「医員」は求人票や病院の組織図で頻繁に見かけるが、法律で定義された資格名ではない。各病院が独自に定めた職位の呼称であり、同じ「医員」でも施設によって指す範囲が違う。
この記事では、医員がどの位置にある呼称なのか、そして求人票で見たときに何を確認すべきかを整理する。
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医員は「職位」であって資格ではない
医師の資格は医師免許ひとつで、そのうえに専門医・指導医といった学会認定が乗る。医員・医長・部長といった呼称は、病院が内部の序列を表すために就業規則で定めているものである。
したがって、次のことが起きる。
- A病院の医員とB病院の医員で、任される範囲が違う
- 同じ経験年数でも、病院によって呼称が変わる
- 医員に相当する立場が「常勤医」「診療医」と呼ばれている病院もある
呼称を横並びで比較しても意味がない。見るべきは、その職位に紐づく業務範囲と給与テーブルである。
一般的な並び方
多くの病院で、医師の職位はおおよそ次の順に並ぶ。
| 職位 | 位置づけ |
|---|---|
| 研修医(初期) | 臨床研修中 |
| 医員(レジデント・専攻医を含むことが多い) | 一人で外来・病棟を担当し始める層 |
| 副医長・医長 | 診療グループを束ねる |
| 部長・診療科長 | 診療科の責任者 |
| 副院長・院長 | 病院運営 |
医員は「独り立ちしたが、まだ管理職ではない」層を指すことが多い。年次でいえば卒後3年目以降、専門医取得前後がボリュームゾーンになる。
なお大学病院では、教員としての職位(助教・講師・准教授・教授)と、診療上の職位が別建てになっている。「医員」は教員ポストに就いていない診療従事者を指す使われ方が多く、助教とは任用の根拠そのものが違う。
求人票で医員を見たときに確認する3点
① 常勤か、有期か
医員は有期雇用(1年更新)で運用している病院が多い。契約期間、更新回数の上限、更新の判断基準を確認する。「医員として採用」とだけ書かれている求人は、期間の定めを必ず問い合わせる。
② 当直・オンコールの回数
医員層は当直の割り当てがもっとも多い。月何回か、オンコールの待機手当はいくらか、呼び出し時の手当はどうなるかまで確認する。手当が収入に占める比率が高い層なので、ここが実質の年収を決める。
③ 昇任の要件
医長への昇任が、年次で自動的に上がるのか、ポストが空いたときだけなのかは病院によって違う。ポスト依存の病院では、上が詰まっていると何年いても職位が変わらない。
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医員の期間に何を積むか
医員でいる時期は、その後のキャリアの選択肢を決める材料が集まる期間である。
- 症例の幅——専門を固める前に、どこまで広く診たか
- 専門医・指導医の要件——必要症例数と勤務先の要件を満たせているか
- 外来を持つ経験——継続的に患者を診る経験は、開業を考えるときに直接効く
- 他職種との調整——看護・リハ・事務との段取りは、管理職になってから学ぶには遅い
医長以降は管理業務の比率が上がる。手を動かして症例を積める期間は、医員のうちが最後になることが多い。
開業を視野に入れるなら見ておくこと
医員の時期に開業を意識するなら、診療そのものとは別の情報を意識して見ておくと後で効く。
- 自分の外来に何人来て、そのうち何人が再診に戻ってくるか
- 予約・受付・会計がどう回っているか——待ち時間はどこで生まれているか
- レセプトで査定されやすい項目は何か
- 紹介元・紹介先との関係がどう作られているか
これらは勤務医のうちは「事務の仕事」に見えるが、開業した瞬間に自分の仕事になる。医員の期間に外来を持てるなら、患者の流れを数字で見る癖をつけておくと、事業計画の精度が変わる。
まとめ
- 医員は法律上の資格ではなく、病院ごとに定めた職位の呼称
- おおよそ「独り立ちしたが管理職ではない」層を指し、卒後3年目以降が中心
- 大学病院では助教などの教員ポストとは任用の根拠が違う
- 求人票では雇用期間・当直の回数と手当・昇任の要件の3点を確認する
- 症例と外来経験を積める最後の期間になりやすい
呼称の比較ではなく、その職位で何を任され、いくら支払われ、次にどう上がるかを確認することが、判断の土台になる。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
