クリニックの開業・経営に役立つ制度は積極的に活用したいもの。
とりわけ資金面で役立つのが、補助金と助成金です。
この記事では、具体的にどんな補助金と助成金があるのかを紹介していきます。
補助金と助成金の違いとは?
まずは補助金と助成金の違いを説明します。
前者は、主に厚生労働省所轄の支援金のことで、ほとんどが雇用・労働関係を対象としています。原則として、国や地方公共団体が提示する要件を満たしていれば誰でも受給可能ですが、開業時に利用できる助成金はそれほど多くはありません。
一方の助成金は、主に経済産業省所轄の支援金のことで、ほとんどが研究開発・ITなど専門的分野を対象としています。また、審査に通らなければ受給できないもの、補助金との大きな違いです。
次の項から、それぞれの補助金・助成金について、使えるタイミング(開業前・開業後)も併せて説明していきます。
開業時に使える補助金・助成金
まずは、【開業時に使える補助金】として、以下の3つです。
- 創業補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金
- トライアル雇用助成金
創業補助金
「創業補助金」とは、新たに開業を予定している事業者に対して、創業初期に必要な経費を一部助成する制度で、経済産業省の認可を受けた地方自治体、公共団体、企業が助成事業をおこなっています。
ただし、なかには開業医が対象外のものもあります。
たとえば、東京都の「公益財団法人 東京都中小企業振興公社」がおこなっている創業助成事業にも、対象者として開業医が入っていません。
事業承継・引継ぎ補助金
「事業承継・引継ぎ補助金」とは、「事業を継承した経営者」を対象にした補助・助成制度です。
医療法人は対象となりませんが、個人開業医で、中小企業基本法の中小企業に該当するのであれば申請可能です。
「事業承継・引継ぎ補助金」は以下の2種類が用意されています。
後継者承継支援型
先代から事業を受け継ぐタイプの承継です 。
補助率1/2の場合上限225万円、補助率2/3の場合上限330万円
事業再編・事業統合支援型
企業の合併や再編に伴う継承です。
補助率1/2の場合上限450万円、補助率2/3の場合上限600万円
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金とは、名前の通り、試用期間をサポートする助成金です。
職業経験が技能、知識などがネックで就職困難な求職者を雇用した場合、ひとつきあたり4万円の奨励金が支給されます。
ただし、対象者が母子家庭の母、父子家庭の父の場合は1人につき5万円に増額。支給期間は最長3か月です。
また、ユースエール認定(若者雇用促進法に基づく認定)制度で認定されている事業者が35歳未満の対象者をトライアル雇用した場合は、1人あたりの支給額は最大5万円になります。
奨励金を受給するための人材に関する条件
奨励金を受給するためには、以下の条件を満たしている人材を雇う必要があります。
1.対象労働者がハローワーク、地方運輸局(船員となる場合)または職業紹介事業者の職業紹介日において、次のイ~ニのいずれにも該当しない者であること
- イ:安定した職業に就いている者
- ロ:自ら事業を営んでいる者又は役員に就いている者であって、1週間当たりの実働時間が 30 時間以上の者
- ハ:学校に在籍している者( 在籍している学校を卒業する日の属する年度の1月1日を経過している者であって卒業後の就職内定がないものは除く)
- ニ:すでにトライアル雇用期間中の者
2.次のイ~ヘのいずれかに該当する者
- イ:紹介日前2年以内に、2回以上離職または転職を繰り返している者
- ロ:紹介日前において離職している期間が1年を超えている者
- ハ:妊娠、出産又は育児を理由として離職した者であって、紹介日前において安定した職業に就いていない期間(離職前の期間は含めない)が1年を超えているもの
- ニ:紹介日において、ニートやフリーター等で55歳未満である者
- ホ:紹介日において就職支援に当たって特別の配慮を有する次のa~iまでのいずれかに該当する者
- a:生活保護受給者
- b:母子家庭の母等
- c:父子家庭の父
- d:日雇労働者
- e:季節労働者
- f:中国残留邦人等永住帰国者
- g:ホームレス
- h:住居喪失不安定就労者
- i:生活困窮者
奨励金を受給するためのクリニックに関する条件
クリニック側は以下の条件を満たしている必要があります。
- 1.ハローワーク・紹介事業者等に提出された求人に対して、ハローワーク・紹介事業者等の紹介により雇い入れること
- 2.原則3カ月のトライアル雇用をすること
- 3.1週間の所定労働時間が原則として通常の労働者と同程度であること ※30時間、または上記2のd、g、hに該当する者の場合は20時間を下回らないこと
開業後に使える補助金・助成金
続いて、開業後に使える補助金・助成金の一覧をご紹介します。上手く活用して、経営・運営の支えにしていきましょう。
医療施設等施設設備費補助金
「医療施設等施設設備費補助金」とは、へき地医療の確保、臨床研修医の研修環境などの充実を図ることを目的とした補助金です。具体的には、へき地診療所整備事業、過疎地域等特定診療所施設整備事業、医師臨床研修病院研修医環境整備事業などに活用できます。
【補助率および下限額】
- へき地診療所:1/2、1か所につき1,000千円
- 過疎地域等特定診療所:1/2、1か所につき2,500千円(ただし改修の場合は1,000千円)
