薬剤料の計算方法|15円以下は1点・10円ごとに1点の出し方、内服・頓服・外用・注射の単位と計算例、7種類以上の減額

薬剤料は、薬価を所定の単位ごとにまとめてから点数に換算します。薬価が15円以下なら1点、15円を超えたら10円またはその端数ごとに1点を足します。単位は内服薬が「1剤1日分」、頓服薬が「1回分」、外用薬が「1調剤」、注射薬が「1回分使用量」です。単位を取り違えると、同じ薬でも点数が変わります。

この記事は、院内処方や院内での注射がある診療所の医療事務の方に向けて、レセプトコンピュータが出した薬剤料を自分で検算できるようにするための手順をまとめたものです。根拠は令和8年度診療報酬改定の医科点数表(告示)と留意事項通知で確かめています。計算例の薬価はすべて説明用の架空の数字で、実在の薬剤の薬価ではありません。

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目次
  1. 薬剤料の計算の基本:薬価15円以下は1点、15円を超えたら10円ごとに1点
  2. 内服薬の薬剤料の計算:1剤1日分の点数に日数を掛ける
    1. 1剤にまとめる条件と、まとめない3つの場合
    2. 計算例:毎食後の剤と朝食後の剤を14日分
  3. 頓服薬と外用薬の薬剤料の計算:1回分と1調剤
    1. 頓服薬は1回分で換算して回数を掛ける
    2. 外用薬は1調剤の全量で換算する
  4. 注射薬の薬剤料の計算:1回分使用量と、処置・検査の薬剤との違い
    1. 処置・検査・画像診断の薬剤は15円以下なら算定しない
  5. 薬剤料が減額・不算定になる場合:7種類以上の内服薬と63枚を超える貼付剤
    1. 7種類以上の内服薬は薬剤料が100分の90
    2. 薬剤料を算定しない、または一部しか算定しない投薬
  6. 院外処方では薬剤料をクリニックで算定しない:院内処方との境界
  7. 薬剤料の計算ミスを防ぐチェックリスト
  8. よくある質問
    1. 薬価が15円ちょうどの錠剤を1日1錠、7日分出したら何点ですか
    2. 薬剤料の端数は四捨五入ですか
    3. 院外処方のクリニックでも薬剤料の計算を覚える必要はありますか
  9. まとめ
  10. 参考

薬剤料の計算の基本:薬価15円以下は1点、15円を超えたら10円ごとに1点

医科点数表の投薬の薬剤料(F200)は、次のように定められています。

薬剤料は、次の各区分ごとに所定単位につき、薬価が15円以下である場合は1点とし、15円を超える場合は10円又はその端数を増すごとに1点を所定点数に加算する。

条文どおりに式にすると、次のとおりです。

所定単位あたりの薬価 点数の出し方
15円以下 1点
15円を超える (薬価 − 15円)÷ 10 の小数点以下を切り上げ、1点を足す

実務では「薬価を10で割り、小数点以下を五捨五超入する」と覚えている方が多いはずです。五捨五超入は、小数点以下が0.5以下なら切り捨て、0.5を超えたら切り上げる処理で、大阪府の医療費の説明でもこの言い方が使われています。15円を超える範囲では、条文の式とこの覚え方は同じ結果になります。

例:所定単位あたりの薬価 条文の式 10で割って五捨五超入 点数
9.8円 15円以下 (15円以下は一律1点) 1点
15.3円 (0.3÷10) → 切り上げ1 +1 1.53 → 2 2点
25.0円 (10÷10) → 1 +1 2.5 → 2(0.5は切り捨て) 2点
25.01円 (10.01÷10) → 切り上げ2 +1 2.501 → 3 3点

25.0円と25.01円で1点違うように、境目は「ちょうど0.5」です。0.5は切り捨て、0.5を少しでも超えたら切り上げます。四捨五入と混同すると、25.0円を3点にしてしまいます。

