クリニック経営の未来は?自由診療の必要性と導入手順を解説!

これまで保険診療のみで経営していたクリニックでも、自由診療を積極的に取り入れる動きが見受けられます。

その背景には、診療報酬の改定によって患者一人あたりの売上単価が期待するほど伸びない、集患対策にも限界を感じている、といった売上アップの難しさがあります。

一方で、人件費や賃料、光熱費や材料費といった支出は増えていくため、経営状態が悪化し不安を抱える経営者が増えている状況です。

そのような中、自由診療の導入は経営を安定させる可能性があります。
この記事では以下の2点について説明します。

  • そもそも、なぜ保険診療では経営が厳しくなるのか
  • 自由診療の導入の具体的なステップ
  • これらを参考に、自由診療の導入が今後のクリニック経営戦略で必要かどうかを検討してみてください。

    目次
    1. 保険診療だけではなぜ経営が厳しいのか?
      1. 保険診療の収益性に限界があるから
      2. 患者ニーズが多様化しているから
      3. 競合クリニックとの差別化が必要だから
    2. 自由診療のメリットと導入事例
      1. 自由診療を導入するメリット
    3. 自由診療の導入ステップと注意点
      1. 必要コストと収益性の評価
      2. スタッフ研修の実施
      3. マーケティング戦略の策定と広告
      4. フィードバックの収集
    4. まとめ

    保険診療だけではなぜ経営が厳しいのか?

    なぜ保険診療だけでは安定した経営が難しいのか?どうして自由診療を取り入れるクリニックが増えてきているのか?これらの理由について解説していきます。

    保険診療の収益性に限界があるから

    保険診療のみで運営するクリニックでは、売上は患者一人あたりの単価と患者数によって決まりますが、保険診療では単価が診療報酬で定められているため、売上を伸ばす手段は基本的に患者数を増やすことだけになります。

    患者一人あたりの単価に直結する診療報酬の改定率は、直近の2022年で0.43%、過去10年で見ても最高で1.37%でした。
    参照: 診療報酬改定について |厚生労働省

    その一方で、経営に必要なコストは増え続けている現状があります。
    いつまでもスタッフの給料を同じままにはできませんので、給与改定は必要でしょう。電気代や水道代、診療に必要な材料の値段はインフレにより上昇傾向にあります。

    特に都心部での開業は、物件の賃料は高くなりますし、スタッフの人件費は地方よりは高く設定しなければなりませんので、より経営は厳しくなっていくでしょう。

    そのため、都心部で開業をしている経営者は口を揃えて、自由診療は必要だと言っているようです。クリニック独自で自由に価格設定のできる自由診療を収入に加えることは、安定した経営をしていくためには必要となります。

    患者ニーズが多様化しているから

    現代の高齢化社会では、平均寿命の延伸に伴い、健康寿命への意識が高まり、クリニックに求められる患者ニーズも多様化しています。

    患者ニーズの多様化の背景には、社会全体の病気の予防と健康意識の高まりがあります。

    厚生労働省や医師会は、フレイル(Frailty)という状態について、社会全体に啓発を行っています。フレイルは、加齢により身体機能や心身の活動能力が衰え、健康状態の脆弱化を指します。
    参照: 健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ|厚生労働省

    フレイル状態の高齢者は、病気やケガ、ストレスなどの外的な刺激に対して抵抗力が弱く、健康状態の悪化や生活機能の低下、入院や寝たきりといった状態に陥りやすいため早期の対策が求められます。

    早期に入院や寝たきりとなってしまうと国内の生産能力は低下しますし、社会保障費もますます高くなってしまうことから、国民の健康意識への啓発は続くでしょう。

    また、医療の技術革新によって、予防医療の市場規模は年々拡大していくことが予想されています。

    例えば、ガンの早期発見のためのスクリーニング技術や、患者個々に応じた個別化医療の研究開発にも各社が力を入れています。
    >>併せて読みたい: クリニック集患セミナー:がんプレスクリーニング検査の重要性について

