
電子カルテの導入は、現代の医療現場において、業務効率を飛躍的に高め、医療の質向上に不可欠な一手と言えるでしょう。実際、支援したあるクリニックでは、電子カルテシステムの最適化によって診療業務全体の効率が約15%改善し、スタッフの負担軽減と患者さんへの対応時間増加につながった事例もございます。しかし、その効果を最大限に引き出すには、闇雲に導入するのではなく、自院の状況や目指す医療の形に合ったシステムを選定し、適切な導入計画を立てることが何よりも重要です。
この記事では、長年医療情報システムの導入支援に携わってきた専門家の視点から、以下の3点を中心に、電子カルテ導入に関するあらゆる疑問にお答えしていきます。
この記事を読み終える頃には、電子カルテ導入に関する不安が解消され、自信を持って第一歩を踏み出せるよう、分かりやすく丁寧に解説してまいります。
そもそも電子カルテとは?基本機能と紙カルテとの決定的違い
日々の診療で先生方が記録されているカルテ。これを電子化する「電子カルテ」とは、一体どのようなものなのでしょうか。その基本的な定義と機能、そして長年慣れ親しんだ紙カルテによる運用と比較して、具体的に何がどのように変わるのか、まずはその核心から見ていきましょう。電子カルテを理解することは、院内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上での基礎となります。
電子カルテの定義と3つのコア機能
電子カルテとは、従来、医師が手書きで作成し、紙媒体で保管・管理していた診療録(カルテ)を、電子的なデータとして一元的に記録・管理するシステムのことです。単に紙の情報をデジタルに置き換えるだけでなく、医療情報を効率的かつ安全に活用するための様々な機能が搭載されています。その中でも、中核となるのは以下の3つの機能です。
これらの機能は、医療の質と安全性を高め、日々の業務負担を軽減するために設計されています。
紙カルテ運用との比較:効率・コスト・安全性はどう変わる?
長年にわたり医療現場を支えてきた紙カルテですが、電子カルテと比較すると、効率性、コスト、情報の安全性といった面でいくつかの課題が見えてきます。例えば、紙カルテでは膨大な量のカルテを保管するための物理的なスペースが必要となり、その管理や検索にも多大な労力がかかります。また、複数のスタッフが同時に同じ患者さんのカルテを参照することが難しかったり、手書き文字の判読性に個人差があったりといった点も、業務効率や医療安全の観点から見過ごせません。
一方で、電子カルテを導入することで、これらの課題の多くが解決に向かいます。情報検索は瞬時に行え、保管スペースも大幅に削減。セキュリティ対策を適切に行えば、情報の機密性も高まります。
▼ 表で見る|紙カルテ vs 電子カルテ 比較一覧
比較項目 | 紙カルテ | 電子カルテ |
記録・記載 | 手書き、修正に手間、判読性個人差 | テンプレート入力、入力支援、修正容易、判読性統一 |
情報検索性 | 手作業での検索、時間と手間がかかる | キーワード検索、瞬時に必要な情報へアクセス可能 |
情報共有 | 物理的な移動が必要、同時参照困難 | 院内ネットワーク経由でリアルタイム共有、複数スタッフ同時参照可能 |
保管スペース | 広大な物理スペースが必要、劣化リスク | サーバー内にデータ保管、物理スペース不要(オンプレミスはサーバー設置場所要) |
セキュリティ | 盗難・紛失・改ざんリスク、災害時脆弱 | アクセス権限管理、ログ管理、暗号化、バックアップ体制によるセキュリティ向上(対策依存) |
オーダーリング | 手渡しや電話での指示、伝達ミスリスク | システム上で指示、関連部門へ自動連携、ミス削減 |
データ活用 | 集計・分析に多大な手間、限定的 | 診療データの蓄積・分析容易、経営改善や研究への活用可能性 |
初期コスト | 比較的低い(用紙・文具代) | 比較的高め(システム導入費、ハードウェア費) |
運用コスト | 保管・運搬・人件費など継続的に発生 | 保守費用、クラウド利用料など(紙コスト削減効果あり) |
災害時対応 | 物理的被害を受けやすい、紛失・破損の可能性大 | バックアップ体制によりデータ保護、早期復旧の可能性(クラウド型は特に強み) |
修正・追記の容易さ | 訂正印や追記が必要、煩雑になりやすい | 修正履歴管理、追記容易、常に最新情報が整理された状態 |
標準化への対応 | 困難 | データ形式の標準化により、将来的な情報共有やシステム連携に有利 |
もちろん、電子カルテ導入には初期投資やシステムの操作習熟といったハードルもありますが、長期的な視点で見れば、そのメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
【導入事例で納得!】電子カルテ導入がもたらす7つの主要メリット
電子カルテを導入することは、単に紙のカルテをデジタルに置き換える以上の価値を医療現場にもたらします。それは、日々の業務プロセスを根本から見直し、より効率的で質の高い医療サービス提供体制を構築することにつながるからです。ここでは、これまでに支援させていただいた医療機関の事例も交えながら、電子カルテ導入によって得られる具体的なメリットを7つのポイントに絞ってご紹介します。
