標榜診療科の決め方|自由に名乗れる科と、許可がいる科の境界線

開業や増床のときに必ず通るのが、何科を掲げるかという判断である。ここには自由に決められる部分と、法令が枠を決めている部分が混在している。

境界を知らないまま看板やWebサイトを作ると、後から表示を直すことになる。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

目次
  1. 標榜できる科名は法令が決めている
  2. 政令が定める科名の構造
    1. ① 単独で使える基本の科名
    2. ② ①と組み合わせて作れる科名
    3. 組み合わせの3つのルール
  3. 「不合理な組み合わせ」で引っかかる
  4. 標榜と専門医は別物
  5. 標榜を決めるときの実務
    1. ① 診療の実態と合っているか
    2. ② 変更の手続き
    3. ③ 変更したときに直すもの
    4. ④ 患者から見た検索のされ方
  6. よくある質問
    1. 政令にない診療科名を掲げたいときはどうしますか。
    2. 掲げた科の専門医である必要はありますか。
    3. 組み合わせが認められるか分からないときは。
    4. 標榜を追加する手続きはどこで行いますか。
  7. まとめ
  8. 出典

標榜できる科名は法令が決めている

医療法第6条の6は、標榜できる診療科名を次の2つに限っている。

  1. 政令で定める診療科名
  2. それ以外で、当該診療に従事する医師が厚生労働大臣の許可を受けたもの

つまり「好きな名前を掲げる」ことはできない。政令にない名前を使いたい場合は、厚生労働大臣の許可という別の手続きが必要になる。

🔴 許可を受けた科名を広告するときは、その許可を受けた医師の氏名も併せて広告しなければならない(医療法第6条の6第4項)。科名だけを出すことはできない。

政令が定める科名の構造

医療法施行令第3条の2は、医業の診療科名を次のように定めている。

① 単独で使える基本の科名

  • 内科
  • 外科
  • 精神科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、病理診断科、臨床検査科、救急科

② ①と組み合わせて作れる科名

①の科名に、次の4区分の語を組み合わせて名乗ることができる。

区分
(a) 身体・臓器の名称 頭頸部、胸部、腹部、呼吸器、消化器、循環器、気管食道、肛門、血管、心臓血管、腎臓、脳神経、神経、血液、乳腺、内分泌、代謝
(施行規則でさらに細分:頭部、頸部、気管、気管支、肺、食道、胃腸、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆のう、膵臓、心臓、脳、脂質代謝 など)
(b) 患者の性別・年齢 男性、女性、小児、老人(周産期、新生児、児童、思春期、老年 など)
(c) 診療方法・分野 整形、形成、美容、心療、薬物療法、透析、移植、光学医療、生殖医療、疼痛緩和
(d) 疾患の名称 感染症、腫瘍、糖尿病、アレルギー疾患(性感染症、がん など)

組み合わせの3つのルール

厚生労働省の資料は、次のように整理している。

  1. (a)〜(d)の異なる区分の語は、そのままつなげて使える
  2. 同じ区分の語を複数使う場合は「・」などで区切る必要がある
  3. 「不合理な組み合わせ」は不可(医学的知見および社会通念に照らして不合理となるものとして厚生労働省令が定める)

つまり「消化器内科」「小児外科」「呼吸器内科」のような名称は、この構造から生まれている。自由に作っているのではなく、政令が用意した部品の組み合わせである。

「不合理な組み合わせ」で引っかかる

3つ目のルールが実務で最も問題になる。区分の語をつなげられるからといって、何でも作れるわけではない。

医学的知見と社会通念に照らして不合理と判断される組み合わせは、厚生労働省令で除外されている。部品として存在する語でも、組み合わせた結果が認められないことがある。

判断に迷う組み合わせを考えている場合は、看板やWebサイトを制作する前に保健所へ確認する。制作後に指摘を受けると、看板・診察券・処方箋の様式・Webサイトのすべてを直すことになる。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

標榜と専門医は別物

よくある誤解が、標榜と専門医資格の混同である。

標榜診療科 専門医
根拠 医療法・医療法施行令 学会・日本専門医機構の認定
要件 その科の専門医であることは要件ではない 研修・試験・更新
何を示すか その医療機関が掲げる診療科 医師個人の資格

標榜科名は、医師がその科の専門医であることを求めていない。 ここが患者側の認識とずれる部分でもある。

なお、専門医資格を広告できるかどうかは医療広告規制の別の論点になる。広告可能な資格は限定されているため、標榜とは分けて確認する。

標榜を決めるときの実務

① 診療の実態と合っているか

掲げた科は、実際にその診療を行える体制があることが前提になる。実態のない標榜は、医療広告の観点でも問題になりうる。

② 変更の手続き

診療科名は開設届・変更届の記載事項である。標榜を追加・変更する場合、保健所への届出が必要になる。取扱いは自治体により異なるため、管轄の保健所に確認する。

③ 変更したときに直すもの

標榜を変えると、次を全部直すことになる。

  • 看板・サイン
  • Webサイト(トップ、診療案内、フッター)
  • 診察券
  • 処方箋・各種様式
  • 地図アプリ・各種掲載情報
  • 院内掲示

「Webサイトだけ直して掲載情報が古いまま」という状態が起きやすい。変更時はリストで潰す。

④ 患者から見た検索のされ方

標榜科名は、患者がその科を探すときの検索語と直結する。組み合わせを増やすほど網は広がるが、実態を伴わない標榜は信頼を損なう

診療の実態、地域の需要、既存の競合の3つで判断する。

よくある質問

政令にない診療科名を掲げたいときはどうしますか。

医療法第6条の6により、厚生労働大臣の許可が必要です。また、許可を受けた診療科名を広告する場合は、許可を受けた医師の氏名を併せて広告する義務があります(同条第4項)。

掲げた科の専門医である必要はありますか。

標榜診療科の要件として、その科の専門医であることは求められていません。ただし診療の実態を伴うことが前提です。

組み合わせが認められるか分からないときは。

医学的知見および社会通念に照らして不合理な組み合わせは、厚生労働省令により除外されています。判断に迷う場合は、看板やWebサイトの制作前に管轄の保健所へご確認ください。

標榜を追加する手続きはどこで行いますか。

診療科名は開設届・変更届の記載事項です。取扱いは自治体により異なるため、管轄の保健所にご確認ください。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

まとめ

標榜診療科は、次の枠組みで決まっている。

  1. 政令が定める科名か、厚生労働大臣の許可を受けた科名のいずれかしか掲げられない
  2. 内科・外科などの基本の科名に、4区分(身体・臓器/性別・年齢/診療方法/疾患)の語を組み合わせて作る
  3. 異なる区分はそのままつなげられ、同じ区分は「・」で区切る
  4. 不合理な組み合わせは不可

そして許可科名を広告する場合は、医師の氏名を併記する義務がある。

実務で効くのは、迷う組み合わせを制作前に保健所へ確認することである。看板・診察券・様式・掲載情報まで作った後では、直す範囲が一気に広がる。

出典

  • 医療法 第6条の5、第6条の6
  • 医療法施行令 第3条の2
  • 厚生労働省 医政局総務課「標榜診療科名について」(第6回 医道審議会医道分科会 診療科名標榜部会 資料1・令和7年9月4日)

※ 本記事は2026年9月時点の情報にもとづきます。届出の取扱いは自治体により異なるため、管轄の保健所にご確認ください。

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、