クリニックで栄養指導を行うのは難しい?オンラインを活用してコスト効率良く栄養指導を実施する方法

クリニックにおける栄養指導の動向やメリット、オンラインを活用してコスト効率良く栄養指導を実施する方法について解説していきたいと思います。

医師や看護師が食事について説明する場合を想定される方もいらっしゃるかと思いますが、今回は管理栄養士が実施して診療報酬(外来栄養食事指導料)を得る栄養指導についてご紹介します。

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目次
  1. クリニックにおける栄養指導の実施状況
  2. 管理栄養士雇用の採算性
  3. 栄養指導を実施するメリット
    1. 患者さん満足度の向上
    2. 薬以外の選択肢
    3. 将来的な厚労省の方向性への対応
  4. オンラインを活用してコスト効率良く栄養指導を実施する方法「N・Partner(ニューパートナー)」について
    1. 特徴1:従量課金制でコスト負担が小さく導入ハードルが低い
    2. 特徴2:高齢者も含めて幅広い患者層に対応可能
    3. 特徴3:精神科医×AI による個別化された指導により高い継続率を維持
  5. 「N・Partner(ニューパートナー)」導入事例(先生からの声)
    1. ケース1.たかはし内科院長:髙橋 諭 先生
    2. ケース2.医療法人Keiyu けいゆうメディカルクリニック内科循環器内科院長:仲敷 健一 先生
  6. 終わりに

クリニックにおける栄養指導の実施状況

病院の生活習慣病患者への外来においては、管理栄養士による栄養指導は広く実施されていますが、クリニックにおいては状況が異なります。

ほとんどのクリニックでは管理栄養士は配置されておらず、栄養指導の保険点数である外来栄養食事指導料は算定されていない状況です。

全国には6万件程の内科クリニックが存在しますが、そのうち、糖尿病内科や腎臓内科を標榜しているクリニックには管理栄養士が配置されている場合があるものの、地方においては人材難の問題もあり登用が難しい状況です。

また、看護師や受付事務のように常勤での配置は非常に稀で、管理栄養士がクリニックで雇用されているのは、非常勤で週に1〜2日・半日勤務といったケースが多いです。

管理栄養士雇用の採算性

では、なぜ、病院では広く実施されている栄養指導が、クリニックにおいては実施されていないのでしょうか。

主な原因は「採算性」にあると考えます。

管理栄養士を雇うコストと、管理栄養士の指導で得られる売上(診療報酬)を天秤にかけると、残念ながら赤字になってしまうことが多いです。

まずコスト面については、管理栄養士の給料相場は受付事務と近く、時給1,200~1,500円程です。売上については、外来栄養食事指導料(栄養指導の点数)は指導1回当たりおおよそ200点(2,000円)です。

算定要件上、1指導は20~30分以上の面談が必要で、多くの医療機関では00分スタート(13時の場合は13時00分)と30分スタート(13時の場合は13時30分)の1時間に2枠のフローで運用されています。

理論上は、1時間に2回の指導を行うと400点で4,000円の売上。コストが1時間1,200~1,500円なので1時間当たりの利益が2,500~2,800円となります。1勤務当たり3時間とすると売上は7,500~8,400円となり、管理栄養士の交通費1,000円程を差し引いても十分に利益が出る試算となります。

ただ、現実としては1時間に2枠が埋まる(稼働率が100%になる)ことは稀なのです。

管理栄養士の時給を1,500円、交通費を1,000円として、売上と利益がトントンになる指導回数を計算してみましょう。3時間で約2.8回(コスト=時給1500円×3時間+交通費1,000円=4,500円,1指導の売上2,000円とすると、4,500円÷2,000円/回≒2.8回)となり、1時間に1回はコンスタントにオーダーを入れる必要があります。

3時間の内科診療で仮に15人の患者さんを診察して、そのうち生活習慣病の患者さんを12名とします。その12名のうち、管理栄養士の対応キャパシティーは6名(1時間2名×3時間=6名)です。

どういう基準で12名のうち6名の栄養指導のオーダーを入れる患者さんをピックアップするのか、また先にオーダーを入れた患者さんと診察タイミングが近い患者さんにオーダーを入れようと思っても、栄養指導が進行中で数十分追加で患者さんに待ってもらうことを良しとするかなど、具体的なオペレーションを考えると難しさがあります。

