整形外科で「算定漏れが起きる理由」とは?|原因とその対策を解説

「患者数は増えたのに、収益が変わらないな」

「あれ?この人ギプスじゃなくてシーネ固定のはずなのに…」

「算定漏れしてるのかも、でもどうしたらいい?」

このような悩みを抱える整形外科の医師は少なくありません。

日々の診療の中で、ふと目にしたレセプトのことが気になるものの、具体的にどんな対策をすればいいのか、答えをすぐに出すのは難しいものです。

そこでこの記事では、整形外科で起こりうる診療報酬の算定漏れについて、その理由をご紹介します。明日から取り組める対策もお伝えしていますので、ぜひ最後までご覧ください。

算定漏れが起きる理由

なぜ診察から会計までの導線ができているのに算定漏れが起きてしまう……その理由として挙げられるのは、やはり職種間の連携がうまく取れていないことにあるといえます。

日々の診療の中でそれぞれが役割を全うしているのは現場を見ていれば分かりますが、連携の部分で考えると立ち止まるべきポイントがあるもの。多くの患者さんの対応が必要な外来だからこそ、全体を俯瞰して見ることで分かる内容があります。

その内容について、3つの職種の観点から詳しくお伝えします。

医師による要因

診療時間の中で、医師は患者さんと対峙するか、カルテと対峙するかのどちらかに多くの時間を割くのが一般的です。

医師の仕事としては診察が最優先。カルテ記載や指示だしなどの部分は流れ作業でやらないと、待ち時間にも響いてしまいます。だからこそ「早くこなそう」とするあまり、診療報酬では大切な診療の根拠が抜けてしまう可能性が高いのです。

さらに「記録関係は必要最小限に止め、残りは落ち着いてからやる」と後回しにしてしまう(もしかしたらこの記事を読んでくださっている先生にもご経験があるかもしれませんが)と、記録だけでなく記憶も曖昧になり、実施した医療行為を100%カルテに残せず、結果として算定漏れに繋がる要因になるのです。

看護師による要因

診察時に看護師が関わるシーンとしては、医師の指示をもとに、処置のサポートや患者さんの説明対応などが主になるかと思います。

医師と重なる部分がありますが、診療が忙しい日は多くの患者さん対応を要するため、「誰に」「何をやったのか」という実施記録の部分で抜け漏れが起きるリスクがあります。

例えば、ナート後の創傷処置で使った薬剤量や材料の個数など、細かい部分は後から思い出すのは困難です。

多くのクリニックでは、チェックリストを使って簡便に実施記録が残せるようになっているでしょう。しかし、使いやすいものになっているか、使っていない項目はないかなど、現状とマッチしたものになっているかの確認は必要です。

事務による要因

事務による要因として挙げられるのは、レセプト点検の場面です。

医療事務は特別な資格が不要で、始めやすい職業として人気があります。採用する側としても人が集まりやすいのはメリットです。

その反面、医療に精通している人材はあまり多くなく、現場に入ってから学ぶケースの方が比率としては多いでしょう。すると診療内容のイメージができないため、自分の知識の中だけで「なんとなく」進めてしまうリスクがあります。

整形外科で起きやすい算定漏れの実態

整形外科の診療において算定漏れが起きやすいのは、部位の選択です。

なぜなら、診療報酬で定めている部位と、診療現場で使う部位では、対象範囲に違いがあるからです。

例えば、右腓骨骨折の患者さんに対して、整復術を行った場合、骨折非観血的整復術が算定項目になります。ここで注意したいのが、診療報酬上では下記の振り分けとなっている点です。

  • 下腿:1780点
  • 足その他:1440点

今回の例でいえば腓骨が対象部位のため当然ながら高い方の「下腿」で算定できます。ところが、カルテに右腓骨骨折と書いてあると、安い方の「足その他」で算定されてしまう場合があるのです。これは整形領域の知識が浅い、新人スタッフや転職で採用されたスタッフに起こる可能性が高いです。

レセプトでもパッと見は問題ないように見えてしまいますが、3,400円の損失は馬鹿になりません。

算定漏れを防ぐ施策

ここまで算定漏れに関する実態についてお伝えしてきましたが、算定漏れを防ぐための施策もあります。

ここで大切なのは、大きなことをする必要はないということです。

対策と聞くと抜本的な見直しが必要に思われるかもしれませんが、日常の中での工夫で十分な効果が得られる内容もあります。

それでは、どのような工夫で算定漏れが防げるのか、診療サイドと事務サイドの2つの側面からお伝えします。

診療サイドでできる施策

診療サイドでできる施策として、「丁寧なオーダー」と「記録」が挙げられます。これらをしっかりとしておけば、日々の算定漏れの大半はなくせるといっても過言ではないでしょう。

