【現役看護師の経験談】訪問看護師にとってiPadで使える電子カルテは便利すぎる

超高齢化社会の日本では、在宅医療のニーズは年々高まっています。在宅医療を新規に導入しようと検討されている、もしくはすでに提供されている方の中には、「訪問看護に電子カルテは必要なのか」「どういったメリット・デメリットがあるのか」知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事を書いている私は、実際にiPadを利用して電子カルテを使い、訪問看護ステーションで働いた経験があります。今回は、訪問看護の業務にiPadで電子カルテを使用して感じたメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

目次
  1. 【経験談】訪問看護の業務にiPadを使用して感じたメリット
    1. 1.情報収集に手間がかからない
    2. 2.荷物がかさばらない
    3. 3.場所を選ばずデータ確認や記録ができて便利
    4. 4.カメラ機能があり、データ保存ができる
    5. 5.手書きの読みづらさがない
    6. 6.タッチペンを使って書類にサインをしてもらえる
    7. 7.直行直帰が可能
  2. 【経験談】訪問看護でiPadを使用して感じたデメリット
    1. 1.操作に慣れるまでが大変
    2. 2.雨の日など水による故障が心配
  3. 電子カルテは質の高いケアに集中できる

【経験談】訪問看護の業務にiPadを使用して感じたメリット

実際、私が訪問看護の業務にiPadを使用して感じたメリットは以下7つありました。

  • 1. 情報収集に手間がかからない
  • 2. 荷物がかさばらない
  • 3. 場所を選ばずデータ確認や記録ができて便利
  • 4. カメラ機能があり、データ保存ができる
  • 5. 手書きの読みづらさがない
  • 6. タッチペンを使って書類にサインをしてもらえる
  • 7. 直行直帰が可能
  • ひとつずつご紹介します。

    1.情報収集に手間がかからない

    iPadは1台に全ての患者のデータが入っています。そのため、訪問する患者の事前情報を収集するたびに、カルテを出したりしまったりする手間がかかりません。

    経過の長い患者の場合は、分厚いカルテになりがちです。しかし、iPadで電子カルテを使えば、簡単に過去の記録にさかのぼることができるので、時間もかからず効率的でした。

    2.荷物がかさばらない

    訪問看護では患者のお宅に伺う際、体温計・血圧計・聴診器・保清用のエプロン・手袋・自分用のタオル・雨具などを持参します。

    私の場合、午前中だけの勤務だったので1日に訪問するのは3〜4件です。iPad1台あれば、3〜4人分のカルテや情報収集したメモなども必要ありません。移動が多い訪問看護で、荷物がかさばらないのは助かります。

    3.場所を選ばずデータ確認や記録ができて便利

    iPadは場所を選ばずデータ確認や記録ができます。患者の検温をしたらその場で入力できるので、タイムロスや記録もれがありません。

    ケアが長引き入力する時間がとれない場合は、自宅に持ち帰って入力していました。入力が終わったらすぐにログアウトすれば、第三者が簡単に閲覧できないようセキュリティもしっかりしています。どこでも作業できるので時間を有効に使え、育児と仕事の両立もしやすかったです。

    4.カメラ機能があり、データ保存ができる

    iPadにはカメラ機能があります。褥瘡・擦過傷・熱傷といったスキンケアを必要とする患者のデータ保存が簡単にでき、便利でした。訪問のたび、iPadのカメラを立ち上げて創部の写真を撮り、データを保存したあとに処置をします。訪問するたび創処置前後にiPadのカメラを立ち上げ写真をとり、データ保存します。そのため、後日次回の訪問時した際、創部の状態を前回と比較できます。

    また、自分が初めて伺う患者だとしても、類似の症状の患者にこれまでどんなケアをしたのかその場で確認できるので、安心して仕事ができました。

    5.手書きの読みづらさがない

    紙カルテを使っていると、人によって字にクセがあり、なんと書いてあるのか判別しにくいケースがあります。iPadで入力したカルテは手書きの時のような読みづらさがないので、ストレスなく仕事に集中できます。
    また、読み間違いによるインシデントやアクシデントも防止できました。