    糖尿病などの生活習慣病を予防するために、デジタルデバイスやツールを用いて管理しようとする動きも出ています。

    このように、政府主導の啓発活動に加えて、企業の技術革新から、健康や予防へのニーズは今後も増大することが予想されます。

    競合クリニックとの差別化が必要だから

    診療所に勤務する医師数は年々増加しており、競合するクリニックとの差別化は、集患するためには必須となっています。

    厚生労働省の統計によると、診療所に勤務する医師数は、1982年の統計開始から40年間にわたり増加し続けているという報告もあります。

    また、2004年から開始された臨床研修制度(スーパーローテート)の開始によって、医師の偏在が問題ともなっております。

    多くの医師が都市部で研修を受け、そのまま都市部で勤務をし、開業をする流れから、都市部では診療所が密集します。そのため、患者から選んでもらうクリニックになるための差別化戦略が必要となってきます。

    自由診療のメリットと導入事例

    自由診療を導入するメリット

    自由診療を導入することのメリットとして、「クリニックの収益性改善」「競合クリニックとの差別化」ができることにあります。

    一つ目の収益性の改善では、自由診療は保険診療と異なり、クリニック独自で自由に価格設定ができることにあります。つまりは、患者一人あたりの単価も上がるので、結果として、売上の増加も期待できます。

    その一方で、自由診療の内容によっては、ある程度の価格相場が決まっているのも事実です。したがって、クリニック独自のサービスや、広告を行うことも必要となるでしょう。

    次に、競合クリニックとの差別化メリットがあります。

    現代のクリニック経営において、競争はますます激化しており、自由診療は他のクリニックとの差別化を図るための有効な手段となります。

    例えば、ある特定の治療法や診療を提供することで、その地域では、唯一無二の存在となることもできます。

    開業立地の患者層のニーズに対して柔軟に対応すること。このような戦略をとれるのも、自由診療のメリットと言えるでしょう。

    自由診療の導入事例

    保険診療をメインにしている皮膚科では、医療機器レーザーによる脱毛やシミ取り、ボトックスやヒアルロン酸注入などの自由診療を導入しているクリニックが増えています。また、スキンケア商品の販売や脱毛症(AGA)への治療なども行われています。

    さらに、一見、関連性がないように見える診療科でも、AGA治療やスキンケア商品、サプリメントを提供しているクリニックもあります。例えば、一般的な診療をメインにしている内科が、エイジングケアのトータルサポートを切り口に、認知症予防からスキンケアや、AGA治療、サプリメントの販売提供を行っている例が存在します。

    その他、消化器内科での内視鏡を使用した人間ドックや健康診断など、予防に焦点を当てたサービスを提供するクリニックも見受けられます。耳鼻科や眼科でさえも、アンチエイジング、予防を目的に、サプリメントを患者ニーズに合わせて販売しているところもあります。

    自由診療は、様々な診療科で導入できるので、地域の患者ニーズや、競合クリニックの状況を考慮して柔軟に対応することができます。

    自由診療の導入ステップと注意点

    自由診療を自院で導入する際の具体的な方法と注意点について解説します。

    地域ニーズの調査と専門性にあった診療を選択

    自由診療導入の最初の一歩は、患者や地域のニーズと状況を調査し、自由診療のニーズがあるかどうかを探ることです。

    また、近隣クリニックが自由診療を導入しているか、導入している場合は、どのような診療を行っているか、患者の評価はどうかといった調査も必要でしょう。

    手軽な情報収集として、Googleの口コミから調べることができます。仲の良い業者がいれば探ることもできるでしょうし、他の周辺クリニックの評判を聞いてみることもオススメです。

    その上で、自院の専門性と設備投資できる費用を総合的に判断し、どのような自由診療を導入するかを決めていきます。

    例えば、眼科がAGAの治療薬を取り扱い出したら、患者はどのように思うでしょうか。何の脈絡もなく始めてしまうと、単に金儲けがしたいのだと考える人もいるかもしれません。

    診療科の専門性にあった自由診療を選ぶことが必要ですし、もしそうではない自由診療を選択する際には、なぜ、その自由診療を取り扱うのか?の理由も患者に知ってもらう必要があるでしょう。

    必要コストと収益性の評価

    必要な設備投資、人件費、広告費用などのコストを詳細に計算し、それに見合った収益が見込めるかどうかの検証が必要です。

    自由診療は保険診療よりも高額な収益が期待できますが、一方で初期投資が高額になり過ぎては、せっかくの収益性への期待効果も薄くなってしまいます。

    例えば、皮膚科が医療脱毛を導入しようとする場合、周辺の競合はいくらの価格設定で提供しているのか、自院で導入した際に月間で何人ぐらいが利用してくれそうかなど、売上の予測が必要です。

