看護師の職務経歴書の書き方完全ガイド|採用担当者に響く! 例文・ポイント解説

転職経験がない看護師、もしくはこれまでの転職でいい結果を出せていない看護師は、転職のコツをおさえて、しっかりと対策をとることが大事です。転職でコツをおさえるべきポイントはいくつかありますが、そのうちのひとつが職務経歴書です。では、転職を成功へと導く職務経歴書とはどのようなものなのでしょうか? 詳しく解説していきます。

目次
  1. 職務経歴書とは?
    1. 採用担当者に自分のスキルや実力を伝えるため
    2. 自分自身で自分のことを再確認するため
  2. 履歴書と職務経歴書の役割の違いは?
    1. 職歴
    2. 免許・資格
    3. 自己PR
    4. 志望動機
  3. 職務経歴書に盛り込むべき項目
    1. 表題・日付・氏名
    2. (任意)職務経歴の要約
    3. 職務経歴
    4. 保有資格・スキル
    5. 自己PR
      1. 協調性をアピールしたい場合
      2. 具体的な経験をアピールしたい場合
      3. 向上心と地域医療への貢献をアピールしたい場合(特に若手や病院からの転職者向け)
      4. クリニックでの即戦力性と患者対応力をアピールしたい場合
  4. 職務経歴書の作成ステップは?
    1. 必要な情報を収集する
    2. 職務経歴書の形式を決める
    3. 集めた情報を2に落とし込んでいく
  5. 転職回数が多い場合の職務経歴書作成のコツは?
    1. 転職回数が多いぶん、経験が豊富であることを前面に打ち出す
    2. 職務経歴の要約欄は省いてシンプルにまとめる
    3. 業務内容などの詳細については、直近数か所、もしくは長く在籍した職場のことについてのみ記す
    4. 退職理由は書かない
  6. 転職回数が少ない場合の職務経歴書作成のコツは?
  7. ブランクがある場合の職務経歴書作成のコツは?
  8. これは避けたい! 職務経歴書におけるNGとは?
    1. 誤字・脱字が多い
    2. 誤字・脱字を修正ペンなどで消している
    3. 枚数が多い
    4. 文字が小さい
    5. 文章が長い
    6. 履歴書とほぼ同じ内容である
    7. (異業種への転職の場合など)業界用語や専門用語を多用している
  9. 職務経歴書を郵送する場合のマナーは?
    1. 履歴書、職務経歴書のほかに「添え状」を用意する
    2. 上から順番に、添え状、履歴書、職務経歴書の順番に封入する
    3. 書類に汚れやシワがつかないよう、クリアファイルに入れてから封筒に入れる
    4. 封筒の表面左下に赤ペンで「応募書類在中」と記す
    5. 郵便料金が不足しないように注意する
    6. キャラクターなどの切手は避ける
  10. 職務経歴書をメールで送る場合のマナーは?
    1. メール本文に用件を簡潔に記す
    2. 作成した職務経歴書はPDFに変換する
    3. セキュリティ対策を講じる
  11. 職務経歴書を手渡しする場合のマナーは?
    1. 封筒に入れて持参する
    2. 添え状はつけない
    3. 渡すときには封筒から出して渡す
  12. 看護師の職務経歴書に関するFAQ
    1. Q. 職務経歴書は手書きするべき? パソコンでもOK?
    2. Q. 看護師が転職する際、職務経歴書は必ず提出するもの?
    3. Q. 退職理由は書かなくてもいいの?
    4. Q. 病院からクリニックに転職する場合の注意点は?
    5. Q. 締め切りギリギリの場合は宅配便で送っても問題ない?
  13. 職務経歴書の精度を上げるために添削サービスを利用するのもおすすめ

職務経歴書とは?

まずは、職務経歴書とは何のためにあるものなのかを改めて解説していきます。

採用担当者に自分のスキルや実力を伝えるため

転職活動においては、一般的に履歴書と職務経歴書の提出が求められますが、このうち職務経歴書は、働き手を求めている事業所に対して、自分の実務経験やスキルを詳しく伝える役割を果たすものです。つまり、職務経歴書を正しく、かつ詳しく作成することによって、自分の得意なことやスキルを存分にアピールすることができるというわけです。なお、特にクリニックの場合は、看護そのもののスキルや経験だけでなく、多様な業務への対応力や、患者とのコミュニケーション能力、チーム医療への貢献意欲なども重要な評価ポイントとなります。