- へき地保険指導所:1/3(ただし沖縄県は1/2)、1か所につき1,666千円(ただし沖縄県は2,500千円)
- 研修医のための研修施設:1/2、1か所につき1,000千円
- 臨床研修病院:1/2、1か所につき1,000千円
- へき地医療拠点病院:1/2、1か所につき2,500千円
- 医師臨床研修病院研修医環境整備:1/3
- 離島等患者宿泊施設施設整備事業:1/3
- 産科医療機関施設整備事業:1/3、1か所につき666千円
- 死亡時画像診断システム施設整備:1/2
IT導入補助金
「IT導入補助金」とは、中小企業などが自社の課題解決などを目的としてITツールを導入する際、その一部の経費を補助するものです。
導入することによって業務効率向上や売上UPが見込めるソフトウェアおよびサービスの購入・導入にかかる費用が補助の対象となります。
ただし、ITツールであればなんでもいいわけではなく、「あらかじめIT補助金事務所に登録されているITツール」であることが必須です。
【補助額】
- A類型:30万~150万円未満(補助率1/2以内)
- B類型:150万~450万円以下(補助率1/2以内)
- デジタル化基盤導入類型
ITツール(ソフトウェア)
補助額5万円以上50万円以下の場合:補助率は3/4以内
補助額50万円超350万円の場合:補助率は2/3以内
ハードウェア
PC・タブレットなど:補助額10万円まで(補助率1/2以内)
レジ・券売機など:補助額20万円まで(補助率1/2以内)
参照: IT導入補助金2023をクリニックで申請するには?今後のスケジュールと申請方法を解説 | CLIUS クリニック開業マガジン / 電子カルテ導入に活用したい「IT導入補助金2023」概要ブック
事業再構築補助金
「事業再構築補助金」とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の社会の変化に対応すべく、中小企業等の事業再構築を支援する補助金です。
通常枠は「売り上げが減っている」「新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む」「認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する」の要件を満たしていることが必要です。
それ以外に。「大規模賃金引上げ枠」「最低賃金枠」「グリーン成長枠」などが用意されています。
感染拡大防止支援金
「感染拡大防止支援金」は、新型コロナウイルス感染症に罹患している疑いのある患者と、そうでない患者が混在しないための動線確保をはじめ、院内の感染拡大防止対策に取り組む医療機関・薬局に対して支給される支援金です。
支給条件は、新型コロナウイルス感染症の院内感染拡大防止に取り組んでいること。新型コロナウイルス感染症罹患者を受入れていなくても受給可能です。
クリニックの場合、上限額は以下の通りです。
- 有床診療所:200万円
- 無床診療所:100万円
参照:「医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援」について
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者の待遇改善を目的に用意されているものです。
助成金を利用して、非正規雇用者の企業内でのキャリアアップ促進を図ることで、働く側のモチベーション向上につながるだけでなく、雇う側は働き方改革に力を入れることができます。
以下の条件を満たしていると、支給対象事業者として認められます。
ただし、労働保険料を納入していない事業主、過去1年間に労働関係法令に違反したことがある事業主は支給対象事業主として認められません。
- 雇用保険適用事業所の事業主
- 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている
- キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること
キャリアアップ助成金の7つのコース
キャリアアップ助成金には全部で7つのコースがあります。
1.正社員化コース
非正規雇用者を正規雇用者に転換または直接雇用にした場合に支給されます。
- 有期雇用⇒正規雇用:1人あたり助成金57万円または72万円支給
- 有期雇用⇒無期雇用:1人あたり28万5,000円または36万円支給
- 無期雇用⇒正規雇用:1人あたり28万,000円または36万円支給
※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
2.賃金規定等改定コース
非正規雇用主などの「基本給の賃金規定等」を増額改定して昇給とした場合に支給されます。1年度で1事業あたり100人まで、申請は1回のみとされています。
【すべての有期雇用労働者等の賃金規定等を2%以上増額した場合】
- 対象労働者数1人~3人:1事業所あたり 9万5,000円または12万円支給
- 対象労働者数4人~6人:1事業所あたり 19万円または24万円支給
- 対象労働者数7人~10人:1事業所あたり28万5,000円または36万円支給
- 対象労働者数11人~100人:1人あたり 2万8,500円または3万6,000円支給
※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