メリット1:診療業務の大幅な効率化と時間短縮
電子カルテ導入の最も直接的なメリットは、診療に関わる様々な業務が効率化され、貴重な時間を有効活用できるようになる点です。例えば、過去の診療記録や検査結果を探し出すのに手間取っていた時間が、キーワード一つで瞬時に検索できるようになります。また、手書きで作成していた処方箋や紹介状も、システム上でテンプレートを活用したり、過去の記載を引用したりすることで、作成時間を大幅に短縮できます。
以前担当したあるクリニックでは、受付から会計までの患者さん一人あたりの院内滞在時間が、電子カルテ導入前と比較して平均で約20%も短縮されました。特に、医師のカルテ記載時間と、看護師や事務スタッフの情報検索・確認にかかる時間が顕著に削減されたことが大きな要因です。このようにして生まれた時間は、患者さんとのコミュニケーションを深めたり、より丁寧な診療を行ったりするために使うことができるのです。
メリット2:医療安全性の向上とヒューマンエラー削減
医療現場において、安全は何よりも優先されるべき事項です。電子カルテは、ヒューマンエラーを未然に防ぎ、医療安全性を高めるための強力なツールとなり得ます。例えば、薬剤の処方時には、アレルギー情報や併用禁忌薬、過去の副作用歴などをシステムが自動的にチェックし、問題があればアラートで知らせてくれます。これにより、薬剤の誤投与といった重大なインシデントのリスクを低減できます。
また、手書きカルテ特有の「読みにくい文字」による指示の誤認も、電子カルテでは起こりません。誰が見ても明確に判読できる情報で指示が伝達されるため、看護師や薬剤師が医師の指示を誤解するリスクを減らすことができます。これらの機能は、医療スタッフの心理的な負担を軽減し、より安全な医療環境の実現に貢献します。
メリット3:リアルタイムな情報共有とチーム医療の推進
現代の医療は、医師だけでなく、看護師、薬剤師、検査技師、リハビリテーションスタッフなど、多くの専門職が連携して患者さんの治療にあたる「チーム医療」が主流です。電子カルテは、このチーム医療を円滑に進めるための情報基盤として非常に重要な役割を果たします。
患者さんの最新のバイタルサイン、検査結果、治療経過などがシステムにリアルタイムで記録・更新されるため、関係するスタッフは院内のどこにいても、必要な時に正確な情報にアクセスできます。これにより、カンファレンスでの情報共有がスムーズになったり、部門間の連携が密になったりといった効果が期待できます。私が支援したある地域中核病院では、看護師が記録した患者の状態変化を医師が即座に把握し、迅速な対応指示が出せるようになったことで、夜間の緊急対応の質が向上したという報告もありました。
メリット4:診療の質向上と患者満足度の向上
電子カルテの導入は、間接的に診療の質そのものを高め、結果として患者さんの満足度向上にもつながります。例えば、過去の膨大な診療データの中から、類似症例の治療経過や薬剤効果などを瞬時に検索・参照できるため、医師はより多くの情報に基づいて的確な診断や治療方針の決定を行うことができます。
また、検査結果や画像データを画面上で患者さんに見せながら説明することで、病状や治療内容に対する理解を深めてもらいやすくなります。これはインフォームド・コンセント(説明と同意)をより充実させることにも繋がります。さらに、受付業務の効率化や院内での情報伝達の迅速化は、患者さんの待ち時間短縮に貢献し、ストレス軽減や満足度向上という形で現れることも少なくありません。
メリット5:カルテ保管スペースの削減と管理コスト低減
紙カルテを長年運用している医療機関にとって、増え続けるカルテの保管スペース確保は大きな悩みの種です。電子カルテに移行することで、この物理的な保管スペースが不要になるというメリットは非常に大きいでしょう。これまでカルテ庫として使用していたスペースを、診察室や処置室、あるいはスタッフルームとして有効活用できるようになった事例も多くあります。
また、紙カルテの検索、持ち運び、整理、廃棄といった作業にかかっていた人件費や、用紙代、ファイル代などの消耗品コストも削減できます。カルテの劣化や紛失といったリスクも、適切なデータ管理体制を構築することで大幅に低減できるため、長期的に見ると管理コスト全体の圧縮につながります。
メリット6:データ分析による経営改善と研究活用
電子カルテに蓄積された診療データは、適切に活用することで医療機関の経営改善や臨床研究の推進に役立つ貴重な資源となります。例えば、患者さんの年齢層、疾患別統計、来院頻度、処方傾向などを分析することで、より的確な診療方針の策定や、新たな医療サービスの開発、あるいは無駄なコストの削減といった経営戦略に活かすことができます。
また、匿名化処理を施した診療データは、臨床研究や学会発表のための基礎資料としても活用できます。これにより、自院の医療レベル向上だけでなく、医学全体の発展にも貢献できる可能性があります。データドリブンな意思決定は、これからの医療機関経営においてますます重要になっていくでしょう。
メリット7:災害時の事業継続性(BCP)強化
