週休3日制を利用する看護師は増えている? 働き方のメリット、デメリットは?

働き方改革の推進に伴い、自分らしい働き方を追求する人が増えています。医療業界においても然りですが、人手が足りないといわれているなか、働く時間を減らすことは難しいと考える人もいるかもしれません。しかし実際のところ、週休3日制を利用している看護師も存在します。そこで今回は、看護師が週休3日で働くことについて考えていきます。

目次
  1. 週休3日制とは?
    1. 圧縮労働型
    2. 労働日数/時間報酬削減型
    3. 労働日数/時間削減・報酬維持型
  2. 「週休3日の常勤」と「アルバイト・パート」の違いとは?
  3. 看護師の働き方の実態は?
  4. 看護師の働き方に関する変化は?
  5. 国が看護師に週休3日という働き方をすすめる理由は?
  6. 週休3日で働くメリット、デメリットは?
    1. 週休3日で働くメリット
      1. 育児や介護にも対応可能
      2. ワークライフバランスがとりやすい
      3. キャリア形成の可能性が広がる
    2. 週休3日で働くデメリット
      1. 給与が少ない
      2. 保育園の利用が難しくなる
      3. そもそも週休3日制を導入していない医療機関も多い
      4. 出世に影響する
      5. 同僚から妬まれる可能性がある
  7. 働き方の選択肢について正しい知識を持とう!

週休3日制とは?

まずは、週休3日制について説明します。「週休3日」と聞くと、パートやアルバイトとして働くことを想像する人もいるかもしれませんが、週休3日制はあくまでも正社員に適用されるものです。では、週休3日になることで、給与や労働時間はどのように変わるかというと、週休3日制は大きく3タイプにわけられます。

圧縮労働型 労働日数/時間報酬削減型 労働日数/時間削減・報酬維持型
労働日数/週 減少(6日または5日⇒4日) 減少(6日または5日⇒4日) 減少(6日または5日⇒4日)
労働時間 変わらない 減少 減少
勤務形態 休日を1日増やすぶん、1日の労働時間を増やす
(例)1日8時間×5日/週⇒1日10時間×4日/週
1日の労働時間は変わらない 1日の労働時間は変わらない
休暇(曜日) 選択制・固定制 選択制・固定制 選択制・固定制
給与額 変わらない 減少 変わらない
ただし、業績によって変動する場合あり
副業 企業による 認める企業が多い 企業による

圧縮労働型

労働圧縮型は、週あたりの労働時間は週休2日もしくは週休1日と変わらないため、1日あたりの労働時間が長くなります。このタイプの週休3日制は、リクルートヤファーストリテイリング、佐川急便が導入していることで知られています。

労働日数/時間報酬削減型

労働日数/時間報酬削減型は、1日あたりの労働時間は、週休2日もしくは週休1日の場合と変わりませんが、週あたりの労働時間が少なくなるぶん、給与の額が減ります。育児や介護、学習支援目的で導入している企業が多く、導入している企業例としては、IBMが挙げられます。

労働日数/時間削減・報酬維持型

労働日数/時間削減・報酬維持型は、1日あたりの労働時間は変わらず、働く日数が減るので、週あたりの
労働時間は少なくなるのに、給与の額は変わりません。ただし、それまでは5日分の成果を出していたのに4日分の成果しか出せなくなったという場合は、当然ながら給与の額は減ります。労働日数/時間削減・報酬維持型は、マイクロソフトなどが導入していることで知られていますが、国内では今のところ導入事例は極めて少ないです。

では、この3タイプのうち、医療機関に導入される可能性が高い週休3日制はというと、圧縮労働型および労働日数/時間報酬削減型でしょう。なぜかというと、労働日数/時間削減・報酬維持型は、短い時間で高い成果を出せる人を対象としている制度ですが、看護師の仕事はアイディア勝負などではないため、時短だと成り立たないからです。

「週休3日の常勤」と「アルバイト・パート」の違いとは?

