クリニックのキャンセル料は取れる?|保険診療と自費で違う判定表、令和8年6月からの予約診察のキャンセル料の条件、同意書と院内掲示の例文

クリニックが予約のキャンセルに料金を取れるかは、その予約が保険診療か自費かで根拠がまったく違います。

保険診療の予約では、令和8年6月1日から、選定療養として「予約に基づく診察」を地方厚生局に報告している医療機関に限り、診察日の直前に患者都合でキャンセルされた場合のキャンセル料を取れるようになりました。予約料を取っていない一般的な予約システムでは、保険診療のキャンセル料は取れません。

自由診療・任意の予防接種・健診は患者との契約なので、事前に決めて同意を得ていれば取れます。ただし消費者契約法で、実際に生じる平均的な損害を超える部分は無効になります。

この記事は、無断キャンセルに悩む院長・事務長に向けて、通知の条件、判定表、同意書と掲示の例文、取らずに減らす方法をまとめます(2026年10月時点の通知に基づきます)。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

目次
  1. クリニックのキャンセル料は保険診療と自費で根拠が違う
  2. 保険診療のキャンセル料は「選定療養の予約診察」だけ(令和8年6月から)
    1. 予約診察で特別の料金を取るための条件
    2. 「直前」が何時間前かは院内で決めて事前に示す
    3. 検査のキャンセルで使えなくなった薬剤等の費用
  3. 自費診療・予防接種・健診のキャンセル料は契約で決める
  4. クリニックのキャンセル料を取れる・取れないの判定表
  5. キャンセル料の院内掲示・ウェブ掲載・同意書の例文
    1. 院内掲示とウェブ掲載の例文
    2. 同意書の項目
  6. 未払いのキャンセル料と次回の受診
  7. キャンセル料を取らずに無断キャンセルを減らす方法
  8. よくある質問
    1. 予約システムの利用料を、キャンセルの有無にかかわらず取ることはできますか
    2. オンライン診療の予約をすっぽかされた場合も、キャンセル料を取れますか
    3. キャンセル料を受け取ったら、レセプトに何か書きますか
  9. まとめ
  10. 参考

クリニックのキャンセル料は保険診療と自費で根拠が違う

予約の中身 根拠 キャンセル料
保険診療の予約(予約料なし) 療養担当規則と関係通知 取れない
保険診療の予約(選定療養の予約診察として報告済み) 「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」(令和8年改正) 診察日の直前の患者都合キャンセルに限り取れる
保険診療の検査の予約(薬剤などを準備済み) 同上 使えなくなった薬剤等の実費の範囲で取れる
自由診療・任意の予防接種・健診 患者との契約(消費者契約法) 事前の取り決めと同意があれば取れる。平均的な損害を超える部分は無効

保険医療機関が患者から保険診療以外の費用を受け取れるのは、通知が「療養の給付と直接関係ないサービス等」として認めたものと、保険外併用療養費(選定療養など)の範囲だけです。キャンセル料も、この枠に入らなければ受け取れません。

保険診療のキャンセル料は「選定療養の予約診察」だけ(令和8年6月から)

厚生労働省は「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」を改正し(令和8年3月27日 保医発0327第7号、令和8年6月1日適用)、具体例に次の項目を加えました。

選定療養における予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料(診察日の直前にキャンセルした場合に限る。なお、診察の予約に当たり、患者都合によるキャンセルの場合には費用徴収がある旨を事前に説明し、同意を得ること。)

令和8年5月29日の疑義解釈資料は、これを「選定療養における予約に基づく診察において、診察日の直前に患者都合で予約がキャンセルされた場合に限って費用の徴収が認められた」という意味だと答えています。予約料を取っていない普通の予約では、保険診療のキャンセル料は取れません。

予約診察で特別の料金を取るための条件

選定療養の「予約に基づく診察」は、予約料(特別の料金)を取るための仕組みです。キャンセル料を取るには、先にこの条件を満たして予約料を取る体制を作ります。令和8年3月27日の留意事項通知(保医発0327第6号)の主な条件は次のとおりです。

条件 内容
対面であること 予約診察が保険医療機関で対面で行われるものに限る
待たせないこと 予約時間から30分程度以上待たせた場合、予約料は取れない
予約料を取らない時間 診療科ごとに延べ外来診療時間の2割程度は、予約料を取らない時間を確保する(予約患者とそうでない患者を同じ時間帯に混ぜる方法でもよい)
予約でない患者 概ね2時間以上待たせない
診療時間と人数 予約患者1人10分程度以上の診療時間の確保に努め、医師1人が1日に診る予約患者は概ね40人まで
掲示とウェブ掲載 院内に分かりやすく掲示し、原則としてウェブサイトにも載せる
患者の選択 患者が自分で選んだ予約に限る。院の都合で予約制にしている場合は取れない
報告 料金を決める・変えるときは、別紙様式3で地方厚生(支)局長に報告する