自分自身で自分のことを再確認するため

また、職務履歴書には、「作成者自身が自分のことを再確認できる」という側面もあります。どういうことかというと、自分の経歴や得意なことは自分でよくわかっているつもりであったとしても、自分以外の人間にそのことを伝えるために文章にまとめる作業を通して、これまで気づかなかった自分自身の強みや“売り”となる部分に気づくことがあります。

また、面接前に職務経歴書を作成するという過程を踏んだ場合と踏まなかった場合を比較すると、これまでの職歴や自身の強みについて聞かれた際の答え方に明らかな違いが出るはず。職務経歴書を作成する過程を一度踏んでいる場合、いわば“予習”ができている状態ということになるので、面接官から質問を投げかけられた際にもすらすらと答えられるものです。一方、一度も“予習”していない場合、たとえば元の職場に勤めた年数などの単なる数字であっても、指折り数えないと思い出せない場合があることが考えられます。

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履歴書と職務経歴書の役割の違いは?

職務経歴書の役割を確認したところで、続いては履歴書の役割との違いを確認していきましょう。

まず、履歴書と職務経歴書には次の表のような違いがあります 。

項目 履歴書 職務経歴書
目的 氏名、連絡先、年齢、学歴や職歴、保有資格など基本的なプロフィールを伝える 具体的な職務内容や経験・スキル、実績や自己PRなどを伝える
フォーマット あり なし(自由形式)
枚数 A4サイズ×2枚またはA3サイズ×1枚(二つ折り) A4サイズ1~2枚程度
作成時に重視すべきポイント 正確性、読みやすさ 具体性、読みやすさ、アピール力
採用担当者がチェックしたいポイント 基本的なプロフィール、本人希望欄 実務経験、経験・スキル、実績、自己PR

上表や市販の履歴書のフォーマット、職務経歴書の見本などを見るとわかる通り、履歴書と職務経歴書の項目には重複しているものがいくつかあります。重複している項目についてはどのように書き分けるかというと、次の通りです。

職歴

履歴書のフォーマットには職歴欄が設けられていますが、すべての情報をA4サイズ×2枚またはA3サイズ×1枚に集約しなければならない都合上、入社や退職などの経歴を1行ずつに記載していくことが基本とされています。そのため、転職回数などによっては、配属部署や仕事内容までは落とし込めない可能性があります。

一方、職務経歴書にはフォーマットがないため、職場の概要や具体的な担当業務、役割、実績などを具体的に落とし込んでいくことが可能です。また、履歴書のように、1つの項目を1行にまとめなければならないといったルールもないので、表を挿入したり、目立たせたい部分のフォントサイズを大きくしたりといったことも可能です。

免許・資格

看護師としての仕事に活かせる免許や資格は大きなアピール材料になるので、履歴書と職務経歴書の両方に落とし込みましょう。

なお、前述の通り、職務経歴書には決まったフォーマットがないため、web上のものをタウンロードするなどして作成するのが基本になりますが、その際、先方に見やすいようにフォントをそろえたりフォントサイズを調整させたりすることによって、パソコンスキルそのものもアピールできます。パソコンスキルは、看護師としての業務に必ずしも必要なものではありませんが、相手のことを考えて、わかりやすさ、見やすさにこだわって作成していることを汲んでもらえたら、「この人は患者のケアも相手のことを考えて丁寧におこなってくれそうだな」と思ってもらえるでしょう。

また、特にクリニックでは、看護業務に加えて、受付業務の補助や簡単な事務作業を兼務することもあるため、電子カルテの操作経験はもちろん、WordやExcelといった基本的なPCスキルを職務経歴書でさりげなくアピールすれば、採用担当者にとって魅力的に映るでしょう

自己PR

履歴書と職務経歴書の自己PR欄に盛り込む内容の骨子は共通であったとしても、履歴書の自己PR欄はコンパクトであるため、文章もできるだけ端的にまとめることが不可欠です。言いたいことを全部詰め込もうとして小さいフォントを押し込めたり、枠からはみでたりすると、履歴書を受け取ったほうは「読みにくいな」「字が小さくて見づらいな」と、場合によってはきちんと読むこと自体を放棄してしまうかもしれません。

