小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の違い|包括範囲・届出・時間外対応の判定表と、どちらも使わないクリニックの境界線

小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料は、どちらも6歳未満(小児かかりつけ診療料は未就学児)の外来診療をまとめて評価する包括点数です。ただし「どちらか一方を選ぶ」関係ではありません。小児科を標榜していれば6歳未満は原則として小児科外来診療料で請求し、そのうえで同意を得た子どもにだけ小児かかりつけ診療料を重ねる、という2段の関係になっています。

この記事では、小児の外来が多い無床診療所の院長・医事担当の方に向けて、2つの診療料の違いを「どんなクリニックに向くか」の条件で整理します。点数と要件は、令和8年6月1日施行の告示・留意事項通知・施設基準通知で確かめたものです。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

目次
  1. 小児科外来診療料は6歳未満の全員、小児かかりつけ診療料は同意した子だけ
  2. 小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の点数(令和8年度)
  3. 小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の包括範囲の違い:別に算定できる項目
  4. 小児科外来診療料の算定要件と対象外になる患者
  5. 小児かかりつけ診療料の施設基準:時間外対応と医師の要件
  6. 小児かかりつけ診療料の算定要件:同意書と対象になる子ども
  7. 小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の判定表:どちらを届け出るクリニックか
    1. 届出をしても患者が増えにくいクリニック
  8. よくある質問
    1. 小児科を標榜していれば、小児科外来診療料を算定しないという選択はできますか
    2. 小児かかりつけ診療料は、他院でも同意している子に算定できますか
    3. 6歳になったら小児科外来診療料はどうなりますか
  9. まとめ
  10. 参考

小児科外来診療料は6歳未満の全員、小児かかりつけ診療料は同意した子だけ

最初に押さえておきたいのは、小児かかりつけ診療料の施設基準に「小児科外来診療料を算定していること」が入っている点です。かかりつけ診療料だけを届け出て、小児科外来診療料は使わない、という形は取れません。

小児科外来診療料(B001-2) 小児かかりつけ診療料(B001-2-11)
位置づけ 小児科を標榜する医療機関の6歳未満の外来を包括で評価 かかりつけ医として継続的に診る子どもを、より手厚く包括で評価
算定の単位 保険医療機関単位。対象の6歳未満は原則全員 同意を得た患者ごと。原則1人につき1か所
対象年齢 6歳未満 未就学児。6歳以上は6歳未満から算定している子に限る
届出 不要(施設基準を満たしていればよい) 必要(様式7の8)
患者の同意 不要 書面で説明し同意を得る
時間外対応 要件なし 時間外対応体制加算の届出などが必要

つまり実際に決めることは2つです。小児科を標榜して小児科外来診療料の枠組みに入るか。入るなら、さらに小児かかりつけ診療料を届け出るか。

小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の点数(令和8年度)

どちらも1日につき算定し、院外処方箋を交付するかどうかで点数が分かれます。

区分 院外処方箋を交付する場合 交付しない場合
小児科外来診療料 初診時 604点 721点
小児科外来診療料 再診時 411点 529点
小児かかりつけ診療料1 初診時 652点 769点
小児かかりつけ診療料1 再診時 459点 577点
小児かかりつけ診療料2 初診時 641点 758点
小児かかりつけ診療料2 再診時 448点 566点

再診時で比べると、小児かかりつけ診療料1は小児科外来診療料より48点高くなります。1回あたりの差は大きくありませんが、同じ子が月に何度も受診する時期には積み上がります。

処方箋の区分には共通のルールがあります。

  • 同じ月に院外処方箋を交付した日が1日でもあれば、その月は「交付する場合」の点数で算定する
  • 院内処方をしていない医療機関は、常に「交付する場合」の点数で算定する
  • 院外処方を基本にしている患者に、夜間の緊急受診などでやむを得ず院内で投薬したときは「交付しない場合」で算定でき、その理由をレセプトの摘要欄に書く

同じ日に一部を院内で投薬し、残りを院外処方箋で出すことは原則として認められていません。緊急でやむを得ずそうした場合、2つの診療料はどちらも「処方箋を交付する場合」で算定すると、令和8年3月23日の疑義解釈(その1)問37で示されています。

小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の包括範囲の違い:別に算定できる項目

どちらも、検査・処置・投薬などの費用は原則として所定点数に含まれます。別に算定できる項目はほぼ共通ですが、診療情報提供料(Ⅰ)の扱いが分かれます。

項目 小児科外来診療料 小児かかりつけ診療料
小児抗菌薬適正使用支援加算(80点・初診時・月1回) 別に算定できる 別に算定できる
初診料・再診料の時間外・休日・深夜加算、小児科特例加算 別に算定できる(減額あり) 別に算定できる
機能強化加算、外来感染対策向上加算、発熱患者等対応加算など 別に算定できる 別に算定できる
地域連携小児夜間・休日診療料、救急外来医学管理料 別に算定できる 別に算定できる
診療情報提供料(Ⅰ)、電子的診療情報評価料 含まれる(別に算定できない) 別に算定できる
診療情報提供料(Ⅱ)、連携強化診療情報提供料 別に算定できる 別に算定できる
往診料、第14部その他(ベースアップ評価料など) 別に算定できる 別に算定できる