前述の通り、週休3日制は正社員に適用されるものです。では、「週休3日の常勤」と「週に4日働くアルバイト・パート」は何が違うかというと、まず、社会保険および雇用保険の対象となるかどうかです。常勤であれば、社会保険および雇用保険の加入は必須ですが、パートやアルバイトは、加入の対象とならない場合があります。

そしてもうひとつは、ボーナスの減額がないことです。パートやアルバイトでも、雇用契約書に賞与の規定があればボーナス支給の対象となりますが、金額は正社員とは大きく異なります。しかし、正社員であれば、週休3日であろうと2日であろうとボーナスの支給額に変わりはありません。この点だけみると、「週休3日の正社員はおいしい」と思う人が多いかもしれません。

看護師の働き方の実態は?

続いては、看護師の働き方の実態をみていきます。

日本看護協会が2021年に実施した「看護職員実態調査」によると、正規雇用職員の週休形態は、「4週8休制」がもっとも多く、続いて「完全週休2日制」が多いことがわかっています。いずれの場合も月に換算すると8日の休みということになりますが、これらに該当する人以外の多くが、月換算で休日は7日以下という調査結果が出ています。詳細は以下の通り。つまり、少なくとも2021年の時点では、週休3日で働いている看護師は、「その他」または「無回答・不明」に該当する9.0%以下の割合ということになります。

週休形態 件数 割合
完全週休2日制 1,331 31.5%
4週8休制 2,064 48.9%
月3回週休2日制(4週7休制含む) 134 3.2%
月2回週休2日制(4週6休制含む) 202 4.8%
月1回週休2日制(4週5休制含む) 41 1.0%
週休1日制(土曜日等の半日勤務) 61 1.4%
週休1日制 11 0.3%
その他 247 5.9%
無回答・不明 129 3.1%
4,220 100.0%

参照:日本看護協会調査研究報告「2021年看護職員実態調査」

看護師の働き方に関する変化は?

上記調査結果から、2021年の時点では、週休3日で働いている看護師は少ないことがわかりましたが、2024年現在は、この数字が大きく変化している可能性が高いといえます。なぜかというと、まず、2019年4月1日に「働き方改革関連法」が施行されているためです。

さらに同年 、厚生労働省は2008年頃から導入を奨励している「短時間正社員制度」について、 看護師・介護士・保育士に特化した導入・運用支援マニュアルを発行。これら3職種に対して短時間制社員制度を導入している法人などを紹介しながら、制度の概要と導入の手順を解説しています。

参照:厚生労働省「短時間制社員制度」導入・運用支援マニュアル ―看護師・介護士・保健師―

国が看護師に週休3日という働き方をすすめる理由は?

では、医療現場での人手不足が大きな問題となっているにも関わらず、なぜ国は看護師や介護士、保健師を雇用する事業所に「短時間制社員制度」の導入をすすめているのでしょうか? その答えは、人材の確保および定着率を上げるという狙いがあるからです。

どういうことかというと、これら3職種は、他の職種と比較して労働時間が長時間または不規則になりがちであることから、勤続年数が短く、有効求人倍率は高いという特徴があります。たとえば、育児や介護を続けながら働くことは非現実的な場合が多いですし、退職した人材の穴埋めをするための新規人材採用活動は長期化しがち。さらに、採用した暁には仕事を覚えてもらう必要がありますが、患者の命に関わることから、ミスが許されないため、他の職種と比べて教育に時間がかかります。

それなら、ワークライフバランスをとりやすく、無理なく働き続けられる環境をつくって離職を防いだほうが、遥かに効率的だろう、というわけです。

参照:厚生労働省「短時間制社員制度」導入・運用支援マニュアル ―看護師・介護士・保健師―

週休3日で働くメリット、デメリットは?