志望動機

志望動機に関しては、基本的には職務経歴書に盛り込むものではありませんが、社会人経験が短く、職務経歴として記すことが少ない場合などは、志望動機欄を設けることで、働く意欲をアピールしても構いません。その場合、前述の自己PR欄と考え方が同じで、履歴書のほうは簡潔に、職務経歴書のほうでより詳しく伝えるようにしましょう。

職務経歴書に盛り込むべき項目

続いては、職務経歴書に盛り込むべき項目を確認していきましょう。職務経歴書には、前述の通りフォーマットはありませんが、必ず盛り込むべき項目はあります。具体的には次の通りです。

  • 表題・日付・氏名
  • (任意)職務経歴の要約
  • 職務経歴
  • 保有資格・スキル
  • 自己PR
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    表題・日付・氏名

    表題として、「職務経歴書」と本文より大きい文字で用紙の最上部中央に記します。その横に、提出する日付と氏名を記載します。メールの場合は送付する日付、郵送の場合は投函する日付が正解です。また、書類内の日付は和暦か西暦で統一します。和暦と西暦のどちらが正しいということはないので、好きなほうで統一すればOKです。

    (任意)職務経歴の要約

    これまでの職務経歴を3~4行程度の文章にまとめます。見出しに「職務要約」と入れて、勤務先や部署、担当業務などを端的に記します。

    なお、職務経歴の要約は省いても構いませんが、転職回数が多い場合などは、最初に要約としてまとめておくと、読む側に理解してもらいやすくなります。

    職務経歴

    一つひとつの職務経歴について、勤務先名、在籍期間、雇用形態、事業内容、病床数、診療科などの所属、役職、職務内容、実績にいたるまで詳細に記していきます。

    たとえば、次の表のように記します。

    2015年4月~2024年3月 医療法人XX会XX病院
    従業員数:XX人
    病床数:計XX床(一般XX床・回復リハビリテーションXX床・療養XX床)
    勤務形態:正職員
    期間 職務内容
    2015年4月~2019年7月 循環器科(X床、X名体制)
    ・病棟内看護業務全般
    ・循環器疾患のケア(カテーテル検査前後の看護、12誘導心電図)
    ・ドレーン管理
    ・術前のオリエンテーション
    ・術後の生活指導
    ・急変時の対応

    【実績】
    ・3年目よりプリセプターとして新人看護師の教育に従事
    ・研修プログラムの改善

    2019年8月~2024年3月 整形外科(X床、X名体制)
    ・病棟内看護業務全般
    ・外傷による骨折をはじめとする急性期の患者のケア
    ・膝や肩、腰などの痛みの非外科的治療および看護
    ・骨折後の回復期のケア
    ・医師の回診・処置の介助
    ・清掃・入浴介助などの清潔ケア
    ・勉強会の準備および開催

    【実績】
    ・シニアプリセプターとして新人教育全体の監督や相談役を担当
    ・研修プログラムの新規作成・改善

    なお、病院経験者がクリニックに応募する場合は、応募先のクリニックが求めるであろうスキルや経験を意識的に盛り込むと注目されやすいでしょう。たとえば、幅広い疾患への対応経験、外来診療のスムーズな運営への貢献、患者コミュニケーション能力などは重視されがちなので、外来部門での経験や、患者指導の経験などは具体的に記載するよう心がけましょう。

    保有資格・スキル

    保有資格は、資格取得年度と資格の正式名称を記載します。

    スキルに関しては、チームのマネジメント、後輩育成、他職種連携の推進、強化などの看護師としての業務に関するスキルや、マイクロソフトオフィス関連のPCスキル、プレゼンテーションスキルなど、業務に活かすことのできるものを箇条書きで記載していくといいでしょう。

    (例)

  • 看護スキル:BLS、急変時対応、特定看護分野の経験(例:糖尿病療養指導、フットケアなど)
  • コミュニケーションスキル:傾聴力、共感力、クレーム対応経験、多職種連携における調整力
  • 事務・PCスキル:電子カルテ(メーカー名)、Word(文書作成)、Excel(簡単な表計算)、PowerPoint(資料作成)
  • その他:〇〇語(日常会話レベル)、リーダー経験、プリセプター経験、業務改善提案経験
  • 外国人の患者が受診することが多い病院であれば、語学が堪能であることなどもスキル欄に落とし込めば大きな売りになります。

    自己PR

    自己PR欄には、自身の長所や強み、アピールできることなどをまとめます。書き方に決まりはないため、たとえば、強みやアピールしたいことを「見出し」として一言で言い表して、具体的なエピソードを文章にまとめるなど、相手が興味を持って読んでくれることを意識しながら作成しましょう。

