レセプトの返戻、電子カルテの初期設定、オンライン資格確認の登録。
どれも「医療機関コードを入れてください」から始まります。
普段は自動で入っているので意識しませんが、この10桁が1桁でも違うと請求が通りません。
移転や法人化のときに番号が変わることも、知らないまま手続きを進めると事故になります。
この記事では、10桁の意味、自院の番号の調べ方、そして番号が変わる場面を整理します。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
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医療機関コードは3つのブロックに分かれている
医療機関コード(正式には保険医療機関番号、医療機関等コードとも呼ばれます)は10桁です。
内訳は次のとおりです。
| 位置 | 桁数 | 意味 |
|---|---|---|
| 1〜2桁目 | 2 | 都道府県番号 |
| 3桁目 | 1 | 点数表番号(医科・歯科・調剤の区分) |
| 4〜10桁目 | 7 | 医療機関ごとの番号(うち末尾1桁は検証用) |
都道府県番号は、東京都なら13、大阪府なら27、福岡県なら40です。
先頭2桁を見るだけで、どこの都道府県の指定を受けた機関かが分かります。
点数表番号は、医科が1、歯科が3、調剤が4です。
処方箋に書かれた発行元コードの3桁目が1なら医科の医療機関、
薬局からのレセプトなら4、という具合に区別されています。
残りの7桁のうち、最後の1桁はチェックデジット(入力ミスを検出するための計算値)です。
桁を打ち間違えるとシステム側で弾かれるのは、この仕組みが働いているためです。
番号は「保険医療機関の指定」を受けた時点で決まる
医療機関コードは、開設の届出とは別に、地方厚生局に保険医療機関の指定を申請したときに付与されます。
開業までの流れで言うと、順序は次のようになります。
- 保健所へ診療所開設届(開設後10日以内)
- 地方厚生局へ保険医療機関指定申請
- 指定通知書が届き、そこに医療機関コードが記載されている
つまり、保健所の手続きだけでは番号は出ません。
自由診療のみで保険診療をしない場合、そもそも医療機関コードは付与されません。
指定申請には締切があり、多くの地方厚生局では毎月10日前後を翌月1日指定の期限としています。
これを逃すと保険診療の開始が1か月ずれるため、内装工事や採用のスケジュールに直接響きます。
自院の番号を調べる3つの方法
手元の書類が見当たらないときは、次の順で探すのが早いです。
1. 指定通知書を見る
地方厚生局から届いた「保険医療機関指定通知書」に記載されています。これが原本です。
2. 地方厚生局の公表リストで確認する
各地方厚生局が管轄区域内の保険医療機関の一覧を公表しています。
所在地・名称・コードが載っているため、名称で検索すれば確認できます。
3. 自院の発行済み書類から拾う
処方箋の発行元欄、レセプトの医療機関欄、明細書の control 情報に入っています。
ただし転記ミスの可能性があるので、正式な確認は1か2で行ってください。
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番号が変わる場面がある
ここが実務でいちばん問題になります。
医療機関コードは、一度取ったら一生同じ番号とは限りません。
変わる可能性があるのは、次のような場面です。
- 移転:同じ都道府県内でも、いったん廃止して新規指定になるケースがある
- 開設者の変更:個人開設から医療法人へ切り替えたとき(法人化)
- 承継:親子間の承継でも、開設者が変わる以上は新規指定の扱いになることがある
- 診療科の区分が変わる:医科から歯科への変更など、点数表番号が動く場合
法人化と承継はとくに注意が必要です。
開設者が変わると、法律上は「前の診療所を廃止し、新しい診療所を開設した」扱いになります。
そのため保険医療機関の指定も取り直しになり、番号が新しくなることがあります。
番号が変わると、次のものをすべて差し替える必要があります。
- 電子カルテ・レセコンの医療機関設定
- オンライン資格確認・電子処方箋の登録情報
- 各種加算の施設基準の届出
- 処方箋・明細書の印字設定
- 検査会社や薬局との連携設定
差し替え漏れがあると、返戻の山が翌々月に届きます。
承継や法人化を予定しているなら、切り替え日をまたぐレセプトをどちらの番号で出すのかを、
事前に厚生局と確認しておくと安全です。
実務でコードを使う場面は思ったより多い
日常業務では、次のような場面で入力を求められます。
- レセプト請求(オンライン請求システムへのログインを含む)
- オンライン資格確認・マイナ保険証の運用
- 電子処方箋管理サービスへの登録
- 各種補助金・交付金の申請
- 医療機関等情報支援システム(G-MIS)への報告
- 検査委託や地域連携システムの登録
電子カルテを新しく入れるとき、初期設定でこの10桁を入力します。
ここを誤ると、テスト請求の段階でエラーになります。
導入時のチェックリストに「医療機関コードの照合」を1行入れておくと、後戻りを防げます。
よくある質問
Q. 医療機関コードと医療機関番号は違うものですか。
呼び方の違いで、指すものは同じです。地方厚生局の書類では「保険医療機関番号」、
レセプト関連のシステムでは「医療機関等コード」と表記されることが多くなっています。
Q. 番号の頭に都道府県番号が付いているということは、県外へ移転したら必ず変わりますか。
はい。都道府県が変われば先頭2桁が変わるため、番号は必ず新しくなります。
移転先の地方厚生局へ改めて指定申請が必要です。
Q. 廃止した診療所の番号は、他の医療機関に再利用されますか。
再利用の運用は地方厚生局の管理によります。
自院として重要なのは、廃止後もレセプトの返戻や過誤調整が旧番号で届く期間があるという点です。
廃止から数か月は、旧番号あての郵便を受け取れる状態にしておいてください。
Q. 自由診療だけのクリニックにも番号はありますか。
保険医療機関の指定を受けていなければ付与されません。
将来的に保険診療を始める場合は、その時点で指定申請を行います。
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まとめ
医療機関コードは、都道府県2桁・点数表1桁・機関番号7桁の10桁です。
保険医療機関の指定を受けた時点で決まり、指定通知書に記載されています。
実務上いちばん重要なのは、移転・法人化・承継で番号が変わり得るという点です。
番号が変わると、電子カルテからオンライン資格確認まで、
登録し直すものが一気に増えます。
開設者や所在地を動かす計画があるなら、
番号の切り替え時期と、切り替えをまたぐレセプトの扱いを先に確認しておくことをおすすめします。
参考
- 厚生労働省「保険医療機関・保険薬局の指定申請等」
- 各地方厚生局「管轄区域内の保険医療機関・保険薬局の一覧」
- 医療法(診療所の開設届・廃止届)
- 健康保険法(保険医療機関の指定)
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