    そこから、医療機器の購入費、施術に必要なスタッフの人件費、集客するための広告費を差し引いて利益が見込めるかの計算が必要となります。

    一つの判断基準として、医療機器の購入費用がどのくらいの期間で、元がとれるかを検討するのも良いでしょう。期間が短ければ短いほど収益が期待できます。

    他には電子カルテの見直しが必要となるケースもあるでしょう。

    保険診療に加えて自費診療を行うとなると、患者の詳細な情報を記録できる電子カルテが望ましいです。

    従来の電子カルテの中には保険診療のみにしか対応しておらず、別で患者情報を管理しないといけない手間が発生するものもあります。

    電子カルテの入れ替えとなると費用はかかりますし、誰が患者情報を入力するのかといった院内オペレーションの変更、スタッフが慣れるまでの時間も必要となってしまいます。

    必要コストだけでなく、手間や時間に対して、どのくらいの売上が見込めるのかを天秤にかけて検討することが必要でしょう。

    スタッフ研修の実施

    自由診療には新たな知識やスキルが求められる場合が多く、そのためスタッフ教育も必要となります。

    新しい医療機器を用いた自由診療を導入した際には、正しい使用方法を学ばなければなりません。患者が自由診療の内容を理解して利用してもらうためには、スタッフからの丁寧な説明が必要となってくるでしょう。

    また、電子カルテなどの院内システムの変更に対しても研修が必要です。

    スタッフ全員が自由診療について理解し、質の高いサービス提供するため、院内のハードとソフトの両面にわたって準備することが大切です。

    マーケティング戦略の策定と広告

    自由診療の導入を、患者や地域の人に知ってもらうためのマーケティング戦略が重要です。

    せっかくコストをかけて自由診療を導入しても知ってもらえなければ、利用者は増えず収益も期待できなくなってしまいます。

    特に広告は、自由診療の特徴や価値を伝えるための重要な手段となります。

    ホームページやSNS、リスティング広告など、様々なメディア媒体を活用してクリニックの特徴や自由診療の内容を発信していくことが大切です。

    一方で、注意しないといけないのは医療広告の規制です。
    医療広告では患者に誤解をさせないため、過度な広告は厳密に制限されています。

    例えば、近隣クリニックとの差別化を目的に最新のレーザー医療機器を導入した場合、積極的に広告に使いたくなるものです。しかし「〇〇地域で初のレーザー医療機器を導入」といった広告は規制対象となります。

    また、自由診療を広告する際には、「保険診療が適応されないこと」「標準的な治療の費用」を必ず併せて記載することが義務付けられています。

    医療広告では煩雑な規制も多く、確認しながら計画を立てる必要があり手間がかかります。このような手間をなくし指摘が入らないようにするには、専門業者に依頼することも検討しましょう。

    フィードバックの収集

    マーケティングにもつながるところですが、導入後は、自由診療の運用状況を定期的にモニタリングし、患者からのフィードバックを収集することも必要です。

    これにより、必要に応じて改善や修正を行い、自由診療の質を高めるとともに、患者満足度の向上を図ります。

    まとめ

    この記事では、保険診療だけでは医院経営が難しい時代を生き抜く一つの手段として、
    自由診療の導入の必要性を説明しました。

    自由診療には、ニーズ調査や競合リサーチなどのマーケティング戦略が必須です。Web広告も検討するとなるとより専門的な知識とスキルが必要となってくるでしょう。

    今後のクリニック経営戦略の一つとして、自由診療導入の参考にしてください。

    Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

    特徴

    1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

    対象規模

    無床クリニック向け 在宅向け

    オプション機能

    オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

    提供形態

    サービス クラウド SaaS 分離型

    診療科目

    内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
    自由診療クリニックの売上アップ・業務効率化をこれひとつで

    特徴

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    システム提携

    電子カルテ 会計システム

    対応端末

    スマートフォン パソコン タブレット

    提供形態

    クラウド SaaS

    種別

    窓口自動化システム

    診療科目

    内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科

    執筆 医療ライター ミナト

    製薬会社MRとして営業職を経験。その後は営業組織の管理職となり、マネジメントやマーケティングを行う。
    数多くクリニックの開業サポートをしてきた経験から、経営に役立つ情報をたくさんの人に広めたいとの想いを持つ。「医療×経営」の記事を中心に執筆活動中。


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