目の前の患者さんのために奔走し、時に悔しい思いをしながらも、プロとして業務にあたる看護師の皆さん。ふと立ち止まって、「今の職場って、正直何点だろう？」って考えたことはありませんか？

今回は、現役看護師さんたちに聞いた職場満足度アンケートの結果と、そこに込められたリアルな声を深掘りします。

なぜ「この点数」になるのか、看護師の転職事情も踏まえながら探っていきましょう。

みんなの職場満足度は平均約60％。この「なんとも言えない」点数のワケ

今回のアンケートでは、現役看護師さんの平均職場満足度は約60％という結果でした。一番多かったのは、50％〜70％という「まあまあだけど、手放しでは喜べない」といった声。

「悪くはないけど、もっと良くなるはず」「ここだけは譲れない部分があるから、なんとかやってる」といった気持ちもあるのではないでしょうか。

働きやすさ・休みやすさが「心のゆとり」に直結！

特に子育て中の看護師さんにとっては、「急な休みへの理解」や「有給の取りやすさ」が、職場の生命線になっているようです。

ワークライフバランスは、今や看護師の転職理由でも常に上位に挙がる重要項目。家庭と仕事の両立ができるかどうかは、日々のストレス軽減に直結しますもんね。

• 「残業が多く、人手不足で大変な面はあるものの保育園があり、有給がとりやすく、子育てに理解がある人が多く子どもの体調不良による急な休みにも理解があるためわたしの家庭環境に合っていると思うためです。」（上間かな／20代・後半）
  • 満足度80%の理由として、子育て世代への深い理解と、それを支える制度が挙げられています。
• 「上司に癖が強い方が多いですが、休み希望が必ず通る所、4連勤以上は無いところがプライベートと両立しやすいためです。」（みか／30代・後半）
  • 満足度85%の理由として、プライベートを確保できる柔軟な勤務体制が「ここで働く決め手」になっているようです。
• 「年休の消化率が低いものの、緊急性が低く業務が比較的落ち着いていることが多いためです。残業はやや増えていますが、きちんと支給されるため満足しています。」（Vivi／40代・前半）
  • 満足度70%の理由として、業務の落ち着きが精神的な安定につながり、多少の残業も許容できているようです。
• 「給与が低く、古くから働いている職員に対し不満はあるが、自分の働ける時間で働け、子育てしやすい時間での勤務ができているため。」（ちょこ345／30代・後半）
  • 満足度80%の理由として、給与面での不満を上回る「時間の融通」が、満足度を押し上げています。

「人がいい」に尽きる！良好な人間関係と環境

人間関係の良さや職場の雰囲気の良さ、そして残業の少なさも満足度を上げる大きな要因です。看護師の転職理由で「人間関係」は常にトップクラス。裏を返せば、人間関係が良い職場は、それだけで大きな魅力になり、多くの看護師がそこに留まる理由になります。

• 「大変なこともおおく、重症な患者さんや家族への対応は神経もすり減りますが、職場の人間関係がいいことや、給与が良いため。」（たんたん／20代・後半）
  • 満足度60%の理由として、業務のハードさを上回る人間関係の良さが、働くモチベーションになっています。
• 「人間関係や勤務環境は落ち着いており、休みの希望も比較的通りますが、昇給の仕組みが曖昧でやりがいに不安を感じることもあるためです。」（月村／20代・後半）
  • 満足度70%の理由として、ストレスの少ない人間関係と、希望休が取りやすい勤務環境が評価されています。
• 「残業がなく、夜勤もないが人が少なく休みが取りにくいのと給料が病院勤務と比べて10万以上さがったので少し不満です。」（くぼた／20代・後半）
  • 満足度60%の理由として、プライベートの時間を確保できる残業・夜勤なしの働き方が重視されています。

給与・福利厚生、そして専門性への評価

給与や福利厚生の充実、そして専門的なスキルを学べる環境も、満足度を上げる重要な要素です。やはり何よりもまず生活があるわけで、頑張りがきちんと評価される給与はモチベーション維持に直結します。また、看護師としてのスキルアップは、仕事のやりがいそのものですよね。

