ほとんどの治療・処置が自由診療となる美容クリニックに対して、「開業したら儲かる」というイメージを抱いている人は多いでしょう。
しかし、患者から選ばれるためには、競合から抜きん出た存在にならなければなりませんし、美容クリニックの場合、機器や内装に投資することもそのために必要です。
では、美容クリニックの開業資金は総額でどのくらいかかるのでしょうか? 詳しく解説していきます。
美容クリニック開業資金の総額は?
美容クリニックの開業に必要な資金は、5,000万円~1億円程度といわれています。一般内科が5,000万円~8,000万円程度、皮膚科が4,000万円~6,000万円程度であることを考えると、かなり高額であることがわかるでしょう。
ちなみに、もっとも開業資金が少ないとされるのは心療内科・精神科で、物件のほかには、最低限、机と診療用ベッド、電子カルテがあれば開業できることから、開業資金は1,500万円~2,500万円程度で済みます。
また、美容クリニックと同レベルの開業資金が必要な診療科としては脳神経外科などが挙げられ、CTやMRIなどの機械をそろえる場合は、2億円を超えることもあります。
美容クリニック開業資金の内訳は?
美容クリニックの開業資金が他の診療科に比べて高額な理由としては、まず、高度な医療機器を導入する必要があることが挙げられます。シミ取りやシワ改善目的で使うレーザー機器は、数千万円を超えることもあります。
また、美容クリニックはアクセスのよさも大切であることから、テナント料が高くつきやすいだけでなく、美容への関心が高い患者は高級感ある内装を好む傾向にあることから、内装費および家具購入費も高くつきがちです。
内訳のおおよその目安は以下の通りです。
- 物件(敷金・礼金・仲介手数料込み):1,000万円~
- 設備・内装工事:2,500万円~3,000万円
- 医療機器:3,000万円~3,500万円
- マーケティング:500万円~
- その他、電子カルテや家具の購入費:500万円~
このほか、人件費、福利厚生費、交際費からドクターの生活費まで含む「運転資金」も数か月分は必要です。開業からしばらくは、支出が収入を上回ることが多いため、資金面に不安を感じることなく経営に集中するためにも、3~6か月分の運転資金は予算として計上しておくことが望ましいといえます。
美容外科と美容皮膚科で開業資金に違いはある?
美容外科と美容皮膚科は、いずれも「美容クリニック」にカテゴライズされるため、開業資金の目安に関しては大きな違いはありません。ただし、提供する施術によって必要とする機器が異なるため、どんな施術に力を入れるのか、最新の機器を導入するのかなどによっては資金が大きく異なってきます。たとえば、ボトックス注射やヒアルロン酸注射など、大掛かりな機器が必要ない施術メニューを多く取りそろえるのであれば、機器の導入に大きな金額を必要としません。一方、人気の超音波機器などのなかには、本体だけでなく消耗部品も非常に高額なものもあるので、患者のニーズや流行などを見極めながら、導入するものを見繕っていくことが大切です。
医療脱毛クリニックとして開業する場合の資金は?
また、美容クリニックのなかでも専門に特化している医療脱毛クリニックに関しては、美容外科や美容皮膚科と比べて少額で開業が可能です。開業資金の目安は1,300万円程度です。内訳は、「物件」「設備・内装工事」「医療機器」「備品代」「初期人件費・光熱費」「広告宣伝費」と、美容外科や美容皮膚科とほとんど変わりませんが、導入が必要な医療機器が医療用脱毛器のみであるため、安く抑えることができるのです。
ただし、医療脱毛クリニック市場はかなりのレッド・オーシャンなので、「男性専用」「医療脱毛クリニックが少ないエリアでの開業」など、なんらかの工夫を考えなければ経営を軌道に乗せることが難しいかもしれません。
美容クリニック開業の自己資金割合は?
開業資金の全額を自分で用意する必要はありませんが、自己資金0では融資を受けることは難しいです。
そのため、最低でも1割程度の自己資金は用意する必要があります。一般的には、1~2割程度の自己資金を用意することが望ましいとされています。
美容クリニック開業の融資について
融資可能な金額は?
