法人向けIT製品比較サイト「ITトレンド」にて、毎年発表されている電子カルテメーカーランキングで、今年もトップ10が発表されました。
ランキング入りした電子カルテメーカー、そしてそれぞれの電子カルテの特徴を解説していきます。
- 電子カルテシェアランキング2025【一覧表付き】
- 予約・診察・院内フローまで一元化できる「CLIUS」
- オンプレミス+クラウドのハイブリッド型「Medicom-HRf Hybrid Cloud」
- 通常の4倍スピードで入力可能な「MAPs for CLINIC」
- 「業務効率改善」と「通院負担軽減」の両方を支援する「CLINICSカルテ」
- 自院に合った使い方に調整できる「Qualis Cloud 」「Qualis」
- AI自動学習機能で入力時間を80%削減「エムスリーデジカル」
- 音声入力やタブレットによる手書き入力にも対応「Henry(ヘンリー)」
- 「いつでも・どこでも・だれでも、安心して使える」がコンセプト 一般科・精神科病院向け「blanc」
- 会計確認や書状作成、オンラインレセプト請求など幅広く支援してくれる「m-KARTE」
- セキュリティ体制が万全な「セコム・ユビキタス電子カルテ」
- 電子カルテ導入の際に比較検討したいポイント
電子カルテシェアランキング2025【一覧表付き】
まずは、トップ10にランクインした電子カルテメーカーを一覧表で確認していきましょう。
| 電子カルテ | メーカー | 提供形態 | |
| 1位 | CLIUS(クリアス) | 株式会社Donuts | クラウド |
| 2位 | Medicom-HRf Hybrid Cloud | ウィーメックス 株式会社 | オンプレミス クラウド パッケージソフト ハードウェア サービス |
| 3位 | MAPs for CLINIC | 株式会社 EMシステムズ | クラウド SaaS |
| 4位 | CLINICSカルテ | 株式会社 メドレー | クラウド SaaS |
| 5位 | Qualis Cloud Qualis | 株式会社 ビー・エム・エル | オンプレミス クラウド |
| 6位 | エムスリー デジカル | エムスリーデジカル 株式会社 | クラウド SaaS |
| 7位 | Henry | 株式会社ヘンリー | クラウド SaaS |
| 8位 | blanc | 亀田医療情報 株式会社 | クラウド SaaS |
| 9位 | m-KARTE | 株式会社 LSIメディエンス | パッケージソフト ハードウェア |
| 10位 | セコム・ユビキタス 電子カルテ | セコム医療システム 株式会社 | クラウド/ パッケージソフト/ ASP/サービス |
一時期は、オンプレミス型がクラウド型と同程度ランクインしていたこともありましたが、徐々にランキングの傾向が変化していることがみてとれます。
【ちなみに】
SaaSとは
SaaS(Software as a Service)とは、インターネット経由で利用できるクラウド型のこと。初期費用を抑えられるため、小規模クリニックに向いています。
APSとは
APS(Application Programming Service)も、大枠としてはSaaS同様、医療情報をデジタル化して効率的に管理するためのシステムを指します。
APSは、カスタマイズの自由度が高いという特徴があるため、自院向けに必要なカスタムを行い、情報を自院でしっかり管理できる中規模病院から大規模病院に適しているといえます。
予約・診察・院内フローまで一元化できる「CLIUS」
クリニック向けクラウド型電子カルテ「CLIUS」は、ORCAと連携しているため、受付から診療、会計までのレセプト業務を一元化できます。
また、PC操作に苦手意識のある人でもスムーズに扱えるよう、操作性にこだわって設計されていますが、疑問点などある場合は、サポートセンターに丁寧に対応してもらえます。遠隔操作サポートプランも提供されています。
さらに、オンライン診療や在宅医療にも適していることや、複数医院をまたがった働き方に対応していることも大きなポイント。地域医療との連携もスムーズです。
基本プランの初期費用は20万円、月額利用料は1万2,000円です。
参照: CLIUS
オンプレミス+クラウドのハイブリッド型「Medicom-HRf Hybrid Cloud」
従来のオンプレミス型にクラウドの技術を取り入れたタイプで、院内・院外問わずスムーズに使えます。
また、医療機器や各種検査など、170社以上の他社機器とも連携可能。全国に拠点を有した保守サービス会社の常駐エンジニアによるサポートを受けられる点も、大きなメリットであるといえます。
通常の4倍スピードで入力可能な「MAPs for CLINIC」
