看護配置基準の計算方法|入院基本料の区分別判定表、3交代の計算例、有床診療所の看護職員数【令和8年度改定対応】

看護配置基準で迷う点は、ほぼ1つに集約されます。「10対1」は、患者10人のそばに看護職員が24時間いつも1人いるという意味ではありません。1日8時間×3勤務帯を標準に、1か月の勤務時間の合計で必要数を満たしているかを見る基準です。

この記事は、病院の入院基本料と有床診療所入院基本料について、自院の看護職員の配置でどの区分が取れるかを判定する手順をまとめたものです。数値は令和8年6月1日から適用されている「基本診療料の施設基準等」(令和8年厚生労働省告示第70号)と、その取扱い通知(令和8年3月5日保医発0305第7号)で確かめています。重症度、医療・看護必要度の評価方法は扱いません。

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目次
  1. 看護配置基準の「常時10対1」は1日の勤務時間の合計で数える
  2. 入院基本料の看護配置基準 判定表|区分ごとの配置・看護師比率・平均在院日数
  3. 看護配置基準の計算方法|42床・3交代の病棟で取れる区分を判定する
    1. 手順1:区分ごとの必要数を出す
    2. 手順2:実績から月平均1日当たり配置数を出す
    3. 手順3:実人数に直す
  4. 月平均夜勤時間72時間の計算|夜勤に入れる人数で上限が決まる
  5. 医療法の人員配置標準と診療報酬の看護配置基準の違い
  6. 有床診療所入院基本料1〜6の看護職員数と看護配置加算・夜間看護配置加算
    1. パート職員の換算と計算例
    2. 看護職員数で取れる加算
  7. 看護配置基準を満たせなくなったときの届出|1割以内の一時的な変動と変更届の期限
  8. 看護配置基準についてよくある質問
    1. 夜勤の時間帯も「10対1」を守る必要がありますか
    2. 紹介会社経由や派遣の看護師も配置数に入りますか
    3. 令和8年5月まで届け出ていた区分は、改定後に届け出し直す必要がありますか
    4. 有床診療所で外来と兼務している看護師も数えられますか
  9. まとめ
  10. 参考

看護配置基準の「常時10対1」は1日の勤務時間の合計で数える

告示の書き方は「一日に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が十又はその端数を増すごとに一以上」です。この「常時」を、通知は次のように運用しています。

  • 1勤務帯8時間、1日3勤務帯を標準として、月平均1日当たりで要件を満たせばよい
  • 同じ入院基本料を算定する病棟全体で満たせばよく、病棟ごとに満たす必要はない
  • 24時間の範囲で、日勤を厚く、夜勤を薄くする傾斜配置ができる
  • ただし、夜勤の看護職員は各病棟に2人以上(療養病棟は1人以上)置く

つまり、1日に必要な看護職員数は次の式で決まります。

1日に必要な看護職員数 = 1日平均入院患者数 ÷ 配置区分の数(7・10・13・15・20) × 3(小数点以下は切り上げ)

入院患者数は届出前1年間の延入院患者数を延日数で割った値です。病棟で実際に看護に当たった人だけを数え、看護部長など病院全体の看護管理に専従する人、外来・手術室・中央材料室の専従者は入れません。兼務者は勤務実績表の病棟勤務時間だけを算入します。ICUなどの治療室に専従する看護職員も、兼務でなければ一般病棟の数に入りません(ICUの記事)。

入院基本料の看護配置基準 判定表|区分ごとの配置・看護師比率・平均在院日数

令和8年度改定で、一般病棟入院基本料に「急性期病院一般入院基本料」(急性期病院A・B一般入院料)が新設されました。看護配置に関わる要件を、病院の主な入院基本料で並べます。

