クリニックのホームページ制作をプロに依頼したいけど、依頼先を選ぶ基準がわからない……という悩みは多いもの。
これから開業予定で、制作会社にホームページを依頼した経験がないというドクターならなおさらです。
今回はそんなドクターに向けて、ホームページ制作会社を選ぶコツを紹介します。
クリニックの集患におけるホームページの重要性
まずは、クリニックのホームページの重要性について考えてみましょう。
カルー株式会社社内調査によると、「診療所を受診する際、事前にその診療所のホームページを閲覧しますか」の問いに対して「閲覧する」と答えた人は実に94%にのぼっています。
さらに、「閲覧する」と回答した人に、受診する診療所を選ぶうえで気になる情報について尋ねたところ、50%以上の人が表を入れた項目は、
- 「受診時間」(74.9%)
- 「アクセス・地図」(70.1%)
- 「診療科目」(69.9%)
- 「診療予約の有無」(51%)
という結果に。アクセスや診療時間を確認したうえで来院を決める人が多いことや、診療予約のニーズが高いことがわかります。
また、
- 「医療設備」(41.2%)
- 「院内の雰囲気」(38.2%)
- 「治療法」(37.6%)
- 「院長の考え方・人柄」(35.9%)
を重視する人も多いことから、ホームページが充実しているほど患者がポジティブにとらえてくれることも明らかです。
また、「閲覧する」の回答者がどの端末から閲覧しているかというと、50.4%がスマートフォン、41.8%がパソコンという回答。
より多くの人に見てもらうためには、スマホ対策が重要であるといえるでしょう。
クリニックのホームページは自作できる?
クリニック院長のなかには、非常にITに明るい方もいるかもしれませんが、基本的に、自分でホームページを制作するのはおすすめできません。
一番大きな理由としては、ホームページ制作にはそれなりに時間がかかるため、本業である医療に専念できなくなる可能性があります。
もちろん、ワードプレスなどのCMS(「コンテンツマネジメントシステム」の略。webサイトを比較的簡単に作成および更新できるシステム)を使えば、見た目の印象もよいホームページを作ることそのものはさほど時間がかかることではないでしょう。
ただし、集患のための機能を備えたホームページとなると、考えなければならないことが多くなります。
具体的には、SEO対策やMEO対策が肝となってくるわけですが、対策を取るためにはGoogleの改定なども踏まえてそのときどきでベストな施策を打つことが必要なため、普段からそのことを専業としているプロに頼んだほうが得策なのです。
とはいえ、それなりにITに精通しているドクターであればホームページに対するこだわりも大きいでしょうし、そうでなくとも、制作会社のセンスに納得がいかない結果となることなども考えられます。
そのため、先方のスキルや志向を見極めて、自院との相性を考慮したうえで制作会社を選ぶことも大切です。
制作会社を選ぶときのポイント
続いては、制作会社を選ぶ際のポイントを説明していきます。
医療系に強い(医療広告ガイドラインなどを熟知している)か、実績があるか
評判が高くても、医療系の広告に関して実績がない広告代理店は選ばないのが無難です。
制作者が、医療機器などのプロモーションコード、薬機法、医療広告ガイドライン、景品表示法などの法令を熟知していなければ、関連法規に抵触する広告になってしまう可能性があるためです。
薬機法や医療広告ガイドラインなどを熟知しているかの判断基準のひとつに「YMAAマーク」があります。これは「薬機法・医療法適法広告取扱 個人認証規格」のこと。
薬機法および医療広告ガイドラインの知識を習得している広告取扱担当者に付与されます。
また、景品表示法・特定商取引の知識を習得している広告取扱担当者に付与される「KTAAマーク」もあります。
「開院時」のホームページ制作実績を見ておく
開院に向けてホームページを用意する場合、スケジュールを厳守する必要があるため、ホームページ制作実績をチェックする際は、「開院時」のホームページ制作実績数をチェックしておくと安心です。
もちろん、開院時以外もスケジュール通りに進めるのが当たり前ではあります。
しかし、とりわけ開院時の制作に関しては、制作会社が率先して進行管理する必要があるため、実績が多ければ、頼れる存在となる可能性が高いでしょう。
