※ IT導入補助金2023 については以下の記事をご覧ください ※
IT導入補助金2023をクリニックで申請するには?今後のスケジュールと申請方法を解説
事業を展開していくうえでネックとなることの1つが「資金不足」。
それを解消してくれる助成金や補助金は上手に利用したいものですが、クリニックが利用できる制度としてどんなものがあるのかを知らないという人も多いはず。
そこで今回、クリニックが利用できる補助金の1つ、「IT導入補助金」について説明します。
IT導入補助金とは?
「IT導入補助金」は、正式名称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金」といいます。
わかりやすく説明すると、「ITツールの導入で業務効率が上がったり売上がアップしたりするなら、そのツールの導入にかかる費用の一部を出しますよ」というものです。
ただし、受け取るには審査をパスしなければいけません。申請を通って初めて補助金を受け取れるのです。
また、「導入によって業務効率向上や売上向上が見込めるITツール」なら何でもOKというわけではなく、導入したいソフトやサービスが、IT導入補助金での導入対象になっている必要があります。
申請を検討する場合は、まずはどんなソフトやサービスがIT導入補助金での導入対象になっているかを確認しましょう。
⇒参照・引用元:「IT導入補助金2020」公式サイト
分類の種類・対象は?
「IT導入補助金」には、いくつかの分類があり、以下の通り分類されます。
通常枠
まずは「通常枠」と呼ばれる分類のご紹介です。これは、生産性の向上に資するITツールの導入が補助対象となります。
この通常枠はさらに、導入するITツールでできることによって、A類型とB類型に分けられます。以下でそれぞれ詳しくご紹介していきます。
A類型
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務・資金回収管理
- 調達・供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営
- 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
- 業種固有プロセス
の6つの業務プロセスのうち、必ず1つ以上の業務を担うソフトウェアであること。
補助額:30万円以上150万円未満 補助率:1/2以内
B類型
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務・資金回収管理
- 調達・供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営
- 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
- 業種固有プロセス
- 汎用・自動化・分析ツール
の7つのプロセスのうち、必ず4つ以上の業務を担うソフトウェアであること
補助額:150万円以上450万円以下 補助率:1/2以内
【通常枠の補助対象者】
- (医療法人、社会福祉法人の場合)常時使用する従業員の数が300人以下であること
- (個人事業主の開業医の場合)資本金の額または出資の総額が3億円以下または常時使用する従業員数300人以下の個人事業主
- 交付申請時点において、日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営む法人または日本国内で事業を営む個人であること
- 交付申請の直近月において、申請者が営む事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること
- 補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上およびこれらと同等以上の数値目標を作成すること。 ※ただし、過去3年間に類似の補助金(IT導入補助金2019、2020、2021)の交付を受けた事業者については、当該指標を強化して、1年後の伸び率が4%以上、3年後の伸び率が12%以上及びこれらと同等以上の数値目標を作成すること。
- IT導入支援事業者と確認を行ったうえで、生産性向上に係る情報(売上、原価、従業員数及び就業時間、給与支給総額、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金等)を事務局に報告すること。上記に加えて、B類型の場合は以下の用件をすべて満たす3年の事業計画を策定して従業員に表明していることも申請条件となります。
- 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
- (被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
デジタル化基盤導入類型
中小企業・小規模事業者を対象に、インボイス制度の対応を見据えて、企業間のデジタル化を一挙に推進すべく、令和3年度に新設された枠組みです。
会計ソフト・決済ソフト・ECソフトなどのITツールに加えて、パソコン・タブレット端末・レジ・券売機などのハードウェア導入費用を優先的に支援する制度です。
補助内容はITツールとハードウェアで異なります。
