開業医としてクリニックを運営していくうえでは、節税に取り組むことがとても大切です。日ごろから節税に取り組んでいれば、いざというときに必要な資金を投じて事業拡大を目指すこともできますし、将来のための資産の金額も大きく変わってくるでしょう。そこで今回は、開業医が取り組むべき節税対策を紹介していきます。
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開業医にとって節税が大切な理由とは?
開業医が節税すべき理由は、冒頭で述べた通り、「資金に余裕があればやりたいことにチャレンジできる」「将来が安泰」もありますが、それ以前に、「対策を講じていなければ税金の支払いが困難になる」という大きな問題があります。
開業医が支払わなければならない税金は、所得税、住民税、事業税、固定資産税などいくつかありますが、そのなかでも、収入に比例して税金が高くなる「累進課税制度」が適用されている所得税は要注意! 何も対策を取っていないと、納付書が届いてから「こんなに払えない!」と慌てることになります。そのため、まずは所得を抑えることが基本となります。
節税の基本は「経費計上」
所得を抑えるにはどうすればいいかというと、経費を増やすことです。所得とは、「収入-経費」で算出された額のことなので、収入が高いとしても、経費の額が大きければ、そのぶん小さくなるのです。
クリニックで経費計上できるものは、「材料費」「人件費」「福利厚生費」などいくつかあります。詳しくは下記の記事をご参照ください。
参照:クリニックで必要経費に計上できる費用とは?正しく知って節税に役立てよう
開業医が実践すべき節税法
続いて、基本となる経費計上以外に実践すべき対策を説明していきます。
公的制度を利用する
iDeCo、小規模企業共済、経営セーフティ共済などの公的制度を利用すれば、掛金を全額経費として計上することができるため節税になります。
iDeCo、小規模企業共済、経営セーフティ共済について詳しくは下記記事をご参照ください。
参照:開業のクリニックでしっかり節税対策を行う方法とは?税理士が解説する忘れがちなポイント
償却資産を購入する
土地・家屋以外の事業用資産で、減価償却の対象となる固定資産を取得した場合、取得費を耐用年数で分割した金額で経費計上できます。導入したい設備や備品がある場合、利益が高い年に購入して経費計上すると節税効果が高くなります。
不要な資産は処分する
償却資産のうち使っていないものがある場合、スピーディに処分して、除却損または売却損として経費に計上するのがおすすめです。なぜかというと、償却資産は所有しているだけで償却資産税が課されるためです。そのため、不要な税金を抑えるためにも、定期的に固定資産台帳と資産の状況を照らし合わせることが大事です。なお、償却資産を処分した場合、処分したことが証明できるよう、書面もしくは写真などで記録しておくことが必要です。
概算経費の特例を適用する
社会保険診療報酬が年5,000万円以下、総収入合計が7,000万円以下であれば、一定の方法によって計算した「概算経費」と、実際に支出した「実額経費」のうち、どちらか多いほうの金額を経費として計上できる「概算経費の特例」が適用となります。
概算経費について詳しくは下記記事をご参照ください。
所得分散を見直す
前述の通り、所得税は累進課税制度が適用となっているため、所得が高いと税金が高くなります。そのため、院長の所得を家族に分散させることで税金が安くなる場合があります。ただし、家族に支払う給与は実務に伴った金額である必要があります。また、租税回避を防止するために、青色事業専従者給与の届出が必要であるなどの制約があります。
特別支出控除を受ける
特別支出控除とは、国に定められた特定項目の支出合計額が一定の基準を超えた場合に、超えた分の金額を所得金額から差し引くことができる制度です。ただし、特定支出の合計が給与所得控除額の1/2(最高125万円)を超えた場合に、超過分が控除対象となるという制度であるため、超えていない場合は控除を受けることはできません。
特別支出控除の対象は以下の通りです。これに該当することを証明できるよう、支出に関する明細などの書類を確定申告時に添付する必要があります。
医療法人化を検討する
所得が一定の金額を超えると、クリニックを法人化したほうが支払う税金が安くなります。なぜかというと、個人の所得に対する所得税率は最大で45%であるのに対して、法人税率の上限は23.2%であるためです。医療法人化を検討すべきタイミングについて、詳しくは下記記事をご参照ください。
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できることから一つひとつやっていこう!
節税対策を「あれもこれも」と一気にやろうとするのは大変。なかには細かい計算が必要な対策もあるので、すべてを同じタイミングではじめようとせず、できることから一つひとつすすめていくのがおすすめですよ!
特徴
対象規模
オプション機能
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診療科目
この記事は、2024年3月時点の情報を元に作成しています。