地震や水害といった自然災害は、いつどこで発生するかわかりません。そのような非常時においても、医療機関は診療を継続し、地域住民の健康を守るという重要な使命を担っています。電子カルテ、特にクラウド型の電子カルテは、災害時の事業継続計画(BCP)を強化する上で非常に有効です。
クラウド型システムの場合、診療データは院内ではなく、遠隔地にある堅牢なデータセンターで厳重に保管・バックアップされています。そのため、万が一自院が被災したとしても、データが失われるリスクを最小限に抑えられます。インターネット環境と端末さえあれば、避難先や仮設診療所などでも診療情報を参照し、業務を再開できる可能性が高まります。これは、紙カルテや院内サーバーのみでデータを管理している場合には得難い大きなメリットです。
デメリットも把握!電子カルテ導入前に知っておくべき5つの課題と対策
ここまで電子カルテ導入の数々のメリットについてお話ししてきましたが、どんな優れたシステムにも導入や運用にあたって考慮すべき点、いわゆるデメリットや課題が存在します。これらを事前にしっかりと把握し、適切な対策を講じることが、導入を成功させるための鍵となります。ここでは、電子カルテ導入を検討する際に直面しがちな5つの主要な課題と、それぞれの乗り越え方について、経験も踏まえながら解説します。
導入・運用コストの発生(初期費用・月額費用)
電子カルテシステムの導入には、一定の初期費用と、その後の継続的な運用費用が発生します。初期費用としては、オンプレミス型(院内サーバー設置型)の場合はサーバーやネットワーク機器の購入費用、ソフトウェアのライセンス費用、システム設定やカスタマイズ費用、既存の紙カルテからのデータ移行費用などが挙げられます。クラウド型の場合は、初期費用を抑えられることが多いものの、月額または年額での利用料が発生します。
これらのコストは、医療機関の規模や選択するシステム、必要な機能によって大きく変動します。対策としては、まず複数のベンダーから詳細な見積もりを取得し、機能とコストのバランスを慎重に比較検討することが重要です。また、国や地方自治体が提供しているIT導入補助金などの制度を積極的に活用することも、負担軽減に繋がります。私が支援した小規模クリニックでは、クラウド型を選定し、補助金を活用することで、当初の予算内でスムーズな導入を実現できたケースもございます。
システム障害・情報漏洩のリスクとセキュリティ対策の重要性
電子システムである以上、システム障害のリスクはゼロではありません。サーバーの故障やネットワークの不具合、あるいは停電などによって、一時的に電子カルテが使用できなくなる可能性も考慮しておく必要があります。また、患者さんの大切な個人情報や診療情報を扱うため、不正アクセスやウイルス感染による情報漏洩のリスクにも細心の注意を払わなければなりません。
これらのリスクに対する対策としては、まず信頼性の高いシステムベンダーを選定することが基本です。定期的なデータのバックアップ体制の構築、非常時の電源確保(UPSの導入など)、そして何よりも強固なセキュリティ対策(ファイアウォール、ウイルス対策ソフト、アクセス権限管理、データの暗号化など)を講じることが不可欠です。厚生労働省などが定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、職員へのセキュリティ教育を徹底することも重要となります。
操作習熟までの時間と一時的な業務負担増
新しいシステムを導入する際には、医師や看護師、事務スタッフなど、関係者全員がその操作方法に慣れるまでの学習期間が必要となります。特に、長年紙カルテに慣れ親しんできたスタッフにとっては、キーボード入力やマウス操作への移行に戸惑いを感じることもあるでしょう。導入初期には、一時的にカルテ記載に時間がかかったり、操作ミスが発生したりすることで、かえって業務効率が低下してしまう可能性も否定できません。
この課題を乗り越えるためには、導入前に十分な研修期間を設け、実践的なトレーニングを行うことが大切です。また、分かりやすい操作マニュアルを整備したり、導入後もベンダーによる手厚いサポートを受けられる体制を整えたりすることも有効です。院内で電子カルテ推進のキーパーソンを決め、スタッフからの質問や相談に対応できるようにするのも良いでしょう。焦らず、段階的に習熟度を高めていく姿勢が求められます。
課題4:既存業務フローの大幅な変更が必要な場合も
電子カルテの導入は、単にカルテの記録方法が変わるだけでなく、受付から診療、会計に至るまで、院内の様々な業務フローに影響を与える可能性があります。例えば、紙カルテ運用を前提として構築されてきた受付の手順や、診療後の医師と看護師の情報伝達方法、会計時の処理などが、電子カルテシステムに合わせて変更を余儀なくされることもあります。
このような業務フローの変更は、時にスタッフの抵抗感を生むこともあります。そのため、導入を決定する前に、現在の業務フローを詳細に分析し、電子カルテ導入によってどのような変更が必要になるのか、関係者間で十分に話し合い、共通認識を持つことが重要です。また、システム導入を機に、非効率な業務プロセスを見直し、より合理的でスムーズな流れを再構築する良い機会と捉えることもできるでしょう。
課題5:ベンダーロックインとシステム乗り換えの困難さ