直近の実績を確認しておく
Web業界は変化が非常に速いため、ホームページを制作する際に必要な技術もどんどん変わっていきます。
そのため、実績がたくさんあっても、そのほとんどが数年以上前に制作されたものであれば、最新のWeb業界の動向を熟知していない可能性も考えられます。
他業種でも構いませんので、できるだけ直近の制作実績を見たうえで、あらゆる要素を判断していきましょう。
実績を確認するだけでなく、実際にサイトを閲覧してみる
制作会社のホームページ制作実績確認の際、デザインを確認するだけでは不十分。
それぞれのサイトが利用者にとって使いやすいものであるのかを確認する必要があります。
パソコンやスマートフォンで各ページを閲覧したり、予約システムに入力したり、利用者にとってやさしいホームページかどうかは、しっかりとご自身の目で確認しておきましょう。
明確な数値目標やPDCAを提示してくれるか
制作費を払っても、結果が出なければ損でしかありません。
事前にしっかりと数値目標を出してその達成に向けて取り組み、「A/Bテスト」を繰り返すことで目標数字に近づけていってくれる広告代理店が理想的です。
目標値を100%実現することはなかなか難しいところもあるかもしれませんが、PDCAをしっかり回してくれる広告代理店であれば安心できるでしょう。
コンテンツ内容は誰が考えるか
ホームページに掲載する内容は、クリニック側で考える場合もあれば、制作会社から提案してもらえる場合もあります。
ホームページのイメージが明確で、伝えたいメッセージや方向性がカッチリ決まっているなら前者を好むクリニックも多いでしょう。
しかし、多くのクリニックは開業準備で忙しく、コンテンツ内容まで考える時間を捻出できないことも珍しくありません。
その場合は、コンテンツ内容の提案にも力を入れている制作会社を選ぶことをおすすめします。
簡単に更新できるかどうか
ホームページは「作ったら終わり」ではありません。
臨時休業や予防接種のお知らせなど、最新の情報を最速で公開できるようでなければ、ホームページを有効活用しているとは言えません。
制作会社のなかには、更新も自社が担当している会社がありますが、更新に時間がかかったり、更新のたびに課金されたりする場合もあるので注意が必要です。
できれば、自院で更新可能な仕組みにしてもらうのがおすすめです。
とはいえ、更新が難しい造りであれば、作業が億劫になってしまうことも……。
そのため、「自院でも簡単に更新できるシステムを使っているか」は事前にしっかりと確認しておくことが望ましいのです。
修正回数や途中解約の可否などの条件
用意してもらった広告やコンテンツの出来が気に入らず、修正依頼となった際、そのたびに追加料金が発生するとなると結果的に割が合わなくなるでしょう。
また、結果が出ずに解約したい場合に違約金が発生すると金銭的に痛手を負ってしまいます。
そのため、修正回数や途中解約の可否については事前にしっかり確認しておくことが大切です。
継続率
ホームページは、一般的に制作期間よりも運用期間のほうが遥かに長いものです。
そのため、利用者が継続して運用をお願いしたいと思える制作会社であるかどうかもチェックするといいでしょう。
マメにやり取りをしてくれるかどうか
運用状況の報告をマメにおこなってくれるなど、信頼に足る会社であることはなによりも大事です。
報連相がしっかりできていない会社であれば、要らぬストレスが溜まっていく一方となり得ます。
クリニックのホームページにかかる費用の相場
続いてはホームぺージの制作や運用にかかる費用の相場を説明します。
正直、経営者としてはまずはじめに気になるところではないでしょうか?
クリニックのホームページ制作費はピンキリですが、相場としては、比較的リーズナブルなプランであれば30万円~50万円程度 、ブランディング料込みの場合や多彩な機能を活用したい場合は80万円~200万円近くすることもあると思っておくといいでしょう。
ただし、ビジュアル重視の美容外科ホームページなどは高額になる場合が多いです。
また、美容外科でなくとも、デザインや写真にこだわると、金額が上がることは言うまでもありません。
もちろん、キャッチコピーをはじめとする文章などにもこだわり、それを制作会社に用意してもらうとなると、そのぶん、制作費用も制作期間もかかることになります。
クリニックのホームページ維持に必要な金額はどのくらい?