もう1つ大事なのは、点数に換算するのは薬1つずつではなく、所定単位ごとの合計だという点です。1剤に2つの薬が入っていれば、2つの薬価を足してから換算します。

内服薬の薬剤料の計算:1剤1日分の点数に日数を掛ける

内服薬は「1剤1日分」が単位です。手順は3つです。

  1. 服用時点と服用回数が同じ薬を1剤にまとめる
  2. 1剤ごとに、1日分の薬価(単価×1日量)を合計して点数に換算する
  3. その点数に投与日数を掛ける

1剤にまとめる条件と、まとめない3つの場合

留意事項通知では、1回の処方で2種類以上の内服薬を調剤するとき、別々の薬包にしても、服用時点と服用回数が同じものは1剤として算定するとしています。例外は次の3つです。

  • 配合不適など、調剤技術上の必要から個別に調剤した場合
  • 固形剤と内用液剤の場合
  • 内服錠とチュアブル錠のように、服用方法が異なる場合

「毎食後」の錠剤が3つあれば、原則として1剤です。「朝食後」と「毎食後」は服用時点が違うので別の剤になります。投与日数が違う薬は、1日分の点数に掛ける日数が違うため、分けて計算します。

計算例:毎食後の剤と朝食後の剤を14日分

剤 内容(例) 1日分の薬価 点数(1日分) 日数 薬剤料
剤1(毎食後) 薬価10.1円の錠剤A 1回1錠×3回、薬価24.6円の錠剤B 1回1錠×3回 30.3円+73.8円=104.1円 10点 14日 140点
剤2(朝食後) 薬価61.4円の錠剤C 1回1錠×1回 61.4円 6点 14日 84点
合計 224点

剤1は104.1円を10で割って10.41、五捨五超入で10点です。錠剤Aと錠剤Bを別々に換算すると3点と7点で、この例では合計が同じ10点になります。

ただし、いつも同じになるとは限りません。1日分25.0円の薬が2つある剤なら、まとめると50.0円で5点、別々にすると2点+2点で4点です。1剤にまとめるべき薬を分けたり、分けるべき薬をまとめたりすると点数がずれ、審査で査定の対象になります。レセコンの剤の組み方は、処方の入力(用法の選び方)で決まるので、検算では用法が正しく入っているかを先に見ます。

頓服薬と外用薬の薬剤料の計算:1回分と1調剤

頓服薬は1回分で換算して回数を掛ける

頓服薬の単位は「1回分」です。1回に飲む量の薬価を点数に換算し、交付した回数を掛けます。

内容(例) 1回分の薬価 点数(1回分) 回数 薬剤料
薬価32.5円の錠剤 1回1錠、疼痛時 32.5円 3点 5回分 15点

32.5円を10で割ると3.25で、五捨五超入して3点です。

外用薬は1調剤の全量で換算する

外用薬の単位は「1調剤」です。日数や回数では分けず、その処方で交付する量の薬価をまとめて換算します。

内容(例) 1調剤の薬価 薬剤料
1枚18.2円の貼付剤 1袋7枚×4袋(28枚) 18.2円×28枚=509.6円 51点
1g 12.0円の軟膏 25g 12.0円×25g=300.0円 30点

貼付剤を1枚ずつ換算して28倍すると、18.2円は2点なので56点になり、正しい51点より5点多くなります。外用薬は全量の薬価を先に出してから換算します。

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注射薬の薬剤料の計算:1回分使用量と、処置・検査の薬剤との違い

注射の薬剤料(G100)は、1回分使用量の薬価で換算します。

  • 1回分使用量の薬価が15円以下:1点
  • 15円を超える:薬価から15円を引いて10で割り、小数点以下を切り上げて1点を足す

書き方は投薬と違いますが、出てくる点数は同じです。

内容(例) 1回分使用量の薬価 薬剤料
薬価86円のアンプル1管を1回に使用 86円 9点
薬価9.8円のアンプル1管を1回に使用 9.8円 1点

86円の場合、(86−15)÷10=7.1を切り上げて8、1点を足して9点です。同じ回に混ぜて使った薬は、1回分使用量としてまとめて換算するのが通常の扱いです。

処置・検査・画像診断の薬剤は15円以下なら算定しない

注射と同じ感覚で処置の薬剤を計算すると間違えます。処置の薬剤(J300)、検査の薬剤(D500)、画像診断の薬剤(E300)は、薬価が15円以下の場合は算定しないと定められています。15円を超えた場合の式は注射と同じです。