    文章部分に関しては、たとえば次のようにまとめます。

    協調性をアピールしたい場合

    「医療現場においてはチームワークがとても重要であることから、私は、チームの一員であるという意識を持って仕事することを日ごろから大切にしています。たとえば、『誰にでも見やすいようにカルテを書く』『他の看護師の業務の進み具合に応じてサポートする』などの些細なことであっても、それが当たり前になるように習慣づけることで、チーム全員の意識も変わってくると思うからです。しかも、一人ひとりがそうした意識を持って日々の業務に取り組むことは、患者様への質の高いケアの提供にもつながることを、前職の施設で働きながら実感しました。御医院においても、一緒に働く仲間たちのことを考えながら仕事することを大切にして、お互いによい関係を作っていきたいです」

    具体的な経験をアピールしたい場合

    「私は、前職の療養型病院では、患者様の気持ちに寄り添ってケアすることを何より大切にしていました。患者様の些細な変化を見逃さないよう、日々のコミュニケーションを大切にすると同時に、拘縮や褥瘡などの重度化を予防することも大切だと考え、そのための対策委員会を立ち上げたこともあります。委員会では、病棟の看護師と勉強会を重ね、症状の重度化を防ぐためにできることをみんなで提案し合ってきました。こうした経験をフルに活かして、御医院でも一日でも早く戦力となれるよう努めたいと考えています」

    向上心と地域医療への貢献をアピールしたい場合(特に若手や病院からの転職者向け)

    「前職の急性期病棟では、日々変化する患者様の状態に迅速かつ的確に対応することで、観察力と判断力を磨いてまいりました。幅広い症例を経験するなかで、患者様一人ひとりの生活背景を踏まえた継続的な関わりの重要性を再認識して、地域に根差した医療を提供されている貴院に強く惹かれました。これまでの経験で培った知識・技術に加え、新たな分野についても積極的に学び、患者様が安心して療養生活を送れるよう、温かい看護を提供することで貢献していきたいと考えております」

    クリニックでの即戦力性と患者対応力をアピールしたい場合

    「これまで△△クリニックにてX年間、外来看護業務全般に従事してまいりました。1日平均XX名の患者様と接するなかで、効率的な業務遂行と、患者様の不安を軽減するための丁寧なコミュニケーションを常に心がけてきました。特に、小さなお子様からご高齢の方まで、幅広い年齢層の患者様への対応経験は豊富です。貴院の「患者様第一」の理念に共感しており、これまでの経験を活かして即戦力として貢献するとともに、地域住民の皆様に信頼されるクリニック作りの一翼を担いたいと考えております」

    職務経歴書の作成ステップは?

    続いては、職務経歴書の作成ステップを確認していきましょう。「決まった項目を並べるだけだからステップも何もないのでは?」と思うかもしれませんが、職務経歴書はノープランで書き始めると、せっかくのスキルや魅力が十分に伝わらないものにしか仕上がりません。では、どんなステップを踏めばいいかというと、大きく次の3つのステップが必要になります。

    1. 必要な情報を収集する
    2. 職務経歴書の形式を決める
    3. 集めた情報を2に落とし込んでいく

    それぞれ詳しく解説していきます。

    必要な情報を収集する

    ファーストステップは、自分自身の情報収集と、志望先の職場に関する情報の収集です。

    自分自身の情報は収集しなくてもすぐにわかると思うかもしれませんが、職場や肩書の正式名称や、資格取得年度などは、きちんと書き出してまとめていないと、いざというときに一つひとつ調べなければならなくなるものです。

    そのため、職務経歴書を一から作成する場合、まずは職務経歴欄および資格欄に落とし込む情報を、一度、ワードなどにまとめると、追ってコピペして使えるので便利です。

    志望先の情報に関しては、「どんな職場で・どんな人材をほっしているか」を軸に収集します。志望先のクリニックのホームページや求人情報を熟読しえ、理念、診療方針、院長先生のメッセージ、求める人物像などを深く理解することが重要です。そのうえで、「なぜこのクリニックで働きたいのか」「自分のどの経験やスキルがこのクリニックで活かせるのか」を明確にして、職務経歴書全体を通して一貫性のあるアピールができるよう戦略を練りましょう。たとえば、クリニックが特に力を入れている分野(予防医療、在宅医療など)があれば、それに関連する自身の経験や学習意欲を強調すると効果的です。