ホームページは、「作っただけ」では意味がありません。
最新の情報を発信することができなければサイトとして機能していませんし、セキュリティ上の問題が出てくることもあります。また、サーバーにトラブルがあったときなどはすぐに対処しなくてはなりません。
そこで必要になるのが、ホームページの「管理費」です。
管理費の内訳およびそれぞれの相場は以下くらいであると考えておくといいでしょう。
情報更新などの基本的な管理・サポート費:月額5,000円~2万円
管理システムのアップデートなどの対応込みのサポート費:月額2万円~5万円
また、管理に加えて、集患・増患のためのSEO対策などもつけるとそれ以上と考えていいでしょう。
費用を抑えるコツはある?
コーディングもできる程度にITに精通しているなら、制作会社にお願いするのはホームページ構築までで、それ以降の管理および維持を自らで行えば、費用は抑えられます。
ただし、その場合も、サーバー費用、ドメイン費用、SSL費用は必要です。
「サーバー」とは、ホームページを建てるための土地のようなもので、「ドメイン」はその住所。
SSLは、「ホームセキュリティ」と捉えるとわかりやすいかもしれません。
個人で趣味のサイトなどを作ったことがある人ならおわかりになるかと思いますが、サーバーに関しては無料のものも存在します。
しかし、データ容量が小さいうえ、ほとんどの場合、無料のサーバーだと広告が入ってしまうため、クリニックのホームページには不向きです。
また、一度ホームページを作った経験がある人なら、管理も問題なくおこなえると思うかもしれませんが、コンテンツの更新やWordPressのアップデートなどは、「こまめに」かつ「確実に」対応していくことが大切なので、本業の医療が忙しくなってくると、とてもじゃないけど自院では管理しきれないと匙を投げる場合が多いでしょう。
そうなってしまうのを防ぐためにも、最初から制作会社に依頼することを検討したほうが結果的に安心できるはずです。
重視したいポイント別!おすすめのホームページ制作会社一覧
続いては、重視したいポイント別の、おすすめのホームページ制作会社を紹介します。
【価格重視】手ごろな価格が理想なら
クリニック開業時には、人件費や機材費などなにかとお金がかかります。それだけでなく、土地・建物代やスタッフの当面の給料も賄わなければならないことを考えると、少しでも費用を抑えたいと考えて当然です。
Wevery!
- 集患対策やスマホ対応までついて、初期費用0円、月額5,000円から利用OK!
- クラウドシステムを導入しているので、常にサイトが自動でアップデートされる ・誰でも簡単に、内容の修正や追加ができる ・1,000件以上の医療機関・介護施設の経営支援をおこなってきた「日本経営グループ」が運営
Kurumi
- 制作費無料、月額9,980円~の月額性ホームページを提案
- 制作後の定期メンテナンス、アフターフォローが充実
- YouTubeにてPR動画の発信も可能
- アクセス解析標準装備。SEO/MEOなどの定期コンサルティングも実施
メディアプライムスタイル
- WordPressで制作しているため、PCやスマートフォンからも手軽に更新できる
- ハイクオリティなオリジナルベースデザインを利用
- コンセプトを明確にしている
- 反響を重視している
- 制作後は、サポートチームおよびクリニックごとの専属担当者がサポート
株式会社ピッコルーナ
- 女性スタッフが女性の目線でホームページを制作
- ちょっとした修正から新規制作の企画・運営まで小回りが利く
- 医療機関向けのホームページ制作の実績が豊富
- 女性をターゲットとしたクリニックのホームページ制作に最適
- 集患やイメージアップに強い
HS Works
- スマホでもサクサク見やすい
- 価格以上のクオリティ
- SEO対策が万全。SNSを使ったマーケティングも得意
【集患重視】とにかく結果を出したいなら
ホームページ制作だけでなく、ブランディングやSEO対策に関してまでまるっと任せられる制作会社がいいなら、各社にどんなことができるかを確認して、自院の要望にぴったりの一社を選ぶのがベストです。
ブランディングテクノロジー