使った場面 薬価15円以下 15円を超える
投薬(内服・頓服・外用) 1点 10円またはその端数ごとに1点を加算
注射 1点 (薬価−15)÷10を切り上げて+1点
処置・検査・画像診断 算定しない (薬価−15)÷10を切り上げて+1点

薬剤料が減額・不算定になる場合:7種類以上の内服薬と63枚を超える貼付剤

7種類以上の内服薬は薬剤料が100分の90

外来で、1処方につき7種類以上の内服薬を投薬した場合は、内服薬の薬剤料を所定点数の100分の90で算定します(F200注3)。次の場合は減額しません。

  • 臨時の投薬で、投薬期間が2週間以内のもの
  • 地域包括診療加算か地域包括診療料を算定するもの
  • 向精神薬の多剤投与で注2(100分の80)の対象になる場合(注2が優先)

「種類」の数え方は留意事項通知で決まっています。

  • 錠剤・カプセル剤は、1銘柄ごとに1種類
  • 散剤・顆粒剤・液剤も、1銘柄ごとに1種類。混ぜて飲めるように調剤したものは1種類
  • 所定単位あたり(1剤1日分)の薬価が205円以下の剤は、銘柄の数にかかわらず1種類
  • 数えるのは常態として投与する内服薬。2週間以内の臨時投与は数えない。2週間を超えたら常態として扱い、中止が1週間以内なら連続した投与とみなす

205円の規定で、銘柄を単純に数えた数と判定の数が変わります。

剤(例) 銘柄数 1剤1日分の薬価 判定上の種類数
毎食後の剤 4 180円 1(205円以下)
朝食後の剤 3 400円 3
就寝前の剤 1 45.0円 1(205円以下)
合計 8 5 → 減額しない

銘柄は8つありますが、判定上は5種類なので減額の対象になりません。毎食後の剤が1日分230円なら、4+3+1=8種類で減額になります。

減額の計算は、1処方の内服薬の薬剤料の合計に掛けます。「所定点数」は1処方のうちのすべての内服薬の薬剤料と通知されているので、頓服薬と外用薬は対象外です。

剤(例) 1日分の薬価 1日分の点数 30日分
毎食後の剤(4銘柄) 230円 23点 690点
朝食後の剤(3銘柄) 400円 40点 1,200点
就寝前の剤(1銘柄) 45.0円 4点 120点
内服薬の合計 2,010点
100分の90 1,809点

7種類以上の場合は、処方料も42点ではなく29点になります(F100の2)。レセプトでは、摘要欄に該当する処方の薬剤名を区分して書き、薬剤名の下に算定点数か、減額分を△で書き、区分の前に「減」と表示します。臨時の追加で7種類以上になり、傷病名から必要性が分からない場合は、摘要欄に必要性を書きます。

薬剤料を算定しない、または一部しか算定しない投薬

減額とは別に、投薬の通則で薬剤料を算定しない場合が決まっています。いずれも入院中以外の患者が対象です。

場面 扱い 算定できる場合
1処方で63枚を超える貼付剤 63枚を超えた分の薬剤料と、調剤料・処方料・処方箋料・調剤技術基本料を算定しない 医師がやむを得ず超える理由を処方箋と明細書に書く
うがい薬のみの投薬 薬剤料・調剤料・処方料などを算定しない なし
栄養保持を目的とした医薬品(令和8年度に新設) 薬剤料・調剤料・処方料などを算定しない 手術後・経管栄養の患者である旨、または医師が必要と判断した理由を処方箋と明細書に書く
ビタミン剤 原則として算定しない ビタミンの欠乏や代謝異常が原因であるなど、医師が有効と判断した趣旨を診療録と明細書に書く(病名で分かる場合は明細書は不要)