画面や設定を柔軟にカスタマイズ可能。1つの設定で複数状況に対応できるセット入力を活用すれば、通常の4倍スピードで入力できます。また、ネットワーク障害の自動検知と常時監視機能を備え、異常を検知すると瞬時に予備回線へ切り替えられるため、万が一の場合にもカルテの利用を継続できます。
初期費用無料、月額利用料20,000円~の手ごろな設定も魅力。
参照: MAPs for CLINIC
「業務効率改善」と「通院負担軽減」の両方を支援する「CLINICSカルテ」
レセプトソフト搭載による受付・診療・会計業務の効率化、経営分析機能搭載による運営のサポートに加えて、診察予約、オンライン診療、アプリでのメッセージ送信、キャッシュレス決済などの多彩な機能によって、患者の通院利便性を向上にも注力しています。
参照: CLINICSカルテ
自院に合った使い方に調整できる「Qualis Cloud 」「Qualis」
オンプレミス型、クラウド型のどちらも選べる電子カルテです。診療所の規模や運用方針に合わせて導入形態を選択できるうえ、カスタマイズの自由度が高いので、自院に合った使い方ができます。専門オペレータによる電話サポート、インストラクターによる導入時の訪問教育、拠点からのフィールドサポートなど、多岐にわたる支援体制も魅力です。
AI自動学習機能で入力時間を80%削減「エムスリーデジカル」
最新AIによる自動学習×シンプルな画面設計によって、カルテ入力時間の大幅な削減を実現しています。オンライン診療や訪問診療などの診療形態にも対応。iPadやスマホでも使える予約機能、会計システムなどとも連携可能で、クリニックのDX化を促進してくれます。
初期費用無料、ORCA連動型:月額11,800円、一体型:月額24,800円
参照: エムスリーデジカル
音声入力やタブレットによる手書き入力にも対応「Henry(ヘンリー)」
音声入力機能や手書き入力機能によって、スムーズなカルテ記入をサポート。各種PACSや検査ツールと連携ができるため、円滑な患者情報の管理が可能です。厚労省が推進する電子カルテ情報共有サービスの規格、HL7 FHIRに対応予定。補助金も適用できます。
参照: Henry(ヘンリー)
「いつでも・どこでも・だれでも、安心して使える」がコンセプト 一般科・精神科病院向け「blanc」
遠隔診療や訪問診療・訪問看護などのシチュエーションにも活用できるクラウド型カルテです。
亀田総合病院を母体とする『亀田医療情報株式会社』が20年以上前に日本で初めてリリースしたweb型電子カルテ「Ecru(エクリュ)」、その後リリースされた「Psyche(プシュケ)」の開発経験に基づいて開発されています。
これまでにいくつもの電子カルテを開発してきたノウハウとMicrosoft Azureのクラウド基盤を融合させて、働き方改革やニューノーマルにも適した次世代のクラウド型電子カルテに昇華させています。
※blancは亀田医療情報株式会社の製品です。JBCC株式会社は亀田医療情報株式会社の正規販売代理店です
会計確認や書状作成、オンラインレセプト請求など幅広く支援してくれる「m-KARTE」
富士通の診療所向け電子カルテシステムと、LSIメディエンスの医療情報サービスの連携によって生まれた電子カルテです。診療報酬改正や制度改正にも迅速に対応できるよう、サポート体制が整えられているほか、過去カルテの参照や保険請求、検査連携機能なども充実しています。
参照: m-KARTE
セキュリティ体制が万全な「セコム・ユビキタス電子カルテ」
セコムグループのITセキュリティ技術によって守られたクラウドで提供される電子カルテです。IP-VPN回線でセキュアにつながる、セコム専用回線ネットワーク「ヘルスケアネット」が採用されているため、災害時対策も万全。
毎日、院内のパソコンにバックアップがコピーされるため、ネットワークが完全に断絶した場合でも、診療をストップさせずに済みます。
参照: セコム・ユビキタス電子カルテ
電子カルテ導入の際に比較検討したいポイント
電子カルテを導入する際は、「自院の運用と相性がいいか」を主軸としつつ、さまざまな要素を比較検討することが大切です。
主な要素としては、
- 使い勝手のよさ
- 画面の見やすさ
- ランニングコスト
- レセプト一体型またはレセプト連携が可能であるか
- サポート体制が十分か
- 他システムと連携可能か
などが挙げられます。
これらを比較して、目ぼしいものを絞り込んだら、さらにその後、無料トライアルやデモの利用も大切です。
特設サイトの説明や口コミを読んで、「使いやすいに違いない」と感じたとしても、実際に触ってみると、自分にとっては使いにくかったということもあり得るので、導入前には必ず自身でも操作してみてくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2025年10月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
他の関連記事はこちら