一度特定のベンダーの電子カルテシステムを導入すると、そのシステムに業務が最適化されていくため、将来的に他のベンダーの製品に乗り換えることが難しくなる、いわゆる「ベンダーロックイン」の状態に陥る可能性があります。データの互換性の問題や、新しいシステムへの再度の操作習熟、データ移行のコストなどを考えると、システム変更のハードルは決して低くありません。
このリスクを完全に避けることは難しいかもしれませんが、対策としては、システム選定時に、データの汎用性(標準的な形式でのエクスポートが可能かなど)や、将来的な拡張性、他システムとの連携の柔軟性などを十分に確認しておくことが挙げられます。また、契約内容(特に契約期間や解約条件、データの取り扱いなど)をしっかりと精査し、長期的な視点を持ってベンダーを選定することが肝要です。
【2025年開始】電子カルテ情報共有サービスとは?国の医療DX戦略と医療機関の対応
近年、医療界で大きな注目を集めているのが、2025年度(令和7年度)から本格運用が開始される予定の「電子カルテ情報共有サービス(全国医療情報プラットフォーム)」です。これは、国の医療DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の柱の一つとして位置づけられており、患者さん中心のより質の高い医療を実現するための重要な取り組みです。この新しいサービスは、具体的にどのようなもので、医療機関として何を知り、どのように準備を進めていくべきなのでしょうか。
電子カルテ情報共有サービスは、患者・国民や医療機関等に対し、より質の高い医療を効率的に提供することを目指し、レセプト情報に加え、医療機関等が保有する医療情報(3文書6情報等)を共有・交換できる全国的な医療情報連携ネットワークを構築するものです。
出典:電子カルテ情報共有サービス - 厚生労働省
この動きは、今後の医療情報システムのあり方に大きな影響を与える可能性があります。
制度の背景と目的:なぜ今、情報共有が必要なのか?
この新しい情報共有サービスが目指すのは、患者さんがどの医療機関を受診しても、必要な診療情報を安全かつ迅速に共有・活用できる環境を整備することです。現状では、医療機関ごとに患者さんの情報が個別に管理されているため、例えば救急搬送された際に患者さんの既往歴やアレルギー情報がすぐに分からなかったり、複数の医療機関にかかっている場合に重複投薬や重複検査が行われたりといった課題がありました。
このような課題を解決し、
などを実現することが、この制度の大きな目的となっています。私自身も、医療現場での情報連携の重要性を長年訴えてきましたので、この動きには大きな期待を寄せています。
電子カルテ情報共有サービスの概要と共有される情報範囲
電子カルテ情報共有サービスは、具体的には、患者さん本人の同意を前提として、全国の医療機関や薬局などが、オンライン資格確認等システムを基盤としたネットワークを通じて、互いに必要な診療情報を参照・共有できる仕組みです。
共有される主な情報は、まず「3文書6情報」と呼ばれるものが中心となります。
これらの情報が標準化された形式で共有されることで、医療機関が変わっても、患者さんの状態を正確に把握しやすくなります。これにより、例えば初めて受診する医療機関でも、過去の検査結果やアレルギー情報を確認した上で診療を開始できるため、より安全で効率的な医療提供が期待されます。
医療機関が取るべき対応と準備スケジュール
この新しい情報共有サービスに参加し、そのメリットを享受するためには、医療機関側でもいくつかの対応準備が必要になります。
まず最も重要なのは、自院の電子カルテシステムが、この情報共有サービスに対応できる仕様になっているかを確認することです。厚生労働省は「電子カルテの標準化」を推進しており、標準規格に準拠した電子カルテ(いわゆる「標準型電子カルテ」)の導入や、既存システムの改修が求められる場合があります。
具体的な準備ステップとしては、
補助金制度の活用も視野に入れながら、計画的に準備を進めることが望ましいでしょう。国としても、医療機関がスムーズに移行できるよう支援策を講じていくものと考えられます。
厚生労働省:電子カルテ情報共有サービスについて
詳細な情報や最新の動向については、厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。
後悔しない!自院に最適な電子カルテを選ぶための6つのステップとチェックポイント
数多くの電子カルテシステムの中から、本当に自院のニーズに合致し、長期的に活用できるものを選び出すのは、決して簡単なことではありません。機能が豊富でも操作が複雑すぎたり、逆にシンプルすぎて必要な機能が不足していたり、あるいは導入後のサポート体制に不満が残ったりと、選定を誤ると後々大きな問題になりかねません。ここでは、私がこれまで多くのクリニックや病院の電子カルテ選定を支援してきた経験 (oaicite: 書き手プロファイルの「クリニック向け選定ガイドライン策定(50超の医療機関採用)」実績) を基に、後悔しないための賢い選び方を6つのステップに分けて、具体的なチェックポイントと共に解説します。
ステップ1:現状分析と導入目的の明確化
