特定保険医療材料のレセプトの書き方|点数の出し方・摘要欄の記載順・在宅で支給した場合

特定保険医療材料は、手技料とは別に費用を請求できる医療材料で、品目ごとの価格が材料価格基準(厚生労働省告示)で決められています。ガーゼや包帯のような一般の衛生材料は手技料に含まれるため、別に請求できるのは材料価格基準に載っているものだけです。

この記事では、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)後の記載要領と材料価格基準に沿って、点数の出し方、摘要欄の書き方、在宅で支給した場合の書き方、追加の記載が必要な材料を整理します。

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目次
  1. 特定保険医療材料の点数の出し方
  2. 摘要欄の記載順
  3. 在宅で支給した場合の書き方
  4. 摘要欄に追加の記載が必要な材料
  5. 請求できない材料と、記載でつまずきやすい点
  6. よくある質問
    1. 特定保険医療材料の点数は切り上げか四捨五入か
    2. 商品名を書かずに告示名だけでよいか
    3. 同じ材料を処置でも使い、在宅用にも渡した場合はどう書くか
  7. まとめ
  8. 参考

特定保険医療材料の点数の出し方

点数は「材料価格を10円で除して得た点数」です。特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項通知で、端数が生じた場合は四捨五入すると定められています。薬剤とは端数の扱いが違うので、ここを取り違えると1点ずつずれます。

項目 特定保険医療材料 薬剤(C200、J300など)
計算式 材料価格÷10 (薬価−15円)÷10 に1点を加算
端数 四捨五入 1点未満を切り上げ
算定しない場合 材料価格基準に載っていない材料 薬価が15円以下

計算例をいくつか挙げます。価格は令和8年告示第73号の材料価格基準によるものです。

材料(機能区分) 材料価格 使用量 金額 点数
皮膚欠損用創傷被覆材(皮下組織に至る創傷用・標準型) 1㎠当たり10円 50㎠ 500円 50点
皮膚欠損用創傷被覆材(真皮に至る創傷用) 1㎠当たり6円 25㎠ 150円 15点
皮膚欠損用創傷被覆材(皮下組織に至る創傷用・異形型) 1g当たり35円 3g 105円 11点(10.5を四捨五入)
非固着性シリコンガーゼ(平坦部位用) 142円 1枚 142円 14点(14.2を四捨五入)

点数表の区分番号は、どの部で使ったかで変わります。同じ材料でも、処置で使えばJ400、在宅で支給すればC300です。

使った場面 区分番号
医学管理等 B200
在宅医療 C300
第3部(検体・生体・内視鏡など) D600
画像診断 E401(フィルムはE400)
投薬 F300
注射 G200
処置 J400
手術 K950
麻酔 L300
放射線治療 M200

摘要欄の記載順

記載要領では、特定保険医療材料を使った場合の摘要欄の書き方が決まっています。材料は次の5つをこの順で書きます。

  1. 商品名
  2. 告示の名称または通知の名称(かっこ書き)
  3. 規格またはサイズ
  4. 材料価格
  5. 使用本数または個数

処置や手術の単位では、処置・手術の名称、手技の加算、処置(手術)医療機器等加算、薬剤、特定保険医療材料の順に、処置・手術ごとに並べます。手技料は必ず点数を明記し、名称は告示名か通知名を使います。

創傷処置で皮膚欠損用創傷被覆材を使った場合は、次のような形になります。

創傷処置 1 100平方センチメートル未満          52×1
特定保険医療材料〔商品名〕○○○○
 (皮膚欠損用創傷被覆材(皮下組織に至る創傷用・標準型)1㎠当たり10円) 50㎠
                                              50×1

告示名が長い材料は、材料価格算定に関する留意事項通知の別紙に掲げる略称を使って差し支えありません。たとえば皮膚欠損用創傷被覆材の皮下組織に至る創傷用・標準型は「被覆材・皮下組織用(標準)」、非固着性シリコンガーゼの平坦部位用は「シリコンガーゼ(平坦)」です。

材料価格基準で「保険医療機関における購入価格による」とされている材料は、定価ではなく、医療機関が実際に購入した価格で請求します。

在宅で支給した場合の書き方

在宅療養指導管理料を算定している患者に特定保険医療材料を支給した場合は、「在宅」欄の「薬剤」の項に総点数を記載し、摘要欄に特定保険医療材料の総点数、名称、セット数等を記載します。処置で使った場合と欄が違うので注意が必要です。

場面 記載する欄 摘要欄の記載
外来の処置で使用 「処置」欄 上記5項目を処置ごとに記載
在宅療養指導管理料に併せて支給 「在宅」欄の「薬剤」の項に総点数 特定保険医療材料の総点数、名称、セット数等
在宅療養指導管理料に併せて皮膚欠損用創傷被覆材・非固着性シリコンガーゼを支給(在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を除く) 同上 特定保険医療材料の総点数、名称、セット数(記載要領別表Ⅰ)
院外処方箋で保険薬局から支給 医療機関のレセプトには記載しない 調剤報酬明細書で、剤形を「材料」として他の処方と別の欄に記載