【一部の賃金規定等を2%以上増額した場合】
- 対象労働者数1人~3人:1事業所あたり 4万7,500円または6万円支給
- 対象労働者数4人~6人 :1事業所あたり 9万5,000円または12万円支給
- 対象労働者数7人~10人:1事業所あたり14万2,500円または18万円支給
- 対象労働者数11人~100人:1人あたり 1万4,250円または1万8,000円支給
※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
3.健康診断制度コース
有期雇用労働者などを対象とした「法定外の健康診断制度」を規定。延べ4万人以上が制度を利用した場合に支給されます。
1事業所あたり1回のみの支給となります。
支給額:1事業所あたり38万円または48万円支給
※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
4.賃金規定等共通化コース
有期雇用労働者などに対して「正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等」を新たに作成。
これに適用となった場合に支給されます。1事業所あたり1回のみの支給となります。
支給額:1事業所あたり57万円または72万円支給
※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
※共通化した対象労働者が2人以上いる場合、2人目以降の助成額は1人あたり1万5,000円または1万8,000円が加算されます
5.諸手当制度共通化コース
新たに有期雇用労働者と「正規雇用労働者と共通の諸手当制度」を設け、これに適用となった場合に支給されます。1事業所あたり1回のみの支給となります。
支給額:1事業所あたり38万円または48万円
※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
※共通化した対象労働者が2人以上いる場合、2人目以降の助成額は1人あたり1万5,000円または1万8,000円が加算されます
6.選択的適用拡大導入時処遇改善コース
社会保険の適用拡大の措置の導入に伴い、有期雇用労働者などの働き方を見直し、新たに社会保険の被保険者とした場合に支給されます。
1事業所あたり1回のみの支給となります。
支給額:1事業所あたり19万円または24万円 ※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
7.短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者の週所定労働時間を延長して処遇の改善を行い、新たに被保険者とした場合に支給されます。
(短時間労働者の週所定労働時間を「5時間以上」延長して、新たに社会保険に適用した場合)
支給額:1人あたり22万5,000円または28万4,000円
※後者の金額は、生産性の向上が認められる場合の金額です
人材開発支援助成金
「人材開発支援助成金」とは、専門的な知識・技能を高め、従業員のキャリアを形成する一助となることを目的として資金援助する制度です。
申請には、以下の2つのうちいずれかを満たしている必要があります。
- 資本金または出資の総額が3億円以下
- 常時雇用する労働者の数が300人以下
「人材開発支援助成金」にあるコースから、クリニックで申請できる5つをご紹介します。
1.特定訓練コース
- 職業能力開発促進センター等が実施する在職者訓練(高度職業訓練)
- 厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練などに助成を行う
2.一般訓練コース
その他の訓練コース以外の訓練に対して助成
3.教育訓練休暇付与コース
有給教育訓練休暇等制度を導入し、労働者がこの休暇を取得して訓練を受けた120日以上の長期教育訓練休暇制度を導入して、労働者がこの休暇を取得して訓練を受けた場合に助成
4.特別育成訓練コース
有期契約労働者等の人材育成に取り組んだ場合に助成
→一般職業訓練 →有期実習型訓練 →中小企業等担い手育成訓練 ※「有期契約労働者」とは、労働期間を定めて企業と労働契約を結んで働いている労働者のことを指します。契約社員、パートタイマー、アルバイトが該当します。
5.障害者職業能力開発コース
- 障害者職業能力開発訓練施設等の設置など
- 障害者職業能力開発訓練運営費(人件費、教材費等)に助成
助成金額はコースによって変わりますが、たとえば「特定訓練コース」の場合、賃金助成として1時間あたり380円、経費助成率30%、実施助成に1時間あたり380円が支給されます。
また、支給限度額は10~100時間未満で15万円、100時間〜200時間未満で30万円、200時間以上で50万円となります。
参照:人材開発支援助成金とは? 7つの助成金コースとその支給額
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)
「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)」は、高齢者・障害者などを雇用している企業を対象とした助成金です。
対象者別にいくつかのコースが設けられており、要件や助成額はコースごとに異なります。
