医師と看護師は、職種は違えど同じ職場で働くパートナーです。上手く連携を取りながら仕事をすることで良質な医療を提供することができます。ですが、実際の現場では医師と看護師間に行き違いが起きることもしばしばです。今回は実際に看護師として働いていたときに、ちょっと困ってしまった医師の対応を紹介します。
検査の予定を詰める
看護師の業務は常に立て込んでおり、一日中予定がみっちり詰まっています。それなのに、患者さんの検査の予定をやたらたくさん入れられると大変混乱します。看護師として勤務していた頃、検査を一気に5件入れたり、「午前中に検査してね」とタイトな条件を指定したりする先生がいました。かなり切羽詰まった状況で患者さんを検査に連れて行くのは至難の技。前日に検査予定を入れていてくださると予定が立てやすいですし、スムーズに検査に向かえるので助かりますが、当日予定が増えると混乱してしまいます。
さらに、急かされるともっと困ってしまいます。もちろん緊急性の高い検査は最優先しますが、そうでない検査は余裕のあるスケジュールで予定を立ててくださると嬉しいです。
追加で検査項目の指示を出す追加で検索項目の指示を出されると困ってしまいます。これは特に採血で多いのですが、一般採血の指示を出した後に「特殊採血管」と時間差で指示が出たり、検査項目が増えたりすると、採血が終わったばかりの患者さんにもう一度採血をお願いしなくてはいけません。患者さんの精神的にも身体的にも採血は辛いことですので、採血する側の看護師もすごく困ってしまいます。看護師だけでなく患者さん困らせてしまうので、指示は一括で出していただきたいです。
休憩中に呼ばれる
看護師は交代で休憩しています。休憩時間はご飯を食べたり夜勤に備えて寝ていたりするので、しっかり体を休めるためにも大切な時間です。ですが、先生によっては休憩中でもお構いなしに看護師を呼び出すことも。もちろん緊急性が高いことなら良いのですが、後からでもいいことを伝えるためだけに休憩中の看護師を呼び出したりする場合も。他の看護師に伝言しておいてくれれば良いですし、ピッチで連絡してくれても良いのに、わざわざ病棟に呼び出されると気が休まりません。休憩中も関係なく呼び出してくる先生にはちょっと困ってしまいます。
忙しいからと話を聞いてもらえない
看護師も医師も、毎日業務がみっちり詰まっておりとても忙しいもの。忙しいのはお互い様なはずなのに「今忙しいから」「忙しいから話しかけないで」と先生から言われてしまうと困ります。こちらも先生の都合を考えなるべくタイミングを見計らって話しかけていますが、どうしても今伝えなければならないこともあるんです。「今忙しいから無理」と言われてしまうと要件が伝えられないですし、精神的なダメージも受けてしまいます。忙しくてもちょっと優しさを持って、話を聞いてほしいなあと思ってしまいます。
欠勤が多い
欠勤が多い先生にはちょっと困ってしまいます。体調不良やご家族の用事など仕方がないことももちろんありますが、あまりに欠勤が多いと患者さんや看護師の不満も募ってしまいます。看護時は主治医が指示を出してくれなければ動けないことが多々あります。患者さんの検査、内服薬の変更、外用薬の処方など医師にしかできないことがたくさんありますので、欠席せず出勤してくれる先生はありがたい存在です。患者さんも先生と話せるのを心待ちにしています。欠勤すると患者さんとの面談の約束を破ることになってしまいます。キャンセルが複数回重なると、患者さんの不信感に繋がりますし、治療拒否のきっかけになることもあるので注意が必要です。
忘年会や新年会に全く参加しない
忘年会や新年会は、看護師や医師、その他病院スタッフが仲を深めるためにとても大切な機会です。年に数回しか無い貴重な交流イベントに一度も出席されない先生とはなかなか打ち解けられないため困ってしまいます。忘年会や新年会でお酒の力を借りて先生と仲良くなったり、仕事以外の話ができたりすると、仕事上でもコミュニケーションが取りやすくなります。なので、無理にとはいいませんができる限りオフのイベントに付き合ってくださると嬉しいです。積極的にイベントに参加してくださる先生は看護師人気が高いです。
看護師長を怖がっている
先生のなかには、看護師長を怖がっている方がいます。私たち看護師にはいろいろ頼んだりできるようですが、看護師長には何も言えない先生。比較的若い先生に多いです。看護師長は看護師歴20年以上のベテランさんなどが多く、たしかにお局的な雰囲気があることが多いです。医師に対してもがんがん発言し、先生が萎縮していることもしばしばです。
実際にこんな出来事も……
私が勤めていた病院でも、看護師長が強すぎるゆえに起きた出来事がありました。緊急入院の患者さんを個室に入院させたいと、医師から病棟看護師に伝言が有りました。そのとき、看護師長は会議に出席していたため副看護師長の指示で入院を受けることに。ですが、看護師長は許せなかったようで、入院を受け入れた医師に対して猛反発。なぜかというと、他の入院予定があるかもしれないから個室は空けておきたかったし、大部屋でもよい患者だと思えたからのようでした。医師は看護師長の言いなりだったので、入院した患者さんはその日のうちに別の病棟へと移されていきました。このように力関係がはっきりしすぎていると、患者さんはもちろん看護師も困惑してしまいます。なので、看護師長に対しても思ったことを言える医師が理想です。
どんな病院でも医師と看護師が良好な関係で、お互い働きやすい関係性になることを願っています。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2021年8月時点の情報を元に作成しています。