• 「給与の面では、他病院と比較して同程度かそれより低いことやスタッフが定着しにくいなどの要因があるためです。忙しさや重症度で摩耗しやすい環境ではあるが、スタッフ間のコミュニケーションは比較的取りやすく、多職種間でのコミュニケーションエラーも少ない。職場へのアクセスもしやすく総合すると働きやすいとは思っている。」（まる／30代・後半）
  • 満足度65%の理由として、給与以外の「働きやすさ」が総合的な満足度を高めています。
• 「福利厚生が充実し、給料は安定していました。」（もも／30代・前半）
  • 満足度60%の理由として、生活の基盤となる待遇面への満足が挙げられています。
• 「有給が他の職場よりとれるし、みんなで取ろうという雰囲気はあります。子供が病気の時など休むことはお互い様という雰囲気はあります。内視鏡という専門的な内容を経験できて勉強になります。子育て中で夜勤をしたくないため、オンコールなしで日勤である今の職場はありがたいです。」（まりも／40代・前半）
  • 満足度60%の理由として、専門性の追求が、子育て中の働き方と両立できている点が評価されています。

「ここがツライ…」満足度を下げる深刻な不満

一方で、「正直、しんどい…」「もう少しどうにかならないかな」という声も多く聞かれました。特に多かったのは、給与・待遇面と、日々の業務に直結する「人員配置」や「人間関係」でした。これらは看護師の転職理由で常に上位に挙がる「職場を去る」深刻な原因でもあります。

どうにもならない「人間関係」の闇

高圧的な医師や、陰湿な悪口、派閥…人間関係のトラブルは、どんなに仕事内容が好きでも、職を辞する大きな原因となります。多くの調査でも、人間関係の悩みは看護師の離職理由としてトップクラスです。

• 「高圧的な態度を取る医者がおり、共に仕事をするのはストレスでした。看護師においては、尊敬できる先輩もいましたが、悪口や嫌味ばかりで職場の雰囲気を悪くする先輩もいて、部署によって働きやすさがかなり違いました。」（もも／30代・前半）
• 「現在の職場は家から近く、パートとしては時給もよいが、事務長？（院長の奥様）が曲者で**『私、嫌いな相手には無視するの』と私に言ってきたにもかかわらず、無視し続けている**ことなど。」（やまりん／50代・後半）
  • 満足度40%の理由として、職場の環境は良いものの、人間関係が決定的な不満要素になっています。

「忙しすぎる！」人手不足と報われない給与

人手不足による業務の多さ、そしてそれに見合わない給与は、看護師が最も強く不満を感じる点の一つです。責任の重い業務をこなし、残業も多いのに、給与に反映されない…このジレンマが、多くの看護師を疲弊させ、転職を考えるきっかけになります。

• 「会社は全国規模で福利厚生面は手厚かったが、会社独自の人員配置が厳しく毎日目が回る忙しさで前残業、仕事後の残業が当たり前だった。ボーナスを貰える規定が厳しく、入職1年目は在職期間が未達成で1円も支給がなかった。」（がんち／40代・前半）
  • 満足度25%の理由として、過剰な業務負担と、評価・還元されない給与体系への強い不満が表れています。
• 「40kmの通勤距離の往復や、看護業務自体がカチカチのバイタル測定をしていて、呼吸回数を測ったり、『回/分』とか数字の後に正確な単位を記入しなさいと記入内容も厳しかったのがめんどくさかった。また看護も介護もの管理者がなかなか厳しくて、新人は育ちにくいなと思える環境であった。」（ケイシー／40代・後半）
  • 満足度70%の理由として、業務の細かさや教育体制への不満が、通勤距離と合わせてストレスになっているようです。

あなたの「満足度」は何％ですか？

今回のアンケート結果と、Web上の転職事情を照らし合わせると、看護師さんの職場満足度が平均約60％に留まる背景には、**「給与・待遇」「人間関係」「労働環境（人員配置・業務量・残業）」**という、看護師の皆さんが日頃から感じている大きな課題が色濃く反映されていることが分かります。これらは、まさに多くの看護師が転職を考えるきっかけとなる、切実な問題点です。

同時に、たとえ不満な点があっても、「働きやすさ」「人間関係の良さ」「学びのある環境」など、**「ここだけは譲れない」「これが自分には合っている」**という要素が、その職場で働き続ける理由になっていることも見えてきました。

もし今、あなたの職場満足度が「モヤモヤ」しているなら、今回の皆さんの声が、自分の「譲れないポイント」や「改善したい点」を考えるヒントになれば嬉しいです。

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