院外処方箋で支給できるのは、材料価格基準の別表Ⅷ(調剤報酬点数表に規定する特定保険医療材料)に載っているものです。インスリン製剤等注射用ディスポーザブル注射器、万年筆型注入器用注射針、在宅寝たきり患者処置用の膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル、皮膚欠損用創傷被覆材などが該当します。

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摘要欄に追加の記載が必要な材料

記載要領には、材料ごとに摘要欄への追加記載を定めた一覧(別表Ⅳ「診療報酬明細書の『摘要』欄への記載事項等一覧(材料価格基準)」)があります。ここに載っている材料は、上記の5項目に加えて理由や日付を書かないと、要件を満たしているかが審査側から読み取れません。クリニックで使う機会がある材料では、次のものが該当します。

材料 追加の記載が必要な場合 記載事項
皮膚欠損用創傷被覆材(在宅) 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料の患者以外で、3週間を超えて算定する場合 詳細な理由
非固着性シリコンガーゼ(在宅) 同上 詳細な理由
膀胱瘻用カテーテル(在宅) 2個以上算定する場合 詳細な理由
局所陰圧閉鎖処置用材料(在宅) 処置開始日から3週間を超えて算定する場合(感染等で中断した場合を除く) 理由と医学的な根拠、処置開始日
人工鼻材料(在宅) 人工鼻を1月当たり60個を超えて算定する場合 医学的必要性
水循環回路セット(在宅) 前回算定日から3か月以内に算定する場合 詳細な理由

一覧に載っているかどうかは、記載要領の別表Ⅳで材料価格基準の番号から引けます。初めて扱う材料は、使う前に一度確認しておくと返戻を防げます。

電子レセプトの場合は、別表Ⅰから別表Ⅳまでの「レセプト電算処理システム用コード」欄にコードがある項目について、該当するコードを選択します。令和8年度改定で「令和8年6月1日適用」と表示されたコードは、令和8年10月診療分以降に選択すればよいとされています。10月診療分からは新しいコードでの記載に切り替わるため、レセプトコンピュータのマスタ更新を確認しておきます。

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請求できない材料と、記載でつまずきやすい点

留意事項通知の一般的事項では、次のことが定められています。

  • 特定保険医療材料以外の保険医療材料は、使用する手技料の所定点数に含まれ、別に算定できない
  • 特定保険医療材料以外の保険医療材料を処方箋で給付することは認められない
  • 保険医療材料を患者に持参させたり、購入させたりしてはならない
  • 特定保険医療材料は、薬事承認または認証された使用目的以外に用いた場合は算定できない

材料ごとの規定で、記載の段階でつまずきやすいのは次の点です。

つまずきやすい点 内容
創面保護だけが目的の被覆材 主として創面保護を目的とする被覆材の費用は手技料に含まれ、皮膚欠損用創傷被覆材として算定できない
在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者の処置 創傷処置などの費用は、薬剤と特定保険医療材料の費用を含めて算定できない
規格・使用量の記載がない ㎠やg単位の材料で使用量が書かれていないと、点数の妥当性が確認できない
欄の取り違え 在宅で支給した材料を「処置」欄に書く、処置で使った材料を「在宅」欄に書く

よくある質問

特定保険医療材料の点数は切り上げか四捨五入か

四捨五入です。材料価格を10円で除し、端数は四捨五入します。薬剤の「1点未満切り上げ」とは違います。

商品名を書かずに告示名だけでよいか

記載要領では、材料は商品名と告示の名称(または通知の名称)を併せて書くとされています。告示名は略称を使って差し支えありませんが、商品名を省略してよいとはされていません。

同じ材料を処置でも使い、在宅用にも渡した場合はどう書くか

処置で使った分は「処置」欄にJ400として、在宅用に支給した分は「在宅」欄の「薬剤」の項にC300として、分けて記載します。在宅用の支給は、在宅療養指導管理料を算定していることなど、材料ごとの要件を満たす場合に限られます。

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まとめ

特定保険医療材料の点数は、材料価格を10円で除して四捨五入します。摘要欄には、商品名、告示名(かっこ書き・略称可)、規格またはサイズ、材料価格、使用本数または個数の5つを、この順で記載します。

在宅で支給した場合は「在宅」欄の「薬剤」の項に総点数を記載し、摘要欄に総点数、名称、セット数を書きます。皮膚欠損用創傷被覆材の3週間超の算定などは、記載要領の別表Ⅳで理由の記載が求められているため、別表Ⅳに載っている材料かどうかを使う前に確認しておくことが、返戻を減らす近道です。

参考

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  • 厚生労働省「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第73号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665200.pdf
  • 厚生労働省「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第1号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686844.pdf
  • 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732127.pdf
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、