看護師に限らず、転職を考えているとき、できるだけいい条件で働ける職場に出逢うためにも、転職サイトや転職エージェントに複数登録するのが一般的です。
しかし、ネット上では「転職サイトは使わないほうがいい」する意見も散見されます。
では、「転職サイトは使わないほうがいい」と考える人が一定数いるのはなぜなのでしょうか?使わずに転職に成功する方法や、使う場合の注意点なども交えて、詳しく解説していきます。
「転職サイトは使わないほうがいい」といわれる理由は?
「転職サイトは使わないほうがいい」とする意見が一定数ある理由は、転職サイトの利用に関してネガティブな側面があるためです。主なネガティブ要素としては以下が考えられます。
- 条件に合う求人が見つかりにくい
- 求人情報が事実と異なることがある
- 通知が多すぎる
- スカウトが多すぎる
- UI/UXが悪い
- 求人数が少ない
- 応募後の連絡がない
それぞれ詳しくみていきましょう。
条件に合う求人が見つかりにくい
求人数自体は多くても、自分が求める条件に合う求人がほとんどなければ、転職先候補を探す時間が無駄になってしまいます。
ただし、看護職に関しては、看護師専門の求人サイトが存在するため、自分とは無縁の求人まで目に入る可能性は少ないかもしれません。
求人情報が事実と異なることがある
給与や有給休暇をはじめとする働く条件が、実情と異なっていることはよくあることです。また、「給与:XX円~」などの場合、XX円以上を期待して入職した結果、XX円以上にならなかったということもあるでしょう。
通知が多すぎる
希望の条件を登録しておくと、条件に合う求人が出た際に通知してくれる転職サイトは多いです。しかし、通知機能は一長一短です。なぜかというと、「検索履歴に類似した案件」なども通知されることもあるため、LINEやメールの受信のお知らせが多すぎて辟易してしまうことがあるからです。
スカウトが多すぎる
スカウト機能がある転職サイトの場合、スカウトがあったときにも通知がきます。興味の持てる職場からのスカウトならいいですが、企業とミスマッチな人材宛にもスカウトを送る企業は多いため、「無駄に期待させるのは辞めてほしい!」と憤りを覚えることも多くなります。
サイトの使い勝手(UI/UX)が悪い
サイトの使い勝手が悪いと、条件に合う求人をスムーズに検索できず、イライラが募ってしまいます。前職を辞める前の転職活動であれば、ストレスが溜まって仕事に支障をきたすことも考えられます。
求人数が少ない
条件に合う求人数が少ない転職サイトは、利用する意味がほとんどないと考えられます。まさに時間の無駄です。
応募後の連絡がない
求人サイトを利用するにあたって、企業側は応募者に連絡することを義務付けられているわけではないので、必ずしも連絡があるとは限りません。その点、たとえば転職エージェントであれば、担当者が進捗を報告してくれるので安心だといえます。
「使わないほうがいい」といわれる転職サイトを使ったほうがいいケースとは?
