院内トリアージ実施料の算定要件|令和8年度改定で廃止、代わりにできた「院内トリアージ実施体制加算」50点の要件

「院内トリアージ実施料」を令和8年度の医科点数表で探しても見つかりません。区分番号B001-2-5は令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)で「削除」になっています。

代わりに新設されたのが「院内トリアージ実施体制加算」50点です。単独の項目ではなく、夜間・休日の診療料に上乗せする加算に組み替えられました。旧実施料のつもりで請求すると、項目そのものが存在しないため返戻になります。

この記事では、旧実施料と新加算の違い、加算が付く3つの項目、施設基準、届出、そして自院がそもそも対象かどうかの見分け方を整理します。

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目次
  1. 院内トリアージ実施料は令和8年度改定で廃止された
  2. 院内トリアージ実施体制加算が付く3つの項目
  3. 加算を算定できる患者と時間帯
  4. 施設基準は4つ、届出は様式7の1の2
    1. 旧実施料の届出は引き継がれない
  5. 自院が対象かどうかは親項目の施設基準で決まる
  6. レセプトで返戻・査定になりやすいパターン
  7. よくある質問
    1. 院内トリアージ実施料は令和8年6月以降も算定できますか
    2. 再診の患者にも加算を算定できますか
    3. 院内トリアージの実施基準は届出で提出しますか
    4. 専任の看護師は救急外来医学管理料の専任と兼ねられますか
  8. まとめ
  9. 参考

院内トリアージ実施料は令和8年度改定で廃止された

令和8年度の個別改定項目では、救急医療の体制評価の見直しとして、次の2つが同時に行われました。

  • 夜間休日救急搬送医学管理料を見直し、救急外来医学管理料(B001-2-6)を新設
  • 院内トリアージ実施料を廃止し、院内トリアージ実施体制加算を新設

旧実施料と新加算の違いは次のとおりです。

項目 旧:院内トリアージ実施料(令和6年度) 新:院内トリアージ実施体制加算(令和8年度)
区分 B001-2-5(単独の項目) 3つの項目の「注」に付く加算
点数 300点 50点
対象患者 夜間・休日・深夜に来院した初診料を算定する患者で、院内トリアージを実施した患者 時間外・休日・深夜に受診した患者(初診・再診とも)
救急搬送の患者 対象外 対象外
評価の対象 トリアージを実施したこと トリアージを実施する体制があること

点数は300点から50点に下がりましたが、再診の患者も対象になりました。評価の軸が「実施した行為」から「体制」に移った、と捉えると整理しやすくなります。

院内トリアージ実施体制加算が付く3つの項目

加算は次の3項目にだけ付きます。どの親項目も算定していない患者には、加算だけを算定することはできません。

親項目 区分番号 親項目の点数 加算の位置
地域連携小児夜間・休日診療料 B001-2-2 1:450点/2:600点 注2
地域連携夜間・休日診療料 B001-2-4 200点 注2
救急外来医学管理料のうち「2 夜間休日救急医学管理料」 B001-2-6 1:600点/2:400点/3:50点 注7

救急外来医学管理料の注7には、地域連携小児夜間・休日診療料と地域連携夜間・休日診療料の加算は別に算定できないと書かれています。同じ患者について、3つの加算を重ねて取ることはできません。

また救急外来医学管理料の加算は、「2」夜間休日救急医学管理料を算定する患者に限られます。救急車等で搬送された患者に算定する「1」救急搬送医学管理料には付きません。

加算を算定できる患者と時間帯

留意事項通知では、3項目とも同じ文言で算定の条件が書かれています。

  • 専任の医師、または救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師が、院内トリアージを実施する体制が整っていること
  • 対象は、時間外・休日・深夜に救急外来を受診した患者であること
  • 救急用の自動車・救急医療用ヘリコプターで搬送された患者は除く
  • 施設基準に定める体制が確保されている時間帯に限り算定する
  • 院内トリアージを行う際は、患者または家族等に十分にその趣旨を説明する

「体制が確保されている時間帯に限り」がポイントです。専任の医師・看護師がいない時間帯に来院した患者には、届出をしていても算定できません。

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施設基準は4つ、届出は様式7の1の2

施設基準の通知(3項目とも同じ内容)は次の4点です。

  1. 院内トリアージの実施基準を定め、定期的に見直していること。実施基準には次の3つを含め、初回の評価から一定時間後に再評価する
    - トリアージ目標開始時間及び再評価時間
    - トリアージ分類
    - トリアージの流れ
  2. 患者に院内トリアージの実施を説明し、院内の見やすい場所への掲示等で周知していること
  3. 2の掲示事項を、原則としてウェブサイトにも掲載していること(自ら管理するホームページ等を持たない場合は除く)
  4. 専任の医師、または救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師が配置されていること

