コロナ禍のこともあり、厚生労働省が「オンライン診療」についての規制を緩和しています。また、日本は超高齢社会に突入していますので、遠隔地にいる患者さんの診察が行えることの重要性は言うまでもありません。「オンライン診療」を始めたいというクリニックが増えているのは、コロナだけが理由ではないのです。
オンライン診療サービス『curon(クロン)』(以下『クロン』と表記)は、クリニックにインターネットにつながるPCやタブレットがあればすぐに利用することが可能なシステムです。また、クリニックの負担を最小限に抑えるように初期費用・月額利用料は無料となっています。
さらに『クロン』は「4,500施設以上」の導入数(アカウント登録数)を誇ります。これは同システムがいかに医療現場で支持されているかの証明です。
「クロン」の特徴・機能
↑クリニックで使用する「クロン」のダッシュボード画面
「クロン」は、「予約-問診-診察-会計-処方」をシームレスに行えるように作られています。流れは以下のようになります。
まず、オンライン診療が可能な時間をクリニック側で設定します。患者さんがオンライン診療の予約を入れ、疾患に応じて設定した問診に答えると、そのデータがクリニック側で見られるようになります。医師・クリニック院長がそれを確認すると予約確定です。
↑「クロン」の問診画面の例です
予約時間になったら、医師・クリニック院長は「クロン」の管理画面から患者さんを呼び出し、ビデオ通話で診察を行います(ビデオ通話は医師側からのみかけることができます)。
↑クリニックからビデオ通話の着信があると、患者さんからはこのように見えます
↑「クロン」のビデオ通話画面。診察時には毎回保険証・医療受給者証などで本人確認を行います
診療代金は患者さんがスマホでクレジットカード決済を行いますので、その時点で会計は終了です。
薬の処方が必要な場合には、2パターンあります。
院内薬局がある場合は、ヤマト運輸と提携している「配送補助サービス」を利用するとワンクリックで集荷依頼をかけることができます。集荷担当者が宛名入りの伝票を持ってきてくれるので、院内で梱包した薬を渡すだけで患者さんの自宅に薬が届きます。
院外処方の場合は、処方せん原本を患者さんに送付する際に利用できる「宛名ラベル機能」があり、宛名ラベルの作成印刷ができます。
現在、厚生労働省の緩和措置により医療機関から薬局へ処方せんをFAXすることが認められていますので、この部分をサポートする処方せんFAX送信サービスという機能もあり、「クロン」上からワンクリックで薬局へ処方せんをFAXできます。薬局に患者さんが来る前に処方せん情報を取得できるので、薬局にとっても患者さんにとっても便利な機能です。
↑「決済・配送」の画面
また、薬局向けに「curonお薬サポート」というサービスもあり、同サービスを導入している薬局では、患者さんがそのまま診察時と同じ「クロン」アプリ上で薬剤師からオンライン服薬指導を受け、医薬品を配送してもらうことが可能です。
「curonお薬サポート」を導入している薬局の場合も、「ヤマト運輸」にワンクリックで荷物の集荷依頼ができ、薬局は宛名が印字された送り状を梱包した荷物に貼り、配送業者に渡せばいいわけです。
↑「curonお薬サポート」の集荷依頼を行う画面
このように、「クロン」は患者さん、クリニックがスムーズに「オンライン診療」を行えるよう設計されているのです。
その実現のため「クロン」は以下の機能を備えています。
「クロン」の機能
- 予約/予約管理
- リマインダー(患者さんへ予約確認を通知)
- 問診
- オンラインビデオ通話(オンライン診療用)
- クレジットカード決済
- 処方せんの配送先のラベル作成
- 配送業者の自動手配(宛名印字済みの送り状を持ってクリニックに取りに来るよう手配)
- 処方せんデータの調剤薬局への送信
etc.
※他にも機能がありますので、詳細については本記事末の「クロン」のサイトを参照してください。
「クロン」の導入準備・導入に必要な時間
「クロン」を導入するために準備するものは以下になります。
クリニック側で準備すること
- インターネット環境
- インターネットに接続できるPCまたはタブレット
患者さん側で準備すること
- インターネット環境
- インターネットに接続できるスマホ
- アプリのダウンロード、インストール
「クロン」はクラウド型のオンライン診療サービスで、システム自体はクラウドサーバー上にあります。そのためクリニックはネットに接続できるPCまたはタブレットがあればOKです。患者さんはスマホに「クロン」アプリをインストール。このアプリ上から予約を入れ、オンライン診療を受けます。
「クロン」は以下のような流れで導入できます。
- 「クロン」のシステムにクリニックのアカウントを登録
- 3営業日以内にアカウントが発行されます
- ガイドブック、Web説明会でシステムを理解する(クリニックに合わせて予約の入れ方なども設定)
- デモモードで利用開始
- 「本番モード」に切り替えて運用開始
「クロン」の利用料は無料で、「本番モード」になって実際に診療を行うまでは手数料は発生しません(後述)。そのため、「本番モード」の前の「デモモード」の段階で十分「クロン」について習熟しておくのが良いでしょう。
実際にアカウントを登録してから運用を開始するまでにどのくらいの時間がかかるかを、サービス提供元である「株式会社MICIN」に伺ったところ、「平均して1カ月ほどで本番モードでの運用を開始している」とのことでした。
「電子カルテ」「レセコン」との連携
電子カルテ「きりんカルテ」との起動連携が可能です。クリニックで使用している(あるいは使用する予定の)電子カルテとつなぎ込みが可能かどうかはサービス提供元である「株式会社MICIN」に要確認です。
「クロン」のサポート体制
「クロン」ではメールによるユーザーサポートを行っています。問い合わせフォームより質問が可能で、回答は長くても3日以内に行われるとのこと。
「クロン」の導入費用
「クロン」の導入費用は以下になります。
利用毎に事務手数料:診療代金の4%
(クレジットカードの決済手数料含む)
「クロン」では、導入にかかる費用は無料です。また「月額のシステム利用料」といった固定費は一切かかりません。その代わりに、「オンライン診療」を行い、診療代金が発生するごとに「4%の事務手数料」がかかります。これは患者さんが決済する際に自動的に引かれますから、クリニックで何か作業が必要になったりはしません。
また、「オンライン診療」を受けるごとに患者さんが1回当たり300円[税別]をアプリ利用料として支払います。この300円はクリニック側にはかかりません。
ですので、例えば患者さん負担の診療代金が「1,000円」だった場合には、
クリニックのコスト負担:1,000円 × 4% = 40円[税別]
です。
「クロン」を使えば、「オンライン診療を始めてみたものの、患者さんが思うように集まらず、固定費ばかりかかって赤字だ」というありがちな話を防ぐことができるわけです。なにせ、「オンライン診療」を行った際にしかコストが発生しませんから。
まとめ
オンライン診療サービス「クロン」は、クリニックにインターネットにつながるPCまたはタブレットがあればすぐに利用することが可能なシステムです。また導入費が無料で、固定費もかからず、コストが非常にリーズナブルに抑えられており、その点でもおすすめできます。「オンライン診療」を始めたいというクリニックは導入を考えてみてはいかがでしょうか。
※「curon(クロン)」についての詳細は以下の「株式会社MICIN」のページを参照してください。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
特徴
オンライン診療機能
システム提携
診療科目
この記事は、2020年12月時点の情報を元に作成しています。