ただし、ハローワーク、地方運輸局、民間の職業紹介事業者からの紹介による雇用であること、対象者を継続して雇用していることなどが要件であることは、すべてのコースに共通しています。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
【概要】
高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
【主な支給要件】
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
- 雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること
【支給額】
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 | |
短時間労働者以外の者 | 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 | 60万円(50万円) | 1年(1年) | 30万円×2期(25万円×2期) |
重度障害者等を除く身体・知的障害者 | 120万円(50万円) | 2年(1年) | 30万円×4期(25万円×2期) | |
重度障害者等 | 240万円(100万円) | 3年(1年6か月) | 40万円×6期(33万円×3期)※第3期の支給額は34万円 | |
短時間労働者 | 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 | 40万円(30万円) | 1年(1年) | 20万円×2期(15万円×2期) |
重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 | 80万円(30万円) | 2年(1年) | 20万円×4期(15万円×2期) |
※( )内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間です
特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)
【概要】
雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により、一年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます
【主な支給要件】
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
- 雇用保険の高年齢被保険者として雇い入れ、1年以上雇用することが確実であると認められること
【支給額】
支給対象者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 70万円(60万円) | 1年(1年) | 35万円 × 2期(30万円 × 2期) |
短時間労働者 | 50万円(40万円) | 1年(1年) | 25万円 × 2期(20万円 × 2期) |
※()内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間です
特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)
【概要】
平成23年5月2日以降、ハローワーク等の紹介により、東日本大震災による被災離職者や被災地求職者を1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れる事業主(1年以上継続して雇用することが確実な場合に限る)に対して助成されています。
また、この助成金の対象者を10人以上雇い入れ、1年以上継続して雇用した場合には、助成金の上乗せが行われます。
【主な支給要件】
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
- 平成23年5月2日以降、雇用保険一般被保険者として雇い入れ、1年以上継続して雇用することが見込まれること
【支給額】
支給対象者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 60万円(50万円) | 1年(1年) | 30万円 × 2期(25万円 × 2期) |
短時間労働者 | 40万円(30万円) | 1年(1年) | 20万円 × 2期(15万円 × 2期) |
※()内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間です。
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
【概要】
ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(一般被保険者)として、発達障害者や難病患者を雇い入れる事業主に対して助成されます。
事業主に雇い入れた方に対する配慮事項等についての報告が必要です。
また、雇入れから約6か月後にハローワーク職員等が職場訪問を行います。
【主な支給要件】
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
- 雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること
【支給額】