前述の通り、「転職サイトは使わないほうがいい」という意見はありますが、「使ったほうがいいケース」もあります。主なケースは次のケースです。
- 転職を検討中である
- 転職先に求める条件が曖昧である
- 既に前職場を退職している
どういうことなのか説明していきます。
転職を検討中である
「いずれは転職したい」という思いがあるものの、現時点では転職活動をスタートするに至っていない段階であれば、転職サイトの通知機能などを使うことで、世の中的に今どんな求人が出回っているのかという情報に定期的に触れておくことはプラスになります。
なぜなら、いざ転職しようという意思が固まったとき、「最近はこういう人材が求められているようだから、自分のスキルのうち、この部分をアピールすればいいな」などを判断しやすくなるためです。
転職先に求める条件が曖昧である
転職する意志は固まっているものの、自己分析が進んでおらず、転職先に求める条件についても曖昧な状態の場合も、転職サイトに登録がおすすめです。
なぜかというと、具体的な求人情報に定期的に触れて、「こういう環境下で働きたいな」「この条件で働くのは辛いな」などと思いを巡らせることによって、自分にとっての理想がはっきりしてくるためです。
既に前職場を退職している
既に前職場を退職していて、時間が有り余っているなら、あらゆる転職方法を試みることで、自分に合った転職方法・転職先をみつけるといいでしょう。
また、前職場を退職した結果、貯金が底をついてきている場合も、「数打ちゃ当たる」の精神でさまざまな転職方法を試してみたいところです。
看護師が転職サイトを上手に使うコツ
看護師が転職サイトを上手に使うコツは次の通りです。
- 看護師専門転職サイトを使う
- 複数サイトに登録する
- プライベートのメールアドレスを使わない
- メルマガやLINEのお知らせの条件を設定する
- こまめに求人をチェックする
- 社内で登録サイトや通知メールを開かない
- 検討中リストを上手に活用する
- スカウト機能を上手に活用する
- 求人票に書かれていない情報は詳しく調べる
- 転職サイト以外の転職方法も並行して利用する
看護師専門転職サイトを使う
看護師が転職サイトを使う場合、もっとも大切なポイントは、看護師専門転職サイトを使うことです。看護師の求人情報に絞って掲載されているため、余計な情報が目に入る時間をカットすることができます。
複数サイトに登録する
Aサイトに出ている求人情報がBサイトにも出ているとは限らないため、Aサイトにのみ登録している人にとっての理想の転職先が、Bサイトにのみ掲載されていることも考えられます。そのため、理想の求人を逃さないよう、複数サイトに登録することがおすすめです。
また、転職サイトによって求人の質や量に違いがあることも、複数サイトに登録したほうがいい理由です。なお、看護師専門転職サイトには、「看護roo!」「ナース人材バンク」「マイナビ看護師」などがあります。
プライベートのメールアドレスを使わない
プライベートのメールアドレスを登録して、四六時中、メルマガやスカウトメールの通知がくるようになると、受信フォルダがあっという間に埋まってしまいます。しかも、毎日のように新着求人情報が届けられると、気持ち的にも落ち着きません。
メルマガやLINEのお知らせの条件を設定する
通知する求人の条件を設定していなければ、毎日大量の新着情報が届いて、ほしい情報に辿り着くまでに時間がかかってしまいます。
こまめに求人をチェックする
人気の求人はすぐに埋まってしまう可能性が高いので、ライバルたちに先を越されないよう、こまめに求人をチェックすることがおすすめです。
登録サイトや通知メールを開くときは一人で
前職場を退職していない段階では、職場の休憩時間などに、思わず通知メールなどを開いてしまわないよう注意が必要です。誰にも見られていないと思っても、本人の気づかないところで、周囲の人に画面を覗かれている可能性があります。
「転職するならその前にしっかり働いてもらおう」などと企まれると、転職活動に思うように時間を割けなくなる場合があります。
スカウト機能を上手に活用する
スカウトメールは一斉送信で届く場合が多いですが、企業側でマッチング度合いを確認したうえで連絡をくれる場合もあります。そのため、自分の希望に合う企業からスカウトをもらえるよう、条件などは細かく設定しておくことがおすすめです。
求人票に書かれていない情報は詳しく調べる
気になる求人があるものの、詳細がわからず応募に踏み切れずにいる場合などは、まずはその企業の詳細について詳しく調べてみるといいでしょう。
また、実際に応募する際も、その企業のホームページチェックはもちろん、職場見学などにも行かせてもらって自分の目で確認することで、できる限りミスマッチを防ぎましょう。