ここでのポイントは、「定型文」を使うことです。 具体的には、なぜその処置や検査をするのかが分かるような「定型分コメント」を残すと、その情報を受け取った事務サイドの負担が軽減します。

診療でよく使う文言を定型文として電子カルテなどに登録しておけば、必要最小限の労力で大きな成果を得られます。実際に私がいた施設でも、定型文の利便性に気づき、専用のワーキンググループが発足するほど、一度使うと手放せないものになっていました。

忙しい診療だからこそ、効率化できる部分は推し進めてスムーズに診察を回したいものです。定型文を活用したオーダーと記録に取り組んでいただけたらと思います。

事務サイドでできる施策

事務サイドでできる施策として、まずやるべきは診療報酬の理解です。

冒頭に申し上げたように、診療の場面と診療報酬の内容を紐付けられない事務は、意外と多いです。

医療事務の中には現場を見ているのではなく、カルテの画面やレセプトだけを見ている人もいるため、文字面だけの算定になっている可能性があります。

そのような状況を打開するには、院長からの直接指導が最も効果的ですが、忙しい中で時間を確保するのは難しい場合もあるかと思います。そのような場合には、外部講師を招いたり、外部セミナーに参加したりなど、積極的な教育が効果的です。

限られたリソースやマンパワーの中で、レベルを上げつつ算定漏れをなくすためには、診療報酬の理解が絶対です。そのためには知識の獲得を促進する取り組みを始めるのが、最短ルートだといえます。

改善が維持できる仕組み化

改善活動を始めたら、その状態を維持するための仕組み化が必要不可欠です。

人はこれまでと違うことをやると、元に戻そうとする力が働きます。そのため、短期的に改善できたとしても長続きせず、すぐにやらなくなってしまいます。そのような状況にならないためには、仕組み化が必要です。

具体的にはPDCAサイクルをクリニック全体で回して、改善活動を組織の文化にするものです。「文化」と聞くと大変なものに思えますが、A4用紙1枚あれば問題ありません。

A4用紙を4分割しそれぞれ、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)に分けて、何をやったのか、やった結果どうだったのか、診療サイド・事務サイドで行った施策を振り返りながら埋めていけば、それだけで立派なPDCAシートが完成します。

このPDCAシートを見返せるように全員で共有すれば、現状維持や衰退は減らせる仕組み化が可能な状態になるでしょう。

まとめ

算定漏れは知らぬうちに起きているものです。そして、気付けたとしても根本の部分が解決できなければ、改善は一時的なもので終わってしまいます。

とくに整形領域は、日々新しい医療材料や医療機器が開発され、診療報酬の変化にも対応が必要です。

日進月歩で進化する医療業界に対応できる骨太のクリニックにするためには、算定漏れ対策を始めとする改善活動が欠かせません。

ただ、これまで改善活動をやったことがない場合、ハードルが高く感じてしまう部分もあるでしょう。そのような時は、経験豊富な外部講師を招くなど、きっかけ作りを外に求めるのも一つの手です。

患者さん満足度と業務効率化を一気に改善!

特徴

診察後の会計待ち時間は、患者さんが最も待ちストレスを感じる時間となります。また、対面でのやりとりで職員の方々も気を使うタイミングです。電子カルテ確認、医事会計入力を経て、領収書/明細書/処方箋の印刷、患者さんの呼出と一気に煩雑に作業が押し寄せ、どうしてもヒューマンエラーが起きやすい状況での現金の受渡しとなります。医事会計システムと連携する自動精算機で、一気にその負担を減らすことができ、スムーズな精算の流れををつくることができます。

タイプ

セルフ セミセルフ

決済

現金 クレジット 電子マネー

システム提携

電子カルテ レセコン

機能

会計機能 精算機能 領収書発行 明細書発行 お薬引換券発行 自動再来受付

種別

POSレジ

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内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
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執筆 医療ライター 武田 直也

フリーランスWebライター。18年間医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かし、カルテ監査やDPCデータ、クリニカルパスなど医療情報の活用に精通している。


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