患者さんとしても、先生の診察は受けるつもりでも、「管理栄養士の指導まで受ける気はない」と断る方もいらっしゃいます。

このようなハードルの関係で、管理栄養士が院内で待機しているものの、上手く栄養指導の枠が埋まらずに、結果的に収支が赤字になってしまうというのが多いパターンです。

実態としては、管理栄養士を栄養指導の専属要因として雇用するのではなく、栄養指導が入っていない空き時間は受付事務や診療補助・雑務などの他の業務を兼務させることで収支の問題に折り合いをつけているケースが多いのです。

栄養指導を実施するメリット

受付事務などとの兼務で採算の問題を解消するやり方はあるが、実態として受付業務の方がメインなのであれば、栄養士ではなく事務を採用すれば良いのではないか?そう思われる先生もいらっしゃるかと思います。

実際、そのようなお考えで、多くの生活習慣病患者さんの診療をしている医院でも管理栄養士がいないケースが非常に多いです。そのような中で管理栄養士を配置する、栄養指導を実施する意義は何かについて考えていきたいと思います。

患者さん満足度の向上

先生の診察と栄養指導を上手く組み合わせると、患者さんにとって手厚いサポートとなり、結果的に良い評判を得ることにもつながります。

多くの先生が、生活習慣病患者さんの診察の中で食事についての指導をされているかと思いますが、他の患者さんとの診療時間の兼ね合いもあり、患者さんの食事状況やその他の生活背景を踏まえた個別具体的な指導は難しい現状もあるかと思います。

そこで、管理栄養士に患者さんごとの状況のヒアリングと具体的なアドバイスを任せると、患者さんとしても「自分に合った知識を得られたこと」に付加価値を感じるでしょう。

栄養指導を活用することにより患者さんからの評判を得て、かかりつけ医になることができれば、医院としてもメリットになります。

クリニック経営において、生活習慣病などの慢性疾患の患者さんをいかにかかりつけ患者にするか?の重要性が増しています。しかし、生活習慣病の患者さんの通院継続率は6か月で40%を下回るという統計データも出ています。患者さんがドロップアウトしてしまう理由は様々ですが、それを防ぐために満足度の向上は欠かせません。

薬以外の選択肢

生活習慣病の患者さんの中には、薬を飲むことに対する不安や副作用への懸念から、治療に消極的になってしまう方もいらっしゃいます。

こうした患者さんに対しては、栄養指導を行い食生活の改善を提案することで、患者さん自身が自己管理に積極的に関わるきっかけとなり、それ自体が症状の改善に繋がる場合もあります。

薬以外の選択肢として栄養指導も用意しておくことで、かかりつけ患者層を広げることができるかと思います。

将来的な厚労省の方向性への対応

令和6年度の診療報酬改定で、特定疾患療養管理料の代わりとして位置付けられた生活習慣病管理料において、管理栄養士も含めた多職種連携を推奨する記述が見られました。

治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましいこと。

参照: 令和4年度診療報酬改定項目の概要(90ページ目)

生活習慣病やその合併症に関する医療費の割合が多い中で、医療費抑制を図るための方策の1つとして多職種連携が位置付けられているのかと思料します。

看護師は自院で、薬剤師は門前薬局で連携しているものの、管理栄養士や歯科医師との連携については課題がある医院も多いのではないでしょうか。

将来的にこの多職種連携がより推進された診療報酬体系になることを見越して、今のうちから管理栄養士との連携を行っていただければ、他院との差別化を図るものとなるはずです。

オンラインを活用してコスト効率良く栄養指導を実施する方法「N・Partner(ニューパートナー)」について

これまで、管理栄養士雇用の採算面での難しさと、栄養指導を実施することのメリットについて解説しました。その中で新しい選択肢として、オンラインを活用して採算面の課題を解決できる栄養指導サービスをご紹介します。

オンライン栄養指導「N・Partner(ニューパートナー)」は、クリニックが従量課金制で利用することが可能なサービスです。診療報酬の範囲内で活用が可能で、栄養指導のメリットは感じつつも、採算の問題で管理栄養士の採用に踏み切れなかった全国のクリニックで利用が広がっています。

特徴1:従量課金制でコスト負担が小さく導入ハードルが低い

コストが栄養指導の実施回数に応じて発生するので、1回ずつ黒字にしながら積み上げていくことができます。また、生活習慣病管理料の算定に必要な療養計画書の下書きを、管理栄養士が栄養指導の中で合わせて実施するオプションサービスもあり、これを活用すると自院のスタッフの負担軽減を図れます。(詳しい料金体系はお問い合わせください)

特徴2:高齢者も含めて幅広い患者層に対応可能

オンラインと聞くと、高齢者は難しいのではないかと感じられるのではないでしょうか?

