高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病は、クリニックの外来で最も多く扱う疾患です。その管理を評価する「生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)」は、内科系クリニックの経営に直結する重要な点数。しかし、療養計画書の作成負担や(Ⅰ)(Ⅱ)の使い分けに悩む声も少なくありません。
2026年(令和8年度)の改定では、この生活習慣病管理料にも見直しが入りました。この記事では、(Ⅰ)(Ⅱ)の違い、療養計画書のポイント、そして日々の業務を効率化するコツを整理します。
※本記事は2026年改定に関する一般的な解説です。算定要件は疑義解釈等で変わる可能性があるため、実際の算定・届出時は最新の告示・通知をご確認ください。
生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い
まず押さえたいのが、(Ⅰ)と(Ⅱ)の基本的な違いです。
- 生活習慣病管理料(Ⅰ):検査などを含む「包括」的な評価。点数が高い分、要件も手厚い
- 生活習慣病管理料(Ⅱ):検査等は出来高で算定する「非包括」型。(Ⅰ)より運用しやすい
どちらを選ぶかは、自院の診療内容や検査の頻度によって変わります。検査を院内で多く行う場合は(Ⅰ)が有利になることもあれば、外注検査が中心なら(Ⅱ)が扱いやすいこともあります。患者さんごとの診療パターンをふまえて選択することが大切です。
2026年改定の主な変更点
今回の改定で、実務に影響する見直しがいくつか行われました。
1. 療養計画書の患者署名が廃止
これまで療養計画書には患者さんの署名が必須でしたが、負担軽減の観点から署名が不要になりました。ただし、これは「作らなくてよい」という意味ではありません。療養計画書の作成・交付・説明と同意の取得は引き続き必要です。
2. 生活習慣病管理料(Ⅰ)に血液検査の要件
生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定要件に、6か月に1回以上の血液検査が盛り込まれました。定期的な検査の実施と、その記録が求められます。
3. 併算定の一部緩和
糖尿病を主病とし在宅自己注射指導管理料(C101)を算定している場合について、一定の条件のもとで同時算定が可能になるなど、併算定のルールが一部緩和されました。
4. 長期処方・リフィル処方箋に関する掲示要件
生活習慣病管理料を算定するクリニックでは、患者の状態に応じた「28日以上の長期処方」または「リフィル処方箋の発行」に対応が可能である旨を、院内に掲示(およびウェブサイト等への掲載)することが求められます。自院の運用体制をあらかじめ整理し、患者さんへ説明できるようにしておくことが重要です。
療養計画書のポイント
療養計画書は、患者さんと治療方針を共有し、生活習慣の改善を支援するための書類です。署名は不要になりましたが、次の点は引き続き重要です。
- 血圧・血糖・体重などの目標値を、患者さんと一緒に設定する
- 食事・運動・服薬など、具体的な指導内容を記載する
- 内容を患者さんに説明し、同意を得たうえで交付する
「形だけ作る」のではなく、患者さんの行動変容につながる計画を立てることが、本来の目的です。とはいえ、毎回ゼロから作成していては、現場の負担は膨らむ一方です。
また、療養計画書は「初回」と「継続(2回目以降)」で運用が異なります。初回は詳細な目標設定や指導内容の記載が必要ですが、継続時は患者の状態に大きな変更がない場合、記載項目を簡略化することが可能です。毎回すべての項目を一から作成する必要はないため、継続用の運用ルールを院内で統一しておくと効率的です。
業務を効率化する3つの工夫
療養計画書の作成を、無理なく続けるための工夫を紹介します。
1. テンプレート化する
疾患別・患者パターン別に療養計画書のひな型を用意しておけば、毎回の入力が最小限で済みます。よく使う指導文言をあらかじめ登録しておくと、さらにスピードが上がります。
2. 役割分担を決める
医師がすべてを書く必要はありません。基本情報や定型部分は医療事務や看護師が準備し、医師は方針の確認と説明に集中する。役割を分けることで、診療全体の流れがスムーズになります。
3. 検査スケジュールを管理する
(Ⅰ)を算定する場合、6か月に1回以上の血液検査を漏れなく実施する必要があります。患者さんごとの検査時期を管理し、算定漏れや要件未達を防ぎましょう。
電子カルテで療養計画書はここまでラクになる
これらの効率化を大きく後押しするのが、電子カルテの活用です。テンプレート機能を使えば、患者情報を引き継いだ状態で療養計画書を数クリックで作成でき、セット登録した検査や処方をまとめて指示することもできます。検査時期のリマインドを設定すれば、要件の管理も安心です。
クラウド電子カルテCLIUS(クリアス)公式ページは、カルテテンプレートやセット登録で、生活習慣病管理料に伴う書類作成・指示業務の効率化をサポートします。「療養計画書の作成が毎回大変」「算定漏れが心配」——そんな課題を感じているクリニックは、資料請求で具体的な使い方を確認してみてください。
まとめ
2026年改定における生活習慣病管理料のポイントは次のとおりです。
- (Ⅰ)は包括・高点数、(Ⅱ)は非包括で運用しやすい。自院の診療に合わせて選択
- 療養計画書の患者署名は廃止。ただし作成・説明・交付は引き続き必要
- (Ⅰ)には6か月に1回以上の血液検査要件
- テンプレート化・役割分担・検査管理で、負担を抑えつつ算定漏れを防ぐ
制度を正しく理解し、電子カルテで運用を効率化すれば、生活習慣病管理料は「負担の大きい書類仕事」から「無理なく算定できる収益の柱」へと変えられます。
よくある質問(FAQ)
Q. 生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)はどちらが得ですか?
A. 一概には言えません。院内検査が多いなら包括の(Ⅰ)、外注検査が中心なら(Ⅱ)が扱いやすい傾向です。自院の診療パターンで比較しましょう。
Q. 2026年改定で療養計画書の署名は本当に不要になったのですか?
A. 患者署名は廃止されました。ただし、作成・説明・交付と同意取得は引き続き必要です。「作らなくてよい」ではない点に注意してください。
Q. (Ⅰ)の血液検査は必ず6か月ごとに必要ですか?
A. (Ⅰ)の算定要件として、6か月に1回以上の血液検査が求められます。実施忘れが要件の未達につながるため、検査時期の管理が重要です。
Q. 特定疾患療養管理料との違いは?
A. 対象疾患や算定ルールが異なり、併算定できない組み合わせもあります。最新の告示で対象疾患・併算定の可否を確認しましょう。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
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