63枚の対象になる貼付剤は、鎮痛・消炎の効能を持つものです。麻薬・向精神薬であるもの、皮膚疾患に専ら使うもの、がんの鎮痛目的で使うものは除かれます。栄養保持を目的とした医薬品の記載方法は、エンシュアを外来で処方するときのレセプトコメントで扱っています。

院外処方では薬剤料をクリニックで算定しない:院内処方との境界

投薬の通則1には「処方箋を交付した場合は、第5節の所定点数のみにより算定する」とあります。院外処方箋を出したときにクリニックが算定するのは処方箋料だけで、薬剤料・調剤料・処方料は算定しません。薬の代金は、調剤した保険薬局が調剤報酬として請求します。

自院の状況 クリニックで算定する薬剤料
院内処方 投薬の薬剤料(F200)+調剤料+処方料。薬剤師が常勤なら調剤技術基本料も
院外処方(処方箋を交付) 投薬の薬剤料は算定しない。処方箋料のみ
院外処方でも院内で注射・処置・検査をする 注射・処置・検査で使った薬剤の薬剤料は自院で算定する

院外処方の診療所でも、注射や処置で薬剤料の計算は残ります。この記事の注射と処置の節は、院外処方の医療機関でもそのまま使えます。

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薬剤料の計算ミスを防ぐチェックリスト

レセコンの出力を検算するときは、次の順に見ます。

  • [ ] 院外処方箋を出した日に、投薬の薬剤料・調剤料・処方料が立っていない
  • [ ] 内服薬は、服用時点と服用回数が同じ薬が1剤にまとまっている(固形剤と内用液剤、内服錠とチュアブル錠は別剤)
  • [ ] 1剤の中の薬価を合計してから点数に換算している
  • [ ] 0.5ちょうどを切り上げていない(25.0円は2点)
  • [ ] 外用薬は、日数や枚数ごとではなく1調剤の全量で換算している
  • [ ] 処置・検査の薬剤で、15円以下のものを1点で算定していない
  • [ ] 内服薬の種類数を、205円以下の剤を1種類として数えている
  • [ ] 7種類以上の減額は内服薬の合計にだけ掛け、処方料も29点になっている
  • [ ] 貼付剤が1処方63枚を超えるとき、理由の記載がある
  • [ ] 薬価は、診療日時点の薬価基準の数字を使っている

よくある質問

薬価が15円ちょうどの錠剤を1日1錠、7日分出したら何点ですか

15円以下なので1日分は1点で、7日分で7点です。ただし、同じ服用時点の薬がほかにあれば1剤として薬価を合計してから換算するので、その剤の点数は変わります。

薬剤料の端数は四捨五入ですか

四捨五入ではありません。条文は「15円を超える場合は10円又はその端数を増すごとに1点」で、薬価を10で割った値の小数点以下が0.5以下なら切り捨て、0.5を超えたら切り上げる五捨五超入と同じ結果になります。0.5ちょうどの扱いが四捨五入と逆になります。

院外処方のクリニックでも薬剤料の計算を覚える必要はありますか

注射や処置、検査で薬を使うなら必要です。院外処方箋を出した投薬では薬剤料を算定しませんが、院内で使った注射薬や処置の薬剤は自院で算定します。処置・検査の薬剤は15円以下なら算定しない点が、注射と違います。

まとめ

薬剤料は「単位ごとに薬価を合計し、15円以下は1点、15円を超えたら10円ごとに1点」で換算します。検算でずれが出たら、まず内服薬の剤のまとめ方と外用薬の1調剤の扱いを確かめ、7種類以上の処方では205円以下の剤を1種類として数え直してください。

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参考

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特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、