ITツール(ソフトウェア)
- 補助額5万円以上50万円以下の場合:補助率は3/4以内
- 補助額50万円超350万円の場合:補助率は2/3以内
ハードウェア
- PC・タブレットなど:補助額10万円まで(補助率1/2以内)
- レジ・券売機など:補助額20万円まで(補助率1/2以内)
※通常枠で申請用件となっている「生産性向上に係る情報(売上・原価・従業員数および就業時間)・賃上げ目標(給与支給総額・事業場内最低賃金)については求められません
どの枠組みで申請すればいいのか迷った場合は、目当てのITツールのベンダーに連絡を取り、「IT導入補助金で導入したいのですが……」と相談するといいでしょう。
ベンダーにとっても大きな売上になるので、何型に該当するのかや申請時の注意点などを細かく説明してくれるはずです。
IT導入補助金2022の申請期限
2022年度のIT導入補助金の申請は既に始まっており、通常枠は1次〆切分の募集は終了、デジタル化基盤導入枠とは3次〆切分の募集まで終了しています。
今からでも間に合うのは以下日程の募集枠です。
通常枠(A・B類型)2次〆切分
締切日:6月13日17時
デジタル化基盤導入枠 4次〆切分
締切日:6月13日17時
申請に必要なこと、注意点
申請に際して注意すべき点がいくつかあります。
IT導入支援業者と相談することが必要
申請にあたっては、事務局に登録されたIT導入支援事業者に相談のうえで、自院の生産性向上に寄与するITツールを選択することが必要です。
IT導入支援事業者一覧は以下で確認できます。
GビズID(gBizID)プライムアカウントの取得
GビズIDとは法人(個人事業主も含む)のための「共通認証システム」です。
1つのアカウントで複数の行政サービスを利用することができ、各種補助金などの申請、経営力向上計画や事業継続力強化計画などの認定申請、社会保険の手続きなどを、インターネットを通して行えるものです。
なかでもプライムアカウントは、法人代表者や個人事業主のアカウントを指し、これを用意していないと、IT導入補助金をはじめとして、各種補助金の申請ができないこともあります。
プライムアカウントは、印鑑証明書と登録印鑑を押した書類を運用センターに郵送して、2~3週間で発行されます。事前に準備しておきましょう。
⇒参照:gBizID
SECURITY ACTION(セキュリティ・アクション)宣言が必須
「SECURITY ACTION」とは、中小企業・小規模事業者自らが情報セキュリティ対策に取り組む旨を自己宣言する制度のこと。令和3年度から、IT導入補助金の申請にあたって、これを行うことが義務付けられています。
⇒参照:SECURITY ACTION
提出物の発行期限などに気を付ける
法人ではない個人事業主の開業医の場合、以下の書類の提出が必要ですが、発行日や発行元に関して注意すべきことがあります。必要書類は以下の通り。
身分証明書
運転免許所(申請日が有効期限内であること)、運転経歴証明書(※裏面に記載がある場合は裏面も提出)
住民票
申請日時点で発行日から3か月以内であること
所得税納税証明書
- 納税証明書(「その1納税額等証明用」または「その2所得金額用」であること)
- 税目が所得税であること(消費税等は認められません)
- 直近分であること
- 発行元が税務署であること
所得税確定申告書B
- 確定申告書Bであること
- 令和2年分であること
- 税務署が受領していることがわかること
一方、法人がIT導入補助金を申請する場合は、「履歴事項全部説明書」および「法人税の納税証明書(その1またはその2)」の提出が必要になります。
「履歴事項全部証明書」とは、補助金や助成金を申請する際や、銀行融資を受ける際、オフィスを借りる際などに必要になる、法人の登記事項を証明する書類です。
申請が通った後にすることは?
申請が通ったら「採択」の通知が届きます。通知が届いたら、「事業実施期間内」に申請したITツールをきちんと導入したことを証明するために、契約書や支払いを示す書類を提出しなければなりません。
証憑の提出は、交付申請時にIT導入支援事業者から招待を受けた「申請マイページ」より行います。
マイページに証憑を添付して事業実績報告を作成した後、IT導入支援事業者が内容の確認および必要情報の入力を行うという流れになります。
IT導入支援事業者の確認が終わったら、クリニックからIT導入補助金事務局に事業実績報告を提出します。
まとめ
電子カルテやレセコンの導入がまだなら、IT導入補助金を活用して導入するのがおすすめ!
申請締め切り間近なので、スケジュールに間に合うよう準備を進めることで、開業準備を軌道に乗せることもできるはず。
クリアスでは「IT導入補助金」概要ブックも用意しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
申請の際には、じゅうぶん余裕を持った行動を。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2022年5月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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