予約患者に夜間・休日の予約診察をした場合、時間外加算・休日加算・深夜加算は算定できないことも同じ通知に書かれています。

「完全予約制」で全員から予約料を取ることはできません。2割程度の予約料なしの時間が条件だからです。予約料の仕組みを入れること自体が、待ち時間の管理と掲示の手間を増やす点も考えておきます。

「直前」が何時間前かは院内で決めて事前に示す

2026年10月時点で確認できる通知と疑義解釈資料には、何時間前からを「直前」とするかは書かれていません。前日の診療時間終了後、当日など、院内で線を引き、予約の時点で患者に説明して同意を得る形になります。

通知は、受け取る費用を社会的にみて妥当な額にするよう求めています(同通知1(3))。予約料より高いキャンセル料は説明がつきにくいので、予約料と同額以下を目安にします。

検査のキャンセルで使えなくなった薬剤等の費用

予約診察とは別に、患者都合で検査がキャンセルされ、その検査のために用意した薬剤等が使えなくなった場合の費用も、受け取れるものとして挙げられています。条件は2つです。

  • 現に生じた物品等の損害の範囲内に限る
  • 検査の予約の時点で、患者都合のキャンセルなら費用がかかることを説明し、同意を得ておく

「空いた枠の分の診察料」のような逸失利益は、この項目では受け取れません。

自費診療・予防接種・健診のキャンセル料は契約で決める

自由診療(美容・自費の検査など)、任意の予防接種、企業健診や人間ドックは、保険診療ではないので、キャンセル料は患者との契約で決まります。上の通知の制約は受けません。

上限になるのは消費者契約法第9条第1項第1号です。キャンセル(契約の解除)に伴う違約金の定めは、その解除の時期などの区分に応じて、同種の契約の解除で事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分が無効になります。

自費の予約 平均的な損害として説明しやすいもの 説明しにくいもの
予防接種(取り寄せたワクチン) 他の人に使えず廃棄するワクチン代 在庫から出しただけで他の人に使えるワクチンの代金
自由診療の施術 患者専用に準備した薬剤・材料の費用、埋まらなかった枠の費用 施術料の全額(前日に別の予約で埋まることが多い場合)
健診・人間ドック 外注を手配した検査の取消料、専用に確保した枠 数日前のキャンセルで別の受診者を入れられる場合の全額

同じ条の第2項で、事業者は患者から求められたらキャンセル料の算定根拠の概要を説明するよう努めることになっています。「前日まで無料、当日は施術料の◯%、無断は◯%」のように時期で段階を分け、それぞれ何の費用かを言えるようにしておきます。

市区町村の定期予防接種や自治体の健診は、自治体との委託契約で実施しているものです。患者からキャンセル料を取る前に、委託元の自治体に扱いを確認してください。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

クリニックのキャンセル料を取れる・取れないの判定表

こういう場合 キャンセル料 根拠・条件
保険診療の予約。予約料は取っていない 取れない 通知が認める範囲に入らない
保険診療の予約。選定療養の予約診察として報告し、予約料を取っている。診察日の直前に患者都合でキャンセル 取れる 予約時に説明し同意を得ていること。掲示とウェブ掲載
同上。院の都合で日時を変えた 取れない 患者都合ではない
同上。数日前に連絡があった 取れない(院の「直前」の線より前) 院内で決めた線と事前の説明による
保険診療の検査。造影剤など患者専用に準備した薬剤が使えなくなった 実費の範囲で取れる 予約時の説明と同意。現に生じた損害の範囲
自由診療・任意の予防接種・健診。事前に料金と時期を示して同意を得ていた 取れる 平均的な損害を超える部分は無効
自由診療で、キャンセル料の説明をしていなかった 請求しにくい 契約の内容になっていない
患者の急病・入院・忌引きなど 取らない運用が無難 通知は「患者都合」とするが、トラブル防止のため免除の条件を決めておく

キャンセル料の院内掲示・ウェブ掲載・同意書の例文

保険診療で費用を受け取る場合、通知は次の手順を求めています(保医発0327第7号の1)。

  • 受付・待合室など見やすい場所に、内容と料金を分かりやすく掲示する
  • 原則としてウェブサイトにも載せる(自ら管理するホームページがない場合を除く)
  • 内容と料金を書いた文書に患者の署名をもらって同意を確かめる
  • 受け取ったら、他の費用と区別した領収証を出す