入院基本料(入院料) 看護配置 看護職員のうち看護師の割合 平均在院日数 夜勤の看護職員
急性期病院A一般入院料 7対1 7割以上 16日以内 看護師1を含む2人以上
急性期病院B一般入院料 10対1 7割以上 21日以内 看護師1を含む2人以上
急性期一般入院料1 7対1 7割以上 16日以内 看護師1を含む2人以上
急性期一般入院料2〜6 10対1 7割以上 21日以内 看護師1を含む2人以上
地域一般入院料1・2 13対1 7割以上 24日以内 看護師1を含む2人以上
地域一般入院料3 15対1 4割以上 60日以内 2人以上
療養病棟入院基本料 20対1(看護補助者も20対1) 2割以上 要件なし 1人以上

急性期病院一般入院料と急性期一般入院料1〜5には、このほかに重症度、医療・看護必要度の基準やデータ提出加算の届出などの要件があります。看護配置を満たしていても、それだけで区分が決まるわけではありません。特定機能病院、専門病院、結核病棟の「7対1入院基本料」「10対1入院基本料」も、配置の数え方は同じです。

月平均夜勤時間72時間以下の要件は、療養病棟入院基本料を除くすべての区分にかかります。

看護配置基準の計算方法|42床・3交代の病棟で取れる区分を判定する

手順1:区分ごとの必要数を出す

1日平均入院患者数が42人の病棟で、区分ごとの必要数を計算します。

配置区分 計算 1日に必要な看護職員数 30日の月に必要な勤務時間
7対1 42÷7×3=18.0 18人 4,320時間
10対1 42÷10×3=12.6 13人 3,120時間
13対1 42÷13×3=9.69… 10人 2,400時間
15対1 42÷15×3=8.4 9人 2,160時間
20対1 42÷20×3=6.3 7人 1,680時間

勤務時間は「1日の必要数×8時間×暦日数」です。31日の月なら、10対1は3,224時間になります。

10対1の13人を3交代で割り振るなら、日勤7人・準夜勤3人・深夜勤3人のような形です。日勤は看護職員1人あたり患者6人、夜間は14人を受け持つ計算になります。各勤務帯で必ず「患者10人に1人」をそろえる必要はありません。

手順2:実績から月平均1日当たり配置数を出す

自院の実績は、様式9の勤務実績表で次のように出します。

月平均1日当たり看護職員配置数 = 病棟での看護職員の月延べ勤務時間 ÷(暦日数×8)(小数第2位以下は切り捨て)

月延べ勤務時間は、日勤帯の勤務時間と、夜勤時間帯に当該病棟で勤務した時間の合計です。この値が手順1の必要数以上なら、その区分の配置を満たします。

たとえば30日の月に、病棟の看護職員の延べ勤務時間が3,000時間だったとします。3,000÷240=12.5人なので、10対1の13人には届きません。13対1の10人は満たします。

手順3:実人数に直す

必要な勤務時間を、雇う人数の目安に直します。看護職員1人が病棟で実際に勤務する時間を月150時間と置くと、10対1の3,120時間には約21人、13対1の2,400時間には16人が必要です。休暇などで病棟にいない時間は勤務時間に入らないので、この150時間は自院の実績に置き換えてください。

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月平均夜勤時間72時間の計算|夜勤に入れる人数で上限が決まる

月平均夜勤時間数は、同じ入院基本料を算定する病棟全体で次のように計算します。

月平均夜勤時間数 = 夜勤時間帯の看護職員の月延べ夜勤時間 ÷ 夜勤に従事した実人員数

「夜勤時間帯」は、午後10時から翌午前5時を含む連続16時間で、病院が自分で定めます。計算するときの注意点は次のとおりです。

  • 夜勤専従者は、分子の時間にも分母の人数にも入れない
  • 急性期病院一般入院基本料、急性期一般入院基本料、7対1・10対1入院基本料では、月の夜勤時間が16時間未満の人を入れない(短時間正職員は12時間以上なら入れる)
  • それ以外の区分では、月の夜勤時間が8時間未満の人を入れない
  • 申し送りの時間は、病棟全体で月単位で選べば除外できる