    職務経歴書の形式を決める

    職務経歴書の形式は、「編年式」「キャリア式」の大きく2つにわけられます。

    編年式とは、これまでの職務経歴を時系列にまとめる方式で、キャリア式は、これまでの職務経歴を業種ごとに
    まとめるものとなります。

    どちらの形式でなくてはならないということはありませんが、基本的に、編年式のほうが経歴をまとめやすいといえます。

    ただし、もしもこれまでのキャリアにおいて看護師以外の業種をいくつか経験している場合は、キャリア式を選択したほうが、先方にとってもわかりやすいものとなるでしょう。

    集めた情報を2に落とし込んでいく

    職務経歴書の形式を決めたら、あとは収集しておいた情報を職務経歴書に落とし込んでいくだけです。また、必要な情報を埋め終わったら、最後に、フォントサイズや改行などを調整して、見やすい一枚に仕上げましょう。

    転職回数が多い場合の職務経歴書作成のコツは?

    続いては、転職回数が多い場合の職務経歴書作成のコツを説明します。

    転職回数が多いと、「仕事でイヤなことがあるとすぐに転職する人だと先方に思われるかもしれない」という不安に苛まれることがあるでしょう。しかし、書き方を工夫すれば、転職回数が多くても決してマイナスにとられることはありません。具体的にどのように工夫すればいいかというと次の通りです。

  • 転職回数が多いぶん、経験が豊富であることを前面に打ち出す
  • 職務経歴の要約欄は省いてシンプルにまとめる
  • 業務内容などの詳細については、直近数か所、もしくは長く在籍した職場のことについてのみ記す
  • 退職理由は書かない
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    転職回数が多いぶん、経験が豊富であることを前面に打ち出す

    「転職回数が多い」ではなく「経験が豊富だ」と思ってもらえるように、「さまざまな医療施設での経験があるため、どんな環境にもすぐに適応して即戦力になれる自信があります」「さまざまなタイプの医療従事者と関わってきたことから、コミュニケーションスキルの高さには自信があります」などと表現します。これらの文章は職務経歴書の「職務経歴の要約」の“まとめの一文”として使ってもいいですし、「スキル」のひとつとしてコミュニケーションスキルを挙げ、その説明として添えてもいいでしょう。

    職務経歴の要約欄は省いてシンプルにまとめる

    前述の通り、職務経歴の要約はなくても問題がないものなので、情報量が多くて先方に「読むのが面倒だ」と思われないよう、要約欄は省くといいでしょう。また、自己PR欄に関してもコンパクトにまとめましょう。

    業務内容などの詳細については、直近数か所、もしくは長く在籍した職場のことについてのみ記す

    すべての職務経歴を同じだけ詳しく書く必要はありません。基本的には、採用担当者が注目しているのは直近の担当業務です。新人のころについてはある程度みんな同じような経験からスタートしているので、詳しく書かなくていいでしょう。なお、直近の職場をすぐに退職している場合などは、長く在籍した職場での担当業務などについて詳しく書くといいでしょう。

    退職理由は書かない

    育児休暇や家族の転勤、派遣・契約社員の場合の任期満了など、やむを得ない事情(育児、介護、家族の転勤など)があって退職した場合はその旨を記しても構いませんが、先方にマイナスな印象を与える可能性がある退職理由については、あえて触れる必要はありません。ただし、面接では質問される可能性が高いため、ポジティブな表現で説明できるよう準備しておくことが重要です。キャリアアップや新たな分野への挑戦など、前向きな理由を伝えられるようにしましょう。

    転職回数が少ない場合の職務経歴書作成のコツは?

    続いては、転職回数が少ない場合の職務経歴書作成のコツですが、転職回数が少ない、もしくは初めての転職の場合に関しては、前述の通り、本来は職務経歴書に盛り込まなくてもよい志望動機欄を設けることで、内容的に充実した職務経歴書に仕上げるといいでしょう。

    ブランクがある場合の職務経歴書作成のコツは?

    ブランクがある場合、志望動機欄に力を入れるのがおすすめです。たとえば、出産・育児が理由で数年間のブランクがあるならその旨を記し、ブランク前に身に着けた知識やスキルをアップデートさせていきながら、転職志望先に貢献したいことをアピールしましょう。

    これは避けたい! 職務経歴書におけるNGとは?