小児科外来診療料で時間外加算などを算定するときは、そのままの点数ではありません。初診料の時間外・休日・深夜加算はそれぞれ85点・250点・580点、再診料の同じ加算は65点・190点・520点で算定します。特例の加算(時間外特例医療機関など)の点数は、留意事項通知で確かめてください。

専門医療機関への紹介状を書く機会が多いクリニックでは、診療情報提供料(Ⅰ)が別に取れるかどうかが小さくない差になります。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

小児科外来診療料の算定要件と対象外になる患者

小児科外来診療料は、小児科を標榜する医療機関が6歳未満の外来患者を診たときに算定します。届出は要りません。対象の患者の請求は原則としてこの診療料で行うので、患者ごとに出来高と使い分けることはできません。

施設基準は2つです。

  • 小児科を標榜していること
  • 患者の状態に応じて28日以上の長期投薬やリフィル処方箋の交付に対応できることを、院内の見やすい場所に掲示していること

2つ目は令和8年度改定で加わった要件です。特定疾患療養管理料などと同じ扱いになりました。掲示物を作っていない場合は、まずここを確認してください。

次の患者は、6歳未満でも小児科外来診療料の対象になりません。出来高で算定します。

対象外の患者 補足
小児かかりつけ診療料を算定している患者 かかりつけ診療料で算定する
在宅療養指導管理料を算定している患者 他の医療機関で算定している場合も含む
パリビズマブまたはニルセビマブを投与した患者 投与した当日に限る。ニルセビマブは令和8年度改定で追加
配置医師として施設に赴いて診療した患者 特別養護老人ホーム等の配置医師の場合

6歳の誕生日がある月は、誕生日前に小児科外来診療料を算定していれば、誕生日後の受診もその月は小児科外来診療料で請求します。

小児かかりつけ診療料の施設基準:時間外対応と医師の要件

小児かかりつけ診療料は届出が必要で、1と2で時間外対応の要件が違います。

要件 小児かかりつけ診療料1 小児かかりつけ診療料2
医師 専ら小児科または小児外科を担当する常勤医師が1名以上 同じ
小児科外来診療料 算定していること 同じ
時間外対応 時間外対応体制加算1または3の届出 時間外対応体制加算2または4の届出。または、在宅当番医制などで休日・夜間診療を年6回以上行い、診療時間外は留守番電話などで夜間・休日の小児科や#8000を案内している
医師の地域活動 下の4つのうち2つ以上 同じ
指定期間 3年以内の期限付きで保険医療機関の指定を受けた診療所でないこと 同じ

医師の地域活動は、次の4つのうち2つ以上に当てはまる必要があります。

  • 市町村が実施する乳幼児健診(1歳6か月児、3歳児など)を行っている
  • 定期予防接種を行っている
  • 過去1年間に、15歳未満の超重症児・準超重症児に在宅医療を提供した実績がある
  • 幼稚園の園医、保育所の嘱託医、小学校・中学校の学校医のいずれかに就いている

最後の「指定期間」は令和8年度改定で加わりました。地域で不足している医療機能の提供要請に応じず、保険医療機関の指定を3年以内の期限付きとされた診療所は、小児かかりつけ診療料を算定できません。

時間外対応体制加算の区分は、次のように分かれています。

時間外対応体制加算 体制の中身
1 自院の常勤(または週3日以上・週22時間以上の非常勤)の医師・看護職員・事務職員などが、常時電話に対応できる
2 自院の非常勤の職員などが常時電話に対応でき、必要に応じて診療録を見られる
3 標榜時間外の夜間の数時間は自院の常勤職員などが対応し、休診日・深夜・休日は留守番電話などで地域の救急医療機関を案内する
4 最大3つまでの診療所が連携し、当番日の夜間の数時間は自院で対応する。当番日以外は留守番電話などで当番の診療所や救急医療機関を案内する

算定を間違えないカルテの選び方

算定や記録の抜け漏れは、カルテ側で必要な情報が見えるかどうかで変わります。選ぶときに何を見ればよいかを整理した資料です。

一番やさしい電子カルテの選び方ブックを見る

小児かかりつけ診療料の算定要件:同意書と対象になる子ども

対象は、自院を4回以上受診した未就学児です。予防接種など保険外の受診も回数に含まれます。6歳以上の子は、6歳未満のうちから小児かかりつけ診療料を算定している場合に限られます。一度算定をやめた6歳以上の子は、もう一度算定することはできません。