転職サイト以外の転職方法も並行して利用する
前職場を既に退職している場合などは特に、転職サイト以外の転職方法も並行して実践していくことで、早期に結果を出しやすくなります。
転職サイトを使って後悔した看護師の体験談
続いては、株式会社Donutsが独自におこなったアンケートから、転職サイトを使って公開した看護師の声をお届けします。
電話・メールがしつこい
「情報収集の段階で登録した結果、毎日のように違う番号から電話がかかってきて迷惑だった」(ぽぽちゃんexさん・30代前半)
「サイト上で情報を得たいだけなのに、毎日のように勧誘電話がかかってくることが迷惑」(ゆうきさん・40代前半)
「サイト経由で企業やエージェントから頻繁に連絡がきて、育児中のスケジュールと合わずストレスを感じたことがある」(ももにゃんさん・30代前半)
「登録して数分も経たないうちに電話がかかってきて、出られないと10回近く着信が続くこともありました。スタート時点で強引な印象を受けたことで、信頼して相談できなくなりました」(イチノセさん・30代前半)
「転職検討段階であることを伝えたのに、何度も電話が来たり、ショートメールまで届いたりして、個人の思いなど関係ないのだと感じた」(hinaさん・50代前半)
もっとも多かった回答が「電話・メールがしつこい」というものです。仕事中・育児中に頻繁に着信があったり、電話に出なければショートメールが送られたりすると、精神的に疲弊して当然です。
希望と違う求人を紹介される
「給料や勤務時間以外の条件が、最初に提示された内容とまったく違う職場を紹介されて、実際にそこで働いてしまった経験がある」(Katoさん・40代前半)
「転職サイト側がすすめたいであろう職場を推してくるのがイヤだった。日勤希望を出しているのに、月に2回でいいので夜勤すればすぐに採用してもらえるとやたらすすめられた」(セイチャンさん・30代後半)
情報が不正確・信頼できない
「求人情報に記載されている待遇や業務内容が、実際の面接で異なることがあって、信頼できる情報を見極める難しさを感じた」(ももにゃんさん・30代前半)
「転職サイトによって、同じ募集先なのに給料が違うことがあった。きちんと確認して、複数サイトに登録しておけばよかったと後悔した」(Ripoさん・30代後半)
担当者の対応が不快
「一人で面接に行きたいのに、(サイト経由でつながったエージェントが)“先方に挨拶したいから”とついてくるのがイヤだった。また、内定後にサイトに載っていた就業時間とまったく異なる内定通知書が届いたため、紹介会社に問い合わせたところ、内情はわからないと返答されて役に立たないと感じた」(ぽぽちゃんexさん・30代前半)
「担当営業の方から、『こういう経歴なら高く売れます』と言われたことがあり、まるで商品として値踏みされているようで不愉快でした。もう少し人としての尊重が感じられる対応を望みます」(イチノセさん・30代前半)
「同行した営業担当の態度が、事業所に対して丁寧でないと感じる場面がありました。『この対応では信頼を得られない』と何度も感じました。転職支援の質は担当者の印象で大きく左右されるため、対応の丁寧さと誠実さを重視してほしいです」(イチノセさん・30代前半)
「転職先が決まり、求人探しはお断りしているにもかからわず、『話だけでも聞きに行きましょう』としつこく面接をすすめられてイヤだった」(すみさん・20代前半)
「担当者を介することで時間がかかるのがイヤだった。担当者もたくさんの看護師を相手にしていることから、なかなか連絡がとれないことや、病院との交渉の進捗状況がわからないことがあり、逆に転職に時間がかかったように思う」(セイチャンさん・30代後半)
転職サイトに登録すると、提携している企業やエージェントの担当者が案件紹介や面接の日程調整などに携わる場合がありますが、担当者が親身になってサポートしてくれるとは限りません。
そのため、万が一、担当者の態度や言動を不快に感じた場合、担当を変えてもらうことなどを検討するといいでしょう。
内定後・入職後のフォローがない
「転職したら、聞いていた業務内容と違ったため、転職サイトの担当者に伝えたが、もう就職してしまっているからか、特に相談に乗ってくれることがなかった」(Ripo・30代前半)
内定後・入職後もしっかりとフォローしてほしいと望むなら、内定後・入職後のフォローに力を入れていることを前面に出している転職サービスを選ぶことをおすすめします。
転職サイトを使わずに転職する方法
転職サイト以外の具体的な転職方法の代表例は次の通りです。
ハローワークを活用
看護師専門転職サイトは、看護職に絞って転職先を探せるメリットがある一方で、全国を網羅していることから、エリアを限定して仕事を探したい場合には、かえってロスが多いということになりかねません。
