ぶ上で重要なポイントになります。患者が安心して治療に臨める環境を整備することが、集患対策になるのです。
オンラインツールを活用した集患対策
医療機関とはいえ、集患対策のためのマーケティングは必須です。
特に、オンラインツールを活用した不特定多数の患者に対しての情報発信には効果が見込めます。
ぜひ有効活用し、集患につなげましょう。
SNS(Twitter、Instagram、YouTubeなど)対策
SNSとはSocial Networking Serviceの略で、インターネットを介して個人同士が繋がりを持つ場のことを指します。SNSでは不特定多数の方と交流したり、情報を発信できます。
このSNS上で、自身の専門分野に特化した情報発信を行うと良いでしょう。
例えば糖尿病専門医が糖尿病に関する情報発信をしていくとします。
Twitterを活用するのであれば「糖尿病に関する知識」について情報発信するのです。 Twitter上で、最低1日1回、糖尿病に関する有益な情報を発信すると良いでしょう。
「気づきにくい糖尿病の前兆」などのタイトルで投稿すると、患者の興味も引きやすいです。患者の糖尿病に対する知識向上にも貢献できるので有益と言えます。
あるいは「糖尿病との向き合い方」という内容の記事であれば、現在進行系で治療に専念している患者の共感を得る記事となるでしょう。
情報を受け取った患者にとって有益な内容であれば、クリニックに興味を持ち、実際に診療を受けてみたいと思ってもらえるはずです。
ホームページを活用する
クリニックの集患において、ホームページ作成は必須です。
ホームページ上では、診療内容や診療時間を含めることはもちろん、自院ならではの特色を記載すると良いでしょう。
例えば「当院は、親子3代にわたって医院継承してきて100年が経ちました。今後も地域の患者様のために真摯に医療に取り組みます。」といった具合で、他院と差別化できるポイントを記載しておくと良いです。
また院長やスタッフの顔写真(笑顔であるとなお良い)を掲載すると、患者に親近感を持ってもらいやすくなり、集患につながるでしょう。
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SEO対策する
SEOとはSearch Engine Optimizationの略で日本語に訳すと「検索エンジン最適化」のこと。Googleなどの検索サイトで上位表示するために行う対策のことです。
例えば「内科 ◯◯市 クリニック おすすめ」と検索した際、自院のホームページが検索画面で上位に表示されるよう工夫することを指します。
患者がクリニックを選ぶ際には、検索サイトを使用し情報収集するケースが多いです。
そのため、SEOでクリニックが上位表示されれば患者の目につきやすく、多くの患者に情報提供できる機会が増えるでしょう。
集患対策としては、絶対にやっておきたい対策の1つと言えます。
MEO対策する
MEOとはMap Engine Optimizationの略で、Googleマップ上で検索結果が上位表示されるための対策のことです。 SEOのマップ版と思ってもらっていいでしょう。
例えば「○○区 クリニック」と検索した際、Googleマップと一緒に自院の名前が上位表示されることを指します。
患者は、Googleで「○○区(お住まいの地域) クリニック」と検索した際に上位表示されるクリニックから優先的に情報を得ていくケースが多いです。自宅から近く、かつ評判がいいクリニックがあれば、ほとんどの人がそのクリニックを受診するはずです。
そのため、MEO対策も集患施策として必須と言えるでしょう。
口コミを集める
Googleビジネスプロフィールに登録し、口コミが登録される仕組みを作っておきましょう。
選ばれるクリニックは、良い口コミが多く存在します。また、良い口コミが増えるほど、集患効果が見込めます。
例えば先ほど紹介したGoogleマップ上で、星の平均値が同じ2つのクリニックが表示されたとします。うち1つには医師や看護師、クリニックへの比較的好意的なコメントが並ぶ一方、もう1つのクリニックにはなにもコメントがないとしたら。
「受診した場合のイメージ」は、おそらく前者の方がしやすいのではないでしょうか。人は「初めて行く場所」に少なからず警戒心や不安を抱くもの。クリニックの雰囲気や医師の人柄を伝え、安心感を与えるためにも、口コミを集めておくことは重要です。
集患対策のためにも、Googleビジネスプロフィールの定期的な編集や、口コミポータルサイトへの登録は忘れずにしておきましょう。
オフラインツールを活用した集患対策
ネットを活用した集患対策がある中で、オフライン上の集患効果が期待できる対策があります。
ぜひオフラインツールを活用して集患につなげてください。
ポスティング広告を活用してクリニックの宣伝チラシを配布する
高齢患者の場合、ネットにあまり馴染みが無い方も一定数います。そのため、チラシなどの紙媒体で宣伝することで集患につながるケースもあるのです。
クリニックの特色や診療内容を簡単にまとめたチラシをポスティングすると一定の効果が得られるでしょう。
専門のポスティング業社に委託し、クリニック周辺地域にポスティングできる仕組みを作るとなお良いです。
雑誌に出稿する
医療雑誌やタウン誌に出稿することで、クリニックの認知度拡大に貢献できます。クリニックの特色や他院と比べて差別化できるポイント、治療方針などを発信すると良いです。
また雑誌に掲載された実績を、クリニックのホームページやクリニック内に公開するとより集患効果が見込めます。雑誌掲載実績を持つことは、クリニックの権威性を高める上でも、有意義と言えるでしょう。
セミナーを行う
院長の専門領域に関するセミナーを行うことも有用です。
例えば糖尿病を専門にしている院長であれば、糖尿病に関するセミナーを定期的に開催し、糖尿病に関する情報発信を行うのです。
院長の考えや治療方針に共感する患者がいれば、集患効果が期待できるでしょう。
クリニックの安定した集患のために
クリニックの集患対策には様々なポイントがあります。
大切なことは患者がクリニックに何を求めているかを探り、改善を繰り返すこと。常に患者のために何ができるかを考え抜くことが重要です。
その上で、患者に対してよりよいサービスができれば、選ばれるクリニックとなります。ぜひ参考にしてみてください。
特徴
その他特徴
対応業務
診療科目
この記事は、2022年9月時点の情報を元に作成しています。
執筆 医療ライター ゆし
医療機器メーカー(東証プライム市場上場)の営業職に約9年間従事。薬機法管理者資格、YMAA認証マーク取得。クリニック開業サポート・医院継承サポート実績あり。
日々、多くの医師やコメディカルと関わり合いながら仕事しています。
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