偏在とは?医師偏在指標の仕組みと、2026年4月から始まる対策パッケージの中身

医療政策の文脈で「偏在」という言葉が出てくるとき、それはほぼ医師偏在を指しています。医師の数そのものは増え続けているのに、地域や診療科によって不足感が解消されない——この状態を表す言葉です。

そして2026年4月から、この偏在の是正に向けた対策が段階的に施行されます。新規開業のルールにも関わる内容であり、開業を検討している医師にとっては制度の理解が実務に直結します。

本記事では「偏在」という言葉の意味と、それを測る医師偏在指標の仕組み、そして2026年からの対策パッケージの中身を整理します。

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目次
  1. 偏在とは何か
    1. 「足りない」ではなく「偏っている」
  2. 医師偏在指標の仕組み
    1. 何を測っているのか
    2. 少数区域・多数区域という区分
  3. 2026年4月から始まる対策パッケージ
    1. 総合的な対策パッケージの3本柱
    2. 開業を考えている医師への実務的な意味
  4. 診療科偏在という別の軸
  5. よくある質問
    1. Q. 偏在とはどういう意味ですか?
    2. Q. 医師偏在指標はどこで確認できますか?
    3. Q. 医師の数は足りているのですか?
    4. Q. 外来医師多数区域では開業できなくなりますか?
    5. Q. 対策はいつから始まりますか?
  6. まとめ

偏在とは何か

「足りない」ではなく「偏っている」

偏在(へんざい)とは、あるものが特定の場所や領域に偏って存在している状態を指す言葉です。医療の文脈では、医師の分布が地域間・診療科間で偏っていることを意味します。

ここが「医師不足」との決定的な違いです。日本の医師数は増加を続けています。 それでも地方や特定の診療科で不足感が続くのは、総数の問題ではなく分布の問題だからです。

偏在には2つの軸があります。

  • 地域偏在 — 都市部に集中し、地方や医師少数区域で不足する
  • 診療科偏在 — 特定の診療科に志望が集中し、他が不足する

対策の設計が難しいのは、医師には職業選択と居住地選択の自由があるためです。強制的な配置ができない以上、指標で可視化し、インセンティブと一定の規律で誘導するというアプローチが取られてきました。

医師偏在指標の仕組み

何を測っているのか

医師偏在指標とは、医師の地域間・診療科間の相対的な偏りを測るための指標です。単純な人口10万人あたりの医師数ではなく、地域ごとの医療需要の違いを踏まえて算出されます。

考慮される要素には、次のようなものがあります。

  • 人口構成(年齢によって医療需要が異なる)
  • 医師の性別・年齢構成(勤務時間の実態が異なる)
  • 患者の流出入(隣接地域から患者が来る/出ていく)
  • 地理的条件(へき地・離島などのアクセス)

単に人数を数えるのではなく、「その地域が必要とする医療に対して医師が足りているか」を相対的に評価する——これが指標の考え方です。

少数区域・多数区域という区分

この指標に基づいて、二次医療圏などの単位で地域が区分されます。

  • 医師少数区域 — 指標が低い。医師確保を優先的に進めるべき地域
  • 医師多数区域 — 指標が高い。医師が相対的に充足している地域

さらに外来医療については、外来医師多数区域という別の区分も設けられています。診療所の開業状況を踏まえた区分で、これが新規開業のルールに関わってきます。

2026年4月から始まる対策パッケージ

総合的な対策パッケージの3本柱

「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」が策定され、2026年4月から段階的に施行されます。柱は3つです。

1. 重点医師偏在対策支援区域の設定と経済的インセンティブ

医師確保を優先的・重点的に進めるべき地域を重点医師偏在対策支援区域として選定します。各都道府県で医師偏在指標が最も低い二次医療圏など、約100区域が候補として提示されています。