届出は別添2の様式7の1の2を使い、院内トリアージの実施基準を添付します。届出の略称は「トリ体」です。

旧実施料の届出は引き継がれない

この加算は施設基準の通知で、令和8年度改定で新設された特掲診療料(表1)に挙げられています。表1の項目は、令和8年6月1日以降に算定するには届出が必要です。改定前に院内トリアージ実施料を届け出ていても、それだけでは加算を算定できません。

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自院が対象かどうかは親項目の施設基準で決まる

加算の届出より先に、親項目のどれかを届け出ているかを確認します。通常の診療時間内に外来をしている診療所では、親項目の要件を満たさないことがほとんどです。

親項目 主な施設基準(抜粋) 当てはまりやすい医療機関
地域連携小児夜間・休日診療料 夜間・休日・深夜に小児科を担当する医師(近隣の医療機関が主たる勤務先)を3名以上届け出る、地域に診療時間を周知、緊急時の入院体制 地域の小児夜間・急病センター、病院
地域連携夜間・休日診療料 夜間・休日・深夜を担当する医師を3名以上届け出、診療時間中は院内に医師2名以上、末梢血液一般検査とエックス線撮影が常時実施できる 地域の夜間・急病センター、病院
救急外来医学管理料 医療計画に記載された救急医療機関、または精神科救急医療施設 救急告示の病院等

地域連携の2項目は、留意事項通知で在宅当番医制で行う夜間・休日診療では算定できないとされています。休日当番として自院を開けている診療所は、この加算の対象になりません。

まとめると、境界線は次のとおりです。

  • 加算を検討するのは、地域の夜間・急病センターとして地域連携(小児)夜間・休日診療料を届け出ている医療機関、または救急医療機関として救急外来医学管理料を届け出ている医療機関
  • 通常の外来診療だけを行う診療所や、在宅当番医制で休日診療をしている診療所は対象外。院内でトリアージを行っていても、親項目が無ければ算定する項目が無い

レセプトで返戻・査定になりやすいパターン

パターン 根拠
令和8年6月以降に「院内トリアージ実施料」を請求している B001-2-5は削除されている
親項目を算定せずに加算だけを算定している 加算は3項目の注に規定されたもの
救急車で搬送された患者に加算を算定している 留意事項通知で搬送患者は除外
救急搬送医学管理料(「1」)に加算を付けている 注7の加算は「2」夜間休日救急医学管理料が対象
地域連携夜間・休日診療料と救急外来医学管理料の加算を重ねている 注7で別に算定できないとされている
新たな届出をせずに旧実施料の届出のまま算定している 表1の新設項目で、6月1日以降の算定に届出が必要

地域連携の2項目は、一連の夜間・深夜または同一休日に同じ患者へ原則1回のみ算定します。2回以上算定する場合は、摘要欄に理由を詳しく書くことが通知で求められています。親項目の回数制限は、加算にもそのまま影響します。

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よくある質問

院内トリアージ実施料は令和8年6月以降も算定できますか

算定できません。区分番号B001-2-5は令和8年度改定で削除され、院内トリアージ実施体制加算(50点)に組み替えられました。

再診の患者にも加算を算定できますか

算定できます。旧実施料は初診料を算定する患者に限られていましたが、新加算の対象は時間外・休日・深夜に受診した患者で、初診・再診を問いません。ただし親項目の算定が前提です。

院内トリアージの実施基準は届出で提出しますか

提出します。様式7の1の2の添付書類として、実施基準そのものと、作成年月日または最新の改訂年月日を記載します。施設基準として定期的な見直しも求められているため、改訂日を記録しておくと確認が楽になります。

専任の看護師は救急外来医学管理料の専任と兼ねられますか

救急外来医学管理料に付く加算については、施設基準の通知で、専任の医師・看護師が救急外来医学管理料の施設基準に係る専任の医師・看護師を兼ねることができるとされています。

まとめ

院内トリアージ実施料(B001-2-5、300点)は令和8年度改定で廃止され、地域連携小児夜間・休日診療料、地域連携夜間・休日診療料、救急外来医学管理料(夜間休日救急医学管理料)の3項目に付く院内トリアージ実施体制加算(50点)に置き換わりました。

事務側でまず確認するのは、親項目の届出の有無と、加算の新たな届出(様式7の1の2)が済んでいるかの2点です。通常外来のみの診療所や在宅当番医制の休日診療では、親項目が無いため算定の対象になりません。

参考

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、