まず最初に行うべきは、「なぜ電子カルテを導入したいのか」「導入によって何を解決・実現したいのか」という目的を明確にすることです。そのためには、現在の紙カルテ運用における課題点(例えば、カルテを探すのに時間がかかる、情報共有がスムーズでない、保管スペースが足りないなど)や、院内の業務フローで非効率だと感じている部分を具体的に洗い出す作業が不可欠です。
「業務効率を上げたい」という漠然とした目的ではなく、「受付から会計までの患者さんの院内滞在時間を平均10分短縮したい」「薬剤の重複投与エラーをゼロにしたい」といったように、可能な限り具体的かつ測定可能な目標を設定することで、後のシステム選定の軸が定まります。この段階で院内の各部門のスタッフから意見を吸い上げることも、導入後のスムーズな運用には欠かせません。
ステップ2:必要な機能の洗い出しと優先順位付け
導入目的が明確になったら、次にその目的を達成するために必要な電子カルテの機能を具体的にリストアップしていきます。例えば、診療科の特性に応じた専門的な記録テンプレートが必要か、画像ファイリングシステム(PACS)との連携は必須か、オンライン診療機能も将来的に見据えたいか、といった具合です。
ここで重要なのは、単に欲しい機能を列挙するだけでなく、「絶対に譲れない必須機能(Must-have)」「あれば便利な機能(Should-have)」「将来的には欲しい機能(Could-have)」といったように、優先順位を付けて整理することです。全ての要望を満たす完璧なシステムは存在しないかもしれませんし、多機能すぎるとコストが高くなったり操作が複雑になったりする可能性もあります。優先順位を明確にすることで、機能とコストのバランスを見極めやすくなります。
ステップ3:予算の設定と費用対効果の検討
電子カルテ導入には、初期費用だけでなく、月額の利用料や保守費用といったランニングコストも考慮に入れる必要があります。ステップ2で洗い出した必要な機能と照らし合わせながら、現実的な予算の上限を設定しましょう。
また、単にコストの安さだけで選ぶのではなく、導入によって得られる効果(例えば、人件費の削減、業務効率化による増収、医療安全向上によるリスク低減など)を試算し、費用対効果を総合的に評価する視点も重要です。高機能なシステムでも、その機能を十分に活用できなければ宝の持ち腐れになってしまいますし、逆に安価でも必要な機能が不足していれば、導入目的を達成できない可能性があります。長期的な視点で、投資に見合う価値があるかどうかを見極めることが大切です。
ステップ4:電子カルテのタイプ選定(クラウド型 vs オンプレミス型)
電子カルテシステムは、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、自院の規模やIT環境、セキュリティポリシーなどを考慮して、どちらのタイプが適しているかを選定します。
クラウド型電子カルテ:
オンプレミス型電子カルテ:
最近では、両者の良いところ取りをした「ハイブリッド型」と呼ばれるようなシステムも登場していますので、幅広い選択肢を検討するとよいでしょう。
ステップ5:複数メーカーの比較検討とデモンストレーション
ある程度、自院の要件や希望するシステムタイプが固まってきたら、具体的な電子カルテメーカーや製品の情報を収集し、比較検討を進めます。医療系の展示会に参加したり、インターネットで情報を集めたり、同業の先生方に評判を聞いたりするのも良いでしょう。
候補となるメーカーを3~5社程度に絞り込んだら、各社に資料請求を行い、見積もりを依頼します。そして、必ず実際のシステムデモンストレーションを体験してください。カタログやウェブサイトだけでは分からない操作性や画面の見やすさ、機能の使い勝手などを、医師や看護師、事務スタッフなど、実際にシステムを利用するメンバーで確認することが非常に重要です。デモの際には、自院の典型的な業務の流れを想定した操作を試させてもらい、疑問点は遠慮なく質問しましょう。また、導入実績やサポート体制、ベンダーの将来性なども比較検討のポイントとなります。
ステップ6:契約内容の確認と導入計画の策定
最終的に導入する電子カルテシステムが決まったら、契約内容を細部までしっかりと確認します。契約期間、解約条件、利用料金の算定根拠、サポートの範囲と対応時間、SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証制度)の有無と内容、データの所有権やシステム障害時の責任範囲など、曖昧な点がないように隅々までチェックしましょう。不明な点があれば、必ず契約前にベンダーに確認し、書面で回答を得るようにしてください。
契約と並行して、具体的な導入計画を策定します。データ移行のスケジュール、ハードウェアの設置やネットワーク構築の段取り、スタッフ研修の実施時期と内容、そして実際にシステムを稼働させる日(カットオーバー日)などを、ベンダーと緊密に連携しながら詳細に詰めていきます。無理のない現実的な計画を立て、関係者全員で共有することが、スムーズな導入成功への道筋となります。
▼ 電子カルテ選定チェックリスト
A. 基本情報・目的
1. 導入目的は明確か?(業務効率化、医療安全向上、情報共有強化など)
2. 解決したい現状の課題はリストアップされているか?
