コロナ禍をきっかけに、多くの業界が在宅ワーク、リモートワークを取り入れてきました。なかには、そのまま在宅での働き方が定着している業界もあります。しかし、医療業界の仕事は基本的には“対人”であるため、リモートという形態がなじみません。ただし、看護師の資格や経験があれば、自宅でできることがまったくないというわけではありません。もしくは、看護師の資格や経験を活かすことにこだわらないのであれば選択肢が増えます。具体的にどんな仕事があるのかを説明していきます。
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看護師の資格や経験がある人が自宅で仕事をするケース
看護師の資格や経験がある人が自宅で仕事をするケースとしては、主に以下の3パターンが考えられます。
①子育てなどによる休職中で、在宅ワークの内職のみおこなっている
②本業の合間に副業として在宅ワークをしている
③在宅でできる仕事を本業にしている
このうち、①③のパターンに関しては、自分や家族以外の第三者に許可を得る必要はありませんし、資格および経験があって現状は自宅で仕事している場合、「元看護師」などの肩書で仕事を請け負うことになるでしょう。一方、②のパターンに関しては、就業先によっては副業を禁止しているため注意が必要です。
副業が原則禁止されている就業先は、国立病院や保健所です。なぜかというと、これらの施設に勤める看護師は公務員ということになりますが、公務員は、「国家公務員法第103条」および「地方公務員法第38条」において、「営利目的での活動をおこなってはならない」と記されています。
一方、民間のクリニックや施設は、副業や複業をOKとするところも増えてきているので、副業を希望する場合、副業をOKとしているかどうかで転職先を探すのも一手です。
看護師の資格や経験を活かして自宅でできる仕事
まずは、看護師の資格や経験を活かして自宅でできる仕事をみていきましょう。
医療・美容ライター
医療や美容に関する記事を専門に執筆するライターのなかには、看護師として働きながら執筆している人や、元看護師という経歴を売りにしている人がたくさんいます。看護師の資格や職歴があることを前面に出せば、生地に信ぴょう性を持たせやすいですし、書いている本人としても、「医療や美容に関して間違ったことを書くわけにはいかない」と何重にもチェックを重ねて納品することを心がけやすいでしょう。
未病予防のために普段からできるストレッチや、美肌のためにできるセルフケアなどは幅広い世代に求められる内容なので、ニーズも高いでしょう。また、知識を人に伝えることはあまり得意ではないなら、「病院内でこんなことがあった」などの体験談を執筆するのも一手。なかには、漫画という表現で体験談をまとめ続けて人気に火がついている人もいます。
医療系コールセンタースタッフ
医療機器や医薬品の問い合わせに対応するコールセンターのなかには、在宅で仕事できるところもあります。医療の知識や判断力が必要であるため、看護師の資格があれば採用されやすいですが、求人数は比較的少ないといえます。また、問い合わせには通話で対応するため、自宅に小さな子どもやペットがいて、静かな環境を保てない場合は不向きかもしれません。
保健指導
未病予防や健康に対してのアドバイスをおこなう保健指導の仕事は、看護師資格があればできる場合があります。ただし、多くの場合、保健師の資格が求められるので、「将来的に在宅での仕事を増やしたいものの現状は看護師の資格しかない」ということなら、将来を見据えて、まずは保健師の資格を取得することから始めてもいいかもしれません。
ヘルスコーチ
ヘルスコーチとは、未病予防を目的に、一人ひとりに合わせた健康プログラムを提供して、各自の目標を達成するために伴走するメンターのことです。顧客との面談等をオンラインでおこなう形にすれば、自宅でヘルスコーチの仕事をすることができます。
ヘルスコーチと名乗って仕事をするためには、「HCU認定ヘルスコーチ」「ホームヘルスコーチ」などの民間資格のうちいずれかを取得する必要がありますが、半年程度で取得可能な資格もあります。ヘルスコーチの資格取得は誰でも目指すことができますが、看護師の資格があることは、間違いなく顧客獲得に有利であるといえます。
参照:ヘルスコーチユニバーシティ「HCU」~6か月間の受講後に認定ヘルスコーチの資格付与~
療養食、漢方料理などの料理教室
漢方系のクリニックに勤務経験のある看護師や、病院内で食事療法支援に携わることが多い看護師なら、オンラインでの料理教室開講を目指すのもおすすめです。ただし、看護師の資格のみでは説得力に欠けるため、看護師としての経験は引き続き蓄積しつつも、興味のある分野の料理を極めて、資格を取得するなどするといいかもしれません。