約5,000万円~1億円の開業資金のうち、1~2割程度が自己資金となると、残りの8~9割に該当する4,000万円~9,000万円を融資で賄うということになります。
融資はいつまでに返せばいい?
開業資金で融資は、返済期間が定められています。どこの銀行、どこの民間金融機関から融資を受けた場合も、設備資金に関しては20年以内、運転資金に関しては7年以内に返済することが条件です。
そのため、融資を受ける際には返済計画表を提示するだけでなく、開業後も、スムーズに返済していくために経営を安定させる必要があります。
また、融資に関してもうひとつ考えなくてはならないのは金利です。金利のパーセンテージは融資を受けた先によって異なりますが、1%台~2%台の金利がつくところが多いようです。
開業支援をおこなっているコンサルを探すのも一手
開業資金の集め方や融資の受け方について不安がある場合、開業支援をおこなっているコンサルティング会社に相談するのもおすすめです。クリニックの開業支援をおこなっているコンサルティング会社は星の数ほどありますが、そのなかでも、美容クリニックの開業支援を得意としているコンサルティング会社を選ぶといいでしょう。たとえば、以下のようなコンサルティング会社があります。
中古機器販売・開業支援の「株式会社アルク」
美容クリニックの開業支援に特化している「株式会社アルク」は、医療美容機器の中古買い取りおよび販売もおこなっているので、初期費用を抑えたいクリニックにとっては相談する価値が大きいといえます。
ブランド立ち上げとドクターズコスメの開発をサポートしてくれる「VIRGINIA」
クリニックプロデュース事業、ドクターズコスメ事業を2本の柱としている「VIRGINIA」。経営内部にまで入り込み、ブランド立ち上げから事業クローズまで一貫して支援する“当事者型コンサルティング”で、数々のブランドを創出してきています。
美容クリニック業界に特化したweb数客コンサルティングサービスが得意な「MPH」
集客戦略立案、ブランディング戦略立案から市場調査の実施、効果測定、ターゲット選定、キーワード選定、SEO対策、競合調査まですべて任せることができます。同社の支援を受けたことで、1年間で来院数が昨対比250%アップしたという事例も。
広告やテクノロジーを駆使して美容医療に変革をもたらす「BLOCC PARTY」
戦略策定から戦術にいたるまでのプランニング、集患やリピートにつなげるためのプロモーション、業績をアップさせるマネジメント、最新の機材選定など、トータルで任せることができます。
富裕層向けのクリニックにおすすめの「affluent」
富裕層向けメディアの発行をはじめとした複数の事業を展開している「affluent」は、独自の視点で開業をサポートしてくれます。特に、ハイクラスな患者をターゲットとしたいクリニックにはおすすめです。
成果報酬型・自由診療医院解説支援「KSメディカルサポート」
「資金調達」「集患ノウハウ」「経理事務」「スタッフ確保」の4つを強みとして掲げている。成果報酬型のコンサルティング会社です。費用対効果に関して不安のあるクリニックには向いているといえるでしょう。完全保証プログラムも用意されています。
開業支援から自費診療メニュー導入まで対応可能な「Wing One」
開業支援だけでなく、自費診療メニュー導入に関しても支援してくれるので、初めての開業で不安なドクターにとっては心強いパートナーとなるでしょう。
開業資金を抑える方法を考えることも大切
前述の通り、開業資金の8~9割は融資によって賄える可能性があるとはいえ、返済期間や金利を考えると、借りる額は少しでも減らしたいところです。
そのためには、開業資金そのものを抑える方法を考える必要がありますが、たとえば、自院にサーバーの設置が不要なクラウド型の電子カルテを選ぶこともそのひとつ。
たとえば、CLIUSの場合、初期費用0円、月額12,000円で利用することが可能なので、ぜひ候補のひとつとして検討してみてくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
特徴
対応業務
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診療科目
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提供サービス
取り扱い商品
診療科目
この記事は、2023年4月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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