3. 予算の上限(初期費用・月額費用)は設定されているか?
4. クラウド型/オンプレミス型のどちらが自院に適しているか検討したか?
B. 機能要件
5. 診療科特有の必須機能は何か?(例:眼科のシェーマ、産婦人科の胎児計測)
6. オーダーリング機能は自院の運用に合っているか?
7. レセプトコンピュータとの連携方式は?(一体型/連携型、連携実績)
8. 各種検査機器や画像システム(PACS)との連携は可能か?
9. 文書作成機能(紹介状、診断書など)は充実しているか?テンプレート機能は?
10. モバイル端末(タブレット、スマートフォン)での利用は可能か?その場合の機能は?
11. 統計・分析機能はどの程度必要か?
C. 操作性・サポート
12. デモンストレーションで実際の操作性を確認したか?(複数スタッフで)
13. 画面レイアウトは見やすいか?直感的に操作できるか?
14. 入力支援機能(定型文、学習機能など)は充実しているか?
15. 導入時の研修プログラムは充実しているか?
16. 導入後のサポート体制は?(電話、メール、リモート、訪問/対応時間、レスポンス速度)
17. システム障害時の対応フローと復旧までの時間は?
D. セキュリティ・法令遵守
18. 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(3省2ガイドライン)に準拠しているか?
19. アクセス権限設定は柔軟に行えるか?ログ管理機能は?
20. データバックアップ体制は?(頻度、保管場所、復旧手順)
21. 2025年開始の電子カルテ情報共有サービスへの対応予定は?
E. ベンダー評価・契約条件
22. ベンダーの導入実績は十分か?(同規模・同診療科での実績)
23. ベンダーの経営安定性・将来性は?
24. 見積もり内容は詳細で分かりやすいか?追加費用の発生条件は明確か?
25. 契約期間、解約条件、違約金などは妥当か?
26. データの所有権は明確か?契約終了時のデータ返却方法は?
このチェックリストはあくまで一例です。自院の状況に合わせて項目を追加・修正し、最適な電子カルテ選びにお役立てください。
【費用と安全】電子カルテ導入・運用にかかるコストとセキュリティ対策の要点
電子カルテの導入を具体的に検討し始めると、多くの方が最も気になるのが「一体どれくらいの費用がかかるのか」そして「大切な患者さんの情報を安全に管理できるのか」という2点ではないでしょうか。これらは電子カルテ導入の成否を左右する非常に重要な要素です。ここでは、導入・運用にかかる主なコストの内訳と目安、そして医療情報を守るために不可欠なセキュリティ対策の要点について、詳しく解説していきます。
電子カルテの費用内訳:初期費用とランニングコストの目安
電子カルテ導入にかかる費用は、大きく分けて「初期費用」と「ランニングコスト(運用費用)」の2種類があります。これらの費用は、選択するシステムのタイプ(クラウド型かオンプレミス型か)、医療機関の規模、必要な機能の範囲、カスタマイズの有無などによって大きく変動するため、あくまで一般的な目安として参考にしてください。
初期費用の主な内訳:
- ハードウェア費用:オンプレミス型の場合、サーバー、院内LAN設備、医師やスタッフが使用するパソコン、タブレット端末などの購入費用。規模によりますが、数十万円~数百万円、場合によってはそれ以上かかることもあります。クラウド型の場合は、基本的にサーバー購入は不要で、既存のPCや新たに購入する端末費用が主となります。
- ソフトウェアライセンス費用:電子カルテシステムの利用ライセンス費用。ユーザー数や機能によって変動し、数万円~数十万円/ライセンスが一般的です。オンプレミス型では買い切り、クラウド型では月額費用に含まれることが多いです。
- 導入設定・カスタマイズ費用:システムの初期設定、部門ごとの設定、帳票類のカスタマイズなどにかかる費用。カスタマイズの範囲が広ければ広いほど高額になる傾向があります。
- データ移行費用:既存の紙カルテや旧システムから患者情報や診療情報を新しい電子カルテシステムへ移行する場合に発生する費用。データの量や複雑さによって、数万円~数十万円程度かかることがあります。
ランニングコスト(運用費用)の主な内訳
- クラウドサービス利用料(月額):クラウド型電子カルテの場合、毎月発生する利用料。ユーザーID数や契約プランに応じて、数千円~数万円/ID程度が目安です。
- 保守サポート費用(年額または月額):システムの保守、アップデート、問い合わせ対応などにかかる費用。オンプレミス型の場合、一般的にシステム導入費用の年間10~15%程度が目安とされます。クラウド型では月額利用料に含まれていることが多いです。
- バージョンアップ費用:大規模な機能追加や法改正対応などがあった場合のシステム更新費用。保守費用に含まれる場合と、別途発生する場合があります。
