クリニックの人間関係が悪化する原因とは?スタッフの退職を防ぐためにできること

医療現場に限らず、どんな職場においても、人間関係は離職者を出す大きな原因となります。

また、院内の人間関係がよくないと、全員がギスギスした空気のなかで働くことになるため、院長にとっても居心地はよくないでしょうし、なにより患者たちに「このクリニックはイヤな空気が漂っている」と思われることでしょう。

では、実際に人間関係が悪いクリニックではどのようなことが起きているのでしょうか? 早速みていきます。

目次
  1. クリニックの人間関係悪化の要因とは?
    1. 「ミス」にまつわること
    2. 仕事に対する姿勢の違い
    3. 悪口・陰口
    4. 業務量やシフトの違い
    5. ハラスメント
  2. こじれた人間関係を修復させるための方法は?
    1. スタッフ全員で話し合う機会を持つ
    2. 個別に話し合う機会を持つ
    3. 問題のあるスタッフに辞めてもらう
  3. スタッフ教育を考え直す
    1. 外部の専門家にスタッフのメンタルケアを依頼する
    2. 業務量などをきちんと評価する
    3. 全員で達成する目標を決める
  4. 人事労務のプロを頼れば解決もスムーズ

クリニックの人間関係悪化の要因とは?

まずは、なぜ人間関係が悪くなるのかを考えていきましょう。

「ミス」にまつわること

本来なら、医療のようにチームワークが不可欠な仕事においては、誰かがミスをしたときは全員でフォローするべきです。

しかし、「何回言われても同じミスをする」「ミスしたことを反省していない」「ミスを人のせいにする」といったスタッフがいると、その人に対して怒りをあらわにするスタッフは必ずいるはずですし、怒って当然。

それでもミスしたほうが態度を改めないとなると、翌日からもお互い笑顔を見せることはないでしょう。

仕事に対する姿勢の違い

これもミスと同様。

「言われたとおりにやらない」「無断欠勤が多い」「仕事が終わっていなくても定時になったら帰宅する」といったスタッフがいると、他の全員がむしゃくしゃして仕方ないでしょう。

悪口・陰口

悪口や陰口を言うスタッフがひとりでもいると、人間関係は確実に悪くなります。

場合によっては、根も葉もない噂を立てられた人、それを信じた人との間に対立構造ができることも。

業務量やシフトの違い

子育てや介護中のスタッフがいるなど、場合によっては仕方ないこともありますが、業務量やシフトに関して「不公平だ」と感じる人がひとりでもいるのはよくありません。

また、誰かひとりに大きな負担がかかっている場合、そのスタッフは早い段階で離職する可能性が高くなりますし、いざ離職された際には、残されたスタッフで仕事をさばけないということも出てくるでしょう。

ハラスメント

当たり前ですが、パワハラやセクハラにイヤな思いをしている人がいる職場は、人間関係がいいとは言えません。

パワハラやセクハラをしているのが看護師や事務など雇われている側だとしても、それを止めてくれなかったとの理由でクリニックが訴えられることもあり得ます。

こじれた人間関係を修復させるための方法は?

続いては、こうした要因を改善する方法をみていきましょう。

スタッフ全員で話し合う機会を持つ

ミスしても反省しないスタッフや仕事ぶりがいい加減なスタッフがいると、残りのスタッフは決していい気持がしません。

該当スタッフに対してその場で注意するのはもちろん、全員で一緒に話すことで士気を高めていくことは大切です。

ただし、全員でのミーティングがしょっちゅうあるとなると、それはそれで気が滅入るものですし、時間をとられると業務に差しさわりがあることもあるので、たとえば半年に一度程度にとどめるといいでしょう。

また、上半期下半期それぞれで、ざっくばらんに話せる食事会をセッティングするなども有効です。

もしくは、Chatworkなどのコミュニケーションツールを使えば、全員が意見を述べやすいですし、ミーティングのために別途時間を設ける必要もないので負担が少なくなります。

個別に話し合う機会を持つ

全員で話し合うことと同様に大切なのが、一人ひとりのスタッフを個別に話し合う機会を持つことです。

スタッフの性格によっては、みんなの前では思っていることを言えないことが考えられるので、むしろ優先度が高いのは個別のミーティングです。

ただしこちらも頻度が高いと嫌がられることがあるので、2週間に1度程度を目安に1on1の場を設けるなどが理想です。

問題のあるスタッフに辞めてもらう

一人ひとりに話を聴いた結果、明らかにトラブルの元凶だといえるスタッフがいた場合、該当スタッフに辞めてもらうことを考えなければならない場合もあるでしょう。

ただし、解雇にすると労働基準監督署に駆け込まれて裁判に負ける可能性も高いうえ、金銭的にも大きな損となり得ます。

まずは、態度を改めてもらうよう忠告することからスタートして、最終的に解雇にするにしても、「きちんと勧告した」という実績を作っておくことが大切です。

スタッフ教育を考え直す

仕事ができないスタッフがいることが原因で人間関係が悪くなっているなら、人間関係の改善に励むだけでなく、スタッフ教育を考え直すことも大事です。

また、既に人間関係が悪化していて優秀なスタッフなどが辞める流れになっていてスタッフを補てんする必要があるなら、併せて採用の条件を見直すことも考えましょう。

外部の専門家にスタッフのメンタルケアを依頼する

仕事への不満、職場への不満は、当事者同士で話し合うのは難しい場合があります。

話を聴こうとしてもなかなか本音が出てこないようなら、コンサルタントなど外部の専門家に依頼して、職場満足度や改善してほしい点などを聞き出してもらうといいでしょう。

人間関係への不満で精神的に問題を抱えているスタッフがいた場合、その対策も請け負ってくれる専門家が理想的です。

業務量などをきちんと評価する

一部のスタッフの業務の負担が大きくなると、「不公平だ」の声が上がり、それが原因で人間関係が悪くなります。

それを防ぐための手段としてもっとも有効なことは、がんばってくれているスタッフにそのぶん給与を出すことです。

それ以外にも、「子育てや介護などで融通がききにくいスタッフは、がんばれるときにがんばってもらう」「お互いサポートし合う」などの手段もあるといえばありますが、曖昧な手段であるため、かえって不満が大きくなる場合が多いでしょう。

全員で達成する目標を決める

たとえば売り上げ目標などの具体的なゴールを掲げると、一致団結して業務に取り組みやすくなりますし、お互いサポートし合って仕事することができれば、人間関係はそれまでよりよくなりやすいといえます。

ただし、経営者側にしかメリットがない目標であれば、誰も「一致団結してがんばろう」とは思えないので、「ひと月の患者数●人を達成したらボーナスをアップします」などの条件を設けるといいでしょう。

人事労務のプロを頼れば解決もスムーズ

人間関係改善のためにクリニックでできることはたくさんありますが、すべてを取り入れようと思うと時間的にも余裕がなくなります。

もしくは、現時点で既に診察に追われる日々なのであれば、最初から人事労務のプロを頼るのがおすすめ!

……といっても、今後もすっと頼る必要はなく、一度プロに頼んでノウハウを学べば、後々自院のみでも良好な人間関係を築きやすくなるはずですよ。

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執筆 CLIUS(クリアス )

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