そのため、「自分が住んでいる町で働きたい」「通勤時間は片道20分以内がいい」など、ごく狭い範囲で転職先を見つけたい場合などは、地元密着で情報を提供してくれるハローワークなどを活用するほうが適しているといえます。
希望の転職先に直接応募
希望の転職先がある場合などは、直接コンタクトをとって面接を受けさせてもらうのが一番です。その職場が求人を出していない場合でも、働きたい気持ちを伝えて交渉してみる価値はあります。
「どんな点に惹かれて、その職場で働きたいと思っているのか」「自分はその職場に対してどんなふうに貢献できるのか」を真摯に伝えることによって、先方の採用意欲が高まりやすくなります。
知人・同僚からの紹介
紹介による転職であれば、予め内部情報を得られやすいため、ミスマッチを防ぐことができます。ただし、いざ働き始めた後に不満を感じたとしても、紹介してもらった手前辞めにくいと感じることがあるかもしれません。
転職エージェントを活用
転職サイトは自分で求人を探して応募するサービスである一方、転職エージェントは専門のアドバイザリーがサポートしてくれます。
希望の条件を伝えておくと、条件に合う求人が出たときなどに連絡をくれるため、自分で探す手間が省けることや、自分では思いもよらなかった職場を提案してもらえることなどが大きなメリットです。
また、企業との交渉や面談日の設定なども任せられるため、効率がいいといえます。
【比較】「転職サイトを使う」vs「転職サイトを使わない」どちらが向いている?
自分は転職サイトを使ったほうがいいのか、使わないほうがいいのかわからない場合、「まずは一度使ってみる」がシンプルな選択となります。
そのうえで、使い続けたほうがいいのか、使うのをやめたほうがいいのか悩んでいるなら、次のポイントについてチェックしてみましょう。
| 転職サイトを使うべきか? | 主な特徴・向いているタイプ |
|---|---|
| 転職サイトを使うべき | ・自分のペースで転職活動を進めたい ・担当者から頻繁に連絡が来るのが苦手 ・転職時期をまだ決めていない、じっくり考えたい ・求人を幅広く比較・情報収集したい ・病院など一般的な職場を中心に探したい ・企業とのやりとりや条件交渉を自分で進められる |
| 転職サイトを使わないほうがいい | ・今すぐ転職したい、期限を決めて動きたい ・条件交渉や応募書類の準備に不安がある ・担当者のアドバイスを受けながら進めたい ・非公開求人や特殊な職場(企業・行政など)を狙いたい ・転職活動の段取りを一人で進めるのが苦手 |
すぐに転職したい→「転職サイトを使わない」
今すぐ転職したい気持ちが強いなら、担当者がアシストしてくれる転職エージェントのほうがおすすめです。担当者への相談の際、いつまでに転職したいかをしっかり伝えることで、期限までの転職を実現できるよう、求人情報を積極的に伝えてくれます。
条件交渉が苦手→「転職サイトを使わない」
条件交渉が苦手な場合も、担当者がサポートしてくれる転職エージェントの利用がおすすめです。求職者に代わって、企業に交渉をしてくれるため、そのぶんの時間を離職の手続きなどに充てられます。
自分のペースで転職先を探したい→「転職サイトを使う」
担当者から頻繁に連絡がくることにストレスを感じる人や、急ぎで転職したいわけではなく、転職に適したタイミングが訪れるのを待っている状態の人には、転職サイトを活用して情報収集を続けていくことがおすすめです。
病院以外の職場で看護師として働きたい→「転職サイトを使わない」
病院以外にも看護師が活躍できる職場はありますが、特殊な職場などの場合は特に、転職サイトを使ってピンポイントでみつけることは困難です。転職エージェントに、その職種の求人が出たときには連絡してほしいと伝えておくか、もしくは職場に直接連絡をとって交渉することが近道であるといえます。
まとめ:大事なのは「使うか」ではなく「どう使うか」
「転職サイトを使ったほうがいいのか使わないほうがいいのか」は、ここまで解説してきた通り、人によってさまざまであるため、どちらがいいとはいえません。
ただし、使う場合に、よりよい使い方を心掛けるべきであることは間違いありません。
情報を効率よく収集して、理想のタイミングでの転職を実現するためにも、自分に合った使い方を意識してみることがとても大切ですよ。
特徴
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この記事は、時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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