- その他:ネットワーク回線費用、電気代、消耗品(プリンターのトナーなど)費用など。
補足:
上記はあくまで一般的な目安であり、実際の費用は個々のケースで大きく異なります。複数のベンダーから詳細な見積もりを取得し、内容をしっかりと比較検討することが非常に重要です。
医療情報安全管理ガイドライン(3省2ガイドライン)と遵守すべきポイント
電子カルテで取り扱う患者さんの診療情報は、個人情報の中でも特に機微な情報であり、その管理には最大限の注意が求められます。国もその重要性を認識しており、厚生労働省、経済産業省、総務省の3省が連携して「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を策定・公表しています(通称:3省2ガイドライン)。電子カルテを導入・運用する際には、このガイドラインを遵守し、適切な情報セキュリティ対策を講じることが法的な責務でもあります。
このガイドラインでは、主に以下の4つの側面からの安全管理措置が求められています。
これらの対策を総合的に実施し、定期的に見直し・改善していくことが、患者さんの信頼を得て、安心して医療を提供するための基盤となります。
補助金・助成金活用の可能性と申請のポイント
電子カルテシステムの導入には、まとまった費用が必要となるため、国や地方自治体が提供している補助金や助成金制度を上手に活用することも検討しましょう。これらの制度を利用することで、導入コストの負担を軽減できる可能性があります。
代表的なものとしては、中小企業庁が管轄する「IT導入補助金」があります。これは、中小企業や小規模事業者がITツール(電子カルテシステムも対象となる場合があります)を導入する際に、その経費の一部を補助する制度です。年度によって公募時期や補助対象、補助率などが変動するため、常に最新情報を確認する必要があります。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
出典:IT導入補助金2025(サービス等生産性向上IT導入支援事業)
補助金・助成金を申請する際の一般的なポイントとしては、
などがあります。手続きが煩雑な場合もありますが、活用できる制度は積極的に検討してみる価値があるでしょう。
FAQ 電子カルテ導入・運用に関するよくある質問
電子カルテの導入や運用に関しては、多くの医療機関の先生方やスタッフの方々から、様々なご質問をいただきます。ここでは、特に多く寄せられる代表的な質問とその回答をQ&A形式でまとめました。皆様の疑問解消の一助となれば幸いです。
Q1. 電子カルテの導入にはどれくらいの期間がかかりますか?
A1. 電子カルテの導入にかかる期間は、医療機関の規模や選択するシステム、カスタマイズの範囲、データ移行の有無などによって大きく異なります。
一般的に、個人経営のクリニックや小規模な診療所であれば、契約締結からシステムの稼働開始(カットオーバー)まで、おおよそ1ヶ月~3ヶ月程度 を目安とすることが多いです。この期間には、システムの初期設定、ハードウェアの設置、スタッフ研修、データ入力(または移行)などが含まれます。
一方、中規模以上の病院や、複雑なカスタマイズが必要な場合、あるいは大規模なデータ移行が伴うようなケースでは、半年~1年以上 の期間を要することも珍しくありません。特に、既存の部門システムとの連携が多い病院などでは、事前の要件定義やシステム設計に時間をかける必要があります。
大切なのは、無理のない現実的なスケジュールを立て、ベンダーと密に連携を取りながら計画的に進めることです。
Q2. パソコン操作が苦手なスタッフでも使えますか?
A2. 「パソコン操作に自信がない」「キーボード入力が遅い」といった不安を抱えるスタッフの方々がいらっしゃるのは、どの医療機関でもよく聞かれることです。ご安心ください。近年の電子カルテシステムは、ユーザーインターフェース(画面のデザインや操作方法)が工夫されており、直感的で分かりやすい操作性を追求した製品が増えています。
多くのシステムでは、マウス操作だけでなくタッチパネルに対応していたり、よく使う項目はボタン一つで選択できたり、あるいは音声入力に対応しているものもあります。また、導入時にはベンダーによる操作研修が必ず行われますし、分かりやすい操作マニュアルも提供されます。
それでも不安が残る場合は、システム選定の段階で、実際にデモンストレーション機を操作させてもらい、複数のスタッフで使い勝手を確認することをお勧めします。私が以前支援したあるクリニックでは、院長先生ご自身がパソコン操作に苦手意識をお持ちでしたが、タブレット端末で直感的に操作できるクラウド型電子カルテを選定し、短期間でスムーズに運用を開始できた事例があります。大切なのは、スタッフのスキルレベルに合ったシステムを選び、十分な教育・サポート体制を整えることです。
Q3. レセコン(レセプトコンピュータ)との連携はどうなりますか?