これらの区域では、手当の上乗せなど経済的インセンティブによって医師の確保を図る設計です。

2. 中堅医師の再配置支援

臨床研修の広域連携や、リカレント教育を通じた中堅医師の再配置支援が盛り込まれています。若手だけでなく全世代の医師に協力を求めるという方向が示されています。

3. 外来医師過多区域での新規開業規律

診療所の開業に直接関わるのがこの部分です。

外来医師が過剰な地域で新規開業する場合、「地域で不足する機能」を担うことを求められ、従わない場合には一定のペナルティが科される仕組みが導入されます。具体的には次のような措置が示されています。

  • 要請 — 地域で不足する機能を担うよう求める
  • 勧告 — 要請に応じない場合
  • 公表 — 勧告にも従わない場合
  • 保険医療機関の指定期間の短縮

「地域で不足する機能」には、初期救急への対応、在宅医療、公衆衛生(学校医・産業医・予防接種)などが想定されています。

開業を考えている医師への実務的な意味

開業予定地が外来医師多数区域かどうかで、準備すべきことが変わります。

多数区域であれば、開業計画の段階から「地域で不足する機能をどう担うか」を織り込んでおく必要があります。これは制約であると同時に、在宅や予防接種、産業医など、他院と差別化できる領域に最初から踏み込む機会でもあります。

実務的な対応については、外来医師過多区域に指定されたクリニックがすべき経営判断でも扱っています。

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診療科偏在という別の軸

地域偏在と並ぶもう一つの軸が診療科偏在です。こちらへの対策の中心は、専攻医の採用数に上限を設けるシーリングです。

2026年度のシーリング運用では、医師少数区域への指導医派遣実績を加算に反映する方向が強まっています。都市部を一律に絞る段階から、地方への貢献度に応じて枠を配分する段階へと設計が動いています。

シーリングは専攻医の採用数そのものを制限する仕組みであり、地域偏在対策のなかでも最も直接的な手段のひとつです。

よくある質問

Q. 偏在とはどういう意味ですか?

あるものが特定の場所や領域に偏って存在している状態を指します。医療では医師の分布が地域間・診療科間で偏っていることを意味し、「医師不足」とは区別されます。

Q. 医師偏在指標はどこで確認できますか?

厚生労働省が公表しており、都道府県の医療計画や医師確保計画の中でも示されています。自院の所在地・開業予定地の二次医療圏がどの区分かは、都道府県の医療計画で確認できます。

Q. 医師の数は足りているのですか?

総数としては増加を続けています。それでも不足感が解消しないのは、分布の偏りと、診療科ごとの需給のずれによるものです。「総数が足りているか」と「必要な場所に必要な数がいるか」は別の問題として議論されています。

Q. 外来医師多数区域では開業できなくなりますか?

開業自体が禁止されるわけではありません。地域で不足する機能を担うことを求められ、応じない場合に要請・勧告・公表・保険医療機関の指定期間短縮といった措置が想定されています。

Q. 対策はいつから始まりますか?

2026年4月から段階的に施行されます。開業計画がこの時期に重なる場合は、予定地の区分と求められる機能を早めに確認しておくことをおすすめします。

まとめ

偏在とは「偏って存在している状態」を指す言葉で、医療では医師の地域間・診療科間の偏りを意味します。医師数そのものは増えており、問題は総数ではなく分布にあります。

これを測るのが医師偏在指標です。人口構成・患者の流出入・地理的条件などを踏まえ、地域の医療需要に対して医師が足りているかを相対的に評価します。

そして2026年4月から総合的な対策パッケージが段階的に施行されます。重点医師偏在対策支援区域(約100区域)への経済的インセンティブ、中堅医師の再配置支援、そして外来医師過多区域における新規開業規律の3本柱です。

診療所の立場で最も直接的に影響するのは3つ目です。開業予定地の区分を確認し、求められる機能を計画に織り込む——この準備を早い段階で始めておくことが、制度変更を制約ではなく差別化の起点に変えます。


参考
- 厚生労働省「医師偏在対策について」
- 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、