対象労働者 | 企業規模 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 中小企業 | 120万円 | 2年間 | 第1期 30万円第2期 30万円第3期 30万円第4期 30万円 |
中小企業以外 | 50万円 | 1年間 | 第1期 25万円第2期 25万円 | |
短時間労働者 | 中小企業 | 80万円 | 2年間 | 第1期 20万円第2期 20万円第3期 20万円第4期 20万円 |
中小企業以外 | 30万円 | 1年間 | 第1期 15万円第2期 15万円 |
参照:特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)
【概要】
いわゆる就職氷河期に正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な方をハローワーク等の紹介により、正規雇用労働者として雇い入れる事業主に対して助成されます。
【主な支給要件】
雇入れ日において1~4のいずれにも当てはまる方を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介により正規雇用労働者として新たに雇用する事業主に助成金を支給します。
- 1.雇入れ日時点の満年齢が35歳以上55歳未満の方
- 2.雇入れの日の前日から起算して過去5年間に正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、雇入れの日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない方
- 3.ハローワークなどの紹介の時点で失業しているまたは非正規雇用労働者である方でかつ、ハローワークなどにおいて、個別支援等の就労に向けた支援を受けている方
- 4.正規雇用労働者として雇用されることを希望している方
【支給額】
企業規模 | 支給対象期間 | 支給額 | 支給総額 | |
第1期 | 第2期 | |||
大企業 | 1年 | 25万円 | 25万円 | 50万円 |
中小企業 | 1年 | 30万円 | 30万円 | 60万円 |
参照:特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)
特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)
【概要】
ハローワークまたは地方公共団体において、通算して3ヶ月を超えて支援を受けている生活保護受給者や生活困窮者を、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成します
【主な支給要件】
1. ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
2. 雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること
【支給額】
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 60万円(50万円) | 1年(1年) | 30万円 × 2期(25万円 × 2期) |
短時間労働者 | 40万円(30万円) | 1年(1年) | 20万円 × 2期(15万円 × 2期) |
※( )内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間です。
参照:特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)
特定求職者雇用開発助成金(成長分野人材確保・育成コース)
【概要】
ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般または高年齢被保険者)として、高年齢者や障害者等の就職困難者を雇い入れ、
「成長分野等の業務」に従事させ、人材育成や職場定着に取り組む場合に、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額の助成金を支給します。
※「成長分野等の業務」とは、デジタル・DX化関係業務及びグリーン・カーボンニュートラル化関係業務のことです
【主な支給要件】
- 1.以下の対象労働者種別に応じた特定求職者雇用開発助成金の他のコースの支給要件をすべて満たすこと
対象労働者種別 | 対応するコース |
障害者、60~64歳の者、母子家庭の母等 等 | 特定就職困難者コース |
65歳以上の者 | 生涯現役コース |
東日本大震災の被災離職者 等 | 被災者雇用開発コース |
発達障害者、難治性疾患患者 | 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース |
就職氷河期世代の者 | 就職氷河期世代安定雇用実現コース |
生活保護受給者、生活困窮者 | 生活保護受給者等雇用開発コース |
- 2.対象労働者を、いずれかの「成長分野等の業務」に従事させること
- 3.対象労働者に対して、雇用管理改善または職業能力開発にかかる取組を行うこと
- 4.2および3に関すること等について記載した計画書及び報告書を提出すること
【支給額】
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 | |