院内掲示とウェブ掲載の例文

【予約診察のキャンセル料について】
当院は、予約に基づく診察(選定療養)として予約料◯◯円(税込)をいただいています。予約日の前日◯時以降に患者さまのご都合でキャンセルされた場合、またはご連絡なくお越しにならなかった場合は、キャンセル料◯◯円(税込)をいただきます。
当院の都合で日時を変更した場合、急な体調の悪化・入院などやむを得ない事情がある場合はいただきません。
予約をされない方は、予約料なしで受診できる時間帯(◯曜日◯時〜◯時)があります。

同意書の項目

項目 書くこと
対象 どの予約にかかるか(予約診察/検査/自費の施術・接種)
料金 金額(税込)と、時期ごとの区分(前日◯時以降、当日、無断)
かからない場合 院の都合、急病・入院などの免除の条件
支払い方法 次回受診時の窓口払い、振込など
署名欄 患者(未成年なら保護者)の署名と日付

予約サイトや電話で予約を受ける場合は、予約確定の画面やSMSにキャンセル料の条件を表示し、初回来院時に署名をもらう流れにすると、説明と同意の記録が残ります。

保険診療と自費を並行して回すには

保険適用の範囲を正しく判断したうえで、自費メニューをどう設計するか。保険診療クリニック向けにまとめた戦略ガイドです。

自由診療戦略ガイドを見る

未払いのキャンセル料と次回の受診

キャンセル料を払ってもらえないまま、次の受診の予約が入ることがあります。医師の応招義務について厚生労働省は、以前に医療費の不払いがあったとしても、そのことのみをもって診療しないことは正当化されないとしています(令和元年12月25日 医政発1225第4号)。支払能力があるのに悪意をもって払わない場合などは別に扱われます。

キャンセル料は医療費そのものではありませんが、未払いだけを理由に保険診療の受診を断ると、トラブルが大きくなります。窓口で請求し、払われなければ記録を残す、くり返す場合は予約を取らずに予約料なしの時間帯に受診してもらう、といった運用にとどめるのが安全です。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

キャンセル料を取らずに無断キャンセルを減らす方法

キャンセル料は、取れる条件を満たすだけで手間がかかります。院の状況で、どこから手を付けるかが変わります。

こういうクリニックなら 向いている対策
自費の施術・任意接種・健診の比率が高く、1枠の単価が大きい 時期で段階を分けたキャンセル料を規定し、予約時に同意を得る。前払い・予約金も検討
保険診療中心で、すでに予約料を取る体制がある 予約診察のキャンセル料を足す。直前の線と免除条件を決め、掲示・ウェブ・同意書をそろえる
保険診療中心で、予約料を取っていない キャンセル料は取れない。まず下の「減らす工夫」から入る
無断キャンセルが月に数件で、空き枠を当日の患者で埋められている 料金の仕組みを足さない。リマインドだけで足りる

キャンセル料を取らずに減らす工夫は次のとおりです。

  • 前日にリマインドを送る。SMS・メール・LINEで前日に予約日時を送り、変更・キャンセルのリンクを付ける。連絡の手間を下げると、無断が連絡ありのキャンセルに変わる
  • キャンセルの方法を予約時に伝える。電話しかないと、診療時間外に連絡できず無断になりやすい。ウェブで取り消せるようにする
  • 予約の取りすぎを防ぐ。1人が複数の枠を押さえられる設定、数か月先まで取れる設定は、無断キャンセルが増えやすい
  • 無断キャンセルの履歴を残す。電子カルテや予約システムに無断キャンセルの回数を記録し、くり返す人には予約ではなく予約なしの時間帯を案内する
  • 空き枠を当日に回す。直前に空いた枠を、当日の電話・ウェブ受付に開放する

よくある質問

予約システムの利用料を、キャンセルの有無にかかわらず取ることはできますか

今回の改正で「予約やオンライン診療の受診に係るシステム利用料」も、療養の給付と直接関係ないサービス等の具体例に加わりました。キャンセル料とは別の項目なので、取る場合は同じく掲示・ウェブ掲載・同意・領収証の手順を踏みます。

オンライン診療の予約をすっぽかされた場合も、キャンセル料を取れますか

保険診療の予約診察の特別の料金は、対面で行われる予約診察に限られます(留意事項通知15(1))。オンライン診療の予約に予約診察のキャンセル料を当てはめることはできません。自費のオンライン診療なら、契約として事前に決めておく形になります。

キャンセル料を受け取ったら、レセプトに何か書きますか

保険診療の請求とは別の、療養の給付と直接関係ないサービスの費用です。レセプトには載せず、他の費用と区別した領収証を出します。

まとめ

保険診療の予約のキャンセル料は、令和8年6月から、選定療養の予約診察として報告し予約料を取っている医療機関が、直前の患者都合のキャンセルに限って取れるようになりました。予約料を取っていない予約では取れません。自費の予約は契約で決められますが、平均的な損害を超える部分は無効です。どちらも、予約時の説明と署名による同意、掲示とウェブ掲載をそろえてから始めます。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

参考

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、