    職務経歴書では、絶対に避けるべきNG項目がいくつかあります。具体的には次の通りです。

  • 誤字・脱字が多い
  • 誤字・脱字を修正ペンなどで消している
  • 枚数が多い
  • 文字が小さい
  • 文章が長い
  • 履歴書とほぼ同じ内容である
  • (異業種への転職の場合)業界用語や専門用語を多用している
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    誤字・脱字が多い

    誤字・脱字が多い職務経歴書は論外です。Wordで作成している場合、自動で校正シテクレルスペルチェック機能を使えば、誤字・脱字、文字の重複などの簡単な誤りはすぐに発見できますが、病院名などの固有名詞に関してはスペルチェック機能ではチェックできないため、間違いがないかどうか自分で繰り返し確認することが大切です。

    誤字・脱字を修正ペンなどで消している

    職務経歴書をプリントアウトした後に誤字・脱字を発見した場合、「パソコンで修正してもう一度プリントアウトするのは面倒だから、修正液で修正しよう」と考えることもあるかもしれませんが、これも絶対にダメ。面倒であっても必ず打ち直して、新たにプリントアウトします。

    また、「間違いに気づいたけど、すぐに面接に行かなければならないから今回は修正液で……」というケースも考えられますが、そうならないように、職務経歴書は早い段階で用意しておくことが肝心です。

    枚数が多い

    職務経歴書は、前述の通り、1~2枚にまとめることが大切です。転職回数が多く、どうしても2枚に収まりきらない場合、多くても3枚以内に留めましょう。そもそも、枚数が多すぎると、アピールしたい部分に目を留めてもらえない可能性があるので、結果的に選考に通らない確率が高くなるかもしれません。そうした事態を防ぐためにも、伝えたい部分が目立つように記し、それ以外はできるだけシンプルにまとめるといいでしょう。

    文字が小さい

    フォントサイズが小さいのも論外です。応募者が20代で、自分にとってはなんら問題なく読めるサイズだと感じていたとしても、特に相手が40代以上の場合、ちゃんと読めない可能性があります。なお、職務経歴書の基本のフォントサイズは10.5ptから11ptが目安とされています 。目立たせたい箇所、アピールしたい箇所に関しては、これよりもサイズの大きいフォントにするか、もしくはアンダーラインをひいたり太字にしたりするといいでしょう。

    文章が長い

    長すぎる文章は、採用担当者から煙たがられます。見出しがなく、だらだらと作文のように続けて書かれていると、それだけで読む気を失くされて当然です。たとえば、一つひとつの職務経歴について、「XX年にXX病院に入職して、XX、XX、XXなどの業務を担当していました」などと文章で伝えようとすると要点が伝わりにくいですが、「1999年:XX病院に入職 【主な担当業務】XX、XX、XX」など、見出しや箇条書きを用いると一気に見やすさがアップします。

    履歴書とほぼ同じ内容である

    先に解説した通り、履歴書と職務経歴書には共通している項目がありますが、それぞれの項目についてうまく書き分けることが必要です。まったく同じ内容のコピペなどは論外です。

    (異業種への転職の場合など)業界用語や専門用語を多用している

    異業種への転職はもちろんのこと、同じ看護業界であっても、たとえば、大規模病院からクリニックへ転職する場合や、専門性の高い分野から一般的なクリニックへ応募する場合など、応募先のスタッフが必ずしも同じ知識レベルや背景を持っているとは限りません。そのため、たとえば「プリセプター制度」は「新人看護師の教育制度」、「コメディカル」は「医師以外の医療従事者」、「アレスト」は「心停止」など、誰にでもわかる言葉に言い換える必要があります。また、応募先の採用担当者が看護師でない場合もあることを考慮しましょう。

    職務経歴書を郵送する場合のマナーは?