短時間労働者以外の者 | 高年齢者(60~64歳)母子家庭の母等就職氷河期世代の者生活保護受給者等 等 | 90万円(75万円) | 1年(1年) | 45万円 × 2期(37.5万円 × 2期) |
65歳以上の高年齢者 | 105万円(90万円) | 1年(1年) | 52.5万円 × 2期(45万円 × 2期) | |
身体・知的障害者発達障害者難治性疾患患者 | 180万円(75万円) | 2年(1年) | 45万円 × 4期(37.5万円 × 2期) | |
重度障害者等 | 360万円(150万円) | 3年(1年6か月) | 60万円 × 6期(50万円× 3期) | |
短時間労働者 | 高年齢者(60~64歳)母子家庭の母等生活保護受給者等 等 | 60万円(45万円) | 1年(1年) | 30万円 × 2期(22.5万円 × 2期) |
65歳以上の高年齢者 | 75万円(60万円) | 1年(1年) | 37.5万円 × 2期(30万円 × 2期) | |
障害者発達障害者難治性疾患患者 | 120万円(45万円) | 2年(1年) | 30万円 × 4期(22.5万円 × 2期) |
※()内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間です
参照:特定求職者雇用開発助成金(成長分野人材確保・育成コース)
職場定着支援助成金
「職場定着支援助成金」とは、魅力ある職場を作り、労働環境をよくしようとする事業主や事業協同組合などに支給される助成金です。
労働環境を改善して、離職率を下げることを目的としています。
「職場定着支援助成金」には、「個別企業助成コース」と「中小企業団体助成コース」の2つのコースがあり、クリニックの場合は、全社での申請となるでしょう(後者は事業協同組合等を対象としているため)。
また、前者の場合、
- 評価・処遇制度
- 昇進・昇格基準
- 賃金制度
- 諸手当制度
のいずれかの制度を導入する
上記の雇用管理制度を導入・実施した場合に、「制度導入助成」として10万円が支給されます。
研修制度
職務の遂行に必要な能力等を付与するため、カリキュラム内容、時間等を定めた職業訓練・研修制度を導入する
健康づくり制度
人間ドック、生活習慣病予防検診、腰痛健康診断のいずれかの制度を導入する
メンター制度
キャリア形成上の課題及び職場における問題の解決を支援するため、メンター制度を導入する
短時間正社員制度(保育事業主のみ)
従業員の多様な働き方を推進するため、短時間正社員制度を導入する また、上記のような制度を導入したことによって実際に離職率が低下したら、「目標達成助成」として60万円が支給されます。
ただし、具体的に目標とする数値が設定されているため、数値をクリアする必要があります。
- 従業員規模1~9人:離職率割合15%
- 10~29人:10%
- 30~99人:7%
- 100~299人:5%
- 300人以上:3%
参照:職場定着支援助成金とは? 支給の条件と申請方法について
地域雇用開発助成金
「地域雇用開発助成金」は、雇用期間が不足している地域に事業所の設置などをおこない、地域に移住している求職者を雇用した場合に支給される助成金です。
対象とされている地域の事業者しか利用できません。
さらに、求職者に関してはハローワークなどを通じて雇用する必要があります。
【受給要件】
1回目の支給
- 1.同意雇用開発促進地域等の事業所における施設・設備の設置・整備及び、地域に居住する求職者等の雇い入れに関する計画書を労働局長に提出すること
- 2.事業の用に供する施設や設備を計画期間内に設置・整備すること
- 3.地域に居住する求職者等を計画期間内に常時雇用する雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者(以下「被保険者」という)としてハローワーク等の紹介により3人(創業の場合は2人)以上雇い入れること
- 4.事業所における労働者(被保険者)数の増加:設置・設備事業所における完了日における被保険者数が、計画日の前日における数に比べ3人(創業の場合は2人)以上増加していること
2回目・3回目の支給
- 1.被保険者数の維持……被保険者について、第2回目の支給基準日(完了日の1年後の日)および第3回目の支給基準日(完了日の2年後の日)における数が、完了日における数を下回っていないこと
- 2.対象労働者の維持……前述の要件を満たして雇い入れられた対象労働者について、第2回目および第3回目の支給基準日における数が、完了日における数を下回っていないこと
- 3.対象労働者の職場定着……完了日以降に事業主都合以外の理由による離職者が発生した場合、一定の範囲で補充が認められますが、第2回目および第3回目の支給基準日までの離職者の数は、完了日時点の対象労働者の1/2以下、または3人以下である
まとめ
補助金や助成金はいつでも利用可能というわけではなく、〆切が設定されているものがほとんど。
利用を考えているなら、なるべく早めに準備をすすめることが肝心です。
ただし、なかには毎年同じ時期に募集しているものもあるので、開業のタイミングに合わせて利用できるものを探してみてくださいね。
特徴
対応業務
その他特徴
診療科目
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この記事は、2020年12月時点の情報を元に作成しています。