    6.タッチペンを使って書類にサインをしてもらえる

    iPadには契約書などの書類も保存してあります。そのため、患者の家族にその場でサインをしてもらえるのは便利だなと感じました。ペーパーレスになるうえ、書類整理の必要がないため効率的です。

    7.直行直帰が可能

    先ほどもお伝えしたように、iPadがあれば場所を選ばず作業ができます。何度か訪問した患者であれば、カルテから情報収集するためにわざわざ訪問看護ステーションに行く必要はありません。
    職場へ出勤はせず、訪問時間に間に合うように患者のお宅へ直行。検温やケアの合間に直前に訪問した患者のデータを入力して、自宅へ直帰することも可能でした。
    私の場合、娘が幼稚園児の時に働いていたので、お迎え時間に間に合うまで仕事ができるのはありがたかったです。

    【経験談】訪問看護でiPadを使用して感じたデメリット

    反対に、訪問看護の業務にiPadを使用して感じたデメリットは以下2つでした。

  • 1. 操作に慣れるまでが大変
  • 2. 雨の日など故障が心配
  • ひとつずつご紹介していきます。

    1.操作に慣れるまでが大変

    まず1つ目は、操作に慣れるまでが大変だったことです。私は普段からiPhone、iPad、MacBookを利用しています。Mac関連の操作には不慣れではない、と自負してはいたものの、iPadを利用して電子カルテを使うとなると使い勝手が違いました。また、私が利用していたiPadにはキーボードがなかったことも理由になります。

    働き始めてしばらくは、「文字入力の切り替えがややこしい」「手で書いたほうが早い」と感じていました。とはいえ、1ヶ月もすればストレスなく操作できるようになりました。人によりますが、操作に慣れるまでには多少時間がかかってしまうかもしれません。

    2.雨の日など水による故障が心配

    続いて2つ目は、雨の日や振動などで故障が心配だったことです。訪問看護の患者は、雨でも雪でも訪問看護師がくるのを待っています。なぜか私が訪問する日は嵐のような雨のケースが多く、たびたび雨具を着て患者のお宅へ伺っていました。その際、自転車のかごにiPadの入ったバッグを積んでいます。カゴカバーはしているものの、濡れて故障しないか毎回ヒヤヒヤしていました。
    また、自転車やバイクで移動する際の振動も気になりました。データが消えないよう、バックアップはこまめに取るようにしていました。

    電子カルテは質の高いケアに集中できる

    今回、実体験として訪問看護でiPadを使用したメリット・デメリットについてお伝えしてきました。デメリットもありますが、作業の効率化・便利さからいってメリットが上回っていると感じます。

    とはいえ、令和2年度の厚生労働省の報告によると、電子カルテ(医事会計・電子カルテ)の導入率は、

  • 病院37.1%
  • 診療所37.1%
  • 歯科診療所29.0%
  • と、まだまだ普及率は低い傾向にあります。
    参考:日本における医療情報システムの標準化に関わる実態調査研究

    導入していない理由として、

  • コストがかかる
  • 紙カルテからの移行に時間がかかる
  • PCが苦手なスタッフが多い
  • といったものが挙げられます。

    iPadでの利用となると、クラウド電子カルテが必要になりますが、クラウド電子カルテの普及になるとさらに低くなります。ただ、実際にケアをしている看護師としての本音は、「患者さんに関わる時間を増やし、充分なケアを行いたい」です。患者に満足していただけるケアに集中するためにも、安定した経営・クラウド電子カルテなど質の高いデジタルツールを導入する必要があるのではないでしょうか。

    Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

    特徴

    1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

    対象規模

    無床クリニック向け 在宅向け

    オプション機能

    オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

    提供形態

    サービス クラウド SaaS 分離型

    診療科目

    内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

    執筆 現役看護師 髙橋マキ

    正看護師歴26年。総合病院や個人病院の脳外科・循環器内科・ICUなどで勤務後、出産と子育て・転居をきっかけにフルタイムからパート勤務へシフト。クリニック・訪問看護・地域包括病棟などで実績を積んでまいりました。現在は、看護師パートをしながら在宅Webライターとしても活動しています。これまでの経験をもとに、皆さまに分かりやすい記事を提供させていただけたらと思います。


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