    職務経歴書を郵送する場合、次の点に気を付けることが大切です。

  • 履歴書、職務経歴書のほかに添え状を用意する
  • 上から順番に、添え状、履歴書、職務経歴書の順番に封入する
  • 書類に汚れやシワがつかないよう、クリアファイルに入れてから封筒に入れる
  • 封筒の表面左下に赤ペンで「応募書類在中」と記す
  • 郵便料金が不足しないように注意する
  • キャラクターなどの切手は避ける
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    履歴書、職務経歴書のほかに「添え状」を用意する

    履歴書、職務経歴書と併せて先方に郵送する「添え状」(または「送付状」)には、次の項目を記載します。

  • 書類を送付する日付
  • 宛先
  • 自分の住所、連絡先、同封書類
  • また、本文は簡単な時候の挨拶から書き始め、用件および簡単な自己紹介を記し、結語でしめます。具体的には、以下のような本文が望ましいです。

    「求人応募書類送付について

    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

    このたび転職サイトXXに掲載されていました貴医院の求人募集を拝見して、ぜひ応募させていただきたく存じます。

    私は、前職においては脳外科に配属となり、5年間勤務してきました。医師の指示のもと、治療や手術の介助、リハビリテーションのサポートなど多岐にわたって業務に携わってきた経験を活かして、貴医院の発展に貢献したいと考えています。

    つきましては、下記書類を送付させていただきます。ご高覧のうえ、面接の機会をいただけますようお願い申し上げます。

    敬具

    同封書類
    1. 履歴書1 通
    2. 職務経歴書1通
    以上」

    上から順番に、添え状、履歴書、職務経歴書の順番に封入する

    封筒に入れる際は、上から順番に、添え状、履歴書、職務経歴書と重ねてから入れます。

    書類に汚れやシワがつかないよう、クリアファイルに入れてから封筒に入れる

    重ねた書類は、汚れやシワがつかないよう、クリアファイルに入れてから封筒に入れましょう。

    封筒の表面左下に赤ペンで「応募書類在中」と記す

    封筒の表面左下に、赤色のペンで「応募書類在中」と記して、文字を□で囲います。なお、住所は都道府県から記入して、(株)などの略字は避けます。宛名には、病院や会社宛ての場合は「御中」、採用担当者宛ての場合は「様」をつけます。

    郵便料金が不足しないように注意する

    郵便料金の不足は先方にとって大きな迷惑となるので絶対に避けましょう。定形外の手紙の料金は郵便局のサイトで確認できます。

    参照:郵便局「手紙(定形・定形外)の料金計算」

    キャラクターなどの切手は避ける

    履歴書や職務経歴書を送付する際の封筒に、キャラクターものの切手を貼ることは避けたほうがいいとされています。これに関しては、絶対にダメというわけではありませんが、採用担当者によってはネガティブな印象を持つ人もいるようです。

    職務経歴書をメールで送る場合のマナーは?

    続いては、職務経歴書をメールで送る場合のマナーを説明します。職務経歴書をメールで送る場合、次の点に気を付けることが大切です。

  • メール本文に用件を簡潔に記す
  • 作成した職務経歴書はPDFに変換する
  • セキュリティ対策を講じる
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    メール本文に用件を簡潔に記す

    履歴書・職務経歴書をメールに添付して送る場合、件名および本文は次のように記します。

    (例)
    「【件名】
    履歴書・職務経歴書を提出いたします|XX(フルネーム)

    【本文】
    XXX医院
    採用ご担当者様(担当者名がわかる場合は氏名+様)

    お世話になります。XX(フルネーム)と申します。

    求人サイトXXにて貴医院の募集を拝見いたしました。ぜひ応募させていただきたく存じます。
    つきましては、履歴書および職務経歴書を添付させていただきますので、ご査証くださいますようお願い申し上げます。
    ご多用の折、恐れ入りますが、面接の機会をいただけますと幸いです。
    ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。

    氏名
    郵便番号
    住所
    電話番号
    メールアドレス」

    作成した職務経歴書はPDFに変換する

    作成した職務経歴書は、PDFに変換して送付します。Wordなどの文書作成ソフトの形式のまま送ると、レイアウトが崩れたり文字化けしたりする可能性があるだけでなく、第三者によって改ざんされるリスクもあります。また、PDFのファイル名はローマ字の氏名などにするとわかりやすいでしょう。なお、日本語のファイル名にすると文字化けする可能性があるので避けましょう。

    セキュリティ対策を講じる

    クラウドストレージやファイル転送サービスを使用して履歴書や職務経歴書を送付すれば、セキュリティ対策をきちんととっていることが先方に伝わります。

    職務経歴書を手渡しする場合のマナーは?