- 医療専門のwebコンサルタントがクリニックの課題をヒアリングしたうえで、ブランディングを軸にした戦略を提案
- ブランド×デジタルを起点とした戦略企画を立案、プロジェクト設計を手掛けてくれる
- 公式サイトだけでなく、パンフレットやLP、バナーなども一気通貫で制作
- 制作したものを時代やニーズに合わせて調整しながら持続的に発展させていってくれる
- ターゲティングを基に投資対効果を最大化するネット広告施策を展開
- 広告やSEO周りのコンサルティングから、組織やブランドのコンサルティングまで幅広く対応
メディアコンテンツファクトリー
- 医療に特化したホームページ制作に定評あり。実績多数
- スマートフォン標準対応
- 季節に合った健康情報を毎月自動更新
- SEO対策、独自ドメイン取得などにも対応
バンラボ
- 費用対効果を最大限に考えた集患対策に定評がある
- 医療マーケティングのパイオニアとして全国のクリニックをサポート
- 広告運用の代行
- 医療人財スタッフの紹介もおこなっている
アクセルメディア
- ポータルサイト制作に特化した制作会社、数多くのポータルサイトを手掛けている
- 対策の内部要因を施したホームページ制作に力を入れている
- 検索エンジンの内部要因対策を実施
- サイト運営をより重視
- 自社サイト運営、サイト共同運営によって得た豊富な知識を提供
カルー
- Googleマイビジネスを活用した集患対策、マーケティングサポートに力を入れている
- SEO対策、口コミ対策、ポータルサイトの対策までサポート
- MEO対策も万全
レオリンク
- ホームページ制作だけでなく、リリース後の集患施策にも定評がある
- 各種SNSを活用して圧倒的な集患構造に仕上げる
- ブランディングにあったデザインで作成
- 機能拡張も自在
HS Works
- スマホでも使いやすい
- SNSを活用したブランディングが得意
- 価格以上のクオリティ
- SEO対策が万全
株式会社WEBMARKS
- ホームページの制作から集患までをトータルサポート
- SEO対策に対応
- コンサルティングを通して、広告運用費の適正化と集客効果向上を実現
【自家運用重視】自院でも更新することが前提なら
医師または事務や理事長などのなかに、パソコンが好きで自分もホームページ制作に携わりたい人がいるなら、内容の修正や追加が比較的簡単な、ホームページ作成サービスを選ぶのがいいでしょう。
K PROJECT
- 自院でのサイト更新のしやすさを意識したシステムを導入
- オプションで、有名アーティストのPV/MVを手掛けるカメラマンが動画や写真を撮影
- クリニックごとの魅力をわかりやすくサイト上で表現してくれる
【ユニークさ重視】他にないユニークな施策を取り入れたいなら
競合との差別化のためにもユニークな施策を取り入れたいなら、オウンドメディアの構築やグッズ制作を手掛けてくれる制作会社を選ぶのもいいですね。
デジタルトレンズ
- 1年契約の場合、オウンドメディア構築が無料になる
- ホームページ制作だけでなく、SEO/MEO対策などもサポート
- WEBコンサルとしてSNSの運用もサポートしてくれる
- 企画から実施、分析、改善まで一貫したサポートを提供
845 design
- 「想いをカタチに、想いを大切に、想いを忘れない」をモットーに心に残るデザインを手掛けている
- クリニックごとのイメージを大切にデザイン
- ホームページ制作だけでなく、内装、看板も請け負ってもらえる
- シールやバッチなどのデザインもOK!
まとめ
ホームページを用意することや制作会社を選ぶことを面倒だと感じてしまうクリニックも多いかもしれません.
しかし、充実したホームページが完成すれば、集患や増患が期待できることを考えると、面倒な工程も少し楽しく思えてきませんか?
相性のいい制作会社を見つけることができたら、さらに意欲的に取り組むことができるうえ、思った以上にカッコイイデザインがあがってきたらワクワクすることもあるかもしれません。
その実現のためにも、妥協しない制作会社選びを心がけてくださいね。
特徴
その他特徴
対応業務
診療科目
特徴
その他特徴
対応業務
診療科目
特徴
対応業務
その他特徴
診療科目
この記事は、2021年11月時点の情報を元に作成しています。