上の42床・10対1の病棟で、夜勤時間帯(16時間)に常に3人を置くと、1日48時間、30日で1,440時間になります。1,440÷72=20なので、夜勤に入る看護職員が20人以上いないと72時間を超えます。2交代で16時間夜勤なら1人月4回で64時間、5回で80時間です。日中の配置は足りているのに夜勤の人数で詰まるのは、この計算が原因です。

医療法の人員配置標準と診療報酬の看護配置基準の違い

医療法施行規則第19条の人員配置標準と、入院基本料の看護配置基準は、数えるものが違います。

医療法施行規則の人員配置標準 入院基本料の看護配置基準
何を数えるか 置くべき看護職員の員数 1日に病棟で勤務する看護職員数(勤務時間で換算)
一般病床・感染症病床 入院患者3人に1人 区分により7対1〜15対1(常時)
療養病床・精神病床・結核病床 入院患者4人に1人 療養病棟は20対1
外来 外来患者30人に1人を加える 外来専従者は数えない
患者数の基準 前年度の平均値 届出前1年間の平均
満たさないとき 医療法に基づく都道府県の指導の対象 入院基本料の区分変更・減算

42床の一般病床なら、医療法の標準は42÷3=14人(外来分を除く)です。一方、10対1の入院基本料を取るには、手順3のとおり約21人が要ります。医療法の標準を満たしていても、取りたい入院基本料の配置を満たすとは限らないということです。

有床診療所では、医療法施行規則が看護職員の員数を定めているのは療養病床を持つ診療所(入院患者4人に1人、看護補助者も4人に1人)だけです。

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有床診療所入院基本料1〜6の看護職員数と看護配置加算・夜間看護配置加算

有床診療所は病棟単位ではなく、診療所全体を1単位として数えます。看護職員の数は、入院と外来・手術の看護を一体で行っている実態を踏まえ、診療所に勤務する看護師・准看護師の数です(療養病床の分を除く)。病院のような「対1」の計算はありません。

区分 看護職員数(療養病床を除く) 機能の要件
有床診療所入院基本料1 7人以上 あり
有床診療所入院基本料2 4人以上7人未満 あり
有床診療所入院基本料3 1人以上4人未満 あり
有床診療所入院基本料4 7人以上 なし
有床診療所入院基本料5 4人以上7人未満 なし
有床診療所入院基本料6 1人以上4人未満 なし

1〜3の「機能の要件」は、介護保険の通所リハビリ等の実績や介護医療院の併設などに1つ当てはまるか、次のうち2つ以上に当てはまることです。在宅療養支援診療所として訪問診療の実績、過去1年の急変時入院6件以上、夜間看護配置加算の届出、時間外対応体制加算1の届出、急性期病院の一般病棟からの受入れが新規入院の1割以上、看取り2件以上、手術の麻酔30件以上、分娩30件以上などです。看護職員数が同じでも、この要件で1〜3と4〜6に分かれます。

パート職員の換算と計算例

パートタイムの看護職員は「1か月の実労働時間÷常勤職員の所定労働時間」で換算します。1人で常勤の所定時間を超えても「1人」が上限です。常勤の所定労働時間が週32時間未満なら、32時間で計算します。

常勤の所定労働時間が月160時間の診療所で、常勤の看護職員5人と、月80時間勤務のパート2人がいるとします。5+80÷160×2=6人なので、看護職員数は「4人以上7人未満」です。パート1人が月160時間に増えれば7人となり、入院基本料1(機能の要件を満たす場合)に届きます。

看護職員数で取れる加算

加算 要件
看護配置加算1 看護職員が看護師3人を含む10人以上
看護配置加算2 看護職員が10人以上(加算1に当たらない場合)
夜間看護配置加算1 夜間の看護要員が看護職員1人を含む2人以上。2人のうち1人は当直でよいが、看護職員が1人だけならその看護職員は当直不可
夜間看護配置加算2 夜間の看護職員が1人以上(当直でもよい)
看護補助配置加算1・2 看護補助者が2人以上・1人