続いては、週休3日で働くメリット、デメリットをみていきましょう。

メリット デメリット
・育児や介護にも対応可能
・ワークライフバランスがとりやすい
・キャリア形成の可能性が広がる
・給与が少ない
・保育園の利用が難しくなる
・そもそも週休3日制を導入していない医療機関も多い
・出世に影響する
・同僚から妬まれる可能性がある

週休3日で働くメリット

まずはメリットから。

育児や介護にも対応可能

国の狙い通り、育児や介護にも携わりながら働くことができるのは大きな魅力です。夫婦共働きなら、週休3日制を利用して、かつ家事や育児を分担すれば、無理なく働きやすいでしょう。また、週休3日にこだわらないなら、フレックス制などを利用して、子どもの下校時に間に合うように帰宅するなどの方法もあります。

ワークライフバランスがとりやすい

未婚や子なしだと週休3日制を利用しにくいと考える人もいるかもしれませんが、プライベートを充実させるために週休3日制を利用することも悪いことではありません。たとえば、ものづくりが趣味で、作家活動にも力を入れたい思いがあるなら、週4日は作品作りに専念できる働き方を選択すれば自分らしく生きることができます。もちろん、作った作品の販売をはじめ、副業・複業にチャレンジすることもできます。

キャリア形成の可能性が広がる

副業・複業にも力を入れていると、思わぬ形で将来の道が開けていく可能性もあります。また、看護師の資格を活かして、訪問看護ステーション開業などの将来の展望があるなら、休日はそのための準備に充てるなどすれば、キャリア形成の幅が広がります。

週休3日で働くデメリット

続いてデメリットです。

給与が少ない

週休1日もしくは週休2日と比べて給与が少なくなります。給与の計算方法は勤務先によって異なりますが、勤務時間を単純計算した場合、週休1日週6日勤務の場合と比べると、週休3日週4日勤務は2/3しか働いていないので、人によっては生活が厳しくなることもあるでしょう。

また、給与の額に応じて支給される下記の手当ての額も少なくなります。

①出産手当金(産休手当)
出産手当金は、1年間の月給の平均値の2/3程度が支払われます。そのため、労働日数/時間報酬削減型の場合、受け取れる金額が少なくなります。

②育休手当(育児給料給付金)
育休開始時には、月給の67%が支払われることになっています。出産手当金同様、労働日数/時間報酬削減型の場合、受け取れる金額が少なくなります。

③傷病手当金
出産手当金同様、1年間の月給の平均値をもとに算出した平均月給の2/3程度が支払われます。労働日数/時間報酬削減型の場合、受け取れる金額が少なくなります。

④年金
労働日数/時間報酬削減型の場合、支払う厚生年金保険料が減るため、将来、受け取れる金額が減少します。

保育園の利用が難しくなる

国が定めた規格を満たしている認可保育園は、保育の必要度が高い家庭から優先的に利用できる仕組みになっているため、両親の週当たりの労働日数が少ない場合、入園できない可能性があります。国が定めた規格を満たしていない無認可保育園であれば、労働日数が少なくても入園可能ですが、認可保育園と比べて保育料が高額であることがネックとなります。

そもそも週休3日制を導入していない医療機関も多い

週休3日制を導入していない医療機関はまだまだ多いため、「週休3日」を第一条件として勤務先を探すと、理想の職場が見付かりにくい可能性もあります。

出世に影響する

週休3日制は導入している医療機関が少ないうえ、基本的に選択制となっているため、雇用する側としても、週休3日制を選択していない人を優先的に出世させることは間違いないでしょう。

同僚から妬まれる可能性がある

前述の通り、週休3日制は選択制のため、院内には週休3日制を選択していないスタッフもいます。週休3日制を選択していないスタッフからすると、「たくさん休めていいな」という印象を持たれる可能性も無きにしも非ずです。勤務日数が少ないぶん、給料が少なかったとしても、そのような事情には目を向けず、単純に妬んでくる人もいるかもしれません。

働き方の選択肢について正しい知識を持とう!

一般的な週休2日制にも、週休3日制同様、メリットもあればデメリットもあります。また、それ以外のすべての働き方に関しても同様なので、自分にとっての理想の働き方や譲れないポイントなどをしっかり考えておかなければ、仕事への不満が大きく膨らんでしまうこともあり得ます。それを防ぐためにも、まずはそれぞれの働き方に関して正しい知識を持つことがとても大切です。理想とする働き方があるなら、その働き方のメリット、デメリットを考えると同時に、その他の選択肢にも目を向けることを意識してみてくださいね!

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