A3. レセプトコンピュータ(レセコン)との連携は、電子カルテシステムを選定する上で非常に重要なポイントの一つです。多くの電子カルテシステムは、レセコンとの連携機能を備えています。連携の方式としては、主に以下の2つのタイプがあります。
一体型電子カルテ:電子カルテシステム自体にレセプトコンピュータの機能が内包されているタイプです。カルテ入力とレセプト作成が同一システム内で完結するため、情報の二重入力の手間がなく、データの整合性が保たれやすいというメリットがあります。
連携型電子カルテ:電子カルテシステムとレセプトコンピュータが別々のシステムとして存在し、両者をデータ連携させるタイプです。既に導入済みのレセコンを継続して使用したい場合や、特定のレセコン機能に強みを持つ製品を選びたい場合に選択されます。連携方式としては、CSVファイルなどを用いたデータ交換や、よりリアルタイムに近いAPI連携などがあります。
どちらのタイプを選ぶかは、現在の運用状況や将来的な拡張性、予算などを総合的に考慮して判断する必要があります。現在使用中のレセコンがある場合は、そのメーカーや機種名、連携実績などを電子カルテベンダーに伝え、スムーズな連携が可能かどうかを事前にしっかりと確認しましょう。
Q4. 導入後のサポート体制はどのようになっていますか?
A4. 電子カルテシステムは、導入して終わりではなく、その後の安定的な運用と活用が重要です。そのため、導入後のベンダーによるサポート体制は、システム選定における非常に重要な評価項目となります。
サポート内容はベンダーによって異なりますが、一般的には以下のようなものが提供されます。
契約前に、サポートの範囲、料金(保守契約料に含まれるか、別途有料か)、対応時間、障害発生時のSLA(サービス品質保証)などを具体的に確認し、自院のニーズに合ったサポート体制を提供してくれるベンダーを選びましょう。
Q5. 他の医療機関との情報共有はどのように行えますか?
A5. 患者さんを紹介したり、逆に紹介を受けたりする際に、他の医療機関とのスムーズな情報共有は不可欠です。電子カルテシステムは、この医療機関間の連携を支援する機能も備えています。
多くの電子カルテでは、診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーなどの文書をシステム上で効率的に作成し、印刷したり、セキュアな方法で電子的に送受信したりする機能があります。また、一部の地域では、特定の医療機関間で診療情報を共有するための「地域医療連携ネットワーク」が構築されており、これに参加することで、患者さんの同意のもと、必要な情報を相互に参照できる場合があります。自院の電子カルテが、地域の連携ネットワークに対応しているか確認することも重要です。
さらに、前述の「電子カルテ情報共有サービス(全国医療情報プラットフォーム)」が本格稼働すれば、国の定める標準規格に準拠した電子カルテシステムであれば、より広範な医療機関との間で、患者さんの同意に基づいた安全な情報共有が可能になる見込みです。これにより、転院や救急搬送時など、様々な場面での迅速かつ適切な医療提供が期待されます。
まとめ:電子カルテで切り拓く、効率的で質の高い医療の未来へ
本記事では、電子カルテの基本的な知識から、導入による具体的なメリット・デメリット、2025年から始まる国の新しい情報共有サービス、そして自院に最適なシステムを選び、スムーズに導入するための実践的なステップと費用感に至るまで、網羅的に解説してまいりました。
電子カルテは、単に日々の業務を効率化するためのツールというだけでなく、医療の質そのものを向上させ、患者さん一人ひとりにより安全で質の高い医療サービスを提供するための、強力な基盤となり得るものです。もちろん、導入には初期投資や運用体制の整備など、乗り越えるべきハードルもありますが、それらを計画的にクリアすることで得られる恩恵は非常に大きいと言えるでしょう。
本記事の重要ポイントおさらいチェックリスト
電子カルテの導入は、医療機関にとって大きな経営判断の一つです。しかし、その先には、医療スタッフの働きがいを高め、患者さんとの信頼関係をより深め、そして地域医療全体に貢献できる、より明るい未来が待っていると私は信じています。この記事が、皆様の電子カルテ導入検討、そしてその成功の一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
次のステップへ
まずは、この記事で得た知識を基に、自院の現状の課題を改めて整理し、電子カルテ導入によって何を実現したいのか、その目的を院内で共有することから始めてみてはいかがでしょうか。
次に、関心のある電子カルテメーカーにいくつか資料請求をしてみたり、可能であればオンラインデモンストレーションを体験してみることをお勧めします。百聞は一見に如かず、です。
そして、もし導入に関して具体的なご不明点やお困りごとがございましたら、どうぞご遠慮なく、私のような専門家にご相談ください。豊富な経験と知識に基づき、皆様の状況に合わせた最適なアドバイスをさせていただきます。
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診療科目
この記事は、2025年5月時点の情報を元に作成しています。