N・PartnerではITが苦手な高齢者でも利用可能です(イメージ図上部)。院内に面談用の空きスペースがあるクリニックに限定はされますが、そこにPCやタブレットを置いて実施します。

特徴3:精神科医×AI による個別化された指導により高い継続率を維持

栄養指導は患者さんに継続して受けてもらい、その過程で少しずつ生活習慣を改善し、地道にアウトカム改善に繋げていくことがあるべき形として実施しています。

栄養指導なので栄養学に基づいて指導を行っていきますが、同時に心理的な側面も踏まえて実施をすることが、より良い栄養指導になると考えています。

そこで精神科医である公受医師(当社CMO, Chief Medical Officer)の監修のもと、主にアルコール依存症などの依存症患者の治療アプローチをベンチマークしながら心理アセスメントも組み合わせたプログラム設計を行っています。

「N・Partner(ニューパートナー)」導入事例(先生からの声)

ケース1.たかはし内科院長:髙橋 諭 先生

栃木県鹿沼市。内科/糖尿病内科/内分泌内科/消化器内科/アレルギー科を標榜。

クリニック内で栄養指導を受ける患者さんからは、30分間しっかりと話せると好評です。

自院以外で過去に栄養指導を受けたことがある患者さんも「昔と比べて方法が異なり、栄養指導の度に宿題があることで自身の食事管理の方法が覚えやすくなった」と聞いています。

また、高齢の患者さんでもオンラインでの指導に問題はなく、デジタル化の流れにより、対面だけが必要という考えは減少していくと思います。

スタッフは、最初はオンラインでの指導の実施に慣れるのに苦労しましたが、徐々に慣れてきました。次回の栄養指導の予約表を発行する機能が追加されたことで、予約の管理が楽になったと感じています。

医師としては、やりたいことが実現できているため満足しています。栄養指導の頻度と処方日数のさじ加減の調整は今後の課題ですね。

ケース2.医療法人Keiyu けいゆうメディカルクリニック内科循環器内科院長:仲敷 健一 先生

福岡県大野城市。内科/循環器内科を標榜。

自院では若い患者さんよりも60歳以上の患者さんに多く受け入れられています。

最初はWEBを通じた指導に驚いていた患者さんもいましたが、画面を通しての会話に慣れ、定期的に参加してくれる人が多いです。毎月続ける患者さんも多くいます。年齢層別では特に60歳以上の患者さんが多いですね。

スタッフも初めての試みでしたが、普段使用していない診察室を活用して行い、徐々に慣れていきました。はじめは周囲の音が入ってしまうといった問題もありましたが、何度か実施するうちにスムーズに栄養指導ができるようになりました。

1年程やってみて慣れてきた部分もありますし、国の流れとしてもオンラインでの診療というのは今後も拡大していくと思うので、引き続き実施していきたいと思います。

終わりに

栄養指導はそれ単体では高い収益を得られるわけでは無いですが、慢性疾患のかかりつけ患者化の取り組みの1つとして活用できれば十分にメリットを感じられるのではないでしょうか。

オンライン栄養指導「N・Partner(ニューパートナー)」にご興味を持っていただける先生はぜひ以下からお問い合わせください。

オンラインを活用することで病院の栄養指導をクリニックでも実現

特徴

1. 従量課金制でコスト負担が小さく導入ハードルが低い 2. 高齢者も含めて幅広い患者層に対応可能 3. 精神科医×AI による個別化された指導により高い継続率を維持

診療科目

内科、精神科、消化器科、循環器科、小児科、整形外科、産婦人科、婦人科、耳鼻咽喉科、心療内科

山上 慶

執筆 タウンドクター株式会社 代表取締役CEO | 山上 慶

京都大学にて物理を専攻(工学修士)。
経営コンサルティング会社にて医療・ヘルスケア業界における経営戦略・新規事業開発に関する業務に従事した後、タウンドクター株式会社を創業。


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