    職務経歴書を手渡しする場合のマナーは次の3点です。

  • 封筒に入れて持参する
  • 添え状はつけない
  • 渡すときには封筒から出して渡す
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    封筒に入れて持参する

    面接当日に履歴書や職務経歴書を手渡しする場合も、書類をクリアファイルに入れたうえで封筒に入れることが不可欠です。ただし、表面には先方の住所や医療機関名を記さず、左下に赤ペンで「履歴書在中」とだけ書きます。一方、裏面には、郵送するとき同様、自分の住所と氏名、面接を受ける日にちを記します。

    添え状はつけない

    職務経歴書を手渡しする場合、郵送するときのように添え状をつける必要はありません。

    渡すときには封筒から出して渡す

    履歴書と職務経歴書を面接担当者に直接手渡しする場合、クリアファイルに入れた履歴書と職務経歴書をクリアファイルごと封筒から取り出して、相手が読みやすい方向にして両手で手渡しします。なお、このとき封筒はクリアファイルの下に重ねて一緒に渡します。

    履歴書と職務経歴書を受付で渡す場合は、封筒から中身を出さず、封筒ごと、相手が読みやすい向きにして渡します。

    看護師の職務経歴書に関するFAQ

    続いては、看護師の職務経歴書に関するよくある質問とその答えをみていきましょう。

    Q. 職務経歴書は手書きするべき? パソコンでもOK?

    職務経歴書はパソコンで作成するのが理想です。職務経歴書は情報量が多いため、パソコンで打ったほうが見た目に美しく、読みやすいとされています。なお、履歴書は手書きでもパソコンでも構わないとされてはいますが、職務経歴書と一緒に提出する場合、履歴書もパソコンで作成すると統一感があるためキレイです。

    Q. 看護師が転職する際、職務経歴書は必ず提出するもの?

    履歴書の提出のみ求められている場合は、提出しなくても問題ありません。ただし、企業出身の人事担当者が採用に関わるケースや、企業が母体の医療機関などが増えてきていることから、職務経歴書の提出を求められるケースが増えています。

    Q. 退職理由は書かなくてもいいの?

    前述した通り、退職理由は職務経歴書には書く必要はありません。ただし、結婚や出産、介護などのやむを得ない事情があった場合や、派遣社員・契約社員の契約期間が終わった場合などはその旨を記し、体調不良などで退職してブランクがある場合は、「病気療養のため退職(現在は完治)」など、今現在は問題なく働ける状態であることを記します。

    また、転職回数が多い場合は、「キャリアアップを目指すために退職」「美容皮膚科領域の経験を積みたいと考え退職」など、前向きな理由での退職であることを説明するといいでしょう。

    Q. 病院からクリニックに転職する場合の注意点は?

    クリニック、または美容外科などは、病院とは異なり、看護業務以外の事務作業を任されることも多いため、看護業務に専念できる環境にある病院と比べて、パソコンスキルが重視されやすい傾向にあります。そのため、職務経歴書が見やすい状態に整えられているかどうかもチェックされる可能性が高いので、フォントサイズや改行の位置などにも気を配ることがおすすめです。

    また、「CapCutなどの比較的新しめのアプリを使った経験がありますか?」などの質問を通して、ITに明るいかどうかをさりげなく問われることもあります。

    もちろん、注射や血液検査、検体検査、患者対応に関しても柔軟性が求められるので、看護業務に関する知識やスキルもしっかりアピールしましょう。

    Q. 締め切りギリギリの場合は宅配便で送っても問題ない?

    締め切りに間に合わせるために、宅配便や速達で送ることは問題ありません。なお、ギリギリだからと焦って、完成したものをそのまま封筒に入れることなく、必ず完成したもののコピーをとりましょう。面接に進むと、採用担当者から応募書類に基づいて質問されるため、面接前に自分で内容を確認しましょう。

    職務経歴書の精度を上げるために添削サービスを利用するのもおすすめ

    自分の職務経歴書の出来栄えに自信が持てない場合、添削サービスを利用して、さらに魅力的な職務経歴書を目指すのも一手です。転職エージェントを利用して転職する場合、転職エージェントの添削サービスなら無料で請けられますし、ハローワークで仕事を探している場合、ハローワークの専門職員に添削してもらうという方法もあります。また、志望動機や自己PR部分などの文章の遂行であれば、ChatGPTに頼むこともできるので、転職エージェントやハローワークを利用していない場合は試してみてもいいかもしれませんね。

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    無床クリニック向け 在宅向け

    オプション機能

    オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

    提供形態

    サービス クラウド SaaS 分離型

    診療科目

    内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、