算定するときは、次の指導などを行います。

  • 急性疾患のときの対応の仕方の説明と、乳幼児期によくみられる慢性疾患の管理
  • 他の医療機関との連携やオンライン資格確認を使い、受診先をすべて把握する。必要なら専門医療機関へ紹介する
  • 健診の受診状況と結果を把握し、発達段階に応じた助言をする。保護者の健康相談に応じる
  • 予防接種の実施状況を把握し、スケジュール管理などを指導する
  • 発達障害の疑いがある子の診療と保護者の相談に対応し、必要なら紹介する
  • 育児不安などの相談に適切に対応する

これらを行う旨は、書面を渡して説明し、同意を得ます。書面は通知の別紙様式10を参考に各医療機関で作ります。あわせて、かかりつけ医としてこれらの指導を行っていることを、受付など見やすい場所とホームページに掲示します。自院のホームページがない場合は、ウェブ掲載は求められません。

同意を得ていない子、まだ受診が4回に満たない子は、引き続き小児科外来診療料で算定します。院内では「同意済みかどうか」を受付やカルテで一目で分かるようにしておくと、算定区分の取り違えを防げます。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の判定表:どちらを届け出るクリニックか

自院の状況を上から順に当てはめてください。

自院の状況 向いている形
小児科を標榜していない(内科などで子どもも診ている) どちらも算定しない。6歳未満も出来高で算定する
小児科を標榜しているが、専ら小児科を担当する常勤医師がいない 小児科外来診療料だけ
常勤の小児科医はいるが、乳幼児健診・定期予防接種・重症児の在宅医療・園医や学校医のうち2つ以上に当てはまらない 小児科外来診療料だけ
上の医師要件は満たすが、時間外の電話対応も、年6回以上の休日・夜間当番も組めない 小児科外来診療料だけ
医師要件を満たし、自院の常勤職員で時間外の電話に常時対応できる(時間外対応体制加算1) 小児科外来診療料+小児かかりつけ診療料1
医師要件を満たし、夜間の数時間は自院で対応し、深夜・休日は留守番電話で案内できる(同加算3) 小児科外来診療料+小児かかりつけ診療料1
医師要件を満たし、非常勤の職員による常時対応か、近隣の診療所との輪番で対応する(同加算2・4) 小児科外来診療料+小児かかりつけ診療料2
医師要件を満たし、時間外対応体制加算はないが、在宅当番医などで年6回以上の休日・夜間診療をしている 小児科外来診療料+小児かかりつけ診療料2

かかりつけ診療料を届け出た後も、同意を得ていない子は小児科外来診療料のままです。届出をしたら全員が切り替わるわけではありません。

届出をしても患者が増えにくいクリニック

施設基準を満たしていても、次のようなクリニックでは同意を得られる子が少なく、事務の手間に見合わないことがあります。

  • 受診の多くが急性期の単発で、4回以上通う子が少ない(駅前など通りすがりの受診が多い)
  • 近隣に小児かかりつけ診療料を算定している小児科があり、すでに多くの子がそちらで同意している(原則1人1か所のため)
  • 書面での説明、掲示、ホームページ掲載、同意の有無の管理を受付で回す人手がない

反対に、健診や予防接種から同じ子が通い続け、紹介状を書く機会も多いクリニックは、点数差と診療情報提供料(Ⅰ)の両方で差が出るので届け出る意味が大きくなります。

よくある質問

小児科を標榜していれば、小児科外来診療料を算定しないという選択はできますか

小児科外来診療料は保険医療機関単位で算定するもので、対象の6歳未満の請求は原則としてこの診療料で行うとされています。患者ごとに出来高と使い分けることはできません。

小児かかりつけ診療料は、他院でも同意している子に算定できますか

留意事項通知は、小児かかりつけ診療料を原則として1人の患者につき1か所の医療機関が算定するものとしています。同意を得るときに、他院で同じ診療料の同意をしていないかを保護者に確認し、確認した結果をカルテに残しておくと後で説明できます。

6歳になったら小児科外来診療料はどうなりますか

6歳の誕生日がある月は、誕生日前に小児科外来診療料を算定していれば、その月の受診は小児科外来診療料で請求します。翌月からは出来高です。小児かかりつけ診療料は、6歳未満から算定していれば小学校入学前まで続けられます。

まとめ

小児科を標榜していれば、6歳未満はまず小児科外来診療料で算定し、令和8年度からは長期処方・リフィル対応の掲示も必要です。そのうえで、常勤の小児科医の地域活動と時間外対応の体制がそろうなら小児かかりつけ診療料を届け出て、同意を得た子に重ねて算定します。判定表のどの行に当てはまるかを確かめ、届出前に同意書と掲示の準備から始めてください。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

参考

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、