看護師の資格や経験を活かすことにこだわらないなら
看護師の資格や経験を活かすことにこだわらないなら、自宅でできる仕事の幅は広がります。ただし、いわゆる「誰にでもできる仕事」になるので、やっているうちに、「これだけ時間をかけてもこんなに少額しかもらえないの?」「残業時間を1時間増やすほうがよっぽど稼げる!」と思う可能性は非常に高いです。なぜかというと、看護師などの“資格ありき”の仕事とは単価がまるで違うからです。
テープ起こし
パソコンで送られてくる音声データを文字に起こす仕事です。タイピングが苦手でも、AIの文字起こしアプリを使えば90%前後の精度で音声ファイルが文字変換されるので、あとはその文章を見ながら音源を聴き、間違っている箇所を修正していけばいいでしょう。ただし、「えーっと」「あー」などの話者の口癖などもそのまま文字に起こされるため、文章としては不要な部分を削除して納品することも必要です。
ポイ活
日々の買い物やサービス利用によって発生するポイントを貯める「ポイント活動」、略して「ポイ活」は、副業として改めて始めるまでもなく、既に実践中という人が多いでしょう。かつては、ポイ活と言えばお小遣いを貯めるためのものというイメージでしたが、最近では、ポイントで家を買う人も出てきたとニュースで取り上げられることもしばしば。家が建つほどのポイントは簡単に貯まるものではありませんが、自宅にいる時間に限らず、通勤時間などももれなく利用して稼ぎたいなら、効率的な貯め方を紹介するYouTubeなどを参照するといいかもしれません。
アンケートモニター
メールなどで送られてくるアンケートに回答することでポイントをもらえるアンケートモニターも、スキマ時間に稼ぎたい人にはぴったりです。溜まったポイントは、Amazonギフト券やPayPayポイントなどに交換することができます。
看護師が自宅で仕事をするにあたっての注意点
続いては、看護師が自宅で仕事をするにあたっての注意点をみていきましょう。
自宅での仕事の年間所得が20万円以上の場合は確定申告をする必要がある
自宅での仕事の年間所得が20万円以上となった場合、確定申告が必要になります。知らなかったふりをして申告しないままでいると、罰則を受ける可能性もあります。
自宅で稼いだぶんの住民税を納付する必要がある
年間所得が20万円以下であれば確定申告は不要ですが、住民税は必ず納付する必要があります。住民税には、普通徴収と特別徴収の2種類の納付方法がありますが、看護師として勤め先の給与から差し引かれている住民税は「特別徴収」に該当します。特別徴収に関しては、市区町村の税務課から勤め先に通知されるため、自宅で稼いだぶんの税額を勤め先に知られたくない場合、そのぶんの納付方法は普通徴収を選択しましょう。
支給条件に気をつけなければ給付金等がもらえなくなる
育児休業給付金などを受給中である場合、基本的に労働日数や時間が制限されています。そのため、支給条件をきちんと確認せずに在宅ワークで稼いだ結果、給付金をもらえなくなる可能性があります。
社会保険料を二重に支払わなくてはならなくなる場合がある
自宅で仕事するにあたり、従業員数101人以上の企業と雇用契約を結んでいて、かつ「週の所定労働時間が20時間以上」「月額賃金が8.8万円以上」「2か月を超える雇用の見込みがある」「学生ではない」の4つすべてに該当する場合、社会保険に加入する必要が出てきます。そのため、本業を休職中ではなく、本業も続けながらの雇用、要は複業となる場合、社会保険料を二重に支払わなくてはならなくなります。ただし、副業のほうで8.8万円を大幅に超える金額を優に稼げそうなら、無理に8.8万円未満に保つことなく、社会保険料を二重に支払ってでも稼げるだけ稼いだほうが得かもしれません。
在宅ワーク以外で稼ぐ方法もある
子育てや介護があるため、自宅でできる仕事限定で探しているということなら、上記に紹介した仕事のなかからできるものを探すのが賢明ですが、「平日は帰りが遅くて夜しか副業できないから」という理由で在宅ワークを探しているなら、平日夜はゆっくり休んで、週末に現場に出て働くことを視野に入れてもいいかもしれません。イベント会場や健診会場での仕事なら、単発でも募集されているので、まずは派遣先に登録することから始めてみてはどうでしょう? もしくは、週末はゆっくり休みたいということなら、仕事を増やすのではなく、NISAなどで資産運用することを考えてみてもいいかもしれませんね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2024年7月時点の情報を元に作成しています。