夜間(おおむね午後6時から午前8時)は、加算を取らない場合でも看護要員を1人以上置き、緊急時の体制を整えることが求められています。入院基本料1・2・4・5を届け出る診療所は、看護師を1人以上置くことが望ましいとされています。有床診療所入院基本料の施設基準には、月平均夜勤時間の要件は置かれていません。

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看護配置基準を満たせなくなったときの届出|1割以内の一時的な変動と変更届の期限

職員の退職や休職で配置が足りなくなっても、すぐに区分が変わるわけではありません。通知は次の範囲の一時的な変動なら、変更の届出を要しないとしています。

項目 届出不要とされる一時的な変動
1日当たりの看護要員数、看護配置の比率、看護師の割合 暦月で1か月を超えない期間の1割以内(許可病床100床未満の病院は3か月を超えない期間の1割以内)
月平均夜勤時間数、平均在院日数 暦月で3か月を超えない期間の1割以内

この範囲を超えたら、要件を満たさなくなった日の属する月の翌月に、速やかに地方厚生(支)局へ変更の届出を出します。変更後の入院基本料は、届出を出した月の翌月から算定します(月の最初の開庁日に受理されればその月の1日から)。届出には様式9(入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類)を使います。

突発的な事情で1か月を超えて1割以内の不足が続く場合は、ハローワークや都道府県ナースセンターでの求人などの条件を満たせば、3か月を超えない期間に限り変更の届出をしなくてよい扱いがあります(1年に1回まで)。この場合は様式59に求人票の写しを添えて、事情が生じた月の翌月までに報告します。

月平均夜勤時間72時間だけを満たせなくなった病棟は、直近3か月に限り「月平均夜勤時間超過減算」で算定できます。一般・結核・精神病棟には別に「夜勤時間特別入院基本料」の扱いもあります。どちらも看護職員の採用活動状況などの書類を毎月10日までに地方厚生(支)局へ出します。減算を最後に算定した月から1年以内は、減算による算定はできません。

看護配置基準についてよくある質問

夜勤の時間帯も「10対1」を守る必要がありますか

ありません。1日の合計で必要数を満たせば、24時間の範囲で傾斜配置できます。ただし、各病棟の夜勤は看護職員2人以上(急性期・地域一般入院料1・2などは看護師1人を含む)が必要で、病棟内に掲示する受け持ち患者数は勤務帯ごとに実態どおり書きます。

紹介会社経由や派遣の看護師も配置数に入りますか

職業紹介事業者の紹介で雇用した人は入ります。臨時職員でも継続して勤務する人は算入できます。派遣の看護職員で算入できるのは、紹介予定派遣の人と、産休・育休・介護休業中の看護職員の代替として派遣された人です。1か月以上長期に欠勤している人は入りません。

令和8年5月まで届け出ていた区分は、改定後に届け出し直す必要がありますか

名称だけが変わったものを含め、同じ入院基本料を引き続き算定する場合は新たな届出は要りません。新設された急性期病院一般入院基本料などを算定する場合は、令和8年6月1日以降の算定に当たって届出が必要です。

有床診療所で外来と兼務している看護師も数えられますか

数えられます。有床診療所の看護職員数は、入院と外来の看護を一体で行う実態を前提に、診療所に勤務する看護師・准看護師の数で数えます。病院のように病棟勤務の時間だけを抜き出す必要はありません。

まとめ

看護配置基準は「患者数÷配置区分×3」で1日の必要数を出し、病棟の月延べ勤務時間をその数×8時間×暦日数と比べて判定します。夜勤は72時間の上限から逆算した人数も確かめ、有床診療所は看護職員の実人数(パートは換算)と機能の要件で区分が決まります。

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参考

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第70号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001675854.pdf
  • 厚生労働省保険局医療課「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第7号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732097.pdf
  • 医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